週間情報通信ニュースインデックスno.1121 2018/02/24


1.NEC、電子カルテ端末でWebサイト利用を可能に(2.23 日経クロステック)
 NECは、地域医療連携ネットワークサービス「ID-Link」のオプションサービスとして、院内の電子カルテ端末などから特定のWebサイトへのアクセスを可能にする「ID-Linkインターネットゲートウェイサービス」の提供を開始した。ID-Linkを利用する医療機関が同サービス用の「ID-Link miniアプライアンス」を導入することで利用できる。価格は、アプライアンス本体が98万円、設定作業が45万円、月額2万円。

 医療機関はインターネットと隔離された院内ネットワークを構築していることが多いが、電子カルテ端末から医療情報収集のためのWebサイトへのアクセス、あるいはOffice 365などクラウドサービス利用への要求が高まっている。今回のサービスは、ファイアウォールのような高度なフィルタリングや情報流出などのセキュリティー対策には対応しないものの、そうした要求を踏まえて安全なサイトやサービスの利用を可能にする。

 サービス利用のために導入するID-Link miniアプライアンスは、プロキシ機能を持ち、ホワイトリストの設定に基づいて特定のWebサイトやクラウドサービスなどへのアクセスを許可するもの。ID-Linkによる地域医療連携ネットワークに参加する診療情報公開施設(公開用ゲートウエイサーバー設置施設)、および閲覧施設(公開用ゲートウエイサーバー未設置施設)の両施設とも利用できる。閲覧施設については、SSL/TLSクライアント証明書のインストールをしなくても、ID-Linkサービスを利用することができる。

2.AIプラットフォーム「ABEJA Platform」正式版がリリース(2.22 日経クロステック)
 ABEJAは2018年2月22日、IoT(インターネット・オブ・シングズ)やビッグデータ解析、デイープラーニングなどAI(人工知能)技術を統合したプラットフォーム「ABEJA Platform」正式版の提供開始を発表した。データ保存容量1TB、データ転送容量1TBで5ユーザーまで利用可能なベーシックプランを年間プランで契約した料金は、月額60万円(税別)から。

 あわせて、これまで小売業者向けに提供していた「ABEJA Platform for Retail」のSaaSモデルを「ABEJA INSIGHT for Retail」と名称変更し、小売業向け店舗解析サービスとして提供する。ABEJA INSIGHTシリーズに新たに製造業向けの「ABEJA INSIGHT for Manufacture」とインフラ企業向けの「ABEJA INSIGHT for Infrastructure」も追加した。

 岡田氏は、現在のAIの各種サービスへの実装がまだ少ないことに触れながら、今後、社会実装を増やしていくための取り組みにさらに注力していくことを示した。岡田氏によると、ディープラーニングのテクノロジーを取り入れたいと考えている企業の多くは、「まだ、トライアルの段階が多い」という。トライアルの事例はあるものの本番事例が少ない理由として、本番フェーズでAIに再学習させる段階でエンジニアが必要になってしまうことを指摘した。

 こうした社会実装を進展させるに際の課題に対し、ABEJAは「再学習の簡易化と自動化をソリューションとして提供できることが強み」(岡田氏)と自社の優位性をアピールした。さらに、ABEJAの強みとして、ABEJA Platformにおいて、本番環境に向けた運用までをサポートできる体制を整えていることを強調した。

 岡田氏は今後の技術開発の方向性についても説明。今後、技術研究開発も環境やトレンドの変化で学習モデルが陳腐化することに対しては、トレンドの変化を検知し、変化から自動的に人間へフィードバックする研究に注力するという。また、作成したAIの活用モデルを別のビジネスで使う際に、データの傾向が異なるとそのまま利用できないケースも多いという。その場合に備えて、今後はデータの傾向をつかみつつ、モデルを再活用できるフレームワークの研究にも注力するという。

