週間情報通信ニュースインデックスno.1104 2017/10/14


1.百五銀行、NTTデータグループとRPAの試行導入を開始へ(10.13 ITpro)
 NTTデータとNTTデータ東海は2017年10月13日、三重県の地方銀行である百五銀行に対して、PCを使った定型業務を自動化する技術であるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の試行導入を始めると発表した。

 試行導入は、2017年10月16日から、NTTデータが販売する国産RPAソリューション「WinActor」を使って進める。

 百五銀行は2016年4月から本格的に働き方改革を進めてきた。行内の労働生産性を高める施策を講じていくうちに、デスクワークを自動化するRPAに対するニーズが高まってきたという。

 そこで2017年5月から9月にかけて、本部事務部門の2業務を対象に、WinActorの事前検証を実施した。具体的には、「顧客リストを基に、2種類のサブシステムからデータを取得して、Excelに転記する」といった「格付自己査定業務」の一部分と、「サブシステムから抽出したデータをExcelに転記するなどしてから集計し、報告書を作成する」という「投資信託集計報告業務」の一部分だ。

 RPAを適用したところ、格付自己査定業務では、それまで人手で14分かかっていた作業を3分で終えることができた。年間で1283時間の人手による作業を削減する効果が見込めるという。一方、投資信託集計報告業務のほうも、人手のときは月初に作業が集中していたが、RPAの導入で作業時間が減り、業務量の平準化が図れたという。

 これらの成果を受けて、百五銀行は10月16日からの試行導入で、他の業務にRPAを適用していく。NTTデータとNTTデータ東海は、百五銀行の導入実績を踏まえて、他の金融機関に対する業務改革や働き方改革の支援につなげていく予定だ。  

  2.働き方改革のためにiPadを大量導入、積水ハウスが同時にやったこと(10.13 ITpro)
  積水ハウスの働き方改革は、全社員に配布したiPadまたはiPhoneと、住宅1軒1軒の情報を全社で一元管理するために構築した「邸情報データベース」に支えられている。

 iPadだけ一斉導入しても、仕事の効率化は非常に限定的なものになる。積水ハウスは最新の端末を配布する前に、会社の中心に邸情報データベースを据え、そこに積水ハウスにとって最も大切な住宅情報(コア情報)を格納して一元管理を始めた。そのうえで業務フローを抜本的に見直し、邸情報データベースを中核とする新しい業務プロセスに従って、iPadに搭載した様々な自社アプリを利用するようになったから、劇的に働き方を変えられたのだ。

 今回は、積水ハウスの新しい働き方の実例を紹介していこう。読者のみなさんは「自分が家を建てることになった」ときと、「我が家が天災で被害を受けた」ときの2つの大きな出来事を想像しながら、読み進めてみてほしい。

 家は人生最大の買い物──。昔からそう言われている。建て売りではなく、注文住宅ともなれば価格はさらに上がるが、その分、顧客の“夢”も大きく膨らむ。新居にはあれもこれも取り入れたくなるものだが、結局は予算オーバー。一部は諦め、こだわりたい部分は残すといった選択を、顧客は何度も迫られる。

 誰も人生最大の買い物で失敗したくない。予算の許す範囲で、より良い素材を使い、納得がいく家を建てたいものだ。顧客は家作りの商談中、営業担当者や設計者と何度も打ち合わせを繰り返し、使用する部材を一つひとつ選んでいく。

 例えば、家の見た目を決定づける重要な部材である外壁選び。このとき、積水ハウスの営業担当者はiPadを取り出し、自社開発した「外壁検索アプリ」を立ち上げる。すると数え切れないほどの外壁が、画面いっぱいに表示される。

 住宅の外観は、営業担当者が顧客に最も分かりやすく自社商品をアピールできるものの1つだ。外壁検索アプリは営業担当者からすぐに重宝された。顧客はiPadに映る外壁のなかから、自分のイメージに近いものに目星を付ける。

 しかし今はその前に、営業担当者は顧客に「ある提案」ができるようになった。  「ここの近所に、お客様が選択した外壁と同じものを使っている家がありますね。一緒に見に行きませんか」 こう促せるのだ。近所の家を見に行くのが億劫なら、iPadでその家の外観写真を見ることもできる。

 こうした提案ができるのは外壁検索アプリに、現在地から半径○km以内にある同じ外壁を使った住宅を瞬時に探し出せる「ご近所検索」機能が付いているからだ。近所の住宅で、実際に使われている外壁を自分の目で確かめられれば、外壁サンプルを見るよりも、新居全体の完成イメージはつかみやすくなるだろう。

