週間情報通信ニュースインデックスno.1106 2017/10/28


1.日本IBMがクラウドの「無料お試し」を無期限に、Watsonなど(10.27 ITpro)
 日本IBMは2017年10月27日、同社のクラウドサービス「IBM Cloud」で提供する人工知能(AI)「Watson」などを無期限で試用できるサービスを11月1日から提供すると発表した。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の利用回数などに上限を設けるものの、上限内であれば利用目的を問わず継続利用できる。

 同社の三沢智光専務執行役員IBMクラウド事業本部長が同日に都内でソフトバンクと共同開催したAI関連イベント「AI Business Forum」で明らかにした。「手軽に評価できる環境を後押し」(三沢専務執行役)して、同社サービスの顧客接点を広げる狙いである。 

 11月1日にIBM Cloudに新たな会員機能「ライトアカウント」を追加する。クレジットカード番号を入力せずにアカウントを作成できる。利用回数などの上限内であれば、対象サービスを無料で使える。ライトアカウントの新設に伴い、従来提供していた30日限定で無料利用できる「フリートライアルアカウント」を廃止する。 

 対象のサービスはIBM Cloudのうち、Watsonの6種類のAPIやプログラミング環境を提供する「Cloud Foundry」など、「IBM Bluemix」ブランドでこれまで提供していたPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)の25種類のサービスである。IBMはBluemixのブランドを段階的に廃止し、IBM Cloudに統一している。 

 ライトアカウントの利用制限は、Watsonでは自然言語の対話API「Conversation」で1カ月1万回まで、登録できるインテント(最終的な回答方法)が25個まで。ユーザーのプログラムが稼働するCloud Foundryの仮想マシンはメモリー容量が256Mバイトとなる。 

2.5Gが抱える課題は?(10.27 ITpro)
 5Gの課題としては次の4点が挙げられる。第1に個人の需要を開拓できるか、第2に「準ミリ波」などの高周波技術を端末に低コストで搭載できるか、第3に投資に見合う経済効果が確実に得られるか、第4に世界中で同じ周波数が使えるか──である。 

 第1の課題は、個人ユーザーが毎秒10ギガビットもの超高速通信を生かせる用途が無いのが現状だ。 

 携帯電話大手は「用途の開拓こそ重要だ」として、多くのユーザー企業に声をかけ、5Gの使い方を探る実証実験に力を入れている。自動車や警備、エンターテインメント産業、製造業などがその一例だ。「様々な業種の企業から提案やアイデアをもらい、企業の関心は高い」(NTTドコモの中村室長)との声に代表されるように、業務活用は大きな潜在力を持つ。 

 一方で超高速通信を必要とする個人の活用シーンが描けていない。例えば4K映像の配信サービスは毎秒25メガ〜80メガビットの帯域で十分であり、4G(LTE)で既に提供されている。5Gのけん引役としては力不足だ。 

 3Gは「iモード」「写メール」などのヒットサービスがデータ通信の需要を生み出し、4Gはスマホや動画サービスが高速通信への需要をさらに引き上げた。5Gで同じような個人向けの「キラーサービス」が現れるかは未知数だ。 

 2番目の課題は、28ギガヘルツ帯など新たな周波数を使うことに伴うものだ。NRの基地局は都市部に密に設置される見通しだが、電波が届きにくい特性は不利に働く。高周波を増幅する半導体は一般的なシリコンでなくガリウムヒ素を材料にするなど、通信端末に搭載するアンテナや半導体に求められる技術は従来と大きく異なる。これらを小型化・低価格化する研究開発は急速に進んでいるとはいえ、まだ発展途上にある。当初のNR対応の通信端末は高価かつ大型となり、販売が伸び悩む恐れがある。 

 第3の課題は、投資に見合う経済効果を呼び起こせるかである。5GでNR対応基地局を整備すると、設置箇所は大幅に増える見通しだ。その対策として、通信機器メーカーはNR基地局を低コストで整備できる技術開発を進めている。NTTドコモは「携帯電話の設備投資は技術革新などにより緩やかに減っている。5Gでも投資を急増させず整備できる」(5G推進室の中村武宏室長)とみる。ただし5Gへの投資を継続するには着実は普及が必要と言える。 

 第4の課題は、5Gの周波数は国ごとに割り当てが異なる可能性があり、国際ローミングの障壁になる懸念だ。5Gで当初使われる周波数は2019年の国際会議で確定する見通しだ。

3.国内外の精鋭125人が集結、NTTグループがセキュリティ人材の会合(10.25 ITpro)
 NTTは2017年10月25日、グループ内のセキュリティ人材を集めた会合「サイバーセキュリティ・プラクティス・ミーティング」を開いた。NTTグループでサイバーセキュリティに従事する人員は国内外で3000人以上。このうち、研究や開発、運用、コンサルティングなどを担う精鋭125人が参加し、最新の知見を共有した。

