週間情報通信ニュースインデックスno.1103 2017/10/07


1.第一三共、Watson支援のコールセンターを来春稼働(10.6 ITpro)
 第一三共は2017年10月6日、患者や医療関係者からの問い合わせを受け付けるコールセンターで人工知能(AI)を活用すると発表した。問い合わせに対する適切な回答をAIがコールセンターの担当者に提案するシステムを構築し、2018年4月に利用を開始する。AIのエンジンには米IBMの「Watson」を利用する。 

 問い合わせに対する照会対応業務を受け持つ「製品情報センター」に導入する。コールセンターの担当者が問い合わせ内容を復唱すると、文字データに自動的に変換し、AIに問い合わせる。過去の回答実績を学習したAIは最も適切と思われる回答を一つ提案する。患者や医療関係者が必要とする情報を即座に回答できるようにすることを目指す。回答案が最適でないと担当者が判断した場合は、結果をAIにフィードバックして学習させる。 

 第一三共は2016年11月から2017年7月に木村情報技術(佐賀市)と共同で、抗凝固剤エドキサバンを対象にAIを利用したコールセンター支援システムを実証実験した。想定以上の効果が得られたため対象を全製品に広げた。

2.参加者は6万3000人、政府がテレワーク・デイの成果を報告(10.6 ITpro)
 政府は2017年10月6日、東京都内でテレワークの体験キャンペーン「テレワーク・デイ」の報告会を開いた。テレワーク・デイは2017年7月に実施した、ICTを使って自宅など社外で仕事をする「テレワーク」を全国一斉に試行するキャンペーンだ。2020年の東京オリンピックの開会式と同じ日付である7月24日に実施。2020年の会期中の交通混雑緩和も狙う。

 総務省の調査では、テレワークを導入している企業は1割にとどまる。テレワーク・デイを機にオフィスワーカーに広く試行してもらうことで、「PC作業に集中できる」といったメリットを実感してもらうことを、このキャンペーンでは狙った。

 テレワーク・デイでは、およそ6万3000人がテレワークに取り組んだ。「初めてテレワークを行う社員が増えたり、企業が提供する在宅勤務制度の利用者数が増えたりする成果が、参加企業では出てきている。テレワークを試すきっかけとして効果があったようだ」と、総務省情報流通行政局の担当者は説明した。

 テレワークによるPC作業の生産性についても、「社員に、通常の勤務に比べて、テレワークの生産性がどう変化したかを数値にして尋ねたところ、平均して16%増える結果を得た」という企業や、「出社せずに在宅勤務をすることで、通勤時間を生活時間に割り当てられたというメリットを実感する社員が7割だった」という調査結果を得た企業もあったという。

 テレワーク・デイ報告会を共催した日本テレワーク協会の中山洋之専務理事は「テレワーク・デイでは多くの企業が参加してテレワークの効果を実感してもらえた。しかし来年の開催を待たずに、テレワーク月間に参加して、テレワークの活用を進めてほしい」と呼びかけていた。

  3.LINEがAIスピーカーを正式発売、「家族アカウント」で対話とプライバシー両立(10.5 ITpro)
 LINEは2017年10月5日、インターネットに接続して使うAIスピーカー「Clova WAVE」の正式版を同日に発売すると発表した。LINEメッセージの読み書きや音楽の再生、赤外線リモコンによる家電の遠隔操作機能などを搭載しており、今後も順次機能拡充していくとする。価格は1万4000円(税込)。2018年1月末までは、「LINE MUSIC」の1年間の利用権付きで1万2800円(同)のキャンペーン価格で販売する。 

 同社は2017年7月にClova WAVEの先行体験版(当時の製品名は「WAVE」)を発売。ユーザーからの意見を踏まえ、仕様変更や機能拡充を進めたうえで今回正式版として改めて発売した。こうした仕様変更で生まれた機能の一例が「家族アカウント」だ。 

 Clova WAVEを使ってリビングで任意の家族同士が自由にコミュニケーションを取れるよう、Clova WAVE専用のLINEアカウントとなる家族アカウントを新設。Clova WAVEによる新規メッセージの作成・送信や受信メッセージの読み上げには、初期設定でこの家族アカウントを使う。 

 家族アカウントの機能を実装した理由について、同社の舛田淳取締役は「体験版のユーザーから『(Clova WAVEで)LINEを使いたいが、家族がいるリビングで個人アカウントの内容が読み上げられると良い気持ちがしない』との意見があり、プライバシーに配慮して安心して利用してもらえるよう配慮した」と説明している。 

 製品発表会ではこのほか、Clova WAVEとユーザーとの対話が一問一答形式だけでなく連続した対話に対応したこと、ラジオ放送のインターネット配信サービス「radiko.jp」に数週間後をめどに対応すること、ニュースや天気、その日の予定などをまとめて案内してくれる「ブリーフィング機能」を実装予定であること、などを公表した。LINE以外の企業もClova WAVEに対応したサービスを提供できるよう、「サードパーティ向けにSDKを開発中で、2018年初頭にも提供する」(舛田取締役)としている。 

