週間情報通信ニュースインデックスno.1124 2018/03/17


1.格安スマホなどのMVNOが817社に拡大、契約数3万件以上は7.2%で淘汰必至(3.16 日経クロステック)
 総務省は2018年3月16日、移動系や固定系、音声系の通信サービスの契約数などを公表した。携帯電話大手から通信設備を借りて「格安スマホ」などを展開するMVNO(仮想移動体通信事業者)の契約数は、2017年12月末時点で1764万件。前年同期比18.7%増、2017年9月末比4.5%増だった。移動系通信全体(携帯電話、PHS、BWAの合計)の契約数(1億7098万件)に占める比率は10.3%に拡大した。

 2017年10〜12月期におけるMVNOの純増数は76万件。「サブブランド」をはじめとした携帯電話大手の反撃を受け、2017年4〜6月期は50万件、7〜9月期は51万件と純増の伸びが鈍化していたが、持ち直した格好だ。区分別の契約数(3万件以上のMVNOが対象)は、格安スマホに代表される「SIMカード型」が1086万件、「通信モジュール」が465万件、「単純再販」が176万件となっている。

 SIMカード型の契約数における事業者別シェアは、楽天が前四半期比3.8ポイント増の15.4%でトップだった。以下、インターネットイニシアティブ(IIJ)が同0.1ポイント減の14.0%、NTTコミュニケーションズが同0.5ポイント減の11.8%、ケイ・オプティコムが同0.7ポイント増の9.3%、ソニーネットワークコミュニケーションズが同0.2ポイント増の5.2%と続いた。なお、「UQ mobile」のブランド名で格安スマホを手掛けるKDDI系のUQコミュニケーションズは「MNO(携帯電話事業者)であるMVNO」に該当するため、上記契約数ならびに事業者別シェアから除外しているという。

 MVNOの事業者数は2017年12月末時点で817社に拡大した。契約数が3万件以上の事業者は1次MVNO(MNOから回線を調達)で39社、2次以降のMVNO(MVNOから回線を調達)で20社の計59社と、全体の7.2%にとどまる。黒字化している事業者もごく一部に限られ、業界では事業者の淘汰が進むとみられている。



2.Windows 7の刷新需要狙う、CTCがAWSとChromebook使う仮想デスクトップサービス(3.16 日経クロステック)
 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2018年3月16日、新たな仮想デスクトップサービスの提供を開始した。Windows 7の延長サポート終了が2020年に迫るなか、クライアント環境の刷新需要を取り込みたい考え。今後3年間で20社への導入を目指す。

 「Amazon Web Services(AWS)」上で稼働する仮想デスクトップ環境(VDI)「Amazon WorkSpaces」と、「Chrome OS」を搭載した「Chromebook」を組み合わせて販売する。VDIをAWS上で運用するため、端末の増減に対して柔軟に対処できるという。

 CTCは、ChromebookがWebブラウザーの利用に特化していて、迅速に起動・操作できるため、仮想デスクトップでの利用に向くと判断した。オプションで、アプリのダウンロード制限などの端末制御機能も導入でき、セキュリティを担保しやすいという。

 サービス利用料は接続する端末1台当たり月額49ドル(税抜き)から。VDIで利用する「Microsoft Office」の価格を含む。Chromebookは1台当たり4万円(税抜き)から。

3.IIJがフルMVNOサービスを開始、不要時はサスペンドで月額30円に(3.15 日経クロステック)
 インターネットイニシアティブ(IIJ)は2018年3月15日、「フルMVNO(仮想移動体通信事業者)」に関する説明会を開催し、法人向けに「IIJモバイルサービス/タイプI」を発表した。

 法人向けサービスは同日より提供を開始する。2018年4月にはフルMVNOによる訪日外国人向けSIMカード「Japan Travel SIM」も発売する。

 説明会には、IIJ MVNO事業部長の矢吹重雄氏が登壇。MVNO事業全体について、「個人向けの格安スマホだけにとどまらず、法人、ヒト/モノの接続などで稼働率を高め、トータルで収益を上げている。法人ビジネスで培った通信品質やリアルタイムのデータ分析が強みだ」と紹介した。

 2017年12月末時点の回線数としては、法人と個人の合計で216万1000回線との数字を挙げ、「2017年9月より伸び率は若干落ちているものの、伸張している」(矢吹氏)とした。

 新たに提供開始する「フルMVNO」サービスは、NTTドコモの3G/LTE網を利用しつつも、「HLR/HSS(加入者管理機能)を自社で持つことにより、独立した移動体通信事業者になることを指す。分かりやすく言えば、基地局以外の設備をすべて我々がコントロールしてサービスを提供するもの」と定義した。

 従来型のMVNO(ライトMVNO)とフルMVNOの違いについても説明した(写真5)。SIMカードは一般的なプラスチックカードに加え、チップ型やソフトウエア型を独自に製造可能になる。加入者管理機能により独自プランを作ることで、毎月のランニングコストを低減できるという。

 さらにライトMVNOは、他の事業者から回線提供元のNTTドコモやKDDI(au)として見えるのに対し、フルMVNOでは国際的な移動体通信の識別子である「MNC(Mobile Network Code)」と「IMSI(International Mobile Subscriber Identity)」を独自に持つことが可能になる。今後は独立した事業者として海外との相互接続を目指していくとした。

 法人向けフルMVNOサービスの利用シナリオとしては、メンテナンス用のバックアップ回線や国際閉域ネットワークを挙げた。「これまでコピー機や病院内ネットワークの保守には現地での作業が必要だったが、フルMVNOのSIMがあれば必要なときだけ、リモートから有効化して管理に利用できる」(矢吹氏)とした。

