週間情報通信ニュースインデックスno.1110 2017/12/02


1.年間1兆円のR&D投資続けるファーウェイ、初任給40万円とマットレス(12.1 ITpro)
 日本国内でSIMフリースマートフォンの定番メーカーになってきた華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)。世界のスマートフォン市場でも大きな存在感を示している。米Strategy Analyticsの調査によると、2015年に米マイクロソフト(買収したノキアの端末事業を含む)を抜き、スマホ市場の台数シェア3位に躍り出た。

 ファーウェイによると、2016年の出荷台数は前年比28.7%増の1億3900万台。2015年に8.3%だった台数シェアを、2016年には9.6%へと拡大させた。韓国サムスン電子、米アップルに次ぐ、スマートフォン市場のシェア3位の座を確固たるものとしている。

 それに伴い、ブランド力も増している。米インターブランドが公開した「世界企業ブランドランキング2017」では、ファーウェイは70位にランクインした。前年の72位からブランド価値を14%上昇させ、順位を2つ上げた。上位100社にランクインした中国企業は、ファーウェイを除くと100位のレノボしかない。

 スマートフォンだけでない。通信インフラ機器メーカーとして、スウェーデンのエリクソンに次ぐシェア2位を獲得している。2017年9月に中国企業連合会が発表した「中国企業500強リスト」によると、ファーウェイの2016年の売上高は前年比13.2%増の5216億元(約8兆9215億円)。中国企業のなかで17位に位置する。中国ハイテク企業トップで頭一つ以上抜けた売上高だ。

 ファーウェイは1987年に軍人出身の任正非氏が深センで立ち上げた。当時、中国の通信機器市場は海外メーカーに席巻されていた。任氏の創業時の問題意識はそうした局面の打破にあった。この意識は社名にも隠れていて、ファーウェイの「華為」とは「中華のため(為)」という意味である。

 ファーウェイが現在の地位を手にしたのは、いち早く技術の重要性を認識したからだろう。自社製品の開発に力を入れ、創業以来、売上高の10%以上を研究開発に投資し続けている。欧州委員会が公開した「2016世界企業研究・開発(R&D)支出額ランキング」では、ファーウェイは8位。トップ10にランクインした唯一の中国企業となった。

 こうした姿勢は、特許出願件数に如実に表れている。企業別の国際特許出願件数では、2015年は3898件で世界1位となった。2016年には研究開発費が初めて100億ドル(約1兆1369億円)を突破した。

 ファーウェイは派手なプロモーションはせず、研究開発、イノベーションに強いブランドイメージを浸透させようとしている。

 部品の国産化にも熱心だ。子会社の海思半?体(ハイシリコン)では、スマートフォンのプロセッサー「Kirin」を開発している。液晶ディスプレイなど、ほかの部品についても中国国内で生産しようと研究開発を進めている。

 かつては価格で勝負しようとする中国企業が多かったが、最近はイノベーションで生み出した高付加価値の製品やサービスの提供を目指す中国企業が増えている。これはファーウェイの存在が大きい。売上高の10%を研究開発に投資してイノベーションを追い求める姿勢が、ほかの企業をリードしている。

 ファーウェイ社員の働き方は、昔から“モーレツ”で知られる。かつてのファーウェイでは、入社後に最初に会社から支給されるのはマットレスだった。残業や徹夜に備え、机の下にマットレスを常備するのだ。

 ただ、最近は極端なモーレツは影を潜めたといわれる。過去には若手社員が自殺する事件があり、ファーウェイでの働き方への批判が一時期高まった。現在、過去に支給されたマットレスは昼寝のためとしている。

 創業者の任氏は、ファーウェイの社員を「オオカミ」に例える。オオカミのような鋭い嗅覚と不屈の精神を持ち、皆で力を合わせて攻めるのがファーウェイの経営方針である、と標榜する。オオカミの文化は正負両面がある。自殺事件は負の側面が出てしまった例だろう。

 良い面は社員の奮闘をたたえ、鼓舞する文化だ。任氏は「企業は社員の努力から成り立ち、企業の利益も社員に還元すべき」との考えをかつてから表明している。給与が高いうえ、利益が社員に還元される仕組みを用意している。社員持ち株制度が導入され、任氏が所有する1.42%の株式以外は全て社員が所有する。

 日本では2017年6月、求人サイトに掲載されたファーウェイ日本法人の新卒初任給の高さが話題になった。学部卒で40.1万円、修士了で43万円と、日本のメーカーの倍近い提示にネットを中心に驚きの声が上がった。一方、中国ネット世論は日本人の反応に驚いた。中国ではファーウェイの高給は当たり前、と認識されている。

 ファーウェイは1987年の創業からちょうど30年目を迎えた。リーダーとしてファーウェイの成長を率いてきた任氏のカリスマ性は絶大だが、すでに73歳だ。次世代リーダーの育成も重要な課題となっている。