 LINEはこれまでスマートフォン向けアプリやその上で提供するネットサービスを中心に事業展開している。ハードウエアの製造・販売を手掛けるのは「今回が初めて」(LINE広報)であり、量産体制の確立や販売店への安定供給、不良在庫の回避などについて初めて取り組むことになる。供給体制については「Clova WAVEだけでなく(今後発売予定の)派生商品も含め、台数は別として、既に大量生産に入っている」(舛田取締役)とコメント。安定供給に自信を示す一方、具体的な台数については明言を避けた。

4.グーグルが「Google Home」を日本で発売、「キーを打つより圧倒的に早い」(10.5 ITpro)
 グーグルは2017年10月5日、都内で新製品発表会を開催し、スマートスピーカーの新製品「Google Home」と「Google Home Mini」を日本で発売することを明らかにした。

 発売日と価格はそれぞれ異なり、Google Homeは発表会翌日の10月6日に1万4000円で、小型のGoogle Home Miniは10月23日に6000円で発売する(いずれも税別)。

 徳生氏は、グーグルの検索サービスではカバーできない用途に向けて「Googleアシスタント」を開発したことを紹介。「音声認識や自然言語処理、機械学習を組み合わせ、自然な会話でユーザーのやりたいことをサポートする。Androidに加えてiOSにも対応し、どのデバイスからでも使える」と説明した。

 このGoogleアシスタントを搭載し、音声だけで操作できるスピーカーとして「Google Home」を紹介した。「今すぐ何かを知りたい、ちょっとしたタスクを手伝ってほしい、音楽再生やスマートデバイスを操作したい、といった用途に使える」(徳生氏)とした。

 Google Homeを設置したキッチンでの利用例としては、「OK Google、最新のニュースを教えて」と問いかけると、NHKラジオニュースから朝7時のニュースを再生した。グーグルのサービスと連携し、交通機関の状況やスケジュールの読み上げにも対応する。

 ショッピングリストでは、「OK Google、卵をショッピングリストに追加して」と話しかけることでリストに登録され、Google Homeのスマートフォンアプリ上でリストを確認できる。

 Google Play Musicによる音楽再生の例では、「OK Google、JUJUの曲を再生して」で楽曲の再生が始まった。「OK Google、この曲名は?」と問いかけると曲名を読み上げた。「OK Google、音量を3に下げて」といった音量調節にも対応する。

 ちょっとしたタスクの例としては、「OK Google、タイマーを10分に設定して」でタイマーを開始。「OK Google、タイマーの残り時間は?」で残り時間を読み上げ、「OK Google、タイマーを止めて」で停止できることを示した。

 リビングでの利用例としては、Chromecastを接続したテレビで「Netflix」を再生したり、フィリップス ライティング ジャパンのスマート照明「Philips Hue」の明るさを変えたりするデモを披露した。

 家族の声を聞き分ける「ボイスマッチ」に対応し、最大で6人まで声を聞き分けることが可能。「OK Google、明日の予定は?」と聞くと、問いかけた人の声に対応するスケジュールを読み上げることを示した。

 ほかにも利用例として、「月までの距離は?」「リスの鳴き声は?」「リスは英語で何て言うの?」「午前6時半にアラームをセットして」といった操作ができることを示した。

 グーグル以外のアプリをGoogleアシスタントを通じて利用できる「Actions on Google」も紹介した。「グーグルだけではできないことがある。Googleアシスタントにとって、非常に重要な機能だ。日本語版は数週間以内に提供を予定する」(徳生氏)とした。

 具体的には、「OK Google、楽天レシピ」と話しかけることで楽天レシピが起動する。その後は案内に従い、使いたい食材を伝えることで、対応するレシピをメールで受け取れることをデモで示した。

 本体のカラーはGoogle Homeがホワイトのみ、Google Home Miniがチョーク、チャコール、コーラルの3色を用意する。両モデルの違いは本体サイズや音質などで、利用できる機能は共通となっている。

 日本での年内発売が公表された米Amazon.comの「Amazon Echo」との違いについては、「グーグルは検索をずっとやってきたこともあり、質問に答えるという面では得意だと考えている」(徳生氏)と説明した。

  5.サイバーエージェントが仮想通貨事業に参入、来春に取引所開設(10.2 ITpro)
 サイバーエージェントは2017年10月2日、仮想通貨の取引事業に参入すると発表した。同日に全額出資子会社のサイバーエージェントビットコインを設立。2018年春に同社が新たに取引所を開設する計画だという。

 改正資金決済法により、仮想通貨の取引所は金融庁が審査のうえで参入を認める「登録制」に移行したばかり。2017年10月1日からは原則として登録された「交換事業者」だけが営業できるようになり、直前の9月29日に11社が金融庁から登録を受けている。

 サイバーエージェントは登録制が始まり社会的関心が高まったことを参入の背景に挙げている。登録制により取引所には一定の消費者保護策が求められることになり、一般消費者の関心がより広まるとみたようだ。

 設立したサイバーエージェントビットコインの資本金は1億5000万円で、社長にはAbemaTV副社長として同事業の立ち上げなどに携わった卜部宏樹氏が就任した。

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