週間情報通信ニュースインデックスno.1111 2017/12/09


1.改正銀行法を満たすセキュリティやコンプライアンスをコードで実装、AWSの新基盤(12.8 ITpro)
 アマゾン ウェブ サービス ジャパンは2017年12月8日、FinTech企業がクラウドサービスの「Amazon Web Services(AWS)」を使う際にセキュリティを確保できるようにする「AWS Fintechリファレンス・アーキテクチャー 日本語版」を発表した。一般に金融機関はシステム運営においてセキュリティに関する各種の基準に従う必要がある。同アーキテクチャーを使うとコンプライアンスを順守した安全なサービスを実現しやすくなるという。

  同アーキテクチャーは「コンプライアンス・アズ・ア・コード」という考え方に基づく。セキュリティのプロセスや規制順守要件をソフトウエアとして実装して、自動化や標準化によってリスクを軽減できるというものだ。これに対し、AWS自体は「インフラストラクチャー・アズ・ア・コード」という考え方で作られている。ITインフラ全体をソフトウエアとして実装して、様々な運用プロセスを自動化・効率化している。

 アマゾン ウェブ サービス ジャパンは金融情報システムセンター(FISC)の基準やPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)、ISO 27001といったセキュリティ関連基準が金融機関に要求する事項を整理・検討し、「AWS Fintechリファレンス・ガイド 日本語版」の形でまとめた。加えて、要求事項をAWSの機能を使って実装するためのテンプレートとして「AWS Fintechリファレンス・テンプレート 日本語版」も用意。これらをAWSの利用者に無償で提供する。リファレンス・ガイドはAWSを使っていない金融機関も利用できる。

 同社が今回の取り組みを始めた背景には、2017年5月に成立した改正銀行法があるという。同法は金融機関に対して、2018年3月までにAPI開放などに関する取り組み方針を定めることを要請している。

 一方で、ベンチャー企業が多いFinTech企業にはセキュリティやコンプライアンスの専門知識を持つ人材が少なく、確保も難しいという課題があるという。アマゾン ウェブ サービス ジャパンは、同アーキテクチャーが従来の金融機関やFinTech企業の間の「共通言語」として機能することも期待しているという。

2.RPAはもろ刃の剣、BPOベンダーの決断(12.8 ITpro)
 データ入力代行などBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のサービスを提供するベンダーも、サービス品質や競争力を高める切り札としてRPAの活用に動き始めた。

 「オペレーターの業務スキルと業務プロセス標準化のノウハウにRPAなどのデジタル技術を組み合わせて付加価値を高める」。トランスコスモスの川本武士理事はこう意気込む。三井住友フィナンシャルグループ(FG)とNECがRPAを使ったBPOサービスを始めるなど、動きは広がっている。

 トランスコスモスはRPAと人工知能(AI)、スマートフォンのチャットアプリなどを組み合わせたBPOサービスの開発に取り組む。データ入力や業務システムの監視といったバックエンド部分にRPAを適用する。

 導入効果は既に出ている。金融業の口座申し込み処理のうち、OCR(光学的文字認識)で読み取った手書きの内容を正しくデータ化する工数は30%減った。製造業の資産管理台帳のデータ集計からリポート作成までの時間は、2日間から半日へと4分の1に縮まった。

 RPAを使うことで、「顧客企業の業務処理のスピードや品質を高められる」(トランスコスモスの内村弘幸常務執行役員)。同社自身も業務の生産性を高めて、採算性や利益率を改善できると期待する。

 ただしRPA活用はBPOベンダーにとってもろ刃の剣だ。人月で計算する作業工数に応じた対価を顧客から得る以上、RPAで作業時間が短くなれば顧客企業から値下げを要求される可能性が出てくる。トランスコスモスはここ数年、人月だけでなく作業量に応じた従量制、データ入力の品質向上といった成果報酬を組み合わせた「新しい契約体系を模索してきた」(内村常務)。

