週間情報通信ニュースインデックスno.1134 2018/06/09


1.ネットワンが工場向けIoTソリューション、2020年ごろに年100億円を目指す(6.8 日経クロステック)
  ネットワンシステムズは2018年6月8日、製造業向けに工場の生産性を向上させるIoT(インターネット・オブ・シングズ)ソリューションを提供すると発表した。同社が3年強にわたり大手製造業の顧客に提供してきた取り組みから得た経験や知見を基に体系化した。2018年度に40億円の売り上げを目指し、「2〜3年後に100億円まで増やしたい」(松本陽一市場開発本部長)とする。

 汎用的なソフトやクラウドサービスでIT化を進める事務部門と、生産性を重視して独自にOT(オペレーショナルテクノロジー:運用技術)を発達させてきた製造現場との間には大きなギャップがある。今回のソリューションでは、この間をつなぎ、工場で発生するIoTデータを収集・活用することで、製造現場の暗黙知を見つけ出すことを目指す。例えば、現場の見える化、製品のトレーサビリティ、設備の故障を事前に予測する予兆検知などが可能になるという。

 具体的には、工場のIoT化を(1)設備を安全につなげる、(2)データを活用する、(3)クラウドで分析する――という3段階で進める。(1)では「CPwE(Converged Plantwide Ethernet)」や「IEC62443」といった工場向けのネットワークを使ってセキュリティを保ちながら、産業用機器やロボット、センサーを接続する。(2)では、それらの機器から収集したデータを社内のサーバーに集めてデータを整備したうえで、可視化したり分析したりする。(3)では、クラウド上のサービスを利用して、それらのデータをより高度に分析する。

  2.グーグルがAI原則を発表、武器や監視活動への利用を禁止(6.8 日経クロステック)
  米グーグル(Google)のスンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)CEO(最高経営責任者)は2018年6月7日、AI(人工知能)利用に関する原則を発表し、武器や諜報活動へのAIの利用を禁止した。グーグルは米国防総省のドローン用AI開発プロジェクトに参加していたことを巡って社内外から批判を受けており、それらに応えた動きとなる。

 ピチャイCEOの声明文でより興味深いのは、常識的な内容が並ぶ7項目のAI利用の目的事項ではなく、4項目からなる禁止事項だ。ピチャイCEOはAI利用の禁止事項として「人々を直接的に傷つけることを目的とした武器やそれに類するテクノロジーへの適用」「監視(サーベランス)を目的とした情報収集のためのテクノロジーへの適用」「国際法と人権を害するテクノロジーへの適用」を挙げた。

 米メディアが2018年3月に、グーグルが米国防総省のドローン用AI開発プロジェクト「Maven」に参加していると報じて以来、グーグルは大きな批判にさらされていた。米国防総省のMavenは、ドローンが撮影した動画に写る被写体の動きをAIで識別するシステムの開発プロジェクト。「AIの兵器化」にグーグルが加担するものだとして、社外だけでなく社内の4000人以上の従業員がグーグルの経営陣を批判していた。今回、AI利用の目的事項と禁止事項を発表することで、AIの兵器化や諜報目的でのAI利用から距離を置く姿勢を明らかにしたことになる。

 ただしピチャイCEOは声明文で「当社は武器利用のためのAI開発はしていないが、今後も政府や軍には様々な分野で協力していくことは明言したい」と述べている。具体的な協力分野としては、サイバーセキュリティや訓練、軍の募集、退役軍人の医療、捜索救助などを挙げた。政府や軍との取り引きを全面的に禁止すると、DARPA(国防高等研究計画局)やIARPA(情報高等研究計画局)などが進める研究開発プロジェクトにも参画できなくなる。こうした問題を考慮したもようだ。

 またピチャイCEOは禁止事項として「全体的に害を引き起こす、または引き起こす可能性が高いテクノロジーへのAIの適用」を挙げているが、同時にこの禁止事項には「害をなすリスクがある場合でも、ベネフィットがリスクを実質的に上回っていると信じられる際には、安全に考慮しながらAI利用を進める」との例外も設けた。

 具体的に何が例外となるかは明言していないが、自動運転技術などが該当しそうだ。自動運転車が事故を引き起こすリスクは否定できないが、自動運転車が事故を引き起こすリスクよりも、人間が自動車を運転するのに比べて事故を減らせる、目が見えなくても自動車を利用できるようになるなどといったベネフィットが上回っていれば、AIの適用を認めるといった運用が考えられる。

