週間情報通信ニュースインデックスno.1085 2017/5/13


1.ますます訳が分からない、SEはいったい何をする人?(5.12 ITpro)
 「システムエンジニア(SE)って、よく分からないけど格好良さそうなので希望してみた」。1990年当時、友人のN君が金融機関の就職面接の後、言った言葉だ。あれから27年経つ今、SEという呼び名の職種は、定義や実態がまたよく分からなくなってきている。

 一般にはこれまで、プログラマ(PG)の上位職で、要件定義から設計までの責任を持つエンジニア、といった認識だった。2000年前後に破たんプロジェクトが増えると、プロジェクトマネジャー(PM)がもてはやされ、SEの上位職として位置づけられる。IT現場は、PM、SE(アプリケーションエンジニア、インフラエンジニア)、PGをそろえて、ウォーターフォール型の工程で規模に合わせて人員をそろえればよかった。

 この形が通用しないプロジェクトが、今増えつつある。新たなITで新サービスや新事業を立ち上げる、いわゆるデジタルトランスフォーメーションの流れに乗ったシステム構築では、人数は5人程度で数カ月のうちにサービスを立ち上げるのが通常。その場合、PM1人、SE4人といったチーム編成では、目的のアウトプットが出せるのかどうか分からない。

 モバイルアプリの開発、大規模データの活用、IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)といった技術を活用する場合、それぞれで必要なエンジニアは異なる。そもそも短期間で仕上げていくためのプロジェクトを従来のPMで回せるのか、数人のプロフェッショナルをそろえたチームをうまく生かせるのか、といった問題もある。

 IT人材の全体像を再定義してみて分かったことは、三つある。いま、(1)エンジニアは何らかの得意分野を持ちつつも、多能工が求められる、(2)ITスキルと離れたところの比重が高くなっている、(3)人材育成は難しい、といったことだ。

 プロジェクトで活躍するには、何らかの得意分野が必要だが、いまは高い専門性よりも広く浅く分かる点が重視される傾向にある。プロジェクトはチームで話し合いながら進められるし、外部の協力も得ていく必要がある。そのためには、幅広くいろいろなことを理解しておく必要がある。例えば、プロダクトマネジャーとして取り上げた、楽天の脇水誠氏は、観光パンフレット閲覧アプリの開発で、デザイナーやマーケティングの担当者に加え、規約作りのために法務担当の人とも一緒に進めたという。

 (2)としては、企画やチームマネジメント、ITサービスを運営するための人材がクローズアップされている。本来ITとは異なる分野だ。こうした分野の人材が必要になっているのは、潜在的なニーズを掘り起こしたり、継続的にITサービスを運営したりする必要性が高まっているためである。

 4月25日にソニー生命保険が発表した、中高生の将来なりたい職業の意識調査の結果では、男子中学生、男子高校生ともに「ITエンジニア・プログラマ」が1位だった。TBSのドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の主人公がSEだったからなのか、なんとなく格好よさそうなのか、分からないが、何をする人かはまだよく分かってはいないだろう。本当になりたいと思えるような人材像や育成環境を作っていければ、IT業界の未来は明るいかもしれない。

2.「従来のSIだけでは破壊される」、富士通が危機感あらわに共創サービスを拡充(5.11 ITpro)
 「これまで通りのSIビジネスを続けるだけでは、富士通はデジタルディスラプターに破壊されてしまう。お客様と共にデジタルビジネスを創出する“共創”を次の中核事業に成長させる必要がある」。富士通の宮田一雄執行役員常務は2017年5月11日、「共創サービス」強化の記者会見の場でこう語り、危機感をあらわにした。

 共創サービス強化の内容は、2016年5月に発表したサービス体系の中に、新たに三つのサービスメニューを追加したこと。追加した3サービスは、顧客と共に海外視察などを実施する「リサーチプログラム」、2週間でアイデア創出からサービスのプロトタイプ構築までを支援する「PLY-Dash」、プロトタイプをブラッシュアップし、商品として品質レベルを高める「PoC実施以降の事業化への対応」だ。

 一連の共創サービスを通じ、受託型SIとは異なる価値を顧客に提供することを富士通は狙う。「デジタルビジネスの道のりは試行錯誤の連続だが、ゴールにたどり着けば唯一無二のビジネスになる」と富士通の柴崎辰彦デジタルフロント事業本部 本部長代理は言う。

 サービスの拡充に伴い、共創サービスを提供する人材の育成を急ぐ。富士通は新たに必要となる人材を「デジタルイノベーター」と命名。2017年1月に発足したデジタルビジネス専門の新組織「デジタルフロントビジネスグループ」に集約する。「2018年3月までに200人、今後5年間で1200人のデジタルイノベーターを育成する」と宮田常務は意気込む。

3.「300円のお買い上げになります」、NECが無人レジ用接客ロボットを日本MSと開発(5.11 ITpro)
 NECは、ロボットが無人レジでの会計をサポートするシステムを開発した。同システムにクラウドサービス「Microsoft Azure」を提供する日本マイクロソフト(MS)との共同開発で、2017年5月10日から開催している「2017 JapanITWeek春」に参考出展している。