  2.楽天モバイルが140万回線突破の背景を説明、FREETEL事業承継も(12.1 ITpro)
 楽天は2017年12月1日、格安スマホ事業「楽天モバイル」の事業説明会を開催した。事業の最新状況やプラスワン・マーケティングから事業承継した「FREETEL」について説明した。

 まず楽天の大尾嘉宏人執行役員楽天モバイル事業が登壇。「楽天モバイルの提供開始から3年が経過した。当初は格安へのハードルを下げるためセット端末を強化し、2016年には大容量プランを開始。2017年にはオリジナリティーやグループ連携を強化し、9月にはスーパーホーダイを発表した」と振り返った。

 回線数は140万回線を突破したという。11月1日の「FREETEL」事業承継により、当時105万回線だった楽天モバイルにFREETELの35万回線が加わった。

 契約者の年齢層は若い世代が増えているという。2016年10月と2017年10月を比較すると20代が増加。20代と30代の割合の合計で半数以上を占めるようになった。「若い世代が増えているのは楽天グループにとっても、良いこと」(大尾嘉執行役員)とした。

 市場シェアはMMD研究所の調査において「メインで利用している格安SIM」で楽天モバイルが1位になった点を引用。「FREETELと合わせて25.9%になり、4人に1人が楽天のMVNOサービスを利用している計算だ」(大尾嘉執行役員)と話した。  

3.スマートスピーカーの本命?Amazon Echo Dotがやってきた(12.1 ITpro)
 今年の日本は「スマートスピーカー元年」と呼べるほど、多くのスマートスピーカーが登場しました。2017年7月にLINE Clova WAVE、10月にGoogle Home、11月にAmzon Echoが発売になっています。残念ながらアップルのHome Podは2018年以降に発売が延期となりましたが、出そろってきた感じがします。

 筆者は、LINE Clova WAVEを先行予約で入手して愛用しています。機能はまだまだ少ないのですが、「クローバー」と呼び掛けて利用できる機能が少しづつ増えてきて、楽しく利用しています。特に小学生の娘からの予想を超えた質問に、頑張って答えるLINE Clova WAVEが愛おしくなってきました。

 そんな我が家に2台目のスマートスピーカーとしてAmazon Echo Dotが来ました。スマートスピーカーは1台で十分なのですが、Amazon Echoは「スキル」(スマートフォンで言うところのアプリようなイメージでしょうか)がサードパーティーに公開されており、多くの機能を追加できます。アメリカでは2万以上のスキルが提供されていますが、日本でもスタートアップ時に200以上のスキルが用意されました。

 そこで「LINE Clova WAVEは遊び相手、Amazon Echo実用」と使い分けようと思い、Amazon Echoを入手することにしました。2台目のスマートスピーカーということで、廉価版のAmazon Echo Dotにしました。音楽はLINE Clova WAVEでLINE MUSICを利用しているので、Amazon Echo Dotは検索機能で利用しようと計画しました。

 ちなみにGoogle Homeも入手するつもりだったのですが、某量販店の店頭で「2台買うと得ですよ」としつこく勧誘されて買うのをやめてしまいました。まだ使い道が固まっていない機種をいきなり2台買う気ににはならなかったのです。というわけで、Google Homeは購入を保留中です。

 Amazon Echoは、プレミアム会員向けの優先予約が行われて、発売日に入手できました。写真を交えながら、ファーストインプレッションを紹介します。

 Amazon Echo Dotはコンパクトなパッケージで届きました。パッケージの同根物はAmazon Echo DotとUSB充電器、USBケーブル、説明書です。

 本体もコンパクトで、サイズと重量は32×84×84mm、163gとなっています。上部にはボタンが配置されています。音量調整とマイクのオン/オフ、そしてアクションボタンです。

 インタフェース類は、microUSB端子とオーディオ用のAUX端子を備えています。充電時は、microUSB端子と付属のUSB充電器をケーブルでつなぎます。USB充電器の出力は、5.2V1.8Aとなっていました。

 Amazon Echo Dotを利用するには、Amazon Alexaアプリ(iOS用、Android用)が必要です。このアプリは、iOS用とAndroid用があります。アプリ上で、アマゾンアカウントとの紐づけやWifi設定を行います。これで、Amazon Echo Dotが使えるようになります。

 「アレクサ」と話しかけると、本体上部のランプがブルーに点灯して反応します。続けて、コマンドを話します。現在時刻を知るには「アレクサ、今何時?」、天気予報なら「アレクサ、今日の天気は?」、音楽を聴くには「アレクサ、音楽を再生して」など、基本的な機能はすぐに利用できます。

 サードパーティ製のスキルを利用するには、スマートフォン用アプリを使って有効にします。例えば、radikoのスキルを有効にしたところ、ラジオを聴くことができました。