 NTTは2016年8月にNTTセキュリティを設立。NTTコミュニケーションズをはじめ、南アフリカ共和国のディメンションデータ、2013年8月買収の米ソリューショナリーなどグループでバラバラに展開していたセキュリティ事業を統合した。ネットワークインフラから上位のアプリケーションまで全ての領域をカバーできる点を強みとするが、「まだポテンシャルを十分に生かし切れていない」(NTTの横浜信一Head、Cyber Security Integration)との認識がある。

 サイバーセキュリティ事業は人材が鍵を握るため、同会合を通じてグループ内の交流を深め、スキルの向上につなげていく。同日午後のセッションでは、NTTセキュリティがSOC(Security Operation Center)で観測した脅威の最新動向やMDR(Managed Detection and Response)サービスのあるべき姿、ディメンションデータがセキュリティサービスの市場動向、NTTドコモが新しい認証技術「FIDO(Fast IDentity Online)」への取り組みなどを紹介した。10月26日にはグループディスカッションを予定する。

 同会合は今年で3回目。1回目と2回目の参加者は50〜60人程度だったが、今年は国内が75人、海外(計10カ国)が50人と大幅に規模を拡大した。NTTグループ全体のセキュリティ事業の売上高は1500億円規模。早期に2000億円への拡大を目指す。

  4.NECがベクトル型コンピュータを発売、「スパコン技術をあらゆる産業へ」(10.25 ITpro)
 NECは2017年10月25日、ベクトル型コンピュータ「SX-Aurora TSUBASA」を発売すると発表した。ベクトル型スーパーコンピュータ「SX-ACE」のアーキテクチャーを引き継いでおり、デスクトップ型やラックサーバー型などの様々な形態で提供する。「研究機関などを中心とした従来の高性能計算(HPC)用途のほかに、需要予測などの企業のビッグデータ解析の用途を開拓して事業を拡大する」とNECの福田公彦執行役員常務は話す。2018年2月から順次出荷を始める。3年間で関連事業を合わせて1000億円の売り上げを目指す。

 ベクトル演算プロセッサーを搭載する拡張カード型のモジュール「ベクトルエンジン」を内蔵したコンピュータを販売する。研究者やデータ解析担当者の机のそばに置けるタワー型、データセンターのラックに収めるラックマウント型、専用ラックに最大64個のベクトルエンジンを収納したラック型を用意した。現時点ではベクトルエンジン単体の販売は予定していない。

 米インテルのサーバー用CPU「Xeon」をホストとして利用し、専用のコンパイラーでコンパイルしたプログラム全体をベクトルエンジン上で実行する。プログラムの一部の処理をGPU(Graphics Processing Unit)に実行させる場合に比べて、データのコピーにかかる時間を短縮できるとする。大量のデータを使って複雑な計算を実行させる気象や流体などのシミュレーション、履歴データに基づく需要予測、人の行動や好みに応じたレコメンデーションなどの用途で強みがあるとみる。

  5.KDDIがSD-WANサービスを発売、専用機器で簡単に環境構築(10.24 ITpro)
  KDDIは2017年10月24日、SD-WANサービス「KDDI SD-Network Platform」を同年12月5日から提供すると発表した。顧客企業の拠点内に敷設済みのインターネット回線またはVPN回線に専用機器を取り付けることで、簡単にSD-WAN環境を構築し運用開始できるという。月額料金は1契約あたり2万円(税抜き、以下同)で、別途専用機器の導入台数に応じ、1台あたり月額1万円からの利用料が発生する。

 同社が「SD-BOX」と呼ぶ専用機器は、顧客のニーズに応じソフトウエアで機能を追加可能な仕様としている。最小構成ではルーター機能とトラフィックの可視化機能を提供し、オプションでSD-WAN機能、UTM(Unified Threat Management)機能を追加可能だ。

 SD-WAN機能としては、(1)回線の通信品質やアプリケーションに応じて通信経路を振り分ける「マルチパス制御」、(2)特定のパブリッククラウドサービスへのアクセスのみ拠点から直接インターネットへトラフィックを向かわせる「ローカルブレイクアウト」、(3)単一の物理回線上に、論理的に分離された複数のネットワークを構築する「セグメンテーション」、の各機能を提供する。UTM機能は2018年3月に追加予定で、IPアドレスやポート番号だけでなくアプリケーションごとに通信の許可/遮断を設定できる。

 専用機器は当初提供する「SMALL」のほか、処理可能なトラフィックの多い「MEDIUM」「LARGE」のハードウエアも今後提供予定としている。また同サービスは国内のほか、欧米やアジアなど海外36カ国・地域でも2018年3月から提供する。

 企業内の既存回線にオーバーレイする形でSD-WANを構築するサービスは、NTTコミュニケーションズも提供している。KDDIは自社サービスの優位性について「最初はルーティングやアプリケーションの可視化機能から小規模に導入できるほか、固定回線とモバイル回線を自社でワンストップに提供できる。今後も短いサイクルで顧客企業に寄り添いながらサービスを拡充していく」(KDDIの梶川真宏ソリューション事業企画本部ネットワークサービス企画部長)としている。

     ホームページへ