週間情報通信ニュースインデックスno.1068 2016/12/10


1.インテルの深層学習向けプロセッサ製品群、「3年で学習時間100分の1を目指す」(12.9 ITpro)
 インテルは2016年12月9日、人工知能(AI)向けプロセッサやソリューション製品群に関する説明会を開いた。11月に米サンフランシスコで開催した「AI Day」での発表内容を基に、AI向けのプロセッサ製品群「Intel Nervanaプラットフォーム」について解説。OSS(オープンソース)のフレームワークに対応したり、開発者向けツールを提供したりして利用者の拡大を狙う。

 説明会で、インテルの福原由紀 データセンター・グループ・セールス ディレクターは「AI向けプロセッサの市場はまだ立ち上がったばかりだが、2020年までに需要は12倍に拡大する」と話した。

 Nervanaプラットフォームは、インテルが8月に買収した米ナーバナシステムズ(Nervana Systems)が開発した技術を中核に体系化した。ディープラーニング(深層学習)に特化したプロセッサ「Lake Crest」のほか、データセンターなどに既に提供してきた「Xeonプロセッサ」や、HPCの並列処理向け「Xeon Phiプロセッサ」なども含む。Lake Crestは2017年上期に開発版による検証を進め、下期には主要な顧客のデータセンター向けに提供開始する。

  2.NTTコム、100Gビット/秒以上の転送能力を持つルーターソフトウエアを発表(12.9 ITpro)
 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2016年12月5日〜8日に開催された「Okinawa Open Days 2016」で、100Gビット/秒以上のパケット転送能力を持つルーターソフトウエア「Kamuee Zero」を発表した(同ソフトウエアの論文)。こうした高い転送能力を持つコアルーターは数千万円以上するが、Kamuee Zeroを利用すれば、200万円程度のサーバーで同等の転送能力を実現できるという。

 ルーターの経路検索アルゴリズムとして、東京大学と共同開発した「Poptrie」という新しい方式を採用した。これにより高い経路検索機能を実現した。Poptrieは特許を取得したという(特許第5960863号)。

 パケット転送には、米インテルが開発した「DPDK」というライブラリを利用している。DPDKではPMD(Poll Mode Driver)という特殊なドライバーを利用することで、ネットワークソフトウエアがLinuxカーネルを介さずネットワークインタフェースと直接やり取りできる。

 パケット転送能力は、米スパイレント・コミュニケーションズのネットワーク負荷装置を使って測定した。IPv4のBGPのフルルート(インターネットのすべての経路)である約52万経路を想定して測定環境を構築した。BGPの動作にはルーターソフトウエア「Zebra」を利用した。Kamuee Zeroを動作させるサーバーと負荷装置を40Gビットイーサネットで接続し、宛先を完全にランダムにした128バイトのショートパケットを送信したところ、145Gビット/秒のパケット転送能力を達成したという。

  3.シマンテックが2017年のセキュリティ予測、RAMに書き込む「ファイルレス感染」に注意(12.8 ITpro)
 シマンテックは2016年12月8日、都内で記者発表会を開き、2016年の取り組みの総括と2017年のセキュリティ動向予測を発表した。発表会の冒頭、同社 代表取締役社長 日隈寛和氏は、2016年1月のVeritasの完全譲渡や8月のBlue Coat社の買収、11月の「Symantec Endpoint Protection 14」のリリースなどに触れ、2016年を振り返った。

 日隈氏は、Blue Coat社の買収について「ネットワークセキュリティに注力できる体制が強固になった」と述べ、同社の事業展開におけるターニングポイントの1つであったことを示した。さらに、2016年10月にはBlue Coat社の脅威情報をSymantec Global Intelligence Networkに完全統合したことに触れ、「民間企業としては世界最大規模のサイバーセキュリティの情報ネットワークを構築できた。これはシマンテックの競争力の源泉になる」と強調した。

 さらに、クラウド活用が進展している状況について言及し、「多くの人がモバイルデバイスでインターネットにアクセスし、SaaS型の様々なサービスを利用する。これは同時にサイバー攻撃の被害に遭うリスクが増大していることも意味する」と指摘した。「組織化された犯罪者が企業の知的財産を狙って標的型攻撃を仕掛けるなど、サイバー攻撃はますます高度に巧妙化している。シマンテックはサイバー攻撃から日本と日本企業を守る取り組みを今後も継続する」と語り、挨拶を終えた。

