週間情報通信ニュースインデックスno.1105 2017/10/21


1.「デジタル変革はオープンソースが牽引」、米レッドハットCEO会見(10.20 ITpro)
 米レッドハットのジム・ホワイトハースト社長兼CEO(最高経営責任者)は2017年10月20日、東京都内で開いた記者会見で企業のデジタル変革における同社の取り組みについて説明した。「デジタル変革にはDevOpsによる迅速なアプリケーション開発が欠かせない。オープンソースソフトウエア(OSS)を開発するコミュミニティーはまさにDevOpsを進めている。OSSをベースとする当社製品はまさにDevOps開発に最適」とし、同社製品がデジタル変革を支えると訴えた。

 ホワイトハーストCEOは、人工知能(AI)や機械学習に代表される新技術の多くがLinuxを基盤にOSSとして生まれている現状を説明。新技術をいち早くビジネスに生かすにはOSSが最良の選択肢であり、企業向けに新技術と品質を両立できる同社の製品とサポートが企業のデジタル変革を支える強みになっているとした。

 会見で前面に出したのは同社のコンテナ基盤「OpenShift Container Platform」だ。Dockerコンテナ管理ツールのOSSである「Kubernetes(クーバネテス)」の商用版であるOpenShiftは、同社の2017年度第2四半期(6〜8月)のアプリケーション開発製品分野の業績を前年同期比44%増に高めた立役者という。「金融や政府官公庁、通信といった業種以外に、小売りなどの伝統的な企業もコンテナ環境を活用し始めている」(ホワイトハーストCEO)。

 OpenShiftが伸びた理由としては、Kubernetesのサポート実績と、従来型のステートフルなJava EEアプリケーションをコンテナ環境に容易に移行できる点を挙げた。日本国内の事例にも言及し、ソフトバンクの業務システム開発で2週間に1回の頻度だったデプロイ(展開)が2週間で118回に高まったとした。

2.楽天証券、AIで顧客クレーム抽出の検証を開始(10.19 ITpro)
楽天証券は2017年10月19日、コールセンターの通話記録から人工知能(AI)を使って顧客ニーズを分析する検証(概念実証、PoC)を開始した。テキスト解析に強みを持つAIエンジン「KIBIT」の開発を手掛けるFRONTEOと組む。検証期間は約1カ月間で、顧客の満足度向上につなげたい考えだ。

 同社では、コールセンターに問い合わせがあった顧客の要望やクレームをオペレーターが「要対応」としてチェックを付けて、サービスの改善に役立てる。ただしオペレーターによる解釈の違いで、「要対応」のチェック漏れが生じる場合がある。現状、人手による再確認をしている。今回の検証ではチェックが付かなかった問い合わせをKIBITで分析し、チェック漏れの案件を洗い出す。

 KBITには、AIの手本となるデータ(教師データ)として、過去の改善要望やクレーム記録を学習させる。その上で、実際の通話記録を分析。問い合わせごとに、同じ意味やニュアンスを含むかのスコア付けをする。高いスコアのものほど、要対応案件である可能性が高い。分析精度が高まれば、スコアに応じて重点的に再確認作業を実施するといった効率化も図れる。

 FRONTEOのKIBITは、金融機関での導入実績が豊富だ。今までにりそな銀行や横浜銀行、東京海上日動火災保険などが採用している。 

3.AppleとGEがIoTで提携、iOS用Predix SDKを公開へ(10.19 ITpro)
  米Appleと米General Electric(GE)は2017年10月18日(米国時間)、IoT(Internet of Things)のアプリケーション開発で提携すると発表した。GEのインダストリアルIoTプラットフォーム「Predix」と連携する「iOS」用アプリを開発するSDK(ソフトウエア開発キット)を2017年10月26日に公開する。

 AppleとGEの両社が提供するSDKを使用することで、開発者はiOS上で動作するアプリに、Predixが提供する産業分野に特化したデータ分析機能などを容易に搭載できるようになる。両社は例として、「Predixが予測した風力発電用タービンの異変を、作業員のiPhoneにリアルタイムに通知し、他の作業員と連携した検診や修理などを実行できるiPhoneアプリ」などが実現できると説明する。

 またGEはAppleとの提携に基づき、GEが社内で利用するiOSアプリや、顧客に提供するiOSアプリの開発も進めている。既にGEの資産パフォーマンス管理システムである「Asset Performance Management(APM)」に関しては、iOS用クライアントアプリをAppleの「App Store」で提供し始めたという。