 このシステムに使われるのは、NECプラットフォームズのロボット「PaPeRo i」(パペロ アイ)とPOS(Point Of Sales)レジ「TWINPOS 9500Ui」だ。POSレジとPaPeRo iが連携し、買い物客がセルフレジを操作する際にサポートする。PaPeRo iはマイクとスピーカーを内蔵しており、POSレジの画面操作などを音声で案内する。

 主に、小売り業でセルフレジ導入への動きが加速していることから開発したという。特にコンビニ業界においては人手不足の深刻化により、セルフレジの需要が高まっている。

 ただしセルフレジには、買い物客が素通りしてしまい、なかなか活用してもらえないという課題がある。そこで、親しみやすいロボットを活用。会計における操作も分かりやすくする。特にセルフレジの操作方法が分からない高齢者が対象だ。PaPeRo iの集客力にも期待する。

 PaPeRo iは、セルフレジのサポートだけではなく、マーケティングにも役立つ。目の部分がカメラになっており、買い物客の顔を認識する。Microsoft AzureのアプリであるCognitive Servicesと連携し、顔画像により性別や年齢などを推測する。Microsoft Azure上で売上情報と取得した顧客情報をもとに、マーケティング分析をすることが可能だ。

4.NTTデータの2017年3月期決算は増収増益、グローバル強化に向けて体制変革へ(5.11 ITpro)
 NTTデータは2017年5月10日、2017年3月期の通期決算を発表した。売上高は前年同期比7.3%増の1兆7324億円、営業利益は同16.1%増の1171億円で増収増益となった。売上高と営業利益は過去最高を更新。為替による下振れ要因があったものの、グローバルでのM&Aや大型案件の獲得が増収要因となった。国内でも不採算案件の影響を抑えたことで堅調な経営を維持した。NTTデータの岩本敏男社長は決算結果について「満足のいくものだった」と自信を見せた。

 2017年3月期の受注高を見ると、2016年度に買収した米デルのITサービス部門(Dell Services部門)の統合や欧州子会社における決算期統一による規模拡大で「グローバル」セグメントが前年同期比で1374億円の増加となった。一方、官公庁や医療、通信などの「公共・社会基盤」セグメントでは、前年度の大型案件の反動減により同811億円の減少となった。

 2017年3月期の営業利益を見ると、公共・社会基盤セグメントと「金融」セグメントの不採算案件が減り、それぞれ107億円と104億円の増益に貢献した。グローバルセグメントではDell Services部門の買収に伴うアドバイザリー費用がかかったものの、統合による増益要因や欧州子会社の収益性改善で9億円の増益要因となった。

 2018年3月期の通期業績予想はさらなる業績の成長を見込み、売上高は前年同期比18.9%増の2兆600億円、営業利益は同2.5%増の1200億円とした。Dell Services部門の統合や、グループ会社の決算期統一による連結月数の増加により、グローバルセグメントが増収増益に大きく貢献する見込みだ。2016〜2018年度の中期経営計画でNTTデータは連結売上高2兆円を目標に掲げており、これに王手をかける形となった。

5.Amazon.com、ビデオ通話もできるアシスタント端末「Echo Show」発表(5.11 ITpro)
  米Amazon.comは現地時間2017年5月9日、ディスプレーを備え、ビデオ通話などが行えるアシスタント機器「Echo Show」を発表した。米国で同年6月28日に出荷を開始する予定で、すでに事前注文の受付を始めている。

 Echo Showは、従来のスピーカー型アシスタント機器「Amazon Echo」同様に、同社のアシスタントサービス「Alexa」が利用できる機器。本体には7インチのタッチスクリーンを搭載しており、利用者の音声命令に応じてニュース速報を映したり、音楽再生と同時に歌詞を表示したり、「Prime Photos」の写真を表示したり、YouTube動画を再生したりできる。またAlexaに対応する家庭用機器の操作も可能で、従来のように照明や室温の調整が行えるほか、セキュリティカメラの映像を表示することもできる。

 Amazon.comは、Echo Showの発表と併せて、EchoシリーズとAlexaアプリに通話とメッセージ機能を追加することも明らかにした。これにより、Echo Show同士ではビデオ通話が可能になり、スピーカー型の従来機器では、通話と音声メッセージ機能が利用できる。またEchoシリーズの各種設定を行うiOS/Android向けAlexaアプリでも、これら通話/音声メッセージを利用できるようにした。

 Echo Showの大きさは、高さ187mm、幅(前面)187mm、奥行き90mm。重さは1.17kg。本体には5メガピクセルのカメラ、2基の2インチスピーカー、8基のマイク、Intel Atom x5-Z8350プロセッサ、Wi-Fi、Bluetoothなどを搭載する。

 本体カラーがブラックとホワイトの2モデルを用意しており、価格はいずれも229.99ドル。現在は2台同時購入すると359.98ドル(100ドル引き)になる販売キャンペーンを行っている。

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