週間情報通信ニュースインデックスno.1072 2017/1/14


1.サーバーレスのクラウドサービス出そろう、AWSやMSに続きIBMもリリース(1.13 ITpro)
 コードさえ書けばサーバーやミドルウエアを用意しなくても実行してくれる――。「サーバーレスアーキテクチャー」が注目されるなか、基盤であるイベント駆動型コード実行サービスをクラウドベンダーが充実させている。

 米IBMは2016年12月14日(米国時間)、「IBM Bluemix OpenWhisk」を正式リリース。これに先立つ同年11月には米マイクロソフトが「Azure Functions」の一般提供を開始した。

 サーバーレスアーキテクチャーで先駆けとなった米アマゾン ウェブ サービス(AWS)が提供する「AWS Lambda」は、IoT(インターネット・オブ・シングズ)機器でも利用可能にするなど、適用領域を広げている。米グーグルも「Google Cloud Functions」を公開済みで、主要クラウドサービス上でサーバーレスアーキテクチャーを実現するサービスが出そろった。

   OpenWhiskやLambdaといったイベント駆動型コード実行サービスでは、処理開始のきっかけとなる「トリガー」とプログラムされた処理である「アクション」が主要コンポーネントとなる。この組み合わせで「センサーからデータが到着するたびにエラーの有無を調べる」といったイベント駆動型処理を簡単に実装できる。

 日本IBMでクラウド事業統括コンサルティング・アーキテクトを務める平山毅氏は「サーバーレスアーキテクチャーは、イベント駆動でリアルタイムに情報をやり取りするようなアプリに向く」と話す。

 アクションが呼び出されると、イベント駆動型コード実行サービスは、プログラミング言語に合ったランタイムで実行。必要に応じて自動でスケールアウトする。利用者は、アクション実行時の料金だけを支払えば済む。

 クラウドベンダーは、アプリの開発しやすさや、連携できるサービスなどで差異化を図る。

 PaaS(プラットフォーム・アズ・アサービス)である「IBM Bluemix」上で提供されるOpenWhiskは、WatsonといったBluemix上の他サービスと連携可能。アプリ開発はNode.jsやSwiftなどでコーディングするほか、Node-REDで処理フローを定義する手法も用意する。「データの入出力を押さえられれば、Node-REDの画面上で処理フローが簡単に作れる」(平山氏)。

 2015年に東京リージョンでも利用可能になったLambdaは利用実績を増やしている。中古車買取事業「ガリバー」を展開するIDOMは、中古車査定システムの店舗アプリからデータを受け付ける処理に活用。毎日新聞社はニュースメールに埋め込む短縮URLを生成したり、短縮URLを元のURLに変換したりするアプリに使っている。

 AWSの年次イベント「AWS re:Invent 2016」では、Lambdaの機能強化も発表された。「Lambda@Edge」はイベント処理をコンテンツ配信サーバー上で実行可能。「AWS Greengrass」ではIoT機器のゲートウエイ上でLambdaが使える。いずれも、従来よりエッジに近い場所でLambdaを活用しようという動きだ。 

  2.日本HP社長、「2017年は没入型コンピュータや3Dプリンター事業に期待」(1.13 ITpro)
   日本HPは2017年1月13日、事業説明会を開催し、PCやプリンティング事業といった各事業の展望を語った。今後の成長分野として、日本で未発売の「没入型コンピューティング(イマーシブコンピューティング)」や3Dプリンターを挙げ、2017年中にも日本で製品発表するとした。

 没入型コンピューティングは、PCに3Dスキャナーやディスプレー付きタッチパッドなどを組み合わせて、立体物の3次元データを容易にスキャンしたり、ディスプレー内の3Dモデルをタッチパッドで直観的に編集したりできるようにするもの。米国では2014年に没入型コンピューティング「Sprout by HP」を製品化している。

 3Dプリンターは製造業における樹脂製品の少量多種生産などに利用できるとし、大手自動車メーカー向けに3Dプリンターの提供が始まっている事例などを紹介した。自動車の保守部品の製造に3Dプリンターを使い、生産性を向上したりコストを削減したりできたと話した。

  3.NTTPCがIaaSに月額360円の安価プラン、従来の4分の1(1.12 ITpro)
  NTTPCコミュニケーションズは2017年1月12日、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)「WebARENA VPSクラウド」のプランを拡充し、従来の4分の1の値段となる月額360円の低価格プランを追加した。同社によれば「1月11日時点で国内最安値」としている。

 仮想サーバーのスペックに応じて、これまでは三つのプランを提供していた。今回新たに、より安価な二つのプランを追加した。既存プランは高いものから順に、月額3600円、月額2880円、月額1440円の三つ。追加プランは、月額720円、月額360円の二つである。