 AppleのTim Cook CEO(最高経営責任者)は声明で、「GEのPredixプラットフォームと『iPhone』や『iPad』の性能やシンプルさを組み合わせることで、AppleとGEは製造業の世界の仕組みを根本的に変える」と述べている。またGEのJohn Flannery会長兼CEOは「顧客は従業員のモビリティをますます重視する傾向にある。GEとAppleが提携することで、Predixが提供するデータに基づく予測機能や分析機能をいつでもiPhoneやiPadで利用できるアプリが、顧客にもたらされる」と述べている。

 AppleはiOS用の業務アプリ開発に関して、米IBMや米Cisco Systems、欧州SAPといったITベンダーに加えて、米Accentureや米DeloitteといったITに強いコンサルティング会社と提携済み。ITベンダーやITコンサルティング会社以外の業務アプリ開発パートナーは、GEが初めてとなる。

4.ドコモがAIエージェントを2018年春提供、パートナー20社超と連携(10.18 ITpro)
 NTTドコモは2017年10月18日、スマートフォン(スマホ)ユーザーの音声を認識してニーズに合った情報を提供するAIエージェント機能を2018年春から提供すると発表した。同社以外の企業もAIエージェント経由でサービスを提供できるようAPIを開放する。現時点では20社以上のパートナー企業との連携を計画している。

 ドコモがこれまで提供しているスマホ向けサービス「しゃべってコンシェル」に、NTTグループが提供する人工知能(AI)「corevo」の一部を取り込んで機能を強化。2017年6月に発表したAIエージェントのパートナープログラムに参画した20社以上のサービスについて、音声で呼び出して利用できるようにする。

 この日の発表会では具体例として、(1)その日の天気やスケジュールに応じて起床アラームの時刻を前倒しする、(2)ユーザーの現在地を踏まえて近くの店舗などのお買い得情報を通知する、(3)ユーザーの行動パターンを把握して「いつものお店のお買い得情報」といった個人ごとにカスタマイズした情報を通知する、といった機能を提供予定であることを示した。

 ドコモは先行サービスとして、2017年秋に一部機能を提供する。具体的には、AIエージェントアプリから「dヒッツ」「dグルメ」「radiko.jp」にデータを引き渡して音楽や料理を検索したり、その日の最新ニュースを読み上げたりできるようにする。

 AIエージェントを巡っては、米アマゾン・ドット・コムや米グーグル、LINEなどがスマートスピーカーを2017年秋〜冬に相次いで国内発売するなど、各社の先陣争いが過熱している。一方でドコモは「AIエージェントの中心となるのはスマホとタブレット」(吉沢和弘社長)として、自社でスマートスピーカーを市販する考えはないとする。

 同社は競合他社のAIエージェントに対し、しゃべってコンシェルで培った日本語の音声解析のノウハウや、3500万件超に上るスマホやタブレット端末のユーザーを生かすことで迎え撃つ方針だ。年末商戦向けに発売される他社のスマートスピーカーに対しては、先行して一部機能を提供することでアピール力を強める狙いとみられる。

5.あらゆるWi-Fiに影響する「WPA2」脆弱性、各社が対策を公開(10.17 ITpro)
 セキュリティベンダーやセキュリティ機関、OSやスマートフォンなどのベンダーは2017年10月17日、10月15日に発見されたWi-Fi(無線LAN)のセキュリティプロトコル「WPA2」の脆弱性に対する対策を公開した。脆弱性を放置していると、暗号化が解除されて通信内容を盗聴されたり、通信を乗っ取られたりするおそれがある。

 トレンドマイクロはITproの取材に対し、「現段階で断言はできないが、端末にパッチを適用すれば問題が発生しなくなると確認している」と明らかにした。ただし、「攻撃の詳細が分かっていない部分もあるので、Wi-Fiルーターへのパッチ適用も可能であればやっておいた方がいい」(トレンドマイクロ)。

 Windowsは10月の月例セキュリティ更新プログラムでこの脆弱性に対応済み。Windows Updateを実施すれば、WPA2の脆弱性による問題を避けられる。グーグル広報はITproの取材に対して「数週間以内に影響する全ての機器に対しパッチの提供を予定している」と回答した。Apple Japan広報は「当社のmacOS、iOS、watchOS、tvOSは、今後数週間内でのアップデートのリリースを予定している」とした。

 情報処理推進機構(IPA)、トレンドマイクロ、シマンテックは、端末のアップデートが完了するまでの対策としてVPN(仮想閉域網)の利用を推奨している。Wi-Fiの暗号化が解除されても、別のレイヤーで暗号化しておけば通信は盗聴されない。IPAはこれ以外の方法として、HTTPのWebサイトでは重要な情報を送信せず、HTTPSで接続していることを確認してから送信するという回避策を紹介している。

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