 使った感想としては、反応が早く、使いやすく感じます。ただしスキル機能を使うには、まず呼び出してから、コマンドを送る必要があります。そのため、自分の使いたいスキルを呼び出す方法を覚える必要があります。例外として、ニュース系のスキルに関しては、「アレクサ、今日のニュースは?」というコマンドで、登録してあるニューススキルを次々と再生するようです。

 Amazon Echo Dotの面白い点は、USBケーブルで給電するため、モバイルバッテリーで稼働させられることだと思います。スマートフォンのテザリング機能を利用して、モバイル環境でAmazon Echo Dotを利用することも可能です。例えば、車の中で利用するような使い方が考えられます。試す際は自己責任でお願いしたいのですが、手元にあった5V2Aの出力が可能なモバイルバッテリーを使い、テザリング機能で接続したところ、問題なく使えました。

 スマートスピーカーは、パソコンやスマホと違って画面がなく、音声コマンドのみで利用します。この音声コマンドのみで操作できるメリットを感じられる環境にユーザーが慣れていくことが、スマートスピーカーを使いこなすコツかもしれません。今後のスマートスピーカーの進化が楽しみです。

  4.AWSが「Alexa for Business」発表、オフィスで音声アシスタントが利用可能に(12.1 ITpro)
 米Amazon Web Services(AWS)は2017年11月30日(米国時間)、音声アシスタント「Alexa」をオフィスで利用するためのサービス「Alexa for Business」を発表した。Alexaを搭載するデバイスを一元管理したり、自社専用の「スキル」を開発してデプロイしたりできるようになる。

 米Amazon.comのWerner Vogels CTO(最高技術責任者)は米ラスベガスで開催する「AWS re:Invent」の基調講演でAlexa for Businessを披露。「家庭でAlexaに親しんでいる多くのユーザーが、『なぜオフィスでは音声アシスタントが利用できないのか』と考え始めている。そうしたユーザーの希望に我々は応える」(Vogels氏)と語った。

 Alexa for Businessはユーザー企業がオフィスに設置した複数のAlexa搭載端末を一元管理するSaaS(Software as a Service)で、スマートフォンにおけるMDM(モバイルデバイス管理)に相当する。利用料金は、管理するAlexa搭載端末が共有端末である場合は1台当たり月額7ドル、Alexa搭載端末が特定ユーザーに紐付けられる場合は1ユーザー当たり月額3ドルとなる。

 ユーザー企業はオフィスのAlexaを使って、様々な業務アプリケーションと連携するビジネス版のスキル(スキルはAlexaにおけるアプリケーションに相当する存在)を利用できる。例えば、電話会議システムと連携するスキルを導入すると、「Amazon Echo」のようなAlexa搭載スピーカーを電話会議システムのスピーカーとして利用し、「Alexa、ミーティングを始めて」といった具合にAlexaに話しかけるだけで、電話会議を開始できるようになるという。

 米Salesroce.comや米Splunkなどの業務アプリケーションベンダーが、ビジネス版Alexaスキルを用意。ユーザー企業が自社に必要なスキルを開発して、自社で使用するAlexa搭載端末だけで利用することも可能になる。従来はAlexaのスキルは、Amazon.comが用意するマーケットプレイスに登録し、誰でも使えるようにする必要があった。ユーザー企業の専用スキルは「プライベートスキル」と呼ぶ。

 Amazon.comは同日、企業ユーザー向けのAlexa搭載端末セット「Alexa for Business Starter Kit」も発売した。スマートスピーカーの「Amazon Echo」が3台、小型スピーカーの「Echo Dots」が2台、液晶パネル付き端末の「Echo Show」が2台で構成し、価格は709ドルだ。

  5.コクヨ、持ち出し端末をタブレットからノートPCに切り替え(11.30 ITpro)
 横河レンタ・リースは2017年11月30日、コクヨとコクヨグループがデータレスPCを実現するソフト「Flex Work Place Passage」を採用したと発表した。このソフトは、PCの内蔵ディスクに対するデータ読み書き処理を、すべてファイルサーバーにリダイレクトする。内蔵ディスクにはデータを保存しないため、端末紛失時のデータ漏洩を防止できる。

 従来、コクヨはタブレット端末とVDI(仮想デスクトップ)の組み合わせを利用していた。これには二つの課題があった。1つめはタブレット端末の課題だ。マウスを使えず、プレゼンテーション資料や見積書の作成に手間が掛かっていた。2つめはVDIの課題。大きな図面をスクロールしながら見るような利用シーンで、パフォーマンスが不十分だった。

 そこで、持ち出し端末をタブレットからノートPCに切り替えた。ノートPCだとタブレット端末、VDIよりも紛失時のリスクが高まるため、ローカルにデータを保存させないFlex Work Place Passageの導入でセキュリティを保つ。社外業務の多い営業担当者を中心とした利用で500ライセンスを導入した。

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