週間情報通信ニュースインデックスno.10182015/10/31


1.レガシーシステムとの親和性が高い、ジュニパーがSDNソフト「Contrail」をアピール(10.30 nikkeibp)
  ジュニパーネットワークスは2015年10月30日、オープンソースとして公開しているネットワーク仮想化ソフト「OpenContrail」(サポート付きの商用版は「Contrail」)について、優位性や採用事例をアピールした。API連携可能なクラウド運用ソフトが豊富なことや、レガシーシステムを含めた既存のシステムをOpenContrailのネットワークに容易に持ち込める点などを強調した。

 米ジュニパー・ネットワークスでコーポレート・バイスプレジデント兼クラウド・ソフトウエア担当ゼネラルマネージャを務めるアンカー・シングラ氏が説明した。同氏は、OpenContrailの開発元で米ジュニパー・ネットワークスが2012年に買収した米コントレイル・システムズの創業者である。米ジュニパー・ネットワークスは2013年9月からOpenContrailを公開している。

 OpenContrailとは、SDN(ソフトウエアデファインドネットワーク)コントローラーソフトや仮想ルーターソフト、その他で構成するネットワーク仮想化ソフトである。既設のIPネットワーク上にトンネルを構築するオーバーレイ方式のSDNであり、標準的で枯れたプロトコルを採用している。パケット転送にMPLS、ルーティング(経路情報の交換)にBGPを使ったレイヤー3のVPNを実現する。

 アンカー・シングラ氏はまず、OpenContrailの特徴をまとめた。オープンソースのライセンスの中でも自由度が高いApache 2.0ライセンスを採用したこと、標準的な技術/プロトコルを採用しており、新たに標準を作り出すようなことはしていないこと、スイッチ/ルーターだけでなくファイアウオールやロードバランサー(負荷分散装置)も利用できること、仮想ルーターの稼働環境として、サーバー仮想化ソフトだけでなくLinuxコンテナーや物理サーバーでも使えること、VMware製品やKubernetes、AWSなど多数のクラウド運用基盤とAPI連携すること、などを挙げた。

  2.オープンデータが金脈に?金沢市の実践例が示す可能性(10.30 nikkeibp)
  IoT(Internet of Things)をテーマに各地でシリーズイベントを展開している「A3 IoT 2015 RE/Design」。2015年9月27日、東京、大阪、名古屋に続き、4度目となるイベントが金沢で開催された。

 大阪、名古屋と同様、前半がパネルディスカッション、後半がアイデアソンという2部構成の「DevSession」となった。前半のパネルディスカッションでは3人のゲストを招き、「オープンデータからIoTを考えよう」という切り口でトークを展開した。

 パネルディスカッションの登壇者はアイパブリッシング代表取締役で、非営利団体「Code for Kanazawa」代表理事を務める福島健一郎氏、センド代表 クリエイティブディレクターの宮田人司氏(福島氏、宮田氏はいずれも金沢市在住)、トーンコネクト代表の加畑健志氏である。司会は、日経BPの林誠氏が務めた。

 最初のテーマは「現在のIoT、ウエアラブル市場について思うこと」。宮田氏は、身の回りの全てのものがインターネットにつながるのが当たり前になり、服の中にセンサーが埋め込まれる時代が訪れたとし、「昔夢見ていた世界がここ1?2年で現実になりつつある」と語った。

 加えて、今では個人が電子キットを利用し、ODMやOEMへのアクセスも容易になったことで、デバイスを手軽に作れる環境になったことにも言及。「これからのデバイスは、オープンデータを上手に使うことで、サービスもあわせて展開できるようになる」と今後の展望についても触れた。

 福島氏は、「現在、米国では“データシティ”という考え方が進んでいる。街中にある建物や道路といったインフラが、内包したセンサーからデータを出せるようになれば、それがオープンデータになっていく」と、今回のテーマに絡めてIoTの可能性を語った。そして、1990年代に“ユビキタスコンピューティング”と言われた世界が現実化している背景には、ハードウエア、ソフトウエア、通信回線の地道な進化があるとする。

 加畑氏はIoTの成長要因として、スマートフォン登場以降のセンサーやICチップ価格の劇的な下落を挙げる。さらにAWS(アマゾンウェブサービス)のような低価格クラウドの台頭も拍車をかけたとする。それらの傾向から、次のように分析した。

 「データベースインフラの敷居が下がり、安く解析できるようになった。そこで利用できるツールもどんどん増えている。その視点が、今日のオープンデータの話につながる。今までのオープンデータは統計データが多く、スパンが長かった。例えば、人口については、最新で2年ぐらい前のデータでも良しとされてきた。ところがIoTだとリアルタイム、現在のデータが取得できるようになる。極端な話、今、金沢市に何人いるのかが分かるかもしれない。そのレベルまで発展すると、いろんなことが変わってくる」

 加畑氏は、動的データの例として、米国サンフランシスコ市が公開している駐車場の空き状況を伝えるオープンデータを紹介した。過密状態が続く都心部の駐車状況を少しでも緩和するために実施した策だが、このデータを利用して駐車スペースを確保し、それを販売する互助会のようなサービスが生まれたのだという。空き状況の公開により、バスや電車など公共交通機関の利用が増えたことから、渋滞の解消などに伴う都市のポテンシャル向上につながっているという。

