週間情報通信ニュースインデックスno.1035 2016/03/05


1.IoT活用を成功させる3つの勘所、大阪ガスの河本薫氏が解説(3.4 nikkeibp)
  IoT活用の案件が増えているのは、大阪ガスがメンテナンスすべき多くの設備や器具を所有しているからだ。これら設備や器具にセンサーを取り付けてデータを収集・分析し、異常検知や異常監視、故障予知、故障診断を実現させる取り組みを進めている。これら実際の案件を通じて得た、IoT活用を成功させるための勘所は大きく3つある。

 まず1つは、問題点を具体化すること。IoT活用の取り組みでよくある失敗例は、データ分析で故障予知が可能になると分かっても、現場からは「1時間前に故障予知できても間に合わない」「故障予知できても故障前に客先を訪問できない」といった意見が出て、議論が先に進まないことだ。

 そこで河本所長が率いるビジネスアナリシスセンターでは、IoT活用のパターンとして「異常検知」「異常監視」「故障予知」「故障診断」の4つに分類。その上で、現状業務をヒアリングして、どのパターンに取り組めば現状業務を効率化できたり変革できたりするのかを、見極めていく。さらに、見極めたパターンを実践した場合、現場でどういった問題が起こり得るのかを、現場の社員と一緒に議論していく。

 2つめは、数学的に優れた分析結果ではなく、現場の社員が納得できる分析結果を示すこと。高度な数学的な手法を駆使して的中率の高い分析結果を示しても、それだけでは現場の社員は納得しない。現場には、これまで培ってきた経験や勘があるからだ。

 重要なことは、的中率や精度といった数字で分析結果の信頼性を示すことではない。現場の社員が、「経験や勘より当たる」「典型的なケースで経験に合う」などと、分析結果に対してフィット感を得られる示し方をすることだ。「予測が外れれば、責任を取らされるのは現場の社員。これからはデータ分析を使っていこうという“覚悟”を促せるように、分析結果を示す必要がある」と河本所長は強調する。

 3つめは、分析結果の利用を促すこと。現場の社員の多くは、日々の業務に追われていてデータを分析している余裕がない。多忙ななかでもデータ分析を業務で取り入れてもらうには、現場の社員にストレスなく使ってもらえる仕掛け作りが必要だ。「現場の社員が使っている業務システムで、画面上の空いているスペースに分析結果を出すといったことでも、利用を促す効果は高い」と河本所長は話す。

  2.「ユニクロはデジタル化せざるを得ない」とファストリの玉置氏(3.4 nikkeibp)
 「日経コンピュータの2016年1月7日号で『デジタル化するユニクロ』というタイトルの特集を掲載していただきました。しかし正確には、『デジタル化する』ではなく『デジタル化せざるを得ない』のです」。

 カジュアル衣料品店「ユニクロ」を手掛けるファーストリテイリングの玉置肇グループ執行役員CIOは2016年2月29日、東京・目黒の目黒雅叙園で開催された「イノベーターズセミナー」(日経BP社 日経ITイノベーターズ主催)で講演し、こう語った。日経コンピュータの特集タイトルと同じく「デジタル化するユニクロ」と題して、同社のデジタル戦略について話した。

 なぜ「デジタル化せざるを得ない」のか。「ZARA」を運営するスペインのインディテックス、スウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)、米ギャップといった世界の競合の売上高と営業利益率を示し、「我々は挑戦者だから」と玉置氏は言う。

 デジタル化を推進するため、2015年9月にアクセンチュアとの合弁会社「ウェアレクス」を設立。デジタルテクノロジーを活用した新サービスの研究・開発・導入を担う。

 このウェアレクスとファーストリテイリングとで「新しい産業を創る」と玉置氏は意気込む。具体的には、「商品企画・数量計画の変革」「物流拠点網の再構築・スマート化」「顧客起点のサービスプラットフォーム・マーケティング」などを実践する。「一つひとつを見れば、既に他社がやっていることかもしれない。しかし、我々はこの1〜2年間ですべてを一気に進める」(玉置氏)。

3.「優れた道具で現場の社員をデータサイエンティストに」、Tableau Japanの並木氏(3.4  nikkeibp)
  「進化した道具は、人の能力を増幅する」---。Tableau Japanでテクノロジーエバンジェリストとセールスコンサルタントを務める並木正之氏は2016年3月4日、ITセミナー「データサイエンティスト・ジャパン2016」で講演した。現場の社員がセルフサービス型でデータを分析できるBI(ビジネス・インテリジェンス)ソフト「Tableau」について紹介した。

