週間情報通信ニュースインデックスno.1125 2018/03/24


1.速度制限を受けたユーザーが大量利用、格安SIMの舞台裏(3.23 日経クロステック)
 MMDLaboが運営するMMD研究所は2018年3月22日、MVNOサービス「OCNモバイルONE」における通信ネットワーク回線の取り組みについて、NTTコミュニケーションズの担当者による勉強会を開催した。

 最初にMMDLaboの吉本浩司代表取締役が登壇し、3月12日に発表した「2018年3月格安SIMサービスの利用動向調査」について解説した。

 格安SIMを継続利用している人は2台持ちを含めて15%、格安SIM自体の認知度は90%に上昇。メイン回線として格安SIMを利用するユーザーは初めて10%を超え、ここにY!mobile(ワイモバイル)のユーザーを加えると13.9%になるという。

 総務省の統計などでは格安SIMの伸びに鈍化がみられるとの指摘もある中で、「MMD研究所の調査はメイン回線を調査しており、鈍化しているのはサブ回線ではないか。メイン回線としての格安SIMは順調に伸びている」(吉本氏)との見方を示した。

 メイン利用の格安SIMのシェアは、楽天モバイルが22.2%でトップを維持しており、通信事業を統合したFREETELの回線を加えた場合は26.2%と、全体の4分の1を占めるまでになった。

 格安SIMにワイモバイルを含めた場合、ワイモバイルがシェア27.4%で1位になるが、半年前は31.2%を占めていたことから、MVNOが伸びたことでワイモバイルとの差は縮まった。MVNOの中で伸びが顕著なのは音声SIMのmineoとUQ mobileだという。

 総合満足度ではmineoが1位で、推奨者の多さを示すNPS(Net Promoter Score)でもmineoが突出して1位となった。背景としては「人にすすめたくなるというCMを展開している点や、mineoファンの多さが関係しているのではないか」(吉本氏)と分析した。

 一方、ワイモバイルの満足度が低い理由については、「リテラシーの高いMVNOのユーザーよりも、大手キャリアから移ってくるワイモバイルのユーザーは満足度が低くなる傾向にある。UQ mobileはMVNOの速度に不満がある人が移っており、満足度は高いのではないか」(吉本氏)と補足した。

 速度調査としては、2018年2月に東京・名古屋・大阪において格安SIMとワイモバイルについて実施した結果を示した。結果は、依然としてワイモバイルとUQ mobileが飛び抜けて高速な値を示している。

 次に、「OCNモバイルONE」のネットワークについて、NTTコミュニケーションズ オープンネットワークサービス部門 主査の半田篤志氏が解説した。

 OCNのトラフィック特性については、ユーザー1人あたりのトラフィックは年間20%で伸びているとした。総務省の統計によればモバイル回線のトラフィックは42%増加しているが、「OCNには無制限プランがなく、節約志向のユーザーが多いことから伸びは低めになっている」(半田氏)との見方を示した。

 料金プランではデータ容量の大きなコースが増えており、容量の伸びは年間10%。契約しているコースの容量を超過しているユーザは2割程度で、8割のユーザーは容量内に収まっているとした。

 利用傾向としては、大量利用する少数のユーザーが全体のトラフィックの半分を占めており、逆に利用の少ない半数のユーザーが占めるトラフィックは数%に過ぎないとした。

 この場合の大量利用とは、30Gバイトなどの大容量プランではなく、容量超過時に200kbpsに制限された状態で常時通信しているユーザーがいるのだという。具体的な用途は通信の秘密があり把握できないが、「カメラなどの機器で常時通信しているのではないか」(半田氏)と語った。

 トラフィックの種類について、詳細は非公開としたが、全体の半数以上をHTTPS通信が占め、残りをQUICとHTTPが同程度の比率で占めているという。QUICはYouTubeアプリなどが利用しているプロトコルである。

 技術的なトラフィック対策についても解説した。OCNでは容量超過時に200kbpsに速度制限されるが、その状態でも最初の150Kバイトは高速通信(バースト転送)できるようにしている。「他社のバースト転送ではだいたい75Kバイトになっている。バースト転送の容量が大きいOCNは低速時でも評価が高い」(半田氏)と違いを挙げた。

  2.ドコモのパケット接続料は18%減、格安スマホ事業者の期待外れる(3.23 日経クロステック)
  携帯電話大手3社が2017年度に適用するパケット接続料は、前年度比11〜18%程度の低減だとわかった。パケット接続料は「格安スマホ」に代表されるMVNO(仮想移動体通信事業者)がデータ通信サービスを提供する際の仕入れ値に相当する。MVNOの期待を下回る結果となった。

 多くのMVNOに回線を提供するNTTドコモのパケット接続料は前年度比18%減。パケット接続料は設備費用をトラフィックで割ることで算出しており、NTTドコモに関しては大幅な低減が期待されていた。同社の設備投資自体はほぼ横ばいなものの、今回の算定対象となる2016年度に減価償却方法を定率法から定額法に切り替えたためだ。

 ところが、ふたを開けてみれば期待外れに終わった。前年度に比べた低減率は2016年度が14%だったので、小幅な増加にとどまった。KDDI(au)も11%、ソフトバンクも18%と低減率は前年度並みに終わった。接続料格差はNTTドコモとKDDIの間で広がったが、KDDIとソフトバンクの間で縮まった。

