週間情報通信ニュースインデックスno.1049 2016/07/09


1.「人間に解決困難な問題をAIの発展によって解決できる」(7.7 nikkeibp)
  メニーコアプロセッサを開発するPEZY Computingの齊藤元章 代表取締役社長は2016年7月7日、東京都内で開催している「IT Japan 2016」(日経BP社主催)で「人工知能による新産業革命と、次世代スパコンによる社会的特異点の創出に向けて」と題して講演した。齊藤氏は次世代のスーパーコンピューター(スパコン)上で次世代のAI(人工知能)が動くと「エネルギー、食料、人口、医療といった問題が解決できる」と期待を話した。

 齊藤氏は、液浸冷却を開発するExaScalerの創業者・代表取締役会長、積層メモリーを開発するUltraMemory創業者・会長を兼務している。3社からなるPEZYグループは、スパコンの省エネルギー性能ランキング「Green500」で1位を3度取得している。PEZYグループは新たにAIエンジンの研究を始めている。スパコン上のAIが次世代のスパコンと次世代のAIを開発し、次世代のAIが「あらゆる問題を計算で解決する」(齊藤氏)未来を語った。

 斎藤氏は「スパコンとAIを持っているかどうかで、先進国と途上国が再定義される」と話し、演題にもある新産業革命について、AIによる社会の変化は第4次産業革命ではなく、全く新しい革命であることを説明した。

 まず、PEZYグループが開発したスパコンの性能を紹介。理化学研究所にある「Shoubu(菖蒲)」を使い、猫の小脳をリアルタイムにシミュレーションした事例を紹介し、「将来、人間の頭の中を全て理解するコンピューターができる」(齊藤氏)と語った。

 齊藤氏は、スパコンの処理能力が向上すれば、AIが仮説を立てられるようになるという。「既にAIは、画像認識で人間以上のパターン認識能力を発揮している。PEZYグループが2018年に完成を目指している1000倍高速なAIは、膨大なパターン認識を蓄えてそこから仮説を立てられる」(齊藤氏)。

 加えて、AIが作った仮説をAIが検証するようになるという。「原子や分子レベルから構築したバーチャルな世界を計算して、その世界で実験して仮説を検証できる」(齊藤氏)。ノーベル賞を取るような発見が、バーチャルな世界の実験から生まれるともいう。実行性能の向上が進み、仮説だけでなく概念を作るコンピューターも製造可能だという。

 齊藤氏は「AIの発展によってシンギュラリティ(技術的特異点)が到来すれば、人類は労働や老化からも開放される」と話す。また、人間は複雑な関係を認識して抽出できないので、人間に解決困難な問題をAIの発展によって解決できるようになる、とも述べた。

 続いて、糖尿病の治療薬が大腸がんの予防に使える事例を紹介した。「この治療薬が持つ、老化を抑制する効果の研究が始まった。薬が作られて70年もかかったが、糖尿病、大腸がん、老化の関係が検証され始めた」(齊藤氏)。AIは、、老化や病気についての既存の概念が間違っている可能性も加味して、膨大なデータから複雑な関係性を抽出できるという。斎藤氏は「スパコン上のAIが、次世代のスパコンと次世代のAIを作る。全ての産業がフルオートで動く社会ができて、シンギュラリティがやってくる」と述べて、講演を締めくくった。

2.Microsoft、小規模事業向け無料オンライン会議ツール「Skype Meetings」を発表(7.6 nikkeibp)
 米Microsoftは現地時間2016年7月5日、小規模事業向け無料オンライン会議ツール「Skype Meetings」を発表した。「Office 365」のコミュニケーションツール「Skype for Business」のオンライン会議機能を縮小したもの。法人電子メールアドレスを所有し、Skype for Businessを含むOffice 365を導入していない米国のユーザーに提供する。

 Skype Meetingsでは、同時に最大3人が参加可能なHDビデオ会議や音声会議を手軽に設定できる。招集メンバーは送られてきた固有URLをクリックして、様々なデバイスから会議に出席できる。出席者は会議中に、インスタントメッセージ(IM)の送信、画面共有やPowerPointプレゼンテーションの表示などが可能。仮想レーザーポインターやホワイトボードを使った会議進行も行える。発言者の話に集中できるよう他のメンバーを無音にする管理機能も備える。

 Skype Meetingsは、ブラウザー、マイク、スピーカー、カメラを装備したWindowsパソコンあるいは「Mac」、iOSおよびAndroid端末で利用できる。最初の60日間は最大10人が同時に参加可能。