 ただし、オープンデータの組み合わせにより個人が特定されるといった危険性があり、「個人情報との兼ね合いがデリケートなので、そのままは出せない」(福島氏)といった問題もある。オープンデータの将来像について問われると、宮田氏はデータを使う側の意識、モラルが重要だと語り、加畑氏と福島氏は「まずは解決する課題ありきで、その解決策としてオープンデータを活用する」というスタンスを示した。

  3.NECの2015年4〜9月期決算は減収減益、官公庁と通信事業者向けで伸び悩み(10.29  nikkeibp)
  NECは2015年10月29日、2015年4〜9月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比1.3%減の1兆3081億円、営業利益は38.0%減の133億円と減収減益だった。「エンタープライズ」セグメントが好調だったものの、「パブリック」、「テレコムキャリア」セグメントが不振だった。通期の業績予想は据え置いたものの、7月末に策定した上期の社内計画に比べ、売上高で300億円、営業利益で80億円下回った。

 決算会見に臨んだNECの遠藤信博社長は、「計画は下回ったが、中期経営計画の最終年度として目標をしっかりと達成する」と力を込めた。「マイナンバー関連案件が堅調で公共分野の伸びが力強い。国内通信キャリアの投資も第2四半期に回復基調にシフトしており、リカバリーできる」(遠藤社長)とし、下期に巻き返せるという見立てを示す。

 「パブリック」セグメントは売上高が3346億円(前年同期比2.9%減)、営業利益は126億円(42.5%減)と減収減益。マイナンバー関連需要を取り込み、地方自治体向けなどの公共分野は好調だったが、官公庁向け大型案件の反動減で売り上げが減少した。社会インフラ事業での拡販活動への投資や不採算案件の増加が、営業利益を押し下げた。「年間での不採算額は例年並みに抑えられる」(川島勇取締役執行役員常務)見込みだという。

 「エンタープライズ」セグメントの売上高は1466億円(前年同期比15.7%増)、営業利益が90億円(298.6%増)で増収増益だった。流通・サービス業、製造業でそれぞれ大型案件を獲得したことで、売上高が伸びた。下期も堅調とみる。

4.ニフティ、月額定額制のスマホ向けIP電話サービス(10.30  nikkeibp)
 ニフティは2015年10月29日、スマートフォン向けの月額定額制IP電話サービス「NifMo でんわ」を同日から提供開始すると発表した。国内MVNO事業者による月額定額電話かけ放題サービスは初という。利用料金(税別)は、国内かけ放題プランが月額1300円、国内+海外かけ放題プランが月額2700円。別途、基本料金(月額1600円から)が必要。

 NTTドコモ回線によるMVNO「NifMo」のオプションで、専用のスマートフォンアプリを使ったIP電話サービス。専用アプリは、現在使用中のスマートフォンの電話帳や着信履歴と自動同期するため、面倒な電話帳移行をすることなく利用を開始できる。

 なお、海外ネットワークを利用しているため、通話先によっては「通知不可能」「非通知」と表示されたり、発信者番号に日本の国番号(+81)が表示される場合がある。その場合に、アプリからSMSを送信して相手に自分の番号を通知できる機能を追加した。対応OSはAndroid 4.0以上。今後、iOS版も提供する予定。

 国内かけ放題プランは、固定電話(01番号〜09番号)、携帯電話(070番号、080番号、090番号)、IP電話に発信可能。緊急通報用電話番号(110、119、118)やフリーダイヤル・ナビダイヤルなど(0120、0170、0180、0190、0570、0800)には発信できない。国内+海外かけ放題プランは、更に54カ国・地域の固定電話、21カ国・地域の携帯電話に発信できる。

  5.「デジタル先進企業はビジネスのすべてをプラットフォーム化」、米ガートナーのフェローが指摘(10.29 nikkeibp)
 「全世界のCIO(最高情報責任者)約3000人に調査した結果、デジタル先進企業の特徴が分かった。それはビジネスのすべてをプラットフォーム化していることだ」――。ガートナージャパンが都内で開催している「Gartner Symposium/ITxpo 2015」で、米ガートナーのデーブ・アロン バイスプレジデント 兼 ガートナーフェロー(写真)は2015年10月28日、「CIOアジェンダ2016」と題した講演でこう語った。

 CIOアジェンダは、米ガートナーが全世界のCIOを対象に毎年実施している調査。今回は84カ国、2944人のCIOから回答を得た。

 調査の結果、「ビジネスのプラットフォーム化」が重要であるとの結論にいたった。ここでの「プラットフォーム」とは、社内外のステークホルダーをつなぐ「場」のこと。よくビジネスモデルの説明で使われることが多い単語だ。例えば、インターネット上のショッピングモールなどはプラットフォームビジネスの典型例といえる。

 ただし、アロン フェローは「ビジネスモデル」に加え「リーダーシップ」「タレント(人材)」「デリバリー(製品・サービスの提供)」「ITインフラストラクチャー」の合計五つの層において、プラットフォーム化を進めるべきだと主張する。「ビジネスモデルとITインフラストラクチャーのプラットフォーム化はこれまでも重要視されてきたことだが、その他の三つの観点は、新しい指摘だ」(アロン フェロー)。

 例えば、リーダーシップ・プラットフォームでは、協業関係にある外部企業や顧客と形成する、ビジネス上のエコシステム(生態系)において、強い影響力を持つリーダーが必要だという。

 今回の調査では、全世界の39%のCIOが自身のことをデジタル変革のリーダーであると認識しており、34%はイノベーションを起こすことが自分の役割だと考えていた。社内外のステークホルダーを巻き込み、強い影響力を発揮する変革リーダー。これが、今求められるCIO像といえる。





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