週間情報通信ニュースインデックスno.1133 2018/06/02


1.操作が超分かりやすい、Google Wifiは高すぎるか?(6.1 日経トレンディネット)
  グーグルからWi-Fiルーター(無線LANルーター)が登場した。「Google Wifi」という命名から、力の入れようを感じる。そもそも、Wi-Fiルーターは人気がある定番製品で、複数のメーカーが多くの機種を投入している。十分な性能を備える製品でも数千円。価格は下がりきっているので、製品としては“枯れつつある”と言ってもいいだろう。そんな状況で、グーグルがあえて投入したルーターは何が違うのか。

 Google Wifiは電波が届く広さは平米数での表記。1台だと85平方メートル以下(「マンションや中規模住宅」)、3台使ってメッシュネットワークを構築すれば170〜255平方メートル(「更に大きい・複雑な構造の住居」が目安という。従来製品とは表記の基準が違うのでやや比較しにくい。そもそも、1台で1万6200円、3台セットで4万2120円(いずれも税込み)と、最近のWi-Fiルーターとしては高いので、同じ基準で選ぶものでもないのだろう。だからこそ、特徴やどんなユーザーが買うべきなのかを検証してみたい。

 サイズは、直径106.1mm、高さは68.7mmとなっている。  本体には電源ボタンすらなく、WAN用とLAN用の端子、給電用のUSB Type-C端子を備えているだけ。しかも底に埋め込まれているので、設置してしまうと外からは見えない。本体にはLEDランプがなく、外周を取り囲むスリットが光って状態を示す。

 セットアップするは、まずスマートフォンに専用アプリをインストールしておく。続いて、ルーターのWAN端子にLANケーブルを、USB Type-C端子に電源ケーブルを接続する。あとはアプリの指示に従って設定すればいい。操作はスマホのカメラでルーターの底面にある二次元コードを読み取り、設置場所の名前を決めたり、「Wi-Fi名」(SSID)や「Wi-Fiパスワード」を設定したりするくらいで、非常に簡単だ。

 IPアドレスを指定してブラウザーで設定画面を開くような作業も不要で、スマホのアプリで完結する。アプリを使うため、設定画面のログインもいらない。しかも、外出先からでも操作できるのが便利だ。

 Google Wifiは、ルーターとアクセスポイントが連携し、電波を中継することで、広いエリアで快適に通信できるようにするメッシュネットワーク機能がある。Google Wifiを設置することで、このメッシュネットワークが構築できる。

 感心したのが設定の分かりやすさだ。これまでに説明した設定手順の後半にメッシュの設定があり、2台目以降のGoogle Wifiを電源に接続したら、指示に従って操作し、少し待てばいい。

 Google Wifiの専用のアプリでは、メッシュを含む通信状況をチェックできる。通信が遅いと感じたり、インターネットにつながらなくなったらテストしてみるといいだろう。こちらもとても分かりやすい。

 「ファミリーWi-Fi」機能では、子供向けに利用時間やアダルトコンテンツへのアクセスを制限できる。前者は指定した時間に、指定したデバイスでの接続ができなくなる仕組みだ。「自室で勉強する」と言って、実はネットゲームにいそしむようなことはできなくなるわけだ。個人的には、強制的に制限するのはあまり好きではないが、親子のルールとして運用できるならいいだろう。ゲスト用のWi-Fiが簡単に設定できるのも便利な機能だ。

 Google Wifiの価格は確かに高い。既存のルーターの倍以上する。ただ、メッシュで利用するなら妥当だろう。3LDK以上の広い家に住んでいて、すべての部屋で快適にインターネットを利用したいならお薦めする。

  2.グーグルがイラスト生成AIを開発、「バス風の猫」も自動生成(6.1 日経クロステック)
  グーグル日本法人は2018年6月1日、AI(人工知能)技術の最新の研究成果について発表する報道陣向けセミナーを開催した。研究プロジェクト「Project Magenta」を担当するデイビッド・ハー氏が登壇し、手書き画像を機械学習させてイラストを自動生成するユニークな研究成果を説明した。 

 一般的な画像解析AIは画像の中身をピクセル(点)の集まりとして把握する。「ピクセルに関する研究は昔からあるので、全く新しい形で画像解析する研究に取り組もうと考えた」(ハー氏)。ハー氏の研究では画像をベクトル(線)の集まりとして把握する。つまり、ペンで書いた結果の点ではなく、ペンで手書きする過程の位置や向き、書いた順番から画像を解析する。

 膨大な数の猫や豚などの手書き画像を機械学習させた「猫モデル」「豚モデル」「バスモデル」などを構築済み。猫のような絵を手で描くと「猫」と自動認識する。目が3つある間違った猫の絵を入力すると、目の数を2つに自動的に減らして補正した絵を出力する。歯ブラシのイラストを「猫」として入力すれば、「歯ブラシ風の猫」の絵を出力する。 

 猫モデルとバスモデルを合成すると、アニメ作品に出てきそうな「バス風の猫」を生成する。ハー氏は「イラストを書くクリエーティブな作業をAIで支援したい。子供の知育教材にも活用できるだろう」と話した。