 並木氏は、人が情報を活用するための道具(BIツール)の進化の方向性として、ビッグデータ、データディスカバリー、データサイエンスの三つを挙げる。大量のデータを扱うことができて、データが含んでいる意味を発見できること。これを全ての人に簡単に提供できるのが新しいBIツールである。

 進化したBIツールの代表として並木氏は、同社のTableauを紹介した。Tableauが特に力を入れて研究開発している要素が、データを可視化する能力と、使い勝手の良さであるという。

 データの可視化はデータを理解するのに有効。並木氏は、グラフで表現することでデータが分かりやすくなる例として、歴史的に有名な二つのグラフを紹介した。ナポレオンの行軍状況を気象データなどとともにチャートで表したもの(Charles Minard氏が1869年に作成)と、コレラの感染状況と原因となった水源を地図上にマッピングしたもの(John Snow氏が1854年に作成)である。

 使い勝手については、思考のままにツールを操作して、データに適したグラフを自動的に選んで表現してくれることが大切。さらに、各種のデータベース管理システムや、クラウド型のDWH(データウエアハウス)であるAmazon Redshiftなど、様々なデータソースにアクセスできることも重要である。

 並木氏は、実際にTableauを使ってデータを探索するプロセスをデモンストレーションした。ケプラー宇宙望遠鏡が捉えた星のデータ7348個を分析し、星の大きさや温度などで分類、生命がいるかもしれない候補を9個に絞ってみせた。9個のうちの8個は、NASAが発表済みの候補と一致する。

  4.国内のパブリッククラウド向けWANサービス市場は前年比65.0%増の58億円に急成長―IDC(3.3 nikkeibp)
 調査会社のIDC Japanは2016年3月3日、通信事業者が法人向けに提供するWANサービスの国内市場に関する調査結果を発表した。2015年の市場規模は前年比0.1%減の7031億円にとどまった。ただし、パブリッククラウド用途のWANサービスに限定すると前年比65.0%増の58億円に急成長。データセンター間接続用途のWANサービスも同15.5%増の98億円に達した。

 WNAサービス市場の動向についてはパブリッククラウドをはじめ、データセンターからエンドユーザーにITやコンテンツなどを提供するクラウド型サービスの利用が増えていると指摘。これにともない、ユーザー企業のパブリッククラウドへの接続のためのWAN回線利用や、クラウド型サービス事業者のデータセンター間接続回線などの利用が増加しているという。

 イーサネット専用線の市場動向についても調べた。NTTコミュニケーションズやKDDIといった大手通信事業者以外に、Coltテクノロジーサービスが売上高シェアで12.1%を獲得したほか、アルテリア・ネットワークスが同10.8%、TOKAIコミュニケーションズが同5.4%を占めた。同社では、中堅通信事業者が健闘していると分析し、あわせて、こうした中堅事業者がサービス事業者向けに広帯域回線を積極的に提供してきたことが市場拡大の背景にあると指摘している。これらの中堅事業者は、パブリッククラウド接続でも早い時期からリーズナブルな価格で回線を提供し、市場の認知を得ているという。

 同社では、パブリッククラウドなどのサービス利用の拡大にともないWANサービス市場の構造変化が始まっていると指摘。「通信事業者は、急成長しているサービスプロバイダーの迅速な帯域増強ニーズを支援するなど、サービスプロバイダーへのエンゲージメントを強化すべきである。また企業向けにはパブリッククラウドへのオンデマンド接続などWANサービスの高度化を図るべきである」と分析している。

  5.NTT東日本、自治体主導公衆無線LANなど対象に公衆電話ボックスのスペース貸し出し(3.3 nikkeibp)
 NTT東日本は2016年3月3日、自治体などが提供するWi-Fi設備の屋外設置場所を確保するため、2016年3月4日から公衆電話ボックスの一部スペースを有料で貸し出すと発表した。

+  貸し出し内容対象は、NTT東日本エリアの公衆電話ボックスの一部スペースである 。貸し出し対象は、自治体などが主導して設置する公共性の高いWi-Fiアンテナなどの設置に限る方針である。

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