 積水ハウスは2013年からこれまでに、iPadを1万6500台、iPhoneを1万8700台、合計で3万5000台以上を導入済みだ。既に全社員がiPadまたはiPhoneを使っている。どこからでも必要な住宅情報を見られるようにして、全社員の業務効率を大幅に高めた。

 iPad導入プロジェクトを推進してきたIT業務部の上田和巳部長はiPadまたはiPhoneの「利用率100%」に強くこだわった。「一部の部門や社員しか利用しないと、ペーパーレスすら進まない。これからはパソコンを使うのではなく、タブレットかスマホを使うことを前提に業務改革を断行した」。

 端末の刷新に先立ち、住宅情報を全て邸情報データベースに格納し、一元管理する態勢を2014年までに整えた。そこにiPadやiPhoneからアクセスできるようにした。先ほどのご近所検索も邸情報データベースに個々の住宅情報がそろっているから、簡単に検索できるのだ。

 ほかにも勤怠管理や経費精算など、社員の事務処理もiPadからできるようにしている。「全社員が使うから、ここまで徹底できる」(上田部長)。

 積水ハウスはiPadやiPhoneの利用率100%を達成するため、現場の利便性を重視した。必要なアプリは全てIT業務部(または常駐するITベンダーの担当者)で自社開発している。開発したアプリの数は、既に200本を超えた。外壁検索アプリもその1つである。顧客へのプレゼンテーションに使うアプリはiPad専用にするなど、iPadとiPhoneで使えるアプリも変えている。

 被災した顧客のなかには「よくこんなに早く来てくれましたね」と、積水ハウスの社員に感謝の言葉を口にする人が大勢いたという。家が壊れた顧客は皆、不安でいっぱいだ。余震も続き、眠れぬ日々を過ごしている。そんなとき、住宅メーカーがすぐに駆けつけてくれるのは、本当に心強く感じるだろう。

 その後、積水ハウスは災害訪問アプリと同様の構造を利用して、日常業務に使える「物件検索アプリ」を開発。営業担当者などが自分の担当エリアにどんな物件があるかを簡単に調べられるようにした。例えばリフォームの提案前には、該当エリアにある「築年数が25年以上の家」といった条件で検索すれば、すぐに訪問すべき対象住宅を絞り込める。これなら効率よく回れる。

 これだけでもかなりの成果だが、積水ハウスは満足していない。業務改革は始まったばかりと認識しており、2018年以降、改めて全ての業務フローを見直す計画を立てている。邸情報データベースに格納している住宅情報のデータ分析にも取り組み、「今後の活動を予見できるような仕組みも構築したい」(上田部長)。

 2017年7月には、政府が主導した「テレワーク・デイ」に積水ハウスも参加した。ここでも全社員がiPadやiPhoneを使える効果がはっきりと出た。  積水ハウスには、テレワークに欠かせないタブレットやスマホを使えない社員は1人もいない。自宅にいながら、Web会議もスムーズにできたという。ペーパーレスも浸透しているので、手元に紙がなくても、ほとんどの仕事をオフィスの外でできる。どこからでもアクセスできるので、情報の伝達スピードは早い。積水ハウスは働き方改革の手綱を緩めるつもりはない。

  3.CTCがAI活用システム向けクラウドサービスを開始、導入から運用までを一括支援(10.13 ITpro)
  伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2017年10月13日、利用企業が人工知能(AI)技術を使いやすくするハイブリッドクラウド環境「CTC Integrated AI Platform Stack(CINAPS:シナプス)」の提供を開始した。AIが使うデータの準備、学習データの加工、データを効率的に運用できるアプリケーション開発など、AIの導入から運用までに必要な道具立て一式を提供する。CTCは今後3年間でシナプスを含むAI関連ビジネスで50億円の売り上げを目指す。

 シナプスは、企業がAI活用を始める際に必要となるデータを効率的に処理するところから、実際にAIでデータを運用するまでをパッケージにしたのが特徴。AI活用の大前提となるデータ処理は、「思った以上に難易度が高い。どうやってデータを扱うのか、加工方法はどうするかといった点に苦慮する」(同社の照井一由エグゼクティブエンジニア)。CTCでは2016年から数十件のAI導入案件を進めており、そこで得たノウハウをシナプスに盛り込んだ。

 主に製造業や通信会社など、IoT(インターネット・オブ・シングズ)機器で収集したデータを含む膨大なデータを保有している企業を導入先に見込む。大規模投資をする前のスモールスタートの検証としても需要を見込んでいる。プライベートクラウド、パブリッククラウド両方に対応し、セキュリティ要件や規模、予算などに応じて適切な環境を選択できるとする。

