週間情報通信ニュースインデックスno.10142015/10/03


1.アップルから買った「SIMフリー」のiPhoneはすぐ使えますか? (10.2 nikkeibp)
 「iPhoneはApple Storeから簡単に買えるらしいけど、すぐに使い始められますか」と聞かれることがある。要するに、携帯電話会社から買うのとアップルから直接買うのとどちらがいいですか、ということが聞きたいらしい。この回答は簡単なようで、なかなか難しい。

 相談を受けたのは小規模の事業所で、部署単位である程度まとまったiPhoneを導入したいが、通話よりもメールの送受信、あるいは自社で用意するWebシステムを使っての業務処理が主たる目的。当然、通信コストは極力抑えたい。といった案件だ。

 最近のアップルのiPhone販売スタイルは実にシンプルだ。購入手続きはオンラインのApple Storeで行う。実店舗のApple Storeで入手する場合も購入手続きはオンラインのApple Storeで済ませる必要がある。

 日本の場合、オンラインで端末本体は購入できるが、別途独自に携帯電話契約を行い、契約済みのSIMをiPhoneに挿して使い始めなければならない。購入手続きは色を選び、内蔵させるメモリー容量を選ぶだけなので、実に簡単、あっという間に購入手続きは完了する。

 手続き後の配送状況は以前と比べて劇的に改善している。現在のところ、iPhone 6sをオンラインで購入すると、1週間以内に手元に届く。

 筆者の場合は発売日当日の午前10時に自宅に届いた。注文を入れておいたのは9月14日。発売日の9月25日の午前10時にはクロネコヤマトが自宅に届けてくれた。過去、実店舗の前に長蛇の列を作って汗だくで購入したのがウソのようだ。

 相談者の希望は、「機材はApple Online Storeから一括購入する。携帯回線契約はニーズに合ったリーズナブルなものを選択したい」というもので、まさに、今どきの新サービス・利用形態を踏まえた要求仕様なのだ。社員同士の情報共有はメール、社内に用意したWebアプリ、音声の連絡はSkypeで済ませる、客先との連絡には仕方なく音声電話を使うが、頻度は少ない。したがって、携帯電話会社の通話し放題といったサービスは不要という考えだ。

 が、Apple Storeから購入したらすぐに使い始められるのか、というところが引っかかるようだ。

 要するに、Apple Storeで購入手続きし、入手後すぐに使い始めたい、らしいのだが、実はそこのところがなかなか難しいのだ。新規購入するiPhoneに合わせて、新しくMVNO(携帯無線網を借り受けてサービス提供する移動体通信サービス)のSIMを用意すればいいのだが、これまで使っている携帯電話もあり、ここからの番号移行も必要。各端末の年間サービス更新月がまちまちなので、今、この時点で高額な年間サービス解除料金を払ってまで移行・更新はしたくない。というわけだ。

 購入したiPhone 6sが手元に届いたときに、それ用に用意したMVNOのSIMがあればよいのだが、もし、ない場合はどうすればいいのか。SIMが用意できるまで、Wi-Fi経由で使うこともできるのではないか、と思えるが、実は、iPhoneを利用可能にする、「アクティベーション」という作業はSIMがなければできないのだ。

iPhone 6sを使える状態にする(アクティベート)にはSIMが必須だ。したがって、後日SIMを購入するまではWi-Fiで使う、といった利用方法はできない。もし、ほかで使っているnano-SIMがあれば、挿せばアクティベートできる。

 もし、すでにiPhone 5以降の機種を使用中であれば、iPhone 6sが届いたら、SIMを旧機種から抜き、新しいiPhone 5sに挿せば、「アクティベーション」という作業を行うだけですぐに使い始められる。iPhone 5以降はnano-SIM カードといって、チップの基盤サイズがとても小さなタイプのものになっていて、このサイズのもの同士なら差し替えて利用可能なのだ。

 ここで重要なポイントがある。こうしたSIMの差し替えが可能なのはApple Storeから購入した端末が「SIMフリー」つまり、異なる各キャリアのSIMを差し替えて使えるようになっているからなのだ。

