週間情報通信ニュースインデックスno.1064 2016/11/12


1.NTTデータが地銀2行の勘定系を他社から奪取、シェア4割、一強時代へ(11.11 ITpro)
  NTTデータは2016年11月11日、同社の勘定系パッケージ「BeSTA」を採用するシステム共同化陣営に、地方銀行である島根県の山陰合同銀行と東京都の東日本銀行が新たに参画すると発表した。2行は現在、それぞれ他社製の勘定系システムを利用しており、NTTデータがリプレイスに成功した格好だ。同社は既に地銀向けの勘定系システムで最大シェアを握っているが、新規顧客の獲得で頭一つ抜け出したと言えそうだ。

 山陰合同銀行は、勘定系システムの共同利用陣営としては最大規模の「地銀共同センター」に参加する。11日に基本契約を締結し、2019年度下期〜2020年度上期にも利用を開始するという。これで地銀共同センターの利用行は15行となる。

 今後の利用見込みを含めると、NTTデータが勘定系システムの主要ベンダーを務める地銀数は39行に上り、シェアは4割弱に上る。さらに、勘定系パッケージ「BeSTA」を利用する地銀は51行と、全地銀のおよそ半分を占める。NTTデータ一強の色が濃くなってきた。

2.エリクソン・ジャパンがネットワーク化社会に向けた5Gの展望を発表(11.10 ITpro)
 エリクソン・ジャパンは2016年11月10日、次世代移動通信システムである5Gに対する同社の取り組みを紹介するプライベートイベント「Networked Society Day 2016」を開催した。イベントにはエリクソン・ジャパン 代表取締役社長のマイケル・エリクソン氏とエリクソン・ジャパン 代表取締役社長 野崎 哲氏が登壇し、同社の事業方針や2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けての通信事業者の課題などについて講演した。  同社は現在、5Gの商用サービスに向けて、全世界で27の通信事業者、12の産業界と提携している。日本ではすでにソフトバンク、au、NTTドコモの主要3事業者と5Gに関する協力関係を構築。2016年2月には、世界で初めて「屋外環境での通信容量20Gbpsを超える5Gマルチユーザ通信実験」に成功した。2017年には5Gのさらなる開発促進を目的として、東京の各所に5Gトライアルネットワークを構築する予定だ。

 エリクソン氏は、「あらゆるものがネットにつながる、ネットワーク化社会が到来しつつある」と述べ、「進化していくネットワーク環境や、それに接続されるデバイスの増加に対して、柔軟、かつ速やかに対応するためには、次世代移動通信システムである5Gだけでなく、IoT、クラウドなどの技術を利用していく必要がある」と語った。

 一方、エリクソン氏に代わって登壇した野崎氏は、5G開発の今後の展望として「2017年からは無線テストベッド(試験環境)での試用やフィールド・トライアルによって標準化を進めていく。2018年に開催される平昌オリンピックでは、大規模なショーケース的なトライアルを実施し、2020年には標準化に基づいた5Gの商用展開を目指している」と将来のロードマップを示した。

 続けて野崎氏は、ネットワーク化社会が実現し、車や住宅、ウェアラブルデバイスがネットに接続するようになると、「それぞれが要求するデータが多様化かつ膨大化する」と指摘。それらを一つのネットワークで対応するためには、ネットワークスライシングや分散型のクラウドが必要になってくるという。

 ネットワークスライシングとは、一つのネットワークを仮想的に分割し、ユーザーの利用するサービスの要求条件に合わせて効率的にネットワークを提供する技術だ。この技術を使用すれば、リアルタイム性が求められる遠隔ロボット操作や、作業量の多いデータ処理などの異なるサービスを同時に要求されたとしても、分割したネットワークスライスに割り当てることで、スピーディーな対応が可能となる。

 野崎氏はIoTに関して「物流のような規模の大きいMTCや機械のコントロールなど低遅延が求められるクリティカルMTC、さらには、一般的なモバイルブロードバンド。このような異なる要件を同時に満足させるような形で、IoTソリューションを開発していかなければいけない。それを支えるために、4Gと5Gが連携してネットワークを提供していく必要がある」と語った。

3.マカフィーがセキュリティ事件の認知度調査、「ランサムウエアが17位から9位へ」(11.10 ITpro)
  マカフィーは2016年11月10日、2015年10月から2016年10月までに起きたセキュリティ関連の事件に対する認知度の調査結果を発表した。日本企業の経営者や情報システム担当者1552名を対象に実施したアンケートを基にしたものだ。セールスエンジニアリング本部の櫻井秀光本部長は「注目したいのは、『ランサムウエアの被害』の認識度が昨年17位から今年は9位へと急上昇したことだ」と話した。

 ランサムウエアはPCをロックしたり、ファイルを暗号化したりするなどの攻撃を仕掛け、解除や複合の条件として”Ransom(身代金)”を要求する悪質なマルウエアだ。櫻井本部長は「ラムサムウエアの攻撃対象が、個人から企業に変わってきた」と話す。