 格安スマホ事業者は収入の多くを接続料の支払いに充てている。接続料の低減は経営にプラスとなるが、一方でユーザーのトラフィックも増加している。ユーザーの料金値下げに回す余裕はなく、できても容量の拡充による還元が中心になるとみられる。

  3.NHKプロフェッショナル登場の大阪ガス河本氏、放送翌日に語った分析人材育成(3.20 日経クロステック)
 日経BP社は2018年3月20日、今年で4回目となるイベント「データサイエンティスト・ジャパン 2018」を都内で開催した。朝一番の基調講演に登場したのは、大阪ガス 情報通信部ビジネスアナリシスセンター所長の河本薫氏。前日19日の夜にNHKで放送された番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」の新しい仕事スペシャルに、データサイエンティストの第一人者として紹介された直後の登壇となった。河本氏が冒頭で昨晩のテレビ放送について触れると、会場から拍手が沸き起こった。

 河本氏はこの日、自らが率いるデータ分析組織であるビジネスアナリシスセンターと、そこに所属する9人のメンバー間のやり取りやチームで大切にしていることに焦点を当てて話を展開した。

 演題は「大阪ガスにおけるデータ分析組織の運営と分析人材の育成」。河本氏はメンバーに「データ分析で終わらず、業務改革まで担う」ことを求める。それは入社1年目の新人でも同じ。仕事を一気通貫で任せることで責任を感じてもらい、成長を促す。

 もちろん、いきなり若手が全てをこなせるわけではない。部下をサポートするのが、リーダーである河本氏の役割だ。河本氏はメンバーに何度も「4つの問いかけ」をするという。

「その数字に責任を取れるか?」 「その数字から何が分かったか?」 「意思決定にどのように使えるか?」 「ビジネスにどれほど役立ったか?」

 なかでも大事なのが、4つめの「ビジネスにどれほど役立ったか?」。河本氏はビジネスアナリシスセンターの価値観は「解くことではなく、(ビジネスに)役立つこと」と繰り返し説く。それをチームのカルチャーとして根づかせる地道な努力を続けてきた。

 河本氏は、社内でビジネス課題を「見つける」、問題を「解く」、そして解いた結果を現場に「使わせる」ことで、ようやく業務改革が最後まで進むと考えている。特徴的なのは、謙虚な姿勢で現場の担当者に接しながら、使ってもらえる(つまり最後)まで持っていくことを「データサイエンティストの守備範囲」と定義していることだ。一気通貫で仕事を任せるとは、そういうことである。

  4.働き方改革にも役立つ、サマンサタバサがアンドロイドの新入社員(3.20 日経クロステック)
 服飾雑貨の「Samantha Thavasa」などを展開するサマンサタバサジャパンリミテッドは2018年3月20日、アンドロイドの「Samantha U」を新入社員として採用すると発表した。3月20日から4月1日までの13日間、「研修生」という位置づけでサマンサタバサ表参道GATES ポップアップ デジタルストアで接客サービスを提供する。

 Samantha Uは当初、店内に設置したカメラなどを使って、客が近づいてきたことを認識し、目や口を動かす機能を備える。4月1日までの研修期間は、Samantha Uを操作する担当者が後ろに控えていて、客との対話などを支援するが、「将来的にはAI(人工知能)を使い、顧客の名前や好みの色を覚えて自動的に対話することを目指している」(サマンサタバサジャパンリミテッドの担当者)という。

 Samantha Uを開発したのはロボットベンチャーのエーラボ。22歳の女性の設定で、「日本人が美しいと思えるベストバランスの顔つきをしている」(同担当者)。髪型を変えることや、手や胴体を動かすこともできる。

 サマンサタバサジャパンリミテッドは、「アンドロイドは休憩が不要なため、将来的には休憩中のショップスタッフに代わって接客を担当するなど働き方改革に生きるだろう」とする。9カ月ほど前から、アンドロイドの活用を構想していた。サマンサタバサ表参道GATES ポップアップ デジタルストアで利用した後は全国の店舗を巡回する計画だ。

  5.AIで電話音声を自動認識するシステムを全面導入、損保ジャパン日本興亜(3.19 日経クロステック)
 損害保険ジャパン日本興亜は2018年3月19日、同日までにコールセンターで音声認識AI(人工知能)を活用した「アドバイザー自動知識支援システム」を全面導入したと発表した。

 顧客から自動車・火災・傷害保険などの商品に関する問い合わせを受けたアドバイザー(オペレーター)と顧客の通話音声を音声認識AIで自動的にテキスト化する。これを基にアドバイザーのPCに回答候補を表示。顧客を待たせずにその場で回答しやすくする。

 同社は2016年2月に一部のコールセンターで自動知識支援システムを試験導入し、効果を検証してきた。並行して認識精度の調整や、回答候補文書の整備なども進めた。約2年かけて音声認識精度が80パーセント台から95パーセント程度にまで高まり、回答候補の表示精度も80パーセント超の水準に達したことから、全面導入を決めた。商品の問い合わせや、各種手続き(住所変更など、事故連絡は除く)に対応するコールセンター4カ所約400席で運用を始めた。

 システム構築はNTTコミュニケーションズが担当。NTTグループの音声マイニングシステム「ForeSight Voice Mining」を採用した。

 今後、NTTグループのAIエンジン「corevo(コレボ)」を活用して自動知識支援システムを強化する共同実験も進める。例えば、保険商品のパンフレットや「ご契約のしおり」などの既存文書をcorevoに読ませて、そこから学習した内容を自動知識支援システムに反映させることなどを検討している。

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