 2017年2月には、Dockerコンテナ環境もサービス化して提供する。Dockerイメージとして構成したアプリケーションを、同社が提供するAPIを使ってDockerコンテナ環境に配備して実行できるようになる。

  4.JUASが「企業IT動向調査2017」速報値発表、中堅企業でIT投資が活発化(1.12 ITpro)
 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は2017年1月12日、東証一部上場企業とそれに準ずる企業を対象に実施した「企業IT動向調査2017」の、IT予算に関する速報値を発表した。2017年度も、ユーザー企業は積極的なIT投資を行う見込み。特に、中堅企業での投資が活発化するという。

 2017年度のIT予算の増減予測では、2016年度に比べて「増加」とした企業が全体の34.0%に上った。さらに49.7%が、「不変(前年度並み)」と回答した。「増加」と答えた企業の割合は前回より減ったが、その分「不変」が増えたため、全体で見ると前年並み、またはそれ以上の予算が2017年に投じられると分析している。なお、IT予算を「増やす」割合から「減らす」割合を差し引いたDI(ディフュージョン・インデックス)は17.7ポイントだった。

 売上高規模別で見ると、中堅企業でIT投資を増やす動きが目立つ。DIが最も高かったのは売上高100億円以上1000億円未満の層で、20.7ポイント。2番目は売上高100億円未満の層で、DIは18.6ポイントだった。売上高1兆円以上の企業はDIが6.1ポイントと小さいが、この層は前回調査(2016年度予測)でのDIが16.1ポイントと高かった。その反動減とみられるという。

 業種グループ別では、DIが最も高いのが「建築・土木」グループの39.5ポイント。前年調査に比べて26.6ポイント上昇した。JUASは、不動産市場の好況や、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催などが背景にあると見る。逆に大きくDIを減らしたのが、「金融」グループ(マイナス21.1ポイント)。同グループは前回調査で47.1ポイントと最もDIが高く、その状況からの反動減などによるものと考えられるという。

 「IT投資で解決したい中期的な経営課題」では、「業務プロセスの効率化(省力化、業務コスト削減)」「迅速な業績把握、情報把握(リアルタイム経営)」を選んだ企業が多かった(図3)。この傾向は過去の調査でも同様だったが、2017年度はこうした課題解決の手段としてIoT(インターネット・オブ・シングズ)やビッグデータなどに注目する企業が増えているようだと分析した。

 同調査では、4000社のIT部門長に調査票を郵送して回答を得た。有効回答社数は1071社。IT予算に関する有効回答数は668社、IT投資で解決したい経営課題に関する有効回答は1013社。今回公表したのは速報値で、正式なデータや分析結果は2017年4月上旬に発表予定という。

  5.ディライテッド、内線の代わりにチャットを使うオフィス受付サービスを販売(1.11 ITpro)
  ディライテッドは2017年1月11日、内線電話の代わりにチャットサービスを利用して来客を知らせるクラウド型のオフィス受付システム「RECEPTIONIST(レセプショニスト)」を発表、同日サービスを開始した。受付に専用アプリケーションを導入したiPadを設置して使う。

 来客は、受付に置かれたiPadを操作して、訪問先の社員を呼び出す。訪問先の社員は、チャットサービス(ChatWorkまたはSlack)のメッセージ通知によって、来客を知る。既存の受付システムと異なり、内線電話を使うことなく来客を通知できる。スマートフォンさえあれば、どこにいても通知を受けられる。

 iPad用アプリで利用できる受付方法は三つ。(1)担当者を名前で検索して呼び出す、(2)あらかじめ受付コードを生成して来客者に伝えておき、これを入力させる、(3)通知先のチャットグループをカスタムボタン化して、これを呼び出す、である。カスタムボタンは最大で4個まで設定可能で、ボタンに表示するテキストや通知先のチャットグループを自由に設定できる。

 運用も簡単にした。クラウドサービスなので、設定はWebブラウザー経由で行える。管理のためにiPadを直接操作する必要はほとんどない。社員情報は、CSV(カンマ区切り形式)データで一括登録できる。名前とメールアドレスの一覧だけを取り込み、メール通知を受けた個々の社員がセルフサービスで登録するという方法もとれる。

 サービスの価格は、社員50人当たり月額5000円で、社員10人以下の場合は無料で利用できる。例えば、社員10人なら無料、社員45人なら月額5000円、社員80人なら月額1万円、社員130人なら月額1万5000円になる。また、サービス登録後1カ月(31日間)は、社員何人でも無料で利用できる。

     ホームページへ