週間情報通信ニュースインデックスno.1113 2017/12/23


1.IoTエンジニアが身に付けたい技術トップ3(12.23 ITpro)
  エンジニアはどのようにスキルアップを図っているのか。どのような知識を習得したいと考えているのか。エンジニアに学習方法を複数回答で尋ねると、ホームページが61.6%、書籍が60.7%と多数を占めた。対象がIoTになっても、現状の勉強方法は「古典的」ということだ。

 特にネットワークやクラウド関連技術のような動きの激しい分野の情報を得るには、勉強会などコミュニティへの参加が効果的だ。自分の技術をより磨くために、欧米のエンジニアはよくハッカソンを利用する。

 今回の調査では「ユーザー/勉強会などの有志によるコミュニティ」は12.6%、「ハッカソン、コンペティション」は1.4%にとどまった。国際的に通用する技術力を身に付けるために、これらの勉強方法を活用するエンジニアがより増えていくことが望まれる。

 最後に今後身に付けたい技術分野/テクノロジーを複数回答で尋ねたところ、「IoT」(41.1%)のほか、「クラウド/仮想化」(42.9%)と「AI(人工知能/機械学習)」(41.8%)が上位となった。

 特に目立つのはAIだ。データサイエンスを担う人の8割超(83.8%)が挙げたほか、事業計画・戦略、IT戦略など上流工程で1位となった。

2.Amazon EchoとGoogle Home 両者の違いを検証(12.22 ITpro)
  アマゾンの音声アシスタント「Alexa(アレクサ)」を搭載するスマートスピーカー「Echo(エコー)」がユーザーの手元に続々と届き始めた。筆者の手元にもやってきたので早速使っている。

 日本で発表されたアマゾンのEchoシリーズは、今回紹介するスタンダードモデルのEchoのほか、コンパクトな「Echo Dot」と、IoTデバイスとスムーズに連携できるスマートホームハブ機能を内蔵した「Echo Plus」の3機種だ。

 執筆時点(12月初頭)で販売は、Amazon.co.jpを訪れて招待メールをリクエストしてメールが届いた人だけが購入できるという、招待制で行われている。Echoが欲しくなってもすぐ購入できるわけではなく、Google Homeのように家電量販店などで購入することもできない。アマゾンでは、しばらくのあいだこの方法で販売し、製品を購入したユーザーの手もとで慣らし運転をしながらAlexaの日本語対応の向上や、サービスの練度を高めていく方針だ。

 Echoは無線LANでホームネットワークに接続して利用する。見た目はシンプルな円筒形で、サイズはGoogle Homeに近い。表面のカバーはファブリックで、下から中身を押し出すようにして外せる。交換用のカバーも販売されている。天面にはボリュームボタン、マイクのミュートボタンなどがついている。

 背面にはACアダプターを接続する電源コネクターと、外部に音声を出力する3.5oステレオジャックがついている。ここから外部のステレオ装置などに音声ケーブルで接続して、そこから音を出せる。アナログな方法だが、分かりやすく便利だ。

 Google Homeが残念ながらいま手もとにないので、Echoとの音質比較はざっくりとしたインプレッションになるが、筆者の手応えとしてはEchoのほうが中低域がクリアで分離感のよい音に仕上がっていると感じた。

 現在、Echoで利用できる聴き放題の定額制音楽配信サービスは「Amazon Music Unlimited」と「dヒッツ」だ。アマゾンプライム会員向けの「Amazon Prime Music」にも対応する。Google Homeは「Google Play Music」と「Spotify」に対応する。すでにこれらの音楽配信サービスを使っている人は、それに合わせてスマートスピーカーを選ぶのがいいだろう。両社ともさらに多くの音楽配信サービスに対応してくれることを期待したい。

 筆者はSpotifyに慣れてきたところなので、今からAmazon Music Unlimitedに乗り換える気はなかなか起きないのだが、Echoを購入したユーザーは月額料金380円の「Echoプラン」(通常の月額は980円、プライム会員は780円)が利用できる。これだけ安ければ使ってみようかと思える。

 Amazon Music Unlimitedで聴ける楽曲数はおよそ4000万曲。内容はGoogle Play MusicやSpotifyと比べて大きく変わらないようだが、Alexaの日本語音声入力による楽曲検索がまだ弱く、「ドリカム」はいけても「マイラバ」に反応できなかったり、TOTOなど認識できないアーティスト名に頻繁にでくわす。ちなみにGoogle Homeはどちらも正確に再生してくれる。

 Echoは天面に7つの高性能マイクが搭載されていて、音声コマンドを認識する正確さやレスポンスの良さはGoogle Homeとまったく引けを取らないかそれ以上だ。テレビの真横に置いて放送を見ながら、あるいはキッチンのカウンターに置いて洗い物や煮炊きをして音を立てながらでも、音声コマンドをきちんと認識してくれる。しかし日本語のさまざまな言い回しに対する柔軟性、語彙理解力は、モバイルの頃から知見を積み重ねてきたGoogleアシスタントのほうがリードしていることは確かで、音声によるキーワード入力・検索は的確な答えを返してくれる。

