週間情報通信ニュースインデックスno.1090 2017/6/17


1.ネットワン、クラウドへの接続経路と品質を可視化するサービス(6.16 ITpro)
 ネットワンシステムズは2017年6月16日、クラウドへのインターネット接続経路および品質を可視化する「クラウドアクセス可視化サービス」を6月30日から提供開始すると発表した。トラブルの原因を企業管理内外で切り分ける時間を大幅に短縮し、影響地域や状況を把握できる。

 クラウドへのインターネット接続経路やパケットロス、遅延のほか、接続先Webサーバーの応答可否や応答速度、ダウンロード速度、ISP(インターネット接続事業者)間の接続構成の変化を確認できる。これにより、トラブル関連の運用管理負荷とコストを大幅に削減できるという。クラウドへのアクセスは企業の管理外となるインターネットを経由するため、接続不可や体感品質低下といったトラブル時の原因分析に時間がかかるという課題があった。

 クラウド提供事業者向けの「インバウンド可視化」メニューでは、インターネット上に設置した複数の監視エージェントから、顧客事業者が提供するクラウドへのアクセス環境を5分間隔で監視する。監視エージェントは世界主要都市と日本国内の4カ所に設置しており、グローバル利用を想定したクラウドにも対応する。

 クラウドを利用する企業向けの「アウトバウンド可視化」メニューでは、企業内に設置した監視エージェントから利用するクラウドへのアクセス環境を5分間隔で監視する。1台のエージェントで複数のクラウドを監視可能。企業環境内のWebサーバーへの監視用途にも利用できる。

 両メニューとも「監視ポータル」と「サービスデスク」を提供する。監視ポータルは各種監視項目について直近30日間のデータを時系列でグラフィカルに監視できる。サービスデスクは初期設定や設定変更、アカウント管理などを支援し、運用管理担当者の負荷を軽減できる。

 利用料金(税別)は、インバウンド可視化が月額9万6000円から、アウトバウンド可視化が月額12万7000円から。

2.クラウドAI「Clova」をプラットフォームに、LINEが事業戦略(6.16 ITpro)
 LINEは2017年6月15日に開催した「LINE CONFERENCE 2017」で、クラウドAI「Clova」を活用した事業戦略を発表した。スマートフォンだけでなく、ウエアラブル機器やIoT機器、自動車や小売店舗などもClovaとつないで人工知能(AI)機能を利用できるようにする。Clovaと連携できるスマートデバイスの普及を促進させることで、新しいビジネスモデルを創出する狙いだ。

 LINEの舛田淳取締役CSMO(チーフストラテジー&マーケティングオフィサー)は今後5年から10年を見据えた経営戦略として、「あらゆるデバイスがつながるプラットフォームを拡大し、パートナーと協力してエコシステムを構築する」と述べた。そのための施策としてLINEは、AIスピーカー「WAVE」といった製品を積極的に市場に普及させていく。そこで得られた成果をパートナー企業に共有することで、事業展開を促進させる。

 同社のClovaにビッグデータを収集する仕組みを整え、他企業との協業も積極的に進める。イベントではトヨタ自動車とコネクテッドカーサービスの提供に向けた合意締結を発表。ファミリーマートと伊藤忠商事とは、Clovaのデータ分析を活用した店舗管理システムや新サービスの開発に向けて基本合意書を締結したと発表した。  グローバルでは、米グーグルや米アップル、米フェイスブックなどがビッグデータ活用で先行する。これらの企業を念頭に舛田氏は、「LINEは日本に特化した技術開発を進めており、日本最大級のビッグデータを持つ。利用者のIDとひもづけてさまざまなデータを学習し、事業を展開できる」と独自の強みを強調した。  LINEは次の5年を見据えた経営戦略として、LINEをさまざまなサービスに連携させる「Connected」、動画サービスを充実させる「Videolized」、AIサービスを普及させる「AI」の三つの分野に注力する。その中でもAI分野では、Clovaを活用して生活のあらゆる場面にAIサービスを提供する目標を掲げる。

3.LINE、会話できるAIスピーカーを1万5000円で発売(6.16 ITpro)
 LINEは2017年6月15日に開催した「LINE CONFERENCE 2017」で、人の呼びかけに自動応答する人工知能(AI)スピーカー「WAVE」の試作機を初披露した。クラウドAI機能「Clova」と連携して、メッセージをやり取りしたり、ニュースや天気を確認したりできる。発売は2017年秋の予定で、価格は1万5000円(税別)。さらに機能を限定した先行版を2017年夏ごろに1万円(税別)で発売する予定だ。

 LINEの舛田淳取締役CSMO(チーフストラテジー&マーケティングオフィサー)は、AIスピーカーの戦略的な価格設定について、音声操作デバイスの普及を優先させる狙いを示した。「ビッグデータのビジネスでは、学習データを多く作ることが競争力になる。しかし日本には、生活の中で音声を使って機器を操作する文化がない」とした上で、「まずは様々な製品を出して試行錯誤し、その成果をパートナーに提供してスマートデバイスを普及させる」という。Clovaを連携させたWAVEなどのスマートデバイスで、新たなビジネスモデルを構築する狙いだ。