3.ドローンが屋内を飛行して残業監視、NTT東などが非GPS環境下で定期巡回サービス(12.7 ITpro)
 大成、ブルーイノベーション、NTT東日本の千葉事業部の3者は2017年12月7日、屋内ドローンを利用した社員健康管理サービスと位置づける「T-FREND」の試行サービスを2018年4月に、同年10月から本サービスを開始すると発表した。同日、会見を行いデモ飛行を披露した。

 同サービスでは、GPSを利用できないオフィスなどで、ドローンの屋内定期巡回を提供する。オフィス内での残業監視(残業抑制)、あるいは夜間のオフィス警備などのニーズに対応する。「非GPS環境下で自立飛行のサービスを提供する例はこれまでほとんどない。非常に大きなブレークスルーだ」(ドローンの機体開発および屋内自律飛行システム提供などを行うブルーイノベーション社長の熊田貴之氏)と強調する。

 開発システムでは、対象となるオフィス空間の巡回ルートを設定し、決められた時間に決められたルートをドローンが飛行する。オフィス内に設置した電波発生装置を目印にして、ドローンが自己の位置を推定する。ドローンの飛行計画や飛行経路はアプリから簡易に登録、管理できる。

 離発着場所(ポート)から離陸し、オフィス内を巡回後に自動で着陸する。将来的には、自動充電できる機能を付加する予定。

4.格安スマホ「FREETEL」のプラスワン・マーケティング、民事再生法を申請(12.4 ITpro)
 「FREETEL」ブランドでスマートフォンの製造・販売を手掛けるプラスワン・マーケティングは2017年12月4日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したと発表した。帝国データバンクによると、債権者は約185人、負債は約26億円。

 プラスワン・マーケティングは2017年11月、MVNO(仮想移動体通信事業者)として展開する格安SIMの通信事業を5億2000万円で楽天に譲渡したばかり。端末事業(開発・生産・販売)に専念することで再起を目指していたが、資金繰りが悪化して民事再生法の申請を決めた。同社の「とりかえ〜る」「特別買取サービス」「PREMIUM端末補償」「FREETEL Coin」などのサービスについては利用の受け付けを停止した。

 同社は事業の再生に向け、ITソリューションを手掛けるMAYA SYSTEM(東京・新宿)と基本合意書を締結し、協議を進めていることも明らかにした。スポンサーとして正式に決まり次第、今後の展開を含め、改めて報告するとしている。

5.スマートスピーカーで建材を制御するシステム、LIXILが2018年4月発売(12.4 ITpro)
 LIXILは2017年12月4日、スマートスピーカーで玄関ドア、シャッターなどの建材や家電を制御できるIoT(インターネット・オブ・シングズ)システム「住まいのリンクシステム」を開発したと発表した。2018年4月に全国で発売する。同社によると、スマートスピーカーと建材が連携するシステムは国内初という。

 住まいのリンクシステムは主に3つの機器で構成する。スマートメーターなどの利用状況を取得したり、家電を遠隔操作したりする「ホームコントローラ」、各種センサーやWebカメラなどのデータを取得する「リンクコントローラ」、ホームコントローラとリンクコントローラを連携させるルーターである。

 例えばユーザーが外出前にスマートスピーカーに話しかけると、スピーカーと連携する音声センサーが音声データを収集。このデータを活用してリンクコントローラとホームコントローラが連携して、照明やエアコンをオフにしたり、シャッターを閉めたりできる。スマートフォンでもスマートスピーカーと同様に操作できるほか、玄関ドアの開閉をきっかけに他の建材を制御することも可能という。

 同システムで利用できるスマートスピーカーは、米アマゾン・ドットコムの「Amazon Echo」シリーズと、米グーグルの「Google Home」シリーズの予定。LIXILは同社の建材で住宅を新築する顧客を主な対象に、年間1万棟に同システムの採用を目指すとしている。

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