 Alexaはまだ日本語を修行中の状態なので、日本語による音声入力の評価はまだできる段階ではないだろう。スマートスピーカーは音声アシスタントとともに、その成長ぶりが楽しめることも魅力のひとつ。Alexaの実力の評価は、Echoシリーズの招待販売制が終了して、一般販売へ移行してからにしたいと思う。

 同様にスマートホーム系の機能も、今のところ接続できる家電やサービスが少なめなので、まともに評価して良い段階なのか正直迷うところだ。Google Homeの場合は、サードパーティーがActions on Googleのプラットフォームを使って開発・提供するIPサイマルラジオや英会話、グルメ情報検索などの便利なサービスが自動的に追加されていて、「OK Google、食べログと話す」といった具合に、ウェイクワード(OK Google)の後にサービス名をつなげて話しかければ簡単に使える。

 Echoシリーズでは、“スキル”として提供されている拡張機能をユーザーが自ら追加する手間が必要だ。ではグーグルの仕組みのほうが優れているかと言えば、新機能が加わってたことに気づかず放置していることも多々ある。Alexaの場合は、Alexaアプリからスキルのメニューを開くと、新着やめカテゴリーごとにスキルを探して、欲しいものを追できる。こちらのほうがスマートフォンに近い感覚で使えるので、筆者には馴染みやすかった。

 Echoシリーズの大きな特徴は、音声による買い物ができることだ。Alexaアプリの「音声ショッピング」で音声による商品注文をオンにして、「1-Click支払い情報」と「確認コード」を入力しておく。あとはスマートスピーカーに向かって「○○を買いたい」と音声でコマンドを投げるだけで、スピーカーが探しているアイテムを探して注文までできてしまうというものだ。しかしこれがなかなか思うようにことが運ばない。

 試しに、手もとにあった「FRISK NEOグレープ味」や「チョコラBBローヤル2」を、商品パッケージを見ながら名前を読んで注文してみたところ、どちらも「見つかりません」と突き返されてしまった。Amazon.co.jpで同じ商品を検索してヒットした結果を見ながら「クラシエフーズ フリスクネオ グレープ 35g×9個」と記載の通りに発声してみたが、これも通じない。

 「フリスクを買いたい」ぐらいのレベルまでコマンドを平易にかみ砕いたところ、ようやく注文できるところまで辿り着いたが、今度は検索でヒットした内容をすべて音声で説明してくる。こんな調子で買う気にはなれなかった。値段の比較やアマゾンの特徴であるカスタマーレビューの比較もできないので、慎重に吟味したい買い物には向いていないだろう。Alexaに検索してもらった内容を画面に表示して確認できる仕組みなどがないと、音声ショッピングは実用的とは言いづらいだろう。

 このようにAlexaがまだ日本語を習得している段階なので、それを搭載するEchoの評価や、Googleアシスタントとの比較はまだ難しい段階だ。それぞれのスマートスピーカーをまだ未体験の方は、まずは6000円前後で買える「Google Home Mini」と「Amazon Echo Dot」から試してみてはいかがだろうか。

 現時点での印象をまとめるなら、Googleアシスタントはホームネットワークやクラウドを介して様々な機器と連携するプラットフォームに育っていきそうだ。来年にはGoogleアシスタントを搭載するGoogle Homeなどから音声コマンドで操作できるスマート家電やサービスは今よりもさらに増えるだろう。

 Alexaは日本語の習得以外にも、国内向けスキルの拡充や音声ショッピングを使いやすくしていくことが取り急ぎの課題だ。そしてスマートスピーカー以外の色々なデバイスにAlexaが搭載されるようになるかどうかがカギになりそうだ。

 海外ではスタートアップ企業が、Alexaを搭載したスピーカーではないスマートデバイスを続々と発表して盛り上がりを見せつつある。米国でEchoシリーズが普及していることや、アマゾンが各メーカーに対して要求する製品設計ルールの自由度が高いことなどが要因だろう。日本でも、そうしたAlexaを搭載したバリエーション豊かなスマートデバイスが登場してくれば、Alexaが一気に音声アシスタントのスタンダードになるかもしれない。

3.富士通が働き方改革関連で2020年度に4000億円目指す、AI活用で米MSと協業(12.22 ITpro)
  富士通の田中達也社長は2017年12月22日、働き方改革関連の売上高を2020年度に4000億円にするとの目標を表明した。記者団とのインタビューで語った。併せて富士通は、米マイクロソフトと働き方改革の人工知能(AI)活用で協業すると発表した。

 働き方改革関連の売上高は2017年度に2300億円程度を見込む。富士通の田中社長は「あらゆる産業で働き方改革の取り組み機運が高まっている。残業時間の削減やテレワークの実施、コミュニケーションの向上などもあるが、本質は労働生産性の向上にある。各種のツールを総合的に提供しながら生産性向上を支援していく」と話し、関連売上高を7割以上増やす目標達成に自信を示した。自社で働き方改革にツールを導入したノウハウを企業や公的機関へのサービス提供に活用していく。