 実は、アップルのホームページから購入できるiPhoneはすべてSIMフリーモデルとなっている。知っている人にとっては当たり前なのかもしれないが、アップルから直接購入するiPhone、iPadは、現在すべてSIMフリーモデルなのだ。

 相談者のところににある3台のiPhone 5(auとソフトバンクが混在)を更新、さらに、今回新規に2台追加したいために合計5台のiPhone 6sを購入することにした。2台分は事前にIIJmioの電話機能付きSIMを用意しておくことにした。3台のiPhone 5は更新月が来るまでそのまま契約を続け、次回更新時にMNPで番号移行することを薦めた。ただし、次の更新月までの月々の支払額の差額と年間サービス解除料金を比較して、すぐに解除料金を払ってでもMVNOのSIMに移行したほうが安くなる場合は、即解約するようにアドバイスした。

 Apple Online Storeで予約購入したiPhone 6sは滞りなく、9月25日の午前中に配送され、2台はIIJの通話付きSIM(みおふぉん)でアクティベート、あとの3台はこれまで使っていたiPhone 5のSIMを差し替えて使い始めることができた。

 auのSIMで使い始めたiPhone 6sは都心に移動したときにUQコミュニケーションズがサービスしているWiMAX 2+の電波をつかむことができるようになり、快適に動作してくれたという。これはキャリアアグリゲーションといって、提携する他社の回線を相互に融通しあいながらサービスを行う仕組みが働いているためで、現在のところ、auの強みといっていいだろう。

 MVNOのSIM、いわゆる格安SIMを使うと、携帯電話会社(キャリア)から購入した端末を使うときと比べ、かなり制限項目が出てくるのは周知の通りだろう。無料通話や定額通話といったサービスはキャリア契約しかないので、当然利用できない。

 それ以外に格安SIMを使った場合にはiOSがアップデートされたときにそれに合わせて設定条件が更新されないと通信できなくなるといった不都合も起こることがある。また、そもそも、格安SIMを正常に認識するようにiPhoneに構成プロファイルと言われるものをインストールしなければならないということも使い始めるときにつまずくところだ。

 SIMを使い始めるには携帯ネットワークに接続するためのAPN、ユーザー名、パスワードを登録しなければならないのだが、iPhone 6sにはAPNを設定する画面が用意されていない。そこで、各提供会社のWebページにアクセスして構成プロファイルをダウンロードしてインストールする手続きが必要なのだ。たったそれだけなのだが、初めての人がこれをするのはハードルが高い。

 IIJの「みおふぉん」の場合はWebからインストールする方法のほかに、データ通信の速度を切り替えるユーティリティアプリ「みおぽん」というものがあり、このアプリの中に含まれている構成プロファイルを直接インストールできる。したがって、みおふぉんを使い始めるときは、iPhoneをアクティベーション後、Wi-Fiに接続してApp Storeから「みおぽん」をダウンロード、その中の「ヘルプ」に納められている「構成プロファイルのインストール」を実行するのが手っ取り早い。

 こうしたサードパーティのSIMを使う場合には、初期設定の場面で時々予期しない動作をすることがある。例えば、インターネットを他の端末と共有するためのテザリング機能をオンにしようとすると、図のようなエラーメッセージが出て来て、オンにできないことがある。

IIJのデータ通信SIMカードで、インターネット共有(テザリング)をオンにしようとすると「ドコモに問い合わせて下さい」と出て、オンにならない。構成プロファイルを削除し、再起動、再度入れて再起動すると直る。

 こうした現象に出会ったら、いったん構成プロファイルを削除して、端末を再起動、その後、もう一度構成プロファイルを入れ直し、もう一度再起動すると使えるようになる。

 こういうことではお客さんを逃す。アップルのホームページでSIMフリーであることが明示されていないことといい、せっかくのほかにない長所が全くアピールできていないのは情けない。大企業さん、ぜひよろしく。

  2.FREETELが「iPhone用」格安SIMを発売、App Store利用分が無料に(10.2 nikkeibp)
  FREETELブランドを展開するプラスワン・マーケティングは2015年10月2日、東京・秋葉原の「ヨドバシカメラマルチメディアAkiba」にて製品発表会を開催し、iPhone用の格安SIMカードや、新製品「Priori 3 LTE」を発表した。