 SIMカードの違いとして、事業者ごとにオリジナルデザインが可能になり、一定規模の場合には端末にオリジナルのアンテナピクトを表示できるという。ランニングコストの面では毎月の回線維持費用を軽減できることから、全国のコンビニ店舗にSIMカードの在庫を置くような販売形態も実現しやすくなるとした。

 プラスチックカード以外にも、2018年度下期に提供予定の「チップSIM」の仕様を公開した。幅広い動作温度により、自動販売機やソーラーパネルなどプラスチックカードでは壊れやすい屋外環境もカバーできるという。

 今後のフルMVNOサービスのスケジュールとしては、「法人向けには2018年度上期の早い段階で国際ローミングを提供する。個人向けのIIJmioではフルMVNOサービスを暑くなる前くらいの時期に出したい。同タイミングでOEM向けのタイプI(仮称)サービスも提供する」(矢吹氏)との見通しを示した。

 今後、検討中のサービスとして「訪日外国人向けサービス」では、海外キャリアと交渉しており、新しい形のサービスの提供を2018年度中をめどに検討している。eSIM(Embedded SIM)も検証を進めているという。ローミングではない海外キャリアとの直接接続や、フルMVNO版のSIMを搭載したサービスモジュールの開発も検討していくとした。

 フルMVNOの未来像としては、「スマートデバイスを含め、あらゆる機器がLTEやLPWA(ローパワー・ワイドエリア)、5G(第5世代移動通信システム)を通してネットに接続する時代が到来する。それらをコアネットワークで束ね、シンプルに使っていただけるサービスとして提供していく」(矢吹氏)と語った。

4.新ラズパイ「Raspberry Pi 3 Model B+」、11acとGbEで通信が3倍速く価格は据え置き(3.14 日経クロステック)
 ラズベリーパイ財団(Raspberry Pi Foundation)は2018年3月14日、手のひらサイズのPCボード「Raspberry Pi 3 Model B+」を発表した。従来の「Raspberry Pi 3 Model B」より、4コアCPUの動作周波数が1.2GHzから1.4GHzに向上。無線LANは5GHz帯のIEEE 802.11ac、有線LANはギガビットイーサネット(GbE)にそれぞれ対応した。

 SoCはシンガポールのブロードコム(Broadcom)製の「BCM2837B0」を採用。CPUは1.4GHz動作の4コアで、64ビット対応ARM Cortex-A53を搭載する。メモリー容量は1Gバイト、GPUはVideoCore IVで、従来機のRaspberry Pi 3 Model Bと同じ。

 有線LANは、米マイクロチップ・テクノロジー(Microchip Technology)のUSBハブ/有線LANの統合チップ「LAN7515」を搭載。100BASE-TXに加えて1000BASE-Tに対応した。ベンチマークソフト「iperf」の実測で送受信とも315Mビット/秒のデータ転送速度が出ているという。

 無線LANはIEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠で、Bluetoothはバージョン4.2に対応。米サイプレス・セミコンダクター(Cypress Semiconductor)の無線LAN/Bluetooth統合チップ「CYW43455」を採用した。iperfによるデータ転送速度の実測値は最大102Mビット/秒とする。

 HDMIや音声/ビデオ出力用のピンジャックといったコネクター配置は従来通りだが、イーサネット給電(PoE)機能を追加する拡張ボード用のピンヘッダーを追加した。ケースや拡張ボードによっては干渉する可能性がある。

 価格は据え置きで35ドル。国内代理店のケイエスワイ(KSY)は発売日、価格とも未定としている。

5.NTTデータと東急電鉄、カードレスで実店舗で使えるスマホ決済サービス「.pay」(3.13 日経クロステック)
 東京急行電鉄(東急電鉄)とNTTデータは2018年3月13日、物理的なクレジットカードを発行せずスマートフォンだけでクレジット決済ができるサービス「.pay」(ドットペイ)を4月から全国で提供すると発表した。クレジットカードを発行せず実店舗で利用可能なスマホ決済サービスは世界初という。商業施設、外食業界、コンビニエンスストア、スーパー、ポイント事業者などが対象。同月からぐるなびに提供を開始することが決まっているという。

 企業や店舗などの販促アプリに.payの機能を搭載することで、スマートフォンだけで決済が可能になる。東急線沿線で既に先行展開しているという。

 従来はクレジットカード会社が企業向けにクレジット機能を提供し、それぞれの企業がポイントや割引などの自社サービスを加えた自社ブランドのクレジットカードを発行するのが一般的だった。主に大企業が対象で、中小企業や小規模店舗はクレジットカードを発行するのがコスト面で難しかった。ユーザーにとってはクレジット会社ごとに別のカードを持たなければならないという問題もあった。

 .payは物理的なクレジットカードを発行せず、.payの導入企業が提供するスマホアプリにクレジット機能を搭載する。ユーザーはアプリからクレジットに入会することで、クレジット決済機能がアプリに組み込まれる。登録審査は最短1分だという。

 中小企業や小規模店舗でも低コストでクレジット機能を提供できる。クレジット会員の決済情報は自社のデータとして保有でき、顧客情報に基づいたマーケティングや特典の設計に役立てられる。

 ユーザーはクレジットカードなしでスマートフォンだけで決済が可能になる。実店舗で.payを利用して決済を行うと、通常のクレジットカードと同様に指定した銀行口座から料金が引き落とされる。

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