 マイクロソフトとの協業では、両社の製品や技術を組み合わせた新しいサービスを共同開発し、第1弾を2018年4〜6月から提供する計画。2021年3月までに両社合わせて累計2000億円の売り上げを目指す。マイクロソフトの「Office 365」に含まれる働き方の可視化ツール「MyAnalytics」で得られた従業員同士の関係性を、富士通のAI技術で分析して生産性をさらに高めるための手段を提案するといったサービスを開発する。人やモノの関係性を示す「グラフ構造」を深層学習(ディープラーニング)の入力データに使うときに効率良く学習させる技術を応用する考えだ。両社は他分野のAI活用の協力も視野に入れる。

 田中社長は記者団とのインタビューで、営業利益率を2017年度に5%前後、2018年度に6%前後にする目標は「変えていない。達成に向けて進んでいる」と話した。世界の大手コンサルティング会社との競争を意識して「(グループのコンサルティング会社の)富士通総研を活用しながらビジネスモデルの提案などの上流のコンサルティング事業を強化していく」と表明した。上流のコンサルティングからシステム構築、運用までをあらゆる分野で手掛けられる「総合力を富士通の強みにしていく」と話した。

4.故障時期を機械学習で予知、ユニアデックスとドコモが試用版ソリューション(12.21 ITpro)
 ユニアデックスとNTTドコモ(以下、ドコモ)は2017年12月21日、製造業向けに「故障予兆検知ソリューション」のトライアル版の提供を2018年1月31日に開始すると発表した。ユニアデックスのIoTクラウドサービス「AirInsight Maintenance」とドコモの「docomo M2Mプラットフォーム」をセットで提供する。

 振動センサー、センサーデータの収集に必要なIoTゲートウエイ、M2Mに特化したセキュアなモバイル回線、Microsoft Azure、機械学習エンジンをセットで提供する。顧客の工場などの設備に振動センサーを設置し、稼働している設備の振動データを収集・解析する。こうしたデータを基に、機械学習エンジンによって故障の予兆を検出する。

 従来の設備診断技術はコストが高かったため、導入は大規模施設に限られていた。診断も技術者の感覚に頼っていた。

 今回のソリューションを導入することで、比較的安価なセンサーと機械学習を使って、人件費をかけずに均一な品質の設備診断が可能になる。さらに、データの送信にドコモのセキュアなネットワークを利用するため、機械の稼働状況などの情報が外部に流出するのを防げるとする。

 両社はトライアル版の提供を通じて効果測定を行い、2018年夏ごろに正式サービスの提供を目指すという。 

5.スマホでエッジコンピューティング、スタートアップのMomoがIoTキットを発表(12.20 ITpro)
  神戸に本社を置くスタートアップ企業のMomoは2017年12月20日、センサーとスマートフォンのみでIoT(Internet of Things)を使ったシステムを構築できる「Palette IoT」を発表した。2018年2月に出荷予定だ。

 Momoの大津真人社長は、「IoTを実現しようとすると予算の面などからPoC(Proof of Concept)で終わってしまうケースがある。エッジにスマートフォンを利用することで、クラウドなどのほかのサービスを利用しなくても安価にIoTを実現できるようになる」とPalette IoTについて説明する。

 Palette IoTは(1)温度・湿度、3軸加速度、赤外線人感などの8種類のセンサー、(2)センサーのデータを送る送信側基板、(3)スマートフォンに取り付けてセンサーのデータを受信する基板を入れるリングホルダー、(4)アプリケーションの開発や実行を支援するスマートフォン向けアプリ──の4つの要素で構成する。送信側基板向けのケースなどは別途、用意する必要がある。

 利用者は(1)のセンサーを(2)の送信側基板に取り付け、データを取得したい箇所に設置する。データの受信は(3)のリングホルダーをスマートフォンに付けて行う。センサーとリングホルダーの通信には「Wi-SUN」を利用する。リングホルダーとスマートフォン間はマイクロUSBの有線で接続し、センサーデータの受け渡しを行う。

 (4)のスマートフォンアプリは、センサーから受け取ったデータを使うアプリケーションの開発環境と実行環境を兼ねる。アプリケーションは事前に用意してあるアイコンをドラッグ・アンド・ドロップして開発する。「セキュリティの観点などから、コーディングはできないようにしている」(大津社長)という。

 (2)の送信側基板に取り付けられるセンサーは1種類のみだが、8種類のセンサーを取り換えられる。「発売当初はPoCでの利用を想定」(大津社長)して、8種類すべてのセンサーをセットにして販売する。今後はセンサーを個別に販売したり、送信側基板に複数のセンサーを取り付けられるようにしたりといったことを想定している。

 価格はオープン。法人向けのみに販売する。介護現場での排泄管理や、農業での温度管理、製造業でのラインの管理など、「様々な用途に利用できる」と大津社長は話す。

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