週間情報通信ニュースインデックスno.1140 2018/07/28


1.多摩のビル建設現場火災、AWS向けデータセンターの可能性が濃厚(7.27 日経クロステック)
   東京都多摩市で発生したビル火災の建築現場は、米アマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services)のクラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」向けのデータセンターである可能性が高いことが、日経コンピュータの取材で2018年7月27日に分かった。複数の業界関係者が明かした。

 火災は2018年7月26日午後1時45分ごろ、東京都多摩市唐木田1のビル建設現場で発生した。建設中の建物はオフィスビルの「多摩テクノロジービルディング(仮称)」。延べ床面積は1万7666.89平方メートルとされる。三井不動産が100%出資する南多摩特定目的会社から安藤ハザマが工事を請け負い、2018年10月に工期終了の予定で建築が進んでいた。三井不動産の資料によると、用途は「事務センター」である。

 三井不動産は日経コンピュータの取材に「入居する顧客は守秘義務のため明かせない」(広報)と回答。用途については「事務センターと呼んでおり、顧客が入るオフィス部分も一部あるが、実質的にはデータセンターとしての用途だ」(同)とした。

 アマゾン・ウェブ・サービスは2011年に日本国内初のデータセンターとして東京リージョンを開設し、2018年2月には大阪ローカルリージョンを設けた。事実関係についてアマゾン ウェブ サービス ジャパンに問い合わせたが、午後9時30分の時点で連絡がつかなかった。

   2.遅すぎる光回線問題を解決、IPoEに参入したNTTコムの事情(7.27 日経クロステック)
  1Gビット/秒の光回線を使っているのに、時間帯によっては実効速度が数十Mビット/秒しか出ない──。こうしたユーザーの不満に応えるため、インターネット接続事業者(ISP)が「IPoE」という方式を使ったインターネット接続サービスを続々始めている。

 そして業界最大手のNTTコミュニケーションズ(NTTコム)もIPoE方式によるサービスに参入。2018年6月27日、個人向けサービス「OCN v6アルファ」と法人向けサービス「OCN光 IPoEサービス」の提供を始めた。

 IPoE方式とは、ユーザーがNTT東西のアクセス網(NGN)を使ってインターネットに接続する方式の1つ。このほか「PPPoE方式」がある。PPPoE方式は混雑しやすいネットワーク構成とされており、トラフィック急増に伴いユーザーの実効速度が遅いという課題が顕在化している。これまでNTTコムはPPPoE方式を使い続けてきた。ここにきて、なぜ同社は方針を大きく転換したのだろうか。

 IPoE方式はかつて「ネイティブ方式」や「案4」と呼ばれ、2011年に開始されたNGNのIPv6インターネット対応と併せて導入された方式だ。ユーザー宅からISPのネットワークまでNGNがIPv6パケットを転送する。

 一方、PPPoE方式はかつて「トンネル方式」や「案2」と呼ばれ、NGN以前からIPv4でも使われていた古い方式である。ユーザー宅のホームゲートウエイとNGNの網終端装置(NTE)の間にセッションを確立し、その中を通してIPv6パケットを運ぶ。

 NTTコムがこれまでPPPoE方式を使ってきた理由の一つは、IPoE方式でサービスを提供できる事業者(VNE:Virtual Network Enabler)が当初3社に限定されていたことだ。「VNEがNTTグループ、KDDI、ソフトバンクの3グループとなったとき、当社が(単独で)手を上げるのはそぐわないと考えた」(NTTコミュニケーションズの任田大介 ネットワークサービス部 オープンネットワークサービス部門 担当部長)。

 もう一つの理由は、NTT東西にトラフィック中継を任せるのは、巨大なバックボーンを持つ最大手のISPとしての誇りが許さないというものだ。

 だが、ここにきてネットワーク環境が大きく変化した。インターネットのトラフィックの急激な増大だ。「個人は動画など、企業はクラウドなど、トラフィックのボリュームが増えている。効率的なサービス提供という意味でも、IPoEのほうがよいと判断した」(任田担当部長)。

 VNEの上限が当初の3社から2016年には16社に緩和されたことも後押しした。NTTコムは同年VNEになり、2017年にはIPv6についてIPoE方式を採用した。

