週間情報通信ニュースインデックスno.1139 2018/07/21


1.勘定系にAWS採用、ソニー銀行が見込む効果(7.20 日経クロステック)
  国内の金融機関でいち早くAmazon Web Services(AWS)を導入したソニー銀行。これまで勘定系システムはAWS採用の対象外としていたが、2017年後半に勘定系システムの一部でAWSの採用を決定した。2019年秋以降に本番稼働する計画で、オンプレミス(自社所有)環境と比べ、運用を含む5年間のトータルコストは6割以上安くなる見込み。 

 勘定系システムのクラウド移行では、日本ユニシスと米マイクロソフトがクラウド版の銀行勘定系システムを開発中。稼働は2020年前後の見通しで、北國銀行(石川県)が採用を決めたほか、複数の地方銀行が導入を検討している。ソニー銀行は一部とはいえ、高い信頼性と処理性能が求められる銀行の勘定系システムをクラウドに移行する。 

 ソニー銀行がAWS採用を決めたのは、勘定系システムの一部である総勘定元帳とその処理システム。ソニー銀行の執行役員である福嶋達也氏は「勘定系システムの最も重要な構成要素の一つ」と話す。ソニー銀行はこれまで管理会計や市場系リスク管理などの銀行業務周辺系システムと、ファイルサーバーや決裁ワークフロー、グループウエアといった一般社内業務システム、開発環境の一部をAWSへ順次移行してきた。 

 AWS導入の目的はコストの削減や運用負荷の軽減、構築スピードの向上だ。福嶋氏は「オンプレミス環境と比べ、インフラの導入・構築期間は半減した。運用を含む5年間のトータルコストは4〜6割の削減効果が出ている」と語る。2013年末にAWSの利用を始めてから4年半で、新規も含め約40のシステムがAWS上で本番稼働済み。2018年中には銀行業務周辺系および一般社内業務システムの移行が完了する予定で、50弱のシステムがAWS上で稼働する見込みだ。 

 AWSの利用範囲を勘定系システムまで拡大する際に課題となったのが、日本国内での可用性だ。福嶋氏は「勘定系システムにAWSを使うには、地震や停電などのリスク要因を共有しない複数のリージョン(広域データセンター群)が国内に必要だった」と語る。勘定系システムでAWSを利用する検討を始めた時点では、日本国内には東京リージョンしかなく、国内の複数リージョンでのバックアップは実現できなかった。 

 東京リージョンには地理的に離れた場所に四つのアベイラビリティーゾーン(AZ)が存在するが、これでは不十分だった。AZは設備やシステムの障害において独立性の高いデータセンター群だ。福嶋氏はリスク要因を共有しないか確かめるため「AWSには各AZの住所が明かせないのなら、せめて直線距離で何キロメートル離れているか教えてほしいと伝えたが、教えられないとの回答だった」と話す。 

 結果として、AWSは2017年6月に大阪ローカルリージョンを2018年に利用可能にすると発表した。ソニー銀行はこれを受け、再度詳細なセキュリティ評価を実施し、2017年後半に勘定系の一部である、総勘定元帳とその処理システムでAWSを採用すると決めた。 

 AWSに移行する総勘定元帳とその処理システムは、オンプレミス環境で稼働する現行システムをAWS上で刷新する。福嶋氏は「総勘定元帳は重要なデータなので、東京リージョンでデータを多重化したうえで、大阪ローカルリージョンにもバックアップを取る仕組みを想定している」と語る。 

 利用するサービスは仮想マシンサービスの「Amazon EC2」と、オブジェクトストレージサービスの「Amazon S3」だ。東京リージョンにメインシステムを置き、大阪ローカルリージョンにバックアップシステムを用意する。 

 東京リージョンから大阪ローカルリージョンへのバックアップは、EC2インスタンスのマシンイメージである「Amazon Machine Image(AMI)」を使い、システム全体を複製する。東京リージョンのS3に保存した総勘定元帳のデータは、日次で大阪ローカルリージョンのS3にコピーする。 

2.モバイルでの優位性を武器に攻勢、ファーウェイのPC戦略(7.20 日経クロステック)
  モバイル業界では端末や基地局で高いシェアを持つ中国ファーウェイだが、PCやタブレット製品についても世界展開を強化している。日本市場では最新の「MateBook X Pro」が好調だという。

 ファーウェイは2016年の「Mobile World Congress」(MWC)で最初のPC製品を発表した。当時はモバイル業界最大の展示会でPCを発表したことがサプライズとなったが、2018年もMWCでノートPCとタブレットの新製品を発表し、同社が本気でPC市場に取り組んでいることを印象付けた。

 スマートフォンで世界シェア3位のファーウェイだが、PC製品は売れているのか。コンシューマービジネスグループでCOO(最高執行責任者)を務めるWan Biao(ワン・ビャオ)氏はインタビューに応じ、「期待を上回る反響だ。需要が供給を上回り、追い付いていない」と語った。

 2018年1月の「CES」では米国の大手携帯電話事業者によるスマートフォンの発売を断念するなど、中国製品を警戒する米国市場で厳しい状況に直面していた。だが、ノートPCは米国でも人気を博しているという。

 評価されているポイントとしてWan氏は、「これまでのノートPCにないスタイリッシュさや高級感」を挙げた。これまでファーウェイは、PC製品におけるイノベーションの停滞を指摘してきた。そこでスマートフォンやタブレットで培った技術をPCに応用するというのが、同社のPC戦略の根底にある。