3.AWSが機械学習のSageMakerを東京リージョンで提供開始、7月にはコンテナのFargateも(6.1 日経クロステック)
  米アマゾン ウェブ サービス(AWS)は2018年6月1日、機械学習モデルの開発実行環境「Amazon SageMaker」を東京周辺の広域データセンター群「東京リージョン」で提供開始した。さらに同日、Dockerコンテナの基盤サービス「AWS Fargate」も同年7月から東京リージョンで提供すると発表した。

 Amazon SageMakerは「Jupyter Notebook」という対話型ツールを備え、機械学習モデルのビルドから学習、デプロイ、実行までを一貫して行えるサービス。インスタンスの台数を自動的に増減させるオートスケーリングの機能も備える。対応する機械学習フレームワークは「TensorFlow」や「MXNet」などで、6月1日にはPythonベースの「Chainer」にも新たに対応した。

 AWS FargateはDockerコンテナの実行基盤および管理サービス。論理的に独立した仮想ネットワーク「Amazon Virtual Private Cloud(VPC)」内で動作する。ユーザーは仮想マシンのサイジングや管理の手間を掛けずにコンテナを使える。AWS独自のコンテナ管理機能(オーケストレーター)を搭載する一方で、デファクト(事実上の標準)といえるオープンソースのオーケストレーター「Kubernetes」を搭載したサービスも2018年中に提供する予定という。

4.セブン&アイがANAやドコモなど10社とビッグデータ連携(6.1 日経クロステック)
  セブン&アイ・ホールディングスは2018年6月1日、ANAホールディングスやNTTドコモなど異なる業界の大手企業10社と共に、データ活用の研究会「セブン&アイ・データラボ」を発足させた。複数の企業間によるビッグデータ連携としては、国内最大級の取り組みになるという。

 どの企業も自社で保有するデータだけを使った分析には限界がある。そこで幅広い業界の企業が個々に持つビッグデータから得られた知見をお互いに持ち寄り、社会問題などの課題解決に協力して役立てることを狙う。

 まずはセブン&アイと参加企業が1対1で課題を設定。実証実験を通じて課題解決を図り、その結果をデータラボで共有して、次のデータ活用につなげていく計画だ。

 発足時のデータラボ参加企業はANAホールディングスとNTTドコモのほか、ディー・エヌ・エー(DeNA)や東京急行電鉄、東京電力エナジーパートナー、三井住友フィナンシャルグループ、三井物産など10社を予定している。

 傘下のセブン-イレブン・ジャパンは2018年6月から新しいスマホアプリ「セブン-イレブンアプリ」の利用や、購買に応じてマイルがたまる「セブンマイルプログラム」も開始。CRM(顧客情報管理)戦略の見直しを図り、データ収集を加速させる。

      5.「日本の労働者はAIに漠然とした不安を持っている」、アクセンチュアが調査(5.28 日経クロステック)
  アクセンチュアは2018年5月28日、世界の労働者を対象にしたAI(人工知能)の意識調査を公表した。日本の労働者が世界の主要国に比べてAIに対する漠然とした不安を抱えており、AIとの「協働」に向けた意識変革も遅れていると分かった。同社はかねて人とAIにはそれぞれ得意分野があり、協力して働くと効果を最大限に高められると主張。今回の調査結果を受けて、日本の企業に対してAIとの「協働」を前提に、業務プロセスの検討や教育機会の提供をするよう提言した。

 日本の労働者は「AIが私の仕事にポジティブな影響をもたらす」と回答した割合が22%にとどまり、世界平均の62%より40ポイント低かった。AIが自身の仕事にもたらす影響をイメージできていない人が多いのも日本の特徴で、「AIが自身の仕事にもたらす具体的な変化が分からない」と答えた労働者の割合は世界平均が15%なのに対して日本は25%と10ポイント高かった。

 「日本だけ外れ値のように分布していた」。デジタルコンサルティング本部の保科学世マネジング・ディレクターは、AIとの協働に向けた意識変革の状況をこう表現した。「AIと協働するために新たなスキルを習得することが重要」と考える労働者の割合と「過去1年間にAIとの協働に向けたスキル習得に取り組んだ」労働者の割合のいずれも、日本は世界平均より低かった。スキル習得の重要性を理解している労働者は世界平均が68%なのに対して日本は44ポイント低い24%で、スキル習得に取り組んだ労働者は世界平均では83%だったが日本は37ポイント低い46%にとどまった。

 アクセンチュアは今回、自然言語を理解する「認知技術」、多種多様なデータから価値を見いだす「アナリティクス」、ソフトウエアやハードウエアの「ロボット技術」の3つを「インテリジェントテクノロジー」と定義。日本や米国、中国など11カ国の労働者1万527人と経営者1201人を対象に、インテリジェントテクノロジーの活用に関する意識調査を実施した。調査期間は2017年9〜11月で、日本の回答者は労働者が1038人、経営者が100人だった。同社は今回の調査結果の公表において、インテリジェントテクノロジーを便宜上「AI」と表現している。

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