 マカフィーが集計したランサムウエアの認知度は28.0%で、9番目に高い認識度だった。同程度の認知度だったセキュリティ事件としては、8番目に高い認知度の28.3%を記録した「JTBが受けた標的型攻撃」がある。櫻井本部長は「米国の医療機関などで多額の身代金を支払う事件があるなどランサムウエアで実際に被害が出ており、関心が高まっている」と話した。調査結果も含めて「ランサムウエアが猛威を振るった一年だったと言える」(櫻井本部長)とまとめた。

 最も認知度が高かったのが51.7%の「振り込め詐欺/迷惑電話による被害」。以下は同36.9%の「金融機関やクレジットカード会社などをかたるフィッシング」が2位、同35.8%の「ポケモンGOの偽アプリ」が3位、同33.4%の「公共無線LANのセキュリティ問題」が4位、同28.9%の「ハッカー集団『アノニマス』による日本を標的とした攻撃が5位、同28.9%の「米連邦捜査局(FBI)が米アップルに対して『iPhone』のロック解除を要請」が6位、同28.9%の「米ヤフーがサイバー攻撃を受け5億人以上の個人情報流出」が7位と続いた。

4.KCCSがIoT向け通信網構築、仏SIGFOXと提携し全国展開(11.9 ITpro)
   京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は2016年11月9日、仏SIGFOX社と提携し、IoT(インターネット・オブ・シングス)向けの通信網を全国に展開すると発表した。SIGFOX社が提供するIoT向け通信技術「SIGFOX」を日本で展開する。

 IoTに利用可能な無線通信技術としては、携帯電話ネットワークや無線LAN、Bluetoothなどがあるが、性能が高くコストも高くなる。温湿度や水量など、比較的単純なセンサー情報を送信するには高価だったり、通信範囲が狭かったりする。そこで最近関心を集めているのがLPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる無線技術。通信速度は遅いが、電波の届く範囲が広い無線技術である。SIGFOXはその一つだ。「他にもIoT向けの無線技術はあるが、用途に応じて棲み分けることになる」。

 SIGFOXは100ビット/秒と低速ながら、通信距離が数十kmまでおよび、しかも低消費電力という特徴を持つ通信技術。端末用の通信チップが150円程度の価格で提供でき、端末コストを抑えられるという。既にフランスやスペインなど24カ国でサービスを開始しており、「日本が25番目になる。欧州では人口カバー率85%を実現している」。特にペアリングなどの作業が不要なので、日本のサービス事業者が容易に海外に展開できるとしている。

 ネットワークコストも安価だ。最低料金は年額100円から。典型的な利用パターンとして「1日50回の通信をする端末が100万台で契約した場合、1台当たり年間1000円程度」(KCCSの黒瀬氏)。

 KCCSはSIGFOX社から基地局やクラウドサービスを借り受け、ネットワークを構築。サービス事業者にネットワークを提供する。サービス事業者がIoTデバイスやサービスを開発して利用するといった形になる。

 2017年2月に東京23区で順次サービスを開始し、2017年3月には川崎市、横浜市、大阪市にサービスを広げる。2018年3月までに政令指定都市を含む主要都市でサービスを開始する計画だ。

5.2016年の国内動画市場は57%増の842億円、サイバーエージェント調べ(11.9 ITpro)
 サイバーエージェントは2016年11月9日、国内の動画広告市場の調査結果を発表した。2016年の市場規模は前年比57%増の842億円と予測。昨年時点の予測である800億円を上回った。けん引役はスマートフォン向けで、前年比2倍となり動画広告全体の7割を占めるとした。

 同社が運営する、動画広告に特化した研究機関であるオンラインビデオ総研が、市場調査会社のデジタルインファクトと共同で調査した。調査期間は2016年7月から9月で、動画広告市場関係者へのヒアリングや調査機関が保有するデータなどを基に調べた。

 中長期的に、スマホ動画広告の需要が市場拡大をけん引すると指摘。動画広告市場全体の規模は、2020年には2300億円ほど、2022年には2900億円を超えると予測した。

 背景にあるのが、スマホを使った動画コンテンツの増加。同社とテレビ朝日が手掛けるネットテレビサービス「AbemaTV」が4月に開始。Facebookなどのソーシャルメディア上でも、料理レシピの動画が人気を集めるなど、スマホ向けの動画コンテンツは存在感を増している。こうした状況を受けて、商品や企業のブランドイメージ広告やスマホ用ゲームのインストールや会員登録を促す広告の需要が高まっているという。

 種類別にみると、最も多いのは動画コンテンツを視聴する前や視聴途中に再生される「インストリーム広告」で、2016年は439億円と全体の半分超を占める。

 同社は今後、「インフィード広告」と呼ぶ方式が急伸すると予測。2016年は前年比2.5倍の197億円、2022年にはその5倍超の1000億円規模に達するとみる。インフィード広告はWebサイトやスマホアプリの途中に設置した広告枠を、利用者が画面に表示したタイミングで動画を再生する方式だ。ニュースアプリの記事コンテンツ一覧画面に交えて表示するなど、画面の狭いスマホでも利用者の使い勝手を妨げないとされる。  

       ホームページへ