週間情報通信ニュースインデックスno.1078 2017/3/11


1.2019年5G商用化へ、仕様策定前倒しを3GPPが正式決定(3.10 ITpro)
 携帯電話の標準仕様を策定している「3GPP(Third Generation Partnership Project)」は2017年3月9日、第5世代移動通信システム(5G)の無線方式である「5G NR(New Radio)」の新たな仕様策定スケジュールを公開した。

   従来の予定を3カ月前倒しし、LTEとの併用を前提としたNSA(Non-standalone)と呼ばれる5G NRの仕様策定を2018年3月までに完了するスケジュールとする。その3カ月前の2017年12月には、ステージ3と呼ばれる詳細プロトコルやパラメータを定めた仕様を固める。

   3GPPで仕様が固まってからおよそ1年半から2年で商用システムが導入されることが多い。今回のスケジュール前倒しによって、2019年中の5Gの商用展開が見えてきた。

   3GPPの決定に先立つ2017年2月26日には、スペイン・バルセロナで開催されたモバイル関連の展示会「Mobile World Congress 2017」に合わせて米AT&TやNTTドコモなど業界の主要企業22社が連名で、5G NRのNSA仕様の早期策定に向けて合意したことを発表していた。

   5Gは超高速・大容量のほか、多数同時接続「mMTC(Massive Machine Type Communication)」や超低遅延「URLCC(Ultra Reliable and Low Latency Communication)」の実現も目指している。これらの機能については、Release 15の次のRelease 16にて仕様策定する予定だ。

    2.東京金融取引所と富士通、AI技術による市場監視業務の精度向上を検証(3.10 ITpro)
 東京金融取引所と富士通は2017年3月10日、市場監視業務の精度向上と効率化に向けた共同検討の実施で合意したと発表した。東京金融取引所の市場監視のノウハウと、富士通のAI技術(アノマリー検知技術)のノウハウを組み合わせる。アノマリー検知を活用すると、異常や故障につながる状態変化(予兆)を高精度で捉えることができるという。

 安定した市場を維持するため、東京金融取引所はマーケット常時監視し、適正な価格形成を妨げる注文の検知や、市場流動性の変化、急激な価格変動に対して所要の対応を講じている。今回、AI技術を活用して、過去から現在までの注文、市場流動性、価格変動を基に、異常を判断することで、市場監視業務の精度向上、効率化が達成できるかを検証する。

 検証では、富士通が提供する「FUJITSU Business Application Operational Data Management & Analytics 予兆監視モデル」(ODMA予兆監視モデル)を利用したアノマリー検知を行う。過去1年の取引データを機械学習することで“いつもの状態”のモデルを自動生成し、運用段階で常時発生するデータを作成したモデルと突き合わせて“いつもと違う状態”(アノマリー)を自動検出できる。既に検証を開始しており、2017年度末まで実施する予定。

      3.「ITとデータで農家の所得倍増を支援」、クボタが目指すスマート農業とは(3.9 ITpro)
 クボタの飯田聡取締役専務執行役員 研究開発本部長は2017年3月9日、日経BP社主催の「Cloud Days/ビッグデータ EXPO/セキュリティ/モバイル&ウエアラブル/IoT Japan/ワークスタイル変革/FACTORY/デジタルマーケティング」で講演した。テーマは「クボタのスマート農業戦略」。クラウドやIoT(インターネット・オブ・シングズ)といったITとビッグデータを活用して農家の生産性向上を支援。所得を倍にする「儲かる農業」の実現を目指すと力説した。 

   同社のスマート農業戦略を支えるのが「クボタ スマート アグリシステム(KSAS)」だ。顧客である農家が収穫結果や作業記録を管理する営農支援システムと、クボタがインターネット経由で集めた農機の稼働状況を管理する機械サービスシステムから成る。 

   クボタはコンバインにセンサーを取り付け、刈り取った稲もみの成分や水分量を即座に分析。「収穫直後に、今日刈り取りを終えた田んぼの状況が分かる。収量はもちろん、良い食味のコメが取れる田んぼかどうかを、即座に把握できる」(飯田取締役)。 

   どんな効果が期待できるのか。田んぼの「性格」をデータで把握することで、肥料の配合や量を計画し、「土壌をどのように改善すべきかを計画できる」(同)。集めたデータはKSASクラウドで管理。田んぼを耕す時期に同データをトラクターに配信することで、「アルバイトの作業者でも間違いなく施肥できるようになる」(同)。同社がテストしたところ、収量が15%アップしたという。 