3.JCBがQRコード決済の統一規格を策定、決済事業者と店舗つなぐ(2.20 日経クロステック)
  クレジットカード大手のJCBは2018年2月20日、国内のQRコードやバーコードの統一規格を策定し、コード決済専用の情報処理センターを構築すると発表した。コード決済を提供する事業者と導入したい店舗をつなぐ。現在は事業者ごとに設置端末やオペレーションが異なるため、加盟店の負担軽減が課題となっている。2018年秋にサービス開始を目指す。

 情報処理センターを構築するのは同社子会社の日本カードネットワーク。JCBが同センターを活用するコード決済事業者や加盟店を集める。一度加盟すれば、店舗はどのコード決済事業者を利用するか容易に選べるようになる。JCBの広報担当は「コード決済はクレジットカード決済と比べて端末が安価。小規模店舗でも導入しやすく、市場の広がりを見据えた取り組み」と話す。

 規格の統一でセキュリティも向上する。クレジットカード決済とは異なり、コード決済は不正取引防止などセキュリティに関する統一基準がない。判断は各事業者に委ねられている。読み取りの早さや手軽さやといったコード決済の特徴を生かしつつ、セキュリティを確保したコード生成や認証方法を設計する。

4.日本ユニシスとOrigamiが提携、QRコード決済で口座引き落とし可能に(2.21 日経クロステック)
  日本ユニシスとOrigamiは2018年2月21日、スマートフォン決済サービスを中核とした業務提携の基本合意を発表した。日本ユニシスのオープンAPI公開基盤「Resonatex」を使って、地域金融機関のシステムとOrigami Payを連携できるようにする。

 OrigamiはQRコードを利用したスマートフォン決済サービス「Origami Pay」を提供している。今回の提携で、Origami Pay上で銀行や信用金庫の預金口座から直接引き落とす「口座ダイレクト決済サービス」が可能になる。従来はクレジットカードの登録が必須だった。

 Origami Payと金融機関のシステムを直接APIでつなぐために、日本ユニシスのオープンAPI公開基盤「Resonatex」を使う。認証や認可機能の開発などの負担が減り、迅速な連携が可能という。

5.「日本のデジタル化はアジアの中でも遅れ気味」、MSとIDCが共同調査(2.20 日経クロステック)
  デジタルトランスフォーメーションについてアジア15カ国を調査した結果、日本企業はデジタル化に課題が多い――。日本マイクロソフトは2018年2月20日、調査会社のIDC Asia/Pacificと共同で実施した「アジアにおけるデジタルトランスフォーメーションの経済効果調査」の結果を発表した。

 調査はアジア15カ国で1560人の意思決定者を対象に実施した。「デジタル関連の売り上げが3分の1以上を占める」といった条件を満たしたデジタルトランスフォーメーションのリーダー企業と、日本企業を比較した結果、「欧米から数年遅れているのは想定していたが、アジアのリーダー企業からも遅れ気味だということが分かった」とIDC Japanの中村智明リサーチバイスプレジデントは説明する。

 デジタルトランスフォーメーションに関する課題を聞いた質問では、課題として用意した14項目のうち、「どのIT技術が適切かを見極められない」「適切なITパートナーの選択が難しい」「既存システムの保守サポートで忙しい」「DX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトに値する投資不足」「幹部のサポートとリーダーシップが不足」の5項目で、日本企業の回答率がアジアのリーダー企業の回答率を上回った。

 最もアジアのリーダー企業との差が開いたのが「どのIT技術が適切かを見極められない」で、アジアのリーダー企業の5.8%が「課題」と回答したのに対し、日本の国内企業は8.0%が回答した。中村リサーチバイスプレジデントは、「日本企業がデジタル化の最初の段階で悩んでいることを示すもので、日本企業のデジタルトランスフォーメーションは多くの課題を抱えている」と分析する。

 加えて、デジタルトランスフォーメーションで企業が目標にしている新しいKPIを尋ねたところ、アジアのリーダー企業の51%が「データ資本を用いた売り上げ、ビジネスモデルと生産性」を挙げたのに対し、日本企業は31%にとどまった。

 この結果について、中村リサーチバイスプレジデントは「デジタル化で最も重要なのはデータの活用による売り上げやビジネスの拡大。日本企業はこの考えがまだ理解できていない」と話す。

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