 ピチャイCEOが挙げたAI利用の目的事項は以下の通りである。

(1)社会的に有益であること
(2)不公正な偏見を生み出したり助長したりしないこと
(3)安全を意識して設計・テストすること
(4)人々に対する説明責任を果たすこと
(5)プライバシー設計原則を組み込むこと
(6)科学的な基準を守ること
(7)これらの原則に合致する用途とすること
 ピチャイCEOは「これらの原則は理論的な概念ではなく、当社の研究開発や製品開発を統制する具体的な基準だ」と述べ、同社がこれらを遵守する方針を示した。

  3.セブンとトヨタが次世代のコンビニSCM構築で共同プロジェクト(6.7 日経クロステック)
  セブン-イレブン・ジャパンとトヨタ自動車は2018年6月6日、2019年春から順次、セブン-イレブンの2万店を超す店舗網と物流網を対象に、省エネルギーと二酸化炭素の排出低減を推進する次世代SCM(サプライチェーンマネジメント)の構築に向けた共同プロジェクトを開始すると発表した。

 具体的には、トヨタが新たに開発する燃料電池小型トラック(FC小型トラック)を2019年春に、羽田とお台場エリアに1台ずつ、合計2台導入。さらに同年秋には、店舗に燃料電池発電機(FC発電機)やリユース蓄電池(プリウスなどから回収した使用済みバッテリー)、それらを管理するBEMS(店舗エネルギーマネジメントシステム)などを導入し始める計画だ。

 セブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹代表取締役社長は「トヨタが持つFC技術やシステムを使って、次世代の環境配慮型コンビニを早期に実現していく」と宣言した。

 一方、トヨタはセブン-イレブンというパートナーと共に、コンビニの流通網というフィールドを借りて、FC小型トラック、簡単にいえば「水素トラック」の実地検証を現地現物で進めていく。

4.住まい×ICTで新サービス創出、NTT西日本が「ちょっと未来の暮らし創造プロジェクト」(6.6 日経クロステック)
  NTT西日本は2018年6月6日、ICTを住まいや各種施設などの不動産へ組み込むことで、利用者の様々な生活シーンをより安心・快適・便利にするサービスの創出に向けたトライアルを実施すると発表した。

 トライアルの名称は「ちょっと未来の暮らし創造プロジェクト」。当面の取り組みとして、クラウド上の「シナリオプラットフォーム(仮称)」にあらかじめ設定している機器連携・制御用のシナリオに基づき、日常生活における「コト(周辺環境、生活行動)」を各種センサーなどが検知し、その情報を基に身の回りの住宅機器や家電などをシームレスに連携させる。これにより適時適切な行動サポートや住空間の利便性向上を図る。この取り組みを通じて「NEW ORDINARY(これからの当たり前となるサービス)」の創出を目指す。

 検証対象のサービスは(1)エントランスの高機能化、(2)住宅機器・家電・IoTデバイスの連携・制御、(3)火災検知・通知の高度化──の3つ。順次検証し実用化に向けた検討を進めていく。

 今回プロジェクトのトライアルの一つとして、大阪ガスの協力を得て、同社の「実験集合住宅 NEXT21」において「住まい×ICT」に関する仮説検証やシナリオに基づく各種機器の動作検証を行い、新たなサービスの検討を実施していく。

 今後は、プロジェクトへの参画パートナー企業の拡大や、シナリオプラットフォーム(仮称)につながる住宅機器・家電・IoTデバイスを拡充させ、シナリオの多様化・実用化を図り、住まいに関連した新たなサービスを推進していく。

  5.総務省が携帯大手3社に行政指導、MVNO支援策など計11項目の改善を要請(6.6 日経クロステック)
  総務省は2018年6月6日、携帯電話市場の公正競争を促進するため、携帯電話大手3社を行政指導した。2017年12月〜2018年4月に開催した有識者会議「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」の報告書を受けたもの。

 行政指導はMVNO(仮想移動体通信事業者)支援策を中心に計11項目に及び、大手3社による対応を強く求めた「指導」と、純粋に対応を求めた「要請」の2段階に分かれる。

 前者の指導は、MNP(モバイル番号ポータビリティー)の円滑化や「2年縛り」の見直しなど。MNPについては、転出者が店頭や電話で番号を取得する際に引き止め工作を受けているとの指摘が出ており、Webでも受け付けるようにしてこうした事態を防ぐ。

 2年縛りについては、大手3社が2年間の期間拘束を設けつつ、実際には24カ月分以上の料金負担を求められる現状の見直しを求めた。2年契約満了時点までの違約金および25カ月目の料金のいずれも支払わずに解約できるようにする。

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