 発表会にはプラスワン・マーケティング 代表取締役の増田薫氏が登壇。「7月に発売したFREETEL SIMは、ヨドバシカメラで2カ月連続シェアNo.1を獲得した。データ専用なら299円から、音声付きでも999円からという低価格で、使った分だけ払えばよいプランが好評を得ている」とした。

   SIMカードの新製品として、iPhone用という位置付けの「FREETEL SIM for iPhone/iPad」を発表した。iPhoneやiPadでApp Storeを利用中のパケット通信が無料になるSIMカードで、同社によれば世界初という。利用料金はFREETEL SIMと同じで、データ専用が月額299円から、音声付きが999円から(いずれも税別)。10月9日に発売する。

 仕組みとして、FREETEL側でApp Storeの通信かどうかを判別し、アプリのダウンロードやアプリの検索に要したパケットを無料にする。App Store以外の通信については通常のFREETEL SIMと同様の扱いで、iOSのダウンロードやiTunes Store、Apple Musicによる音楽などの利用は対象外になる。

 対応端末は、NTTドコモ版またはSIMロックフリー版のiPhone、iPad。SIMカードの形状はNano SIMカードで、Android端末でも問題なく利用できるとしている。

  3.デジタル・ビジネス時代、企業は今、何に取り組むべきか(10.2 nikkeibp)
  ―日本企業の70%以上がすでにデジタル・ビジネスへの準備を進めている。静かに大きな変化が始まっている―。ガートナージャパン リサーチ部門 ITインフラストラクチャ&セキュリティ バイスプレジデントの鈴木雅喜氏は、2015年9月30日から10月2日まで東京ビッグサイトで開催された「ITpro EXPO 2015」における、日経コンピュータ/ITpro編集長の中村建助との対談「今、デジタルへ挑戦の時」の中でこう語った。

 鈴木氏によれば、デジタル・ビジネスの時代には、「全ての企業がテクノロジー・カンパニーになる」、「全ての部門がテクノロジー・スタートアップになる」、「全ての従業員がデジタルを使いこなすようになる」という変化が起きるという。

 変化が進行していく中で、企業はデジタル・ビジネスの時代に何を考え、どう行動すべきかという問いに対し、鈴木氏は、まずは「デジタル・ビジネスを理解すべき」と語った。デジタル・ビジネスとは、「人」、「ビジネス」、「モノ」がデジタル・テクノロジーとデータでつながり、「そこから生まれる新しいビジネスのこと」(鈴木氏)。続けて、鈴木氏は、ITpro EXPOの会場内を見回しながら、「この会場でも、パッと見た感じで今、何が起きていますかと問われても、漠然としていてわからない。ただ、全員がデジタルデバイスを持ち、データをセンシングして分析できれば、会場の気がつかなかった様子も見えてくる。つまり、デジタル・ビジネスの時代には、現実とデジタル・テクノロジーが明らかにする世界との境界が曖昧になる」と指摘した。

 鈴木氏によれば、「従来のITは、情報を集めて計算し、結果を得るところまでだった」という。しかし、デジタル・ビジネスの世界では、情報を「集める」、「理解する」、「判断する」、「行動する」ことが求められる。「これまでは、理解や判断は人間が行っていた。デジタル・ビジネスでは、そこにテクノロジーが活用される。そのときに、新しい情報が生まれてくる」(鈴木氏)という。

 デジタル・テクノロジーが、新しい情報を生み出し、それが既存の製造業や運送業などを様変わりさせることについて、中村もUberやAirbnbの事例を引き合いにだし、「最近では、Airbnbを利用して、東京のタワーマンションでの民泊が流行っていると聞く。これで何が変わるか。タワーマンションを投資目的で購入する人たちに対する利回りが変わるかもしれない。宿泊産業や旅行産業だけでなく、不動産業界にもインパクトをもたらす。住まいに対する価値観も変わるかもしれない」と指摘した。

    4.Skype、Windows版アプリにリアルタイム翻訳「Skype Translator」を統合(10.2 nikkeibp)
 米Microsoft傘下のSkypeは現地時間2015年10月1日、Windows版Skypeアプリケーションにリアルタイム翻訳ツール「Skype Translator」を統合すると発表した。