 日隈氏の挨拶に続き、シマンテック セキュリティレスポンス シニアマネージャの浜田 譲治氏が登壇。「2017年以降のセキュリティ予測」について発表した。浜田氏が挙げた予測は次の11項目である。

クラウド時代に伴う脅威の増加
コネクテッドカーも脅威の対象に
IoTデバイスへの脅威
IoTを悪用したDDoS攻撃の増加
企業ネットワークが拡大し、境界線が不明確に
ランサムウエアがクラウドを攻撃
AI/マシンラーニングには高度なビッグデータ機能が不可欠
無法国家が自らの手で犯罪行為に乗り出す
ファイルが存在しないマルウエアが増加
SSLを悪用したフィッシングが増加
ドローンがスパイ活動や過激な攻撃に悪用される

 浜田氏はまず、「本格的なクラウド時代に入り、サイバー攻撃の脅威も増大している」と指摘。これまでのクライアント・サーバー型のシステムでは、ファイアウォールやエンドポイントのセキュリティ対策が重視されていたが、「クラウドの利用拡大、コネクテッドカーの登場、IoTデバイスの増加など、ファイアウォールやエンドポイント対策では『守り切れない』状況になっている」と述べた。

 2016年は「働き方改革」のもとに在宅勤務を推奨する企業が増え、今後はテレワークの普及が進むことが期待されている。浜田氏は「企業ネットワークが拡大し、境界線が不明確になっている」と指摘。そのため、自宅や会社、さらにはクラウド上に分散して保存されているデータを守らなければならないなど、「セキュリティ対策がますます複雑になっていく」と状況を説明した。

4.KDDI、ビッグローブ買収へ、MVNO・光で「一発逆転」狙う(12.6 ITpro)
 KDDIはプロバイダー大手のビッグローブを買収する方向で交渉を進めていると日本経済新聞が2016年12月6日付で報じた。報道によると同業大手のニフティの買収に向けても協議しているもようだ。

 各社はいずれもITproの取材に対し「当社が発表したものではなく、現時点で決定した事実はない」(KDDI)、「お話しできることはない」(ビッグローブの実質的な親会社である日本産業パートナーズ)、「ニフティの個人向け事業について外部パートナーとのアライアンスを含め事業構造の変革を検討していることは発表済みだが、そのプロセスについてはこれまで何もコメントしていないし、決まるまでは何も言わない」(ニフティの親会社である富士通)と語り、詳細なコメントを避けている。

 プロバイダー2社は、光回線とMVNO(仮想移動体通信事業者)の双方で多数の会員を抱える。KDDIにとっては、2社の買収という勝負手が仮に実現すれば、各社が拮抗しつつある市場環境のなかでも業界のガリバーであるNTTグループに対抗し勢力図を一挙に広げられる可能性がある。コンテンツや決済といったKDDIのサービスを2社の会員に提供できれば、ここ数年の至上命題となっている「au経済圏」の拡大にも追い風となりそうだ。

  5.NEC、無線WANの拠点ルーターがSIMロックフリーに(12.5 ITpro)
 NECは2016年12月5日、拠点接続用のVPNルーターの新製品として、WAN側に携帯電話網を利用できる「UNIVERGE WAシリーズ」の新モデル「UNIVERGE WA2612-AP」を発表した。特徴はSIMロックフリーのLTE通信モジュールを搭載したこと。国内3キャリアのSIMのいずれも利用できるようにした。価格(税別)は10万8000円で、販売目標はUNIVERGE WAシリーズ全体で今後3年間で10万台。

 WA2610-AP、WA2611-AP、WA2612-APの3モデルで構成する高機能シリーズ「WA-2600シリーズ」の一つ。WA-2600シリーズの特徴は、WAN側とLAN側の両方で、無線による通信が可能なこと。WAN側は、携帯電話網の契約だけで短時間にインターネット接続環境を構築できる。WAN側の有線接続に障害が発生した際、経路をバックアップ用のLTE回線に切り替える機能も備える。一方のLAN側は、無線LANアクセスポイントを内蔵する。

 今回の新モデル(WA-2612-AP)は、SIMロックフリーであり、国内3キャリアのいずれのSIMも利用できる。既存モデルのWA-2611-APは、NTTドコモ網しか使えなかった。新モデルは既存モデルと異なり、3G網は使えずにLTE網に限られる。もう一つの既存モデル、WA2610-APは、USBポート経由で無線WAN通信モジュールを外部接続して使う仕様である。

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