 実はIPoE方式はIPv6には有効だが、そのままだとIPv4には効果がない。というのも、そもそもIPoE方式はIPv6パケットのみをNGNで転送するが、IPv4パケットについてはPPPoEと同じようにセッション経由で中継するからだ。

 そこで最近採用されているのが「IPv4 over IPv6」という方式だ。IPv4パケットをIPv6パケットでカプセル化して転送する。これにより、IPv6と同様にIPv4でもIPoE方式のメリットを享受できる。今回のOCN v6アルファとOCN光 IPoEサービスもこの方式を使っている。

 IPoE方式を使ったOCN v6 アルファは、PPPoE方式を使った従来サービスよりも高速という触れ込みだが、実際はどのくらい速いのだろうか。

 「ユーザーの環境によって変わるため一概には言えないが、自社環境で測定したところ、最も込み合う20時から22時までの間で従来数十Mビット/秒だったのが、120M?200Mビット/秒に上がった」(NTTレゾナントの岡本健太郎 メディア事業部 コンシューマサービス部門 担当部長、6月末までNTTコムに所属)。

 ただ、これはあくまで一例であり、ユーザーの環境によってどのくらい速くなるのかは変わってくる。「速くなるとは言いたいが、どれだけ速くなるかは一概には言えない。そこは我々も苦労していた点だ」(岡本担当部長)。そこでNTTコムは、実際にどのくらいの速度が出るのかユーザーに実感してもらうため、速度を測定するポータルサイトを9?10月をめどに用意する予定だという。

 IPoE方式によるIPv4インターネット接続サービスでは、NTTコムは後発となる。このため「セキュリティやサポートで差異化を図った」(NTTレゾナント メディア事業部 コンシューマサービス部門の高松紅美氏、6月末までNTTコムに所属)。

 具体的にはIPoEによる高速化に加えて、専用Wi-Fiルーターによるセキュリティの強化、訪問または遠隔による設定サポートである。また、通信量とセキュリティについて、ユーザーに分かりやすいようにスマホアプリによる「見える化」を実現した。同社によると業界で初めての取り組みだという。

 法人向けのOCN光 IPoEサービスについても、一番の売りはIPoE方式による高速化だ。ただし、個人向けサービスに比べ、より安定した通信が可能になるという。

 一つには、個人向けと法人向けで帯域を論理的に分け、個人向けのトラフィックが増えても法人向けサービスには影響が及ばないようにした。さらにPPPoEによる従来サービスに比べて帯域設計が2倍の「標準プラン」と、6倍の「ワイドプラン」を用意した。「お客さまによって、社員やパソコンの数、クラウドの利用具合などで必要な帯域が変わってくるので、品質・機能と価格を選べるようにした」(任田担当部長)。

 ワイドプランでは、通常の業務用通信とWindows Updateの通信で帯域を分離する。社内のパソコンで一斉にWindows Updateが実施されると、他の業務通信が滞ってしまうといった事態を防げるという。Windows Updateのパケットだけをより分けるのには、DPI(Deep Packet Inspection)を使っているという。

 こうした機能をOffice 365やG Suiteなどのクラウド宛てトラフィックにも適用することについては、「Windows Updateがある第2水曜日の朝にメールが使えなくなるといった問題に、まずは主眼を置いた。今後はアプリレベルで優先度を変えられればいいとは思っているが、具体的にコメントできる段階ではない」(任田担当部長)とした。

 法人向けサービスのもう一つの目玉は、固定のIPv4アドレスを使えるようにしたこと。「PPPoEでは当然できていたことだが、IPoEでもできるようにした」(NTTコミュニケーションズの岡本鉱平 ネットワークサービス部 オープンネットワークサービス部門 担当課長)。

 IPoE方式のIPv4 over IPv6では固定のIPv4アドレスを割り当てるのが難しい面がある。IPv4 over IPv6を使う場合、IPv6アドレスが変わるとIPv4アドレスも変わってしまう。ところが、NGNのIPv6アドレスは「半固定」という扱いで、完全な固定割り当てではない。NTT東西の計画的な工事などで、変更される可能性があるからだ。そこで「IPv6アドレスとIPv4アドレスをマッピングするサーバーを用意した」(岡本担当課長)。これによりIPv6アドレスが変わっても同じIPv4アドレスを割り当て続けられるようにしたという。 