 ちなみに「Office 365 Business Essentials」や「同Business Premium」で提供しているオンライン会議機能は、同時に最大250人が参加できる。Outlookカレンダーとの統合、オンライン状態の同僚の確認、OutlookのほかPowerPointやWordアプリケーション内からの会話開始といった豊富な機能を備える。

3.IIJ、格安スマホを郵便局でカタログ販売開始(7.5 nikkeibp)
  インターネットイニシアティブ(IIJ)は2016年7月5日、個人向けモバイルデータ通信サービス「IIJmio(アイアイジェイミオ)高速モバイル/Dサービス」の販路を拡大し、8月1日より郵便局に設置するカタログでの販売を開始すると発表した。当初は東海地方(岐阜県・愛知県・静岡県・三重県)の郵便局2050局で取り扱いを開始し、順次全国の郵便局に展開する。

 IIJmio高速モバイル/Dサービス「ミニマムスタートプラン」の音声機能付きSIM(みおふぉん)を、富士通コネクテッドテクノロジーズ製SIMロックフリー端末「arrows M03」とセットにして提供する。地方在住者でも身近な場所で情報を入手できるうえ、郵便局専用コールセンターを用意し、スマートフォン初心者や高齢者の方でも容易に“格安スマホ”を利用できる。

 通信速度はLTEエリアで下り最大375Mbps、上り最大50Mbps(クーポン非適用時は最大200kbps)。直近3日あたりの低速通信量制限は366MB。初期費用は3000円、端末価格は3万2800円(一括払いの場合)。通信料金は月額1600円でバンドルクーポンは毎月3GB。国内音声通話料金は30秒20円。

4.経営のデジタル化を実現するには四つのコンセプト」、日本MSの平野社長(7.7 nikkeibp)
  「企業のデジタルトランスフォーメーションを力強く推進していく」――。日本マイクロソフト代表取締役社長の平野拓也氏は2016年7月6日、東京・品川の品川プリンスホテルで開催された「IT Japan 2016」(日経BP社主催)で講演を行い、このように力を込めて語った。

 平野氏は、日本マイクロソフト(MS)が今年30周年を迎えるにあたり、ここ数年にわたって取り組んできた改革について言及した。「現在は、売上の32%がクラウドによるもの」と、ソフトウエア販売からクラウドへ急速にシフトしていることを説明した。

 さらに企業のデジタルトランスフォーメーションについて、日本MSが提唱する四つのコンセプトとその具体例を紹介した。

 「ある統計によると、日本の主な企業のCEOの86%が『経営のデジタル化』を最重要テーマと位置づけている。しかしその範囲が広すぎて、どこから手をつけるべきかわからないという企業も多いのではないか」と平野氏は指摘。日本MSはこのような考えから、デジタルトランスフォーメーションの四つのコンセプトをまとめた。

 平野氏が第1に挙げたのが「顧客とつながる」だった。企業が自社の顧客との関係を深めるためにデジタルを活用するというもの。具体例として、ソフトバンクロボディクスとの協業を紹介した。ソフトバンクが開発する人型ロボット「Pepper」には、MSのクラウド技術が活用されており、機械学習を行っているという。

 Pepperは接客業務への活用が期待されている。多国語対応が可能な点や、収集した情報をBI(ビジネスインテリジェンス)にフィードバックし、在庫管理などに活用できる点、さらに顔認識によって取引履歴などを参照しつつ接客ができる点などで、大きなメリットがある。「究極は無人型店舗ができるようなビジネスモデルになっている」(平野氏)。

 第2は「従業員のパワー」。少子高齢化による労働力不足にどう対応するか、労働事情の違う外国企業とどう競争するか、といった課題への取り組みとして、生産性向上や、従業員の潜在能力を引き出す施策が求められる。そこにデジタル技術を活用できるという。

 具体例として、三井住友銀行で採用されたパブリッククラウドサービスを挙げた。いつでもどこでも業務が可能になる「次世代ワークプレース」を構築したという。また日本MSの「ワークスタイル変革」についても紹介。2011年の本社移転の際、徹底的にモダンワークスタイルの構築に取り組んだ。

 その結果、5年間で1人あたりの生産性が26%アップしただけでなく、女性の離職率を40%抑え、残業時間を5%減らしたという。「ITだけの力ではなく、人事的施策、経営陣がトップダウンでコミットメントするなど、全社的な妥協なき取り組みを行った成果」(平野氏)だという。