 WAVEは、Clovaの音声認識や自然言語処理、音声合成を利用した様々な機能を提供する。例えば、メッセージアプリ「LINE」のIDを紐づけて、友達からのメッセージを読み上げたり、音声でメッセージを送信したりできる。翻訳機能やカレンダー機能、「LINEニュース」と連携したニュース/天気の確認、EC(電子商取引)利用、To-doリストの作成といった機能も備える。

 「LINE MUSIC」が提供する4000万曲の楽曲を再生でき、プレイリストやランキングを確認したり、ユーザーの好みやその日の天気に合わせて曲をレコメンドしたりできる。本体には赤外線コントローラを内蔵し、家電製品の操作も可能だ。

 WAVEは高さ20.1センチ、重さ998グラム。四つのマイクを搭載して、スピーカーから約5メートルの距離にいる人の声を認識できる。スピーカーには2.5インチの20Wウーファーを一つと、1インチの5Wのツィーターを二つ採用し、「音質にこだわった仕様」(舛田氏)という。Wi-FiやBluetoothと接続できる。バッテリー駆動のため、家で部屋の間を持ち歩いても利用できる。

4.りそなグループ3行が法人営業にiPad1500台導入、提案書をその場で提示(6.15 ITpro)
 りそなホールディングス傘下のりそな銀行と埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行が、法人部門の渉外営業担当者約1500人にiPadを配備し、顧客への提案活動を効率化する取り組みを進めている。2017年4月下旬から5月中旬にかけてiPadを順次配布し、6月15日までに本格的な活用を始めた。2018年3月までに行動分析などの機能を追加することを検討している。

 顧客訪問時に紙の提案書の代わりにiPadに表示した提案書を見せながら、効果的に説明できるようにする狙いがある。コンテンツ管理ツールにはインタラクティブソリューションズ(東京・千代田)の「Interactive-Pro」を採用した。

 りそな銀行コーポレートビジネス部営業力強化グループの大滝貴光担当マネージャーは「紙の代わりにiPadを使うことで、訪問の回数を増やしつつ面談の質を向上させたい」と狙いを説明する。

 りそなの渉外営業担当者は担当企業の経営者や経理担当者を巡回訪問する。「定期的な資金需要に応じた融資相談を受ける」といった明確な訪問目的がある場合もあるが、何気ない会話から商品ニーズを探って提案につなげるケースも多い。

 iPadに約300種類、3000ページもの提案書を収録し、常時持ち歩けるようにした。多種多様な提案書を分類して「鳥瞰(ちょうかん)図」と呼ぶメニュー画面を作成。「資金調達」「業務効率化」「不動産」などの分野ごとに関連する提案書を引き出しやすくする工夫をした。

 融資提案のような利用頻度が高い提案書だけではなく、「事業承継」「M&A(合併・買収)」のような提案書も網羅している。訪問時にこうした分野の話題が出た場合に、持ち帰ることなくその場で提案できるようにする。

 2018年3月までに担当者別の閲覧履歴を記録・分析する機能を実装する計画だ。iPadでよく使われている提案書を本社側で把握して営業計画立案に役立てたり、営業成績上位者の提案書の使い方を把握して全体に知らせたりすることで、さらなる営業力強化を図る方針だ。

5.「テレワークせざるを得ない社会になる」テレワークマネジメントの田澤氏、Cloud Days 札幌で講演(6.14 ITpro)
 少子化や制約社員の増加といった変化に、テレワークによる生産性向上で対応を――。2017年6月13日、ICTの総合展である「Cloud Days 札幌 2017」(札幌コンベンションセンター)でテレワークマネジメントの田澤由利氏が講演し、テレワークの有効性と企業への対応を呼びかけた。

 テレワークは、「ICTを活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」のことで、場所や時間に縛られたこれまでの働き方では無理だった人が働けるようになる効果が期待できる。田澤氏は、テレワークはシステムや制度ではなく、あくまで働き方の一つとしてとらえるべきだという。

 田澤氏は、少子高齢化に伴う労働力不足や、子育て/親の介護が必要でフルタイムで働けない「制約社員」が増加することで、「テレワークできないではなく、せざるを得ない社会になってきた」と対応の必要性を訴える。同氏によれば、テレワークがもたらす効果は数多くあり、企業にとってはコスト削減や生産性向上、人材確保などが、労働者にとっては子育て/介護と仕事の両立、雇用継続、通勤時間削減などが、社会にとっては地方創生、少子化/高齢化対策、社会的弱者の支援などが挙げられる。

 企業がテレワーク対応を検討する際、「あの仕事しかできない、あの部署でないと難しいといった、現在の業務フローからテレワークに対応できる部分を抜き出す考え方では成功しないケースが多い」(田澤氏)。対応できるのは資料作成や翻訳、データ分析といった業務に限られ、テレワーク希望者が増えても仕事が足りなくなるというのが理由だ。

 田澤氏は、テレワークへの望ましい対応方法として、紙でこなしていた業務のIT化などを進め、これまで会社にあった道具と仕事仲間をクラウド上に置いて毎日の仕事をできるようにすることから始めるべきだと提案する。結果として場所を選ばずに仕事ができる環境が整い、無理なくテレワークに対応できるようになるという。

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