   3.ソフトバンクとヤフーがスマホ決済サービスPayPayを2018年秋に開始(7.27 日経クロステック)
  ソフトバンクとヤフーの合弁会社のPayPay(ぺイペイ)は2018年7月27日、バーコードやQRコードを使ってスマートフォンで決済できるサービスの提供を同年秋に始めると発表した。サービス名は社名と同じ「PayPay」。Yahoo! JAPAN IDと連携させて、Yahoo!のアプリからPayPayの機能を利用できるようにする。

 クレジットカードと電子マネーから支払い方法を選択でき、加盟店がレジで提示したQRコードを利用者がスマホのアプリで読み取る方式である「ユーザー読み取り方式」と、利用者がスマホのアプリに提示したバーコードやQRコードをレジでスキャンする方式である「店舗読み取り方式」の2つを用意する。ユーザー読み取り方式は加盟店が負担する決済手数料を開始から3年間は無料とする。

 PayPayは2018年6月にソフトバンクとヤフーが合弁で設立した。新サービスの開発にあたり、ソフトバンクグループがサウジアラビアの政府系ファンドなどと組んで設立した10兆円規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(SVF)の出資先であるインドの電子決済サービス事業者「Paytm」と連携する。PaytmのバーコードやQRコードを使った電子決済関連技術を新サービスに応用する。 

   4.空調制御とAIで眠気を防ぐ、ダイキン工業とNECが共同開発(7.25 日経クロステック)
 ダイキン工業とNECは2018年7月25日、オフィスなどでの生産性を高める空調制御手法を実証したと発表した。適切に温度を変えて人に刺激を与え、不快感を与えずに眠気を覚ます手法の効果を確認した。実証した結果を踏まえ、PCに取り付けた小型カメラで人のまぶたの開き具合から眠気の兆しを検知して、空調や照明を自動で調整するシステムを構築した。7月に両社のオフィスの一部に試験導入した。

 作業者の眠気を測定する技術などをNECが、それを基に人が覚醒するように空調を制御する技術などをダイキンが担当した。まぶたの位置の検知や眠気の推定には人工知能(AI)を使っているという。NEC バイオメトリクス研究所の辻川剛範主任研究員は「具体的な計画は決まっていないが、2年以内の実用化を目指したい」と話す。

   5.グーグルの機械学習モデル開発サービス「AutoML」が自然言語処理や機械翻訳に対応(7.25 日経クロステック)
  米グーグル(Google)は2018年7月24日、機械学習モデルの開発を自動化するクラウドサービス「AutoML」の機能強化を発表した。従来の画像認識に加えて、文章の内容を判別する自然言語処理や機械翻訳にも対応した。独特の業界用語にも対応した翻訳AI(人工知能)などをユーザー企業がプログラミング不要で開発できるようになる。

 AutoMLは、グーグルがディープラーニング(深層学習)によって開発した機械学習モデルをカスタマイズすることで、ユーザー企業独自の機械学習モデルを自動的に作り出すサービスである。ユーザー企業に必要なのは少量の「学習データ」を登録することだけ。大量の学習データを用意したり、ニューラルネットワークの設計をしたりする作業は不要だ。

 同日に米サンフランシスコで開催した「Google Cloud Next 2018」の基調講演に登壇した「Google Cloud」部門のチーフサイエンティスト、フェイ・フェイ・リー(Fei-Fei Li)氏は、「AutoMLは最先端の人工知能を誰にでも使えるように民主化するものだ」と強調した。

 グーグルは画像認識モデルを開発できる「AutoML Vision」のアルファ版を2018年1月に開始し、7月24日からパブリックベータとした。また同日、内容に基づいて文章を分類する自然言語処理モデルを開発できる「AutoML Natural Language」と、機械翻訳のモデルを開発できる「AutoML Translation」を追加した。

 AutoML Natural Languageでは、ユーザー企業は分類(カテゴリー)を示すメタデータを付与した文章データをいくつか登録する。そうするとユーザー企業が設定したカテゴリー項目に基づいて文章を分類するAIができあがる。

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