週間情報通信ニュースインデックスno.1093 2017/7/15


1.IOSを25年ぶりに全面刷新、米シスコ提唱の「直感ネットワーク」とは(7.14 ITpro)
 ネットワークエンジニアの仕事を人工知能(AI)が置き換える──。ネットワーク機器大手の米シスコシステムズは2017年6月26?28日に米国ラスベガスで開催したイベント「Cisco Live 2017」で、新しい企業ネットワークの仕組み「インチュイティブネットワーク」を発表した。

 インチュイティブとは「直感」という意味。ネットワーク管理ソフトウエアが「直感力」を持ち、新しい端末の接続やアプリケーションの通信パターンの変化、外部からの攻撃などを検知し、適切な対策をAIが自律的に施すようになるという。

 従来はネットワークエンジニアがシスコ独自のCLI(コマンド・ライン・インターフェース)を覚えて設定ファイルを記述したり、IPアドレスやACL(アクセス・コントロール・リスト)、VLANなどを管理したりしていた。シスコのチャック・ロビンスCEO(最高経営責任者)は、今後はこれらの作業が必要なくなると説明する。

 シスコはインチュイティブネットワークを実現するために、基幹スイッチ(コアスイッチ)である「Catalyst 9000」シリーズのネットワークOS「IOS」を25年ぶりに全面刷新した。同時にネットワーク管理ソフトの「DNA Center」、セキュリティ管理ソフトの「SD(Software-Defined) Access」などを追加した。

 IOSはこれまでシスコ独自のカーネルを使用していたが、Linuxベースになった。それによって、IOS上で様々なアプリケーションを動かせるようになる。代表例がネットワークを流れるデータをCatalyst上で分析する「Cisco Network Data Platform」だ。

 Catalystで分析したデータはDNA Centerが集約し、DNA Centerに搭載したAIがネットワークの状況に応じて設定などを判断する。AIはシスコが機械学習によって開発した。端末のアクセスパターンなどからネットワークの状況(コンテキスト)を割り出せるという。

 Catalystの設定は従来、シスコ独自のCLIを通じて変更していた。新たなIOSは設定変更用のAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を備える。IOSが備えるAPIを利用することで、ネットワークの設定変更などを自動化するプログラムを開発できるようになる。シスコのDNA Centerも、IOSのAPIを呼び出すプログラムの一つだ。

 ネットワークセキュリティも大きく変わる。これまではCLIや設定ファイルを使ってネットワークを仮想的に分割するVLANを設定したり、VLANにアクセスできるIPアドレスを制御したりしていた。こうしたセキュリティ設定はSD Accessが自動化する。ユーザーや端末、アプリケーション単位でセキュリティ設定を施せるようになり、IPアドレスやVLAN単位での設定は不要になる。

 シスコのネットワーク機器は通信を制御するだけの存在から、セキュリティを保護する存在へと位置付けを変えつつある。スマートフォンやタブレットの業務利用の拡大やIoT(インターネット・オブ・シングズ)の進展によって、管理された業務用パソコンだけがネットワークを利用するという従来の状況が劇的に変わったためだ。

 AIの時代を迎え、ネットワークエンジニアの仕事もかつてのネットワーク機器の運用保守から、ネットワーク運用自動化プログラムの開発やセキュリティ管理へと一変しそうだ。

 無くならないが、仕事の内容は大きく変わるだろう。IoTの時代には何十億台ものデバイスがネットワークにつながるようになる。爆発的に増加するネットワーク接続を管理するために、今まで以上にネットワークエンジニアが必要になる。

 彼らの仕事は、ネットワークの自動化プログラムを開発したり、ネットワークの運用管理を自動化したりすることに変わる。我々が提唱したインチュイティブ(直感)ネットワークでは、ネットワークの意図(インテント)や文脈(コンテキスト)に応じてネットワークが柔軟に形を変える。そのためのプログラムを開発することがネットワークエンジニアの大切な仕事になる。

 インチュイティブネットワークを実現するため、機械学習やシスコ独自のネットワークチップの開発などに大きく投資した。今後もネットワークのイノベーションを推進するのは我々だ。

2.特報]東急ハンズが9月にも社内サーバーを完全撤廃、全システムをクラウドへ(7.14 ITpro)
 東急ハンズは2017年9月末にも、全ての社内システムをパブリッククラウドへ移行し、社内サーバーを撤廃する。ITproの取材で2017年7月14日に明らかになった。ネットベンチャーなどを除けば、パブリッククラウドだけで社内システムを運用する企業は珍しい。大手企業でも将来的にパブリッククラウドへの完全移行を目指している企業はあるが、東急ハンズは他社に先んじた格好だ。