  4.AIは「タスク単位」で人間の仕事を代替する、人工知能学会会長やNRIなどが議論(10.13 ITpro)
 「人工知能(AI)はタスク単位で人間の仕事を代替する」「インターネット同様、AIは道具。人間はそれを使いこなすことを考えればいい」――。2017年10月13日、東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2017」のパネルディスカッション「改めて問う、AIは本当に人間の職業を奪うのか?」で、3人の識者が議論を交わした。

 パネルティスカッションに登壇したのは、国立情報学研究所教授で人工知能学会会長の山田誠二氏、xenodata lab.の関洋二郎社長、野村総合研究所(NRI)未来創発センター 2030年研究所上級コンサルタントの上田恵陶奈氏の3人だ。人工知能学会会長の山田氏は研究者として、xenodata lab.の関氏はAIを活用する企業として、NRIの上田氏はシンクタンクとして、それぞれの立場からAIと人間の共存についての考え方を示した。

 人工知能学会会長の山田氏は、「AIはタスク単位で人間の仕事を代替するものの、全体の仕事から考えれば一部。人間の職業を丸ごと代替するとは考えにくい」と述べる。コンビニエンスストアの店員の仕事を例に挙げ、商品の仕入れや掃除など約30種類あるといわれているタスクの一部が代替されると説明した。また、コンピュータの導入によって自動化されたタスクと比較すると、AIによって代替されるタスクのインパクトは限定的である、とする。

 NRIの上田氏は、「インターネットが登場した時と同じで、AIは道具として生活の中に入ってきて、人間はそれを使いこなすだけ。人間とAIは共存する」と述べる。その上で、AIが仕事を代替した分の時間で人間は新しい仕事に取り組むため、人間の職業の内容が変わっていくとした。具体的には、人間の仕事は経営判断など「創造性」に関わる仕事や、過去に起きていないことに対する課題解決など「非定型」の仕事を挙げた。

 xenodata lab.の関氏は「付加価値の高い仕事から、AIの代替は起きる」と述べる。同社は財務分析を自動化するAIのサービスなどを証券会社やアナリスト向けに提供する。例えば、財務諸表を読み込む作業をAIで自動化すれば、投資家からまた別の要望が出てきて、新たな仕事が生まれる。人間はそうした作業に取り組むため、仕事がなくなることはないとする。

 最後に3人は、AIと付き合っていくうえで留意しなければいけない点について言及した。人工知能学会会長の山田氏は「組織としても個人としても、AIリテラシーが必要な時代になる」と述べる。個人でいえば、例えば今オフィスソフトを使いこなせない人は就職が難しいのと同様、AIを使いこなしたり必要なAIを目利きする能力が必要となってくるとする。「ある種のデバイドが生じる」(山田氏)。

 NRIの上田氏は、組織のあり方に言及。将来的な予測から、AIによる自動化を考慮に入れた最適な人材配置や業務プロセスを考える必要があるとする。xenodata lab.の関氏は、「AIを活用した新たなサービスが次々に出てくる可能性があり、その予測をしないと駆逐される」と指摘。技術やサービスを継続的にウオッチする必要があるとした。 

  5.電話・会議のムダ削減で働き方改革、ChatWorkが成功事例を訴求(10.12 ITpro)
  ビジネスチャットサービスを提供するChatWorkは、2017年10月11日から13日まで東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2017」で、働き方改革に成功した最新の顧客事例を訴求するという出展スタイルで来場者を集めている。 

 ブースで訴えたビジネスチャット導入の第1の効果は、チャットに置き換えることで電話や会議のムダを削減できるというメリットだ。導入企業の1社である楓工務店は、部材メーカーなど取引先との連絡をChatWorkに置き換えて、事務所に1日100件掛かってきた電話を30%減らしたという。ChatWorkは機能を限定した無料アカウントも作成でき、取引先には無料版を導入してもらった。 

 取引先との連絡をチャットに置き換えたことで、不在時に伝言メモを置いて掛けなおしてもらうなどの手間を減らせた。さらに伝達ミスを減らし、業務上のムダ削減にもつながったという。リゾート施設「スパリゾートハワイアンズ」を運営する常磐興産も、広い施設内での従業員同士の連絡をChatWorkに置き換え、業務を効率化できたという。ChatWorkによれば、東日本大震災で被災した経験から、常磐興産は災害発生時の緊急連絡手段としても活用する狙いだという。 

 働き方改革の観点では、東洋アルミニウムはChatWorkのビデオ会議機能を使って残業時間を減らす取り組みをしているという。従来、工場勤務の技術者は営業がメーカーなど顧客企業を回る際に同行し、納入する素材などの打ち合わせに参加していた。ChatWork導入後は、工場勤務者は顧客先に出張せず、営業職だけが顧客を回って、ビデオ会議で打ち合わせに参加する形態に切り替えた。出張に伴う長時間残業を減らせたという。

     ホームページへ