週間情報通信ニュースインデックスno.1108 2017/11/11


1.ニチイ学館とNEC、AI活用した高齢者介護・自立支援サービスで共同研究(11.10 ITpro)
 介護サービスや生活支援サービスなどを手がけるニチイ学館とNECは2017年11月10日、医療・介護分野における業務提携に合意したと発表した。

 業務提携の第一弾として、AI(人工知能)を活用した高齢者の介護・自立支援サービス開発に向けた共同研究を開始した。NECのAI技術の一つで多種多様なデータを分析できる「異種混合学習技術」を用い、高齢者の様々なデータを学習・分析させる。同技術を搭載したシステムが自立に適切と思われるケアプラン案をケアマネージャーに提案できるようにすることを目指す。

 この共同研究により両社は、介護事業者におけるケアマネジャーなどの現場スタッフの負担軽減と、より効率の高いケアプランを作成できる人材育成の実現を目指す。

  2.ウインドリバーがIoTセキュリティ説明会、「ウクライナの大停電は当社製品なら防げた」(11.10 ITpro)
 ウインドリバーは2017年11月10日、IoT(インターネット・オブ・シングズ)セキュリティへの取り組みに関する説明会を開催した。米ウインドリバーでOS関係製品プロダクトマネージメント担当ダイレクターを務めるティム・スカット氏が北米から中継で登壇し、「今まで外部とネット接続していなかった様々なエッジデバイスが、クラウド環境下でリアルタイムに、かつシームレスに接続するインダストリアルIoTの動きがある」と現状を説明した。

 そうしたなか、「エンド・ツー・エンドのセキュリティの重要性が高まっている」と指摘。さらに、同社はIoTセキュリティについて、組み込み系から企業情報システム向けまで包括する製品群とサポートサービスを充実させるという方向性を示した。

 エンド・ツー・エンドにおけるデータのセキュリティでは、エッジデバイス同士が同一ネットワーク内で情報をやり取りする「East-West通信」に加え、エッジデバイスがインターネットやクラウドにつながる「North-South通信」のそれぞれでセキュリティを担保しなければならないと強調。スカット氏はIoTマルウエア「Mirai」に感染したボットネットによる攻撃や米流通大手ターゲットで発生した情報漏洩、ウクライナで大停電を引き起こしたマルウエア「CrashOverride」などを例に、「あるところでセキュリティ侵害が発生すると、被害が連鎖して大きな障害につながる」と指摘した。

 同社は組み込み系ソフト会社として30年以上の実績があり、「デバイスとサービスレベルのセキュリティを担保」「デバイス間のセキュアな通信」「セキュリティのモニタリングと管理」という3つのアプローチで顧客のサイバーセキュリティ維持に貢献しているという。ウクライナの大停電では同社のテクノロジーが導入されていれば多層防御のソリューションで対処できたはずだとした。

  3.東急線の運行情報を音声で提供、東急電鉄がAmazon Alexa対応(11.10 ITpro)
 東京急行電鉄は2017年11月10日、東急線の運行情報を米アマゾン・ドット・コムの音声認識サービス「Amazon Alexa」で確認できるようにすると発表した。まずはアマゾンジャパンが販売するスマートスピーカー「Amazon Echo」が対応する。

 Alexa対応スマートスピーカーに「アレクサ、東急線アプリ」と話しかけると、スピーカーが東急線各線の運行情報を音声で案内する。運行情報はスマートフォンアプリ「東急線アプリ」で提供しているものと同じリアルタイムの情報だという。

 スマホやアプリがなくても、簡単に運行情報を確認できるのが特徴。スマホの操作や画面確認の必要がないため、視覚障害を持つ人でも簡単に情報を確認できるようになる。11月13日から情報を提供する。

  4.グーグルが「Actions on Google」説明会、インストール不要で機能を拡張(11.9 ITpro)
 グーグルは2017年11月9日、スマートスピーカー「Google Home」やAndroid端末などで利用できるGoogleアシスタントのサードパーティ連携機能「Actions on Google」について、説明会を開催した。 

 説明会にはグーグル 製品開発本部長の徳生裕人氏が登壇。「Googleアシスタントは2017年8月からiOS向けにも提供し、10月にはGoogle Homeも発売した。現在、世界で1億台以上の端末で利用できる。動画や音楽を再生したいとき、ちょっとした質問をしたいとき、声だけで使えるアシスタントとして開発している」と紹介した。 