 第3は「業務の最適化」。オペレーションモデルをデジタル化することによりコストダウンやスピード化を図る。この具体例としては、日本航空で採用されたホロレンズというテクノロジーを挙げた。特殊なゴーグルを装着し、現実の映像とバーチャルリアリティの映像が混ぜ合わせるというもの。「アジア初、航空業界初の採用」(平野氏)となった技術だ。

 これをパイロットや整備士のトレーニングに活用している。パイロットのトレーニング機材は、1台で何十億円もする。ホロレンズがあればそこまでのコストを負担しなくても、どこでも簡便なトレーニングが可能という。

 第4は「製品の変革」。「今売っているものを越えるような、新しい製品やサービスをどのように出していくかが重要。そこにデジタルを活用する」(平野氏)。具体例としては、トヨタのコネクテッドカーを挙げる。これは車自体を高度なデジタルデバイスとし、得られた情報をクラウドに集積して新たな商品開発やサービス提供に活用しようという取り組みだ。

 平野氏は具体例紹介の最後に、デジタルトランスフォーメーションの新たな領域として、「コグニティブサービス」について語った。「認識する技術」のことで、映像や音声など「感覚」に対する認識技術の発達により、これまでは人間にはできてもコンピュータには難しかったことが可能になっているということだ。

 例として、交通渋滞の予測や、リアルタイムで多言語に翻訳する技術、目の不自由な人向けに映像を言語情報にして届ける技術、などを紹介した。

5.ファーウェイが初の2-in-1型Windows PC「MateBook」を国内発売へ(7.4 nikkeibp)
  華為技術日本(ファーウェイ・ジャパン)は2016年7月4日、都内で新製品発表会を開催し、2-in-1型Windowsデバイスの新製品「HUAWEI MateBook」を発表した。

 MateBookは、2016年2月にスペイン・バルセロナで開催した「Mobile World Congress 2016」で発表した新製品。日本国内向けモデルは7月15日に発売し、価格は6万9800円(税別)からと発表した。

 コン氏は日本のPC市場について、販売台数が前年同期比で下落していることを指摘。「スマートライフ時代において革新性に乏しく、変化がない。その結果、市場ニーズが下がり、購買意欲も低下している」と問題点を挙げた。

 これに対してファーウェイは、6カ国で1800人のビジネスパーソンを調査。ビジネスとプライベートは頻繁に入れ替わっており、スタイリッシュなデバイスを持ち歩いてどんな場所でもコンテンツを消費したり、生産性アプリを使いたいといった意向が強くなっているとした。

 そこでファーウェイは、スマートフォンやタブレット製品で培ってきたインダストリアルデザインや、金属の加工技術をPCに応用。「生産性の高いポータブルデバイスで日本のPC市場に参入し、マーケットに新たな風を吹き込む」(コン氏)と宣言し、初の2-in-1型Windowsデバイス「HUAWEI MateBook」を発売することを明らかにした。

 外装には、ファーウェイがハイエンドのスマートフォンで培ってきた技術を採用。本体のカラーバリエーションはブラックとホワイトの2種類で、背面カラーはそれぞれグレーとゴールドになる。

 画面には12インチ・2160×1440ドットのIPS液晶を採用。色域はNTSC比85%で高い色再現性があり、視野角も広いとした。液晶ベゼルは10mmで、画面占有率はiPad Proの76%よりも広い84%を確保。重量もiPad Proより19%軽いことを強調した。

 バッテリー容量は33.7Whで、Officeアプリ使用時に9時間の連続動作が可能という。また、充電用のスマートチャージャーは110gと小型軽量で、自動的な電圧切り替えによりスマートフォンやタブレットなどのAndroid端末も急速充電できるとした。

 別売りのキーボードとは本体下部の接点で接続し、保護カバーやスタンドを兼ねている。カラーはブラック・ブラウン・オレンジ・ベージュの4色をラインアップする。

 MateBookの本体側面には、Windows 10の生体認証機能「Windows Hello」に対応した指紋センサーを搭載。「電源ボタンの押下」や「Ctrl+Alt+Delキーの押下」といった操作を省略し、画面オフの状態から指紋センサーに触れるだけで画面ロックを解除できるとした。

 MateBookにLTE通信機能は搭載しないものの、「MateTrans」機能によりワンタッチでスマートフォンをWi-Fiアクセスポイントとして利用できるとした。

 製品構成は、Windows 10 Home搭載のコンシューマー向けが3モデル、Windows 10 Pro搭載の法人向けが2モデルの合計5モデル。キーボード(1万4800円)、MatePen(7800円)、MateDock(9800円、いずれも税別)は別売りのアクセサリーになる。

     ホームページへ