 移行対象の社内システムは、小売業の基幹システムであるマーチャンダイジング(MD)システム、POSサーバー、会計システム、人事システムなど。これらを米アマゾン・ドット・コムの「Amazon Web Services(AWS)」で稼働させる。メールシステムやスケジュール管理システム、ファイルサーバーについては米グーグルの「G Suite」を利用する。

 東急ハンズがクラウドの本格活用を始めたのは2012年。その後、自社データセンターにあったシステムをクラウドへ順次移行してきた。このたび最後のシステム移行にめどが立ち、社内サーバーを撤廃する見通しがついた。

3.「セキュリティ対策に優先順位を」、ガートナーのリサーチ バイス プレジデント(7.12 ITpro)
 「マインドセットを変える必要がある」ーー。アール・パーキンス氏は2017年7月12日、同14日まで開催される「ガートナー セキュリティ&リスク・マネジメント サミット 2017」の講演でこのように切り出し、注目すべきサイバーセキュリティの変化ついて解説した。同氏は米調査会社のガートナーでリサーチ バイス プレジデントを務める。

 冒頭で、アール・パーキンス氏はサイバーセキュリティを考える上で必要な3つの視点を述べた。懸念される脆弱性や費用、運用の易しさを考慮して対策を導入すること、システムの状態を把握するため、可視化を確実にすること、そして重要事項のみに注力すること、である。

 その上で、2017年から2018年のサイバーセキュリティにおけるいくつかの潮流を示した。企業同士がデジタル領域で関係を深めるにつれ、業務に関する全てのセキュリティ課題を把握し、対策することは難しくなっていると現状を分析する。「優先順位をつけ、価値の高い資産に最善のセキュリティを実装するべきだ」(アール・パーキンス氏)。

 まず挙げたのが、サイバーセキュリティに必要な技術や組織の形が変化している点だ。今日は、人の把握しきれない大量のデータが企業を飛び交う。これらの監視を自動化して異常パターンを検知する「人工セキュリティ知能」を使いこなす専門の人材が必要だとした。

 続いて、アール・パーキンス氏はガートナーが提唱する「アダプティブ・セキュリティ・アーキテクチャ」を示した。この考え方は、脅威がより複雑化するのに合わせ、企業は防御への対策を削り、恒常的な脅威の検知や攻撃への対応などに投資を振り向けるべきとするものだ。

4.クラウドAIを利用して自動運転車を守るシステム、パナソニックが2020年をメドに販売(7.12 ITpro)
 パナソニックは、自動運転車をサイバー攻撃から守る新技術を開発し、この技術を利用した車載システムを販売する見込みであることが日経NETWORKの取材で分かった。同社は自動運転車の普及が進むのは2020年頃と見ており、2020年をメドに自動車メーカー向けに販売する。

 自動運転車の内部に急に高い電圧がかかるなど、外部からの攻撃の予兆を検知すると、まずその攻撃を遮断する。その後、同社が用意しているクラウドサービスに攻撃の情報を送信する。

 クラウドサービスでは、人工知能(AI)を使って攻撃の内容を分析。攻撃への対策を自動運転車に返すという仕組みになっている。

5.富士通がSIMフリースマホ「arrows M04」発表、高めの年齢層を意識(7.11 ITpro)
 富士通コネクテッドテクノロジーズは2017年7月10日、汐留本社で新製品発表会を開催し、SIMロックフリースマートフォンの新製品「arrows M04」を発表した。

 販路としては、全国23社の家電量販店やMVNO事業者に提供し、7月20日より順次販売を開始する。価格は事業者によって異なり、取り扱いMVNOの1社である楽天モバイルでは3万4800円(税別)と発表している。

 発表会には、富士通コネクテッドテクノロジーズ マーケティング統括部 部長の今村誠氏が登壇。MVNO市場について「順調に拡大している。メジャーな存在になることでスマホに詳しくない人が市場に入ってくる。今後増えてくる、年齢が高めの人にも手に取ってもらえる端末を開発した」と語り、「arrows M04」を発表した。

 特徴としては「安心」や「堅牢性」を進化させた。堅牢性については、これまで14項目に対応していたMIL規格に9項目を追加し、23項目に準拠した。画面割れ対策としてはステンレスフレームを追加。「画面のガラスは筐体の歪みで割れる。本体の剛性を上げれば画面は割れにくくなる」(今村氏)とした。落下については1.5mの高さにも耐えられるようになった。

 防水性能については、新たに市販のハンドソープや食器洗い用洗剤で洗えるようになった。「調査によれば、スマホを洗いたいという人は8割もいる」(今村氏)という。日本で家庭用として売られている洗剤やハンドソープに対応しており、電源を落とした状態で洗うことを推奨する。お湯で洗うことには対応していないという。

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