 特に合成音声による読み上げ能力が向上し、より自然になったという。テキストを音声にする従来の技術として、「concatenative TTS(Text-To-Speech)」では「何百時間も声優の声を録音し、うまくつなぎ合わせるもの。五十音だけでは済まず、伸ばす場合などは大変で、不自然さが残るという限界があった」(徳生氏)という。 

 これに対して現在のGoogleアシスタントは、AlphaGoの開発で知られるDeepMindによる「WaveNet」を採用する。「何を放り込んでも自然に読み上げてくれるニューラルネットワークの仕組みを構築した。最初は『はじめまして』という音声を合成するのに50秒かかっていたが、今では0.05秒になっている」(徳生氏)と説明した。 

 Googleアシスタントにサードパーティの機能を取り込む「Actions on Google」については、「グーグルのサービスだけでは全ての要求に応えられない。そこで、Googleアシスタントに機能を追加し、簡単に連携できる機能としてActions on Googleを10月24日より提供している」(徳生氏)と語った。 

 Google Homeでは音声のやり取りだけとなるが、スマートフォンのGoogleアシスタントから起動した場合は画面も表示できる。「スクリーンのある端末、ない端末のそれぞれに合わせて作り分けることができる」とした。 

5.IIJの「フルMVNO」は2018年3月末までに開始、法人やIoTを主眼に(11.7 ITpro)
 インターネットイニシアティブ(IIJ)は2017年11月7日、MVNO事業に関する説明会を開催。「フルMVNO」サービスを2018年3月末までに開始することや、長期利用者向けの特典プログラムなどを説明した。説明会には、IIJ MVNO事業部長の矢吹重雄氏が登壇。MVNO事業の回線数が2017年9月末時点で203万9000回線に達したことを明らかにした。

 回線数の内訳は「IIJmioがもうすぐ100万回線、MVNEとして提供しているものが約65万回線、法人向けが約40万回線」(矢吹氏)との数字を明かした。MVNEの数は128社とした。

 MVNO市場については、「数え方にもよるが、総務省の調査では2016年度に1636万回線、9.7%を占めており、右肩上がりに拡大している。MVNOや格安スマホ、格安SIMといった言葉が認知されてきた。同時に、社会的な役割や責任も大きくなってきている」(矢吹氏)との見方を語った。

 高い設備稼働率については、「個人ユーザーだけでなく法人ユーザー、M2Mなどのモノにサービスを提供することで、さまざまなパターンの通信を効率的に収容している」(矢吹氏)とグラフを用いて説明した。

 2016年8月に発表した「フルMVNO」事業の進捗については、「11月に入る直前にドコモとの間で大きな試験が終了し、概ねスケジュール通りに進んでいる。当初の計画通り、2018年3月末までに第1弾のサービスを開始する。まずは法人向けサービスと、訪日外国人向けプリペイドサービスの2つを考えている」(矢吹氏)と説明した。

 フルMVNOを開始する狙いについては、SIMや加入者管理機能、国際ネットワークの観点から説明した。SIMカードについては、「これまではドコモからSIMを借りていたが、我々がSIMを作ることができる。半導体型のeSIMチップを使ったサービスも可能になる」(矢吹氏)という。

 同社は会場にIIJによるSIMカードやeSIMチップのサンプルを展示した(写真10)。通常のMVNO向けSIMカードにはNTTドコモのロゴが入っているのに対し、IIJ独自のデザインとなっていた。また、このSIMカードを入れたiPhoneではドコモのネットワークに接続しつつ、キャリア名が「docomo」ではなく「IIJ」になっていることが確認できた。

 将来的な可能性として、「これまでSIMの情報は物理的なSIMカードに書き込まれていたが、それをクラウドからダウンロードする仮想化なども、MVNO独自の戦略で対応できるようになる」(IIJ MVNO事業部 MVNOセールス・プロモーション部 事業統括室 担当部長の佐々木太志氏)と説明した。

 また、加入者管理機能を持つことで「日割り料金や完全従量制など、これまでにないビジネスモデルもあり得る」(矢吹氏)という。国際ネットワーク対応として、「これまではドコモのWORLD WINGのみが選択肢だったが、今後はフルMVNOとして各国のキャリアやMVNOと提携したサービスを提供できないか、来年の春を目処に交渉している」(同)とも語った。

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