 Skype Translatorは、2014年12月に登録形式でプレビュー提供を開始。2015年5月よりプレビュー版を一般公開していた(関連記事:Microsoft、「Skype Translator」のプレビュー提供を拡大)。ビデオチャットでユーザーが自身の言語で通常通りにしゃべると、Skype Translatorが音声とテキストで相手の言語にリアルタイムで翻訳する。その仕組みは、自動音声認識技術で音声をテキストに変換し、言葉のつかえや繰り返しを修正したのち、機械翻訳を実行して、テキストを音声に変換する。

 今後数週間かけて、Skype Translatorを追加したWindows版Skypeアプリケーションのアップデートを実施する。Skype Translatorを使用できるようになると、画面右上に新しいアイコンが表示される。

 音声通話のリアルタイム翻訳では英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、中国語(北京語)、スペイン語の6言語に対応する。インスタントメッセージの翻訳は日本語を含む約50言語をサポートする。Windows 7以降で利用可能。

    5.「MVNO市場が急速に拡大したのは4つの壁が崩れたから」、日経コミュニケーション堀越記者がMVNO事情を暴露( nikkeibp)
 「ITpro EXPO 2015」のメインシアターに登壇した堀越功・日経コミュニケーション記者兼テレコムインサイド編集長は、MVNO市場がここ1年で急速に拡大した理由を解説した。

 堀越記者は、2014年度のMVNO契約純増数がソフトバンクを超え、携帯電話市場の第4勢力になったという。MVNO市場の盛り上がりは今が3回目で、これまで以上に拡大した理由は、(1)接続料の壁、(2)端末調達の壁、(3)ビジネス立ち上げの壁、(4)販売チャネルの壁が崩れたからだと説明した。

 (1)は、MVNO事業者が通信キャリア事業者に支払う通信料が5年で10分の1に下がった点を挙げた。NTTドコモが10Mビット/秒当たりの月額通信料を2008年度の1000万円超から2014年度までに100万円以下に引き下げたという。さらに、KDDIやソフトバンクもNTTドコモの2倍から3倍だった通信料を1.2倍から1.4倍に引き下げた点を挙げた。特に、ソフトバンクの引き下げについては、「総務省担当者のやる気が影響した」と分析。当初ソフトバンクは、大きな値下げを予定していなかったが、総務省担当者に促されて引き下げたと説明した。

 (2)は、最大の壁と表現した。MVNOに参入しようとする事業者に、キャリアのように何万台も端末を仕入れて販売する資金力を持つところは少ない。しかし、SIMフリーの台湾や中国の端末が登場し、さらに富士通やシャープなどのキャリア向け端末を供給していたメーカーもMVNO向けに端末を製造するようになった。キャリア向け端末メーカーが製造し始めた理由として、キャリアの力が弱くなったからではないかと説明した。「MVNO事業者からは、当初キャリアの圧力があって供給してもらえなかったと聞いた」と暴露した。

 さらに、ゲオホールディングスやブックオフコーポレーションといった中古端末を取り扱う企業がMVNOに参入したことで、中古端末の流通を活性化させたという。

 (3)は、MVNOの参入を支援するMVNEビジネスが本格化したことを挙げた。さらに、IIJやNTTコミュニケーションズなどが具体的にどのMVNOを支援したかという資料も公開した。

 (4)は、これまでオンラインストアや家電量販店が中心だったMVNOの販売チャネルが、レンタルビデオショップやケーブルテレビ会社などに広がった点を挙げた。従来の販売チャネルでは、30代から40代の高リテラシー層の男性が中心に契約していたが、レンタルビデオショップでは20代やファミリー層が、ケーブルテレビでは地方在住や高齢層が契約しているという。

 今後の動きでは、総務省が現在の997万契約から2016年中に1500万契約を狙っているが、現状のペースでは実現が難しいとした。さらに、MVNO事業者同士による過激な低価格競争や、フランスを例にキャリアによる低価格サービスの開始などがあると、さらなる逆風になるだろうと推測。ただ、MVNOはまだ認知度が低い点、通信品質やサポートが不安な点、魅力的な端末が少ない点などが解消されれば、さらに普及していくとした。

   

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