   スマート農業戦略を支えるもう一つの要素が、IoT技術を使った無人・自動運転の農機だ。センサーとGPS(全地球測位システム)で位置をリアルタイムに制御し、決められた範囲の農場を一定の順序で走行。昼夜を問わず、正確に耕したり収穫したりできるようにする。 

   現在、同社が開発を進めているのが、運転者が手放しでも自動的にハンドルを操作する「オートステア」技術と、有人監視の下での自動運転技術だ。同社は2016年秋、オートステア技術を搭載し直進を保つ性能を備えた田植機を発売した。 

   田植えのシーズンは4〜6月に集中するので農家はアルバイトを雇うことが多い。しかし「なかなか熟練させるのが難しく、作業効率を高めにくい」(飯田取締役)。オートステア技術を搭載した田植機なら、「初心者でも短期のトレーニングで、高精度の田植えができる」(同)。同社が検証したところ、100メートルの直進で誤差を10センチメートルに抑えることができたという。将来的には完全な無人による自動運転農機の実現を目指す。 

   データ農業を支援するKSASと、超省力化を支援するIoT農機。これらを「単独ではなく、連携・併用しながら進化させ、将来のスマート農業を形成する」(飯田取締役)。

  4.Watson使う次世代の車載システムを紹介、日本IBMとアルパイン(3.9 ITpro)
  日本IBMの執行役員チーフ・テクノロジー・オフィサーで技術と創造担当の久世和資氏は2017年3月9日、日経BP社主催の「Cloud Days/ビッグデータ EXPO/セキュリティ/モバイル&ウエアラブル/IoT Japan/ワークスタイル変革/FACTORY/デジタルマーケティング」で講演した。

   講演では、人工知能(AI)やブロックチェーン、IoT(インターネット・オブ・シングズ)といった、企業が取り組む新規ビジネスの源となる先進技術の現状と、同社が協業する事例の一つで、アルパインによる車載システム領域での先進技術の取り組みについて紹介した。

   久世氏は冒頭、ビジネス分野に起こっているトレンドを三つ挙げた。(1)仮想化技術やソフトウエア定義型のインフラストラクチャーなどのように、モノやコトが情報化されていること、(2)拡張性の担保などによって計算能力が急拡大していること、(3)API連携などによってサービス開発のスピードが上がっていること、である。

   ビジネスを成長させる基盤となるのが、クラウドサービスであるという。かつてのクラウドサービスはインフラのコストを下げるためのものだったが、現在ではAPI連携などを利用したSoE(価値創出型システム)への取り組みなどに使われるようになっており、将来は複数の企業やクラウドが連携してサービスを実現するようになるという。

   クラウドサービスを活用してビジネスを変革した事例も紹介した。米シティバンクは、口座情報を参照するといった銀行の機能をAPIとして公開し、第三者にアプリケーションを作らせているという。自転車競技チームのUSAサイクリングは、選手に1年間バイタルセンサーを付けて分析した結果、自転車の追い抜き競技で銀メダルを獲得したという。

   久世氏は、クラウド上で活用するべき先進技術で、ビジネスのイノベーションにつながるキーワードとして、AI、ブロックェーン、IoTの三つを挙げる。さらに、先進事例の一例として、質問応答システム「IBM Watson」を活用した輸送バスの紹介ビデオを見せた。乗客と対話しながら観光案内したり、自動運転したりする事例である。

    5.Amazon.com、通話機能搭載の音声アシスタント機器を年内に発表か(3.6 ITpro)
 米Amazon.comは、通話機能を備える音声アシスタント機器を年内にも発表する計画だと、複数の米メディアAndroid Headlines、CNETなど)が現地時間2017年3月5日までに、米Recodeの記事を引用して報じた。

   それによると、機器はAmazon.comの音声アシスタントサービス「Alexa」を利用できる新製品で、1種類あるいは複数種類が用意される見通し。電話機機能のほか、Alexa対応の別の機器とも音声通話が可能で、家庭向けインターホンのようにも利用できるという。Recodeは事情に詳しい関係者の話として、この機器は2017年2月時点でベータ試験段階に入っており、数カ月後にも発表される可能性があると伝えている。

   今回の報道に先立ち米Wall Street Journalは、Amazon.comと米Googleが、それぞれ自社の家庭用音声アシスタント機器に電話機能を追加することを検討していると伝えていた。しかし今回Recodeが入手した情報によると、Amazon.comは通話機能を搭載する新たな製品を市場投入したい考えで、今後計画を予定どおりに進めるもよう。

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