 例えば、MateBook X Proの13.9型ディスプレーは周囲の額縁がほとんどない。最近のスマートフォンでは、本体前面のほとんどを表示領域が占める「フルビュー」が流行しているが、ノートPCではWebカメラの搭載などで限界があった。  そこでファーウェイが採用したアイデアが、Webカメラをキーボード面に配置するものだ。ビデオチャット時に下から顔を見上げる画角となってしまい、使い勝手にクセはあるものの、思い切った判断でノートPCの常識を覆すデザインを実現した。

 ほかにもWan氏は電源ボタンと指紋センサーの統合や、サラウンド技術「Dolby Atmos」の採用を優位性として挙げる。いずれもファーウェイがスマートフォンやタブレットに搭載してきた技術をPC製品に応用したものだ。

 価格帯について、ファーウェイは「プレミアムライン」を狙うという。単に高価格なものを出すのではなく、「それぞれの価格帯でプレミアム製品を持つ。まずはミッドハイのセグメントに投入したので、次はミッドレンジでプレミアム製品を出していく」(Wan氏)と説明する。

 ファーウェイはMWC 2018で5G(第5世代移動通信システム)のモデムチップを発表しており、5Gの競争にいち早く乗り込んでいく構え。これらの技術をどの段階でPC製品に応用してくるかにも注目したい。

  3.KDDIがホームIoT「au HOME」を機能強化、Amazon Alexaに対応(7.18 日経クロステック)
  KDDIは2018年7月18日、本社で記者説明会を開催し、ホームIoTサービス「au HOME」の機能拡充について発表した。8月7日より新機能を提供する。

 au HOMEアプリにコミュニケーション機能を追加。スマートスピーカーとしてGoogle Home以外に「Amazon Echo」にも対応した。au HOMEに対応したIoTデバイスも追加するという。

 説明会には、KDDI ホームIoT企画部 サービス企画1G マネージャーの管原弘晃氏が登壇。au HOMEについて、「2017年の7月31日にスタートした。当時はホームセキュリティが中心だったが、手軽に始められるホームIoTを目指し、Google Homeとも連携した」と紹介した。

 家の中からGoogle Homeに音声で話しかけると、外出先のスマホに通知する機能を新たに搭載する。スマホ側はau HOMEアプリに通知が表示されることをデモで示した。

 外出先のau HOMEアプリ側からは、スマホのカメラと宅内のネットワークカメラを接続し、ビデオチャットができることを示し、「スマートフォンを介さずに声だけでコミュニケーションできることが特徴だ」(管原氏)とした。

 パートナー企業とコラボレーションによりホームIoTを展開する「with HOME」では、新たなパートナーとしてビックカメラ、静岡ガスを発表。「連携パートナー23社とともに、ホームIoTを広げていきたい」(管原氏)と語った。

 質疑応答では、Googleアシスタント対応スピーカーへの対応状況について、「KDDIとしてすべてのスピーカーの動作検証はできず、Google Home対応としているが、Googleアシスタント対応のスピーカーでもご活用いただける」(KDDI ホームIoT企画部 サービス企画1G マネージャーの加藤圭氏)と回答した。

4.日本初はフリービット、携帯と固定の電話を融合するFMC用「060-0」番号(7.18 日経クロステック)
   フリービットは、総務省から日本初となるFMC(Fixed Mobile Convergence)用電話番号「060-0」の指定を受けたことを発表した。「060-0」番号の指定を受けた通信キャリアーとして、携帯電話と固定電話を融合させたサービス展開が実現可能になるとしている。

 FMCは、固定電話と移動体通信(携帯電話)を融合し、携帯電話機を固定電話の子機やオフィスの内線電話として使用できるサービス。発表によると、PBX(構内交換機)をはじめとする音声設備のクラウド化によるFMCサービスに対する需要は高まる一方だが、スマートフォンの特性を活かしたサービス提供が進んでいない状況だとする。フリービットは、今回の指定により通信キャリアーとして音声通話サービスを開発・提供可能となった。データSIMで「060-0」番号による音声通話を提供できるため、通信料金の削減が可能になるという。

 「060-0」番号を利用したサービス提供開始は2018年秋の予定。今後、個人向けサービスの展開も視野に入れ、FMCサービスの拡充を図るとしている。

    5.JAL整備部門でIP無線アプリ導入、専用機より月数十万円削減(7.17 日経クロステック)
  日本航空(JAL)の整備子会社であるJALエンジニアリングは、羽田空港で整備士相互間の業務連絡にIPトランシーバーのiPhone用アプリ「Aldio」を採用し運用を始めた。Aldioの開発元であるシアンス・アールが2018年7月17日に明らかにした。

 2018年2月に導入した。整備士が携行している197台の業務用iPhoneにAldioをインストールして通話する。整備作業中の通話にはBluetooth接続のスピーカーマイクを使用する。これまで整備士たちは業務用iPhoneとは別に専用のIP無線機を携行しながら整備作業を実施していた。しかし専用のIP無線機は重く、運用コストも高かったことから切り替えた。

 IP無線機からIPトランシーバーアプリへ移行することで、持ち歩く端末の台数を減らし携行品の重さを約500g削減したほか、運用コストも「1台あたり月額数千円程度節約できている」(シアンス・アール)としている。

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