週間情報通信ニュースインデックスno.9792015/01/03


1.UQコミュニケーションズ、WiMAX 2+対応のUSBデータ通信カード(12.26 nikkeibp)
    UQコミュニケーションズは、下り最大110Mbpsの「WiMAX 2+」に対応したUSBデータ通信カード「URoad-Stick」(シンセイコーポレーション製)を2015年1月9日から順次発売する。同社オンラインショップでの販売価格は1円。対応料金プラン「UQ Flat ツープラス」は2年契約で月額4196円、URoad-Stickとの同時契約で最大25カ月500円割引の月額3696円で利用できる(すべて税別)。

 USBコネクターに直挿しするスティックタイプのデータ通信端末。下り最大110MbpsのWiMAX 2+とWiMAX通信時につながりやすくする「WiMAXハイパワー」の両方に対応する。電波状況が一目で分かるLEDインジケーター表示を備える。

 電源不要のUSBバスパワー駆動で、OS標準のドライバーのままで使用可能。対応OSはWindows 7/8/8.1、Mac OS X 10.7/10.8/10.9/10.10。本体寸法は幅27×奥行き62×高さ11mm、重さは約18g。  

2.VAIOスマホが2015年1月発売へ、ソニーモバイルとのすみ分けはどうなる(12.25 nikkeibp)
      VAIO株式会社は2014年12月25日、日本通信との協業により2015年1月にスマートフォン製品を市場投入することを発表した。具体的な製品の概要は、発売を決定した段階で、改めて発表するという。

 2014年7月にソニーからPC事業を分離した形で発足したVAIOだが、VAIOへのソニーの出資比率は5%にとどまっている。両社はこれまで、スマートフォンなどのモバイル製品はソニーのモバイル部門であるソニーモバイルコミュニケーションズが、PC製品はVAIOが取り扱うという形ですみ分けを図ってきた。 しかし今回のVAIOによるスマートフォン参入により、このすみ分けに変化が起こる。これからVAIOはソニーのモバイル事業と競合するのか。両社の見解をもとに、今後の展開を予想してみたい。

 今回のVAIOによるスマートフォン市場への参入に伴い、気になるのはソニーモバイルとの関係だろう。この点についてVAIOは、「ソニーモバイルと連携した動きではなく、VAIOとして独自に判断したもの」(広報)と説明する。  ソニーモバイルは11月16日に就任した十時裕樹新社長のもと、構造改革を進めている最中だ。その改革案の中にはスマートフォンの商品数絞り込みが含まれており、ローエンドやミドルレンジのモデルを削減することで、ハイエンド機種に経営資源を集中させる意向を示している。

 VAIOの発表は、この動きに呼応するかのように見える。しかしVAIOとして、特にソニーモバイルの動きと連携したものではないという。今後のモバイル製品の展開についても、ソニーモバイルと協調してラインアップを補完していくような関係にはなく、「ソニーとは7月に別会社になった。今後、モバイル市場で競合していくこともあり得るが、それは自由競争だと考えている」(VAIO広報)との立ち位置を示した。

 VAIOのスマートフォン参入は、ソニーとは連携しない独自判断とはいえ、結果的に面白い組み合わせになったといえる。  ソニーモバイルは構造改革の一部としてモデル数の絞り込みを発表している。具体的には中国市場向けやミドルレンジのモデルを削減し、ハイエンド端末へとリソースを集中させていくとみられている。さらに今後はオペレーター市場への展開を強化し、各国のキャリアとの関係を強化していく構えだ。

 これに対してVAIOは、MVNO(仮想移動体通信事業者)と組むことで、オペレーター市場と対比されるSIMフリー市場へ向けて、スマートフォンを展開していくことになった。結果的にソニーとVAIOは、別々の市場ですみ分ける形になりそうだ。

 具体的にVAIOは、どのようなスマートフォンを発売しようとしているのだろうか。  12月25日の日本経済新聞電子版では、5インチ前後のAndroid端末で、生産はEMS(電子機器の製造受託サービス)に委託すると報じている。この真偽については、「最終的な仕様は検討中であり、正しいとも間違っているともお答えできない。年明けの発売時に詳細を発表する」(VAIO広報)との回答にとどまった。

 VAIOスマートフォンが挑戦する2015年のSIMフリー市場とは、どのような様相を呈するのだろうか。  2014年、大手キャリアが横並びで音声定額を導入したことで、通信料金が高止まりしているとの声がある。端末も高価格のハイエンド製品に集中しており、価格帯のバリエーションに乏しいのが現状だ。

 これに対して人気が高まっているのが「格安スマホ」だ。その人気を支えているのは、大手キャリアが提供しない選択肢にある。速度制限や音声の従量制による格安の通信料金に加え、安価なSIMフリー端末も充実してきた。

 このミドルレンジからハイエンドのSIMフリー市場では、韓国LG電子や中国のファーウェイ、台湾エイスーステックコンピューター(ASUS)が端末を投入しており、シャープや富士通といった国内メーカーも参入している。VAIOスマートフォンが狙っていくのも、このカテゴリーではないだろうか。  一方で、オペレータ市場では最新のXperia Z3シリーズが「一括0円」で販売されるなど、依然として価格競争は激しい。VAIOブランドのもとで、これらの端末に対してどのような対抗軸を打ち出していくのか。まずは2015年1月の正式発表に注目したい。

3.Skeed、遠距離ファイル転送が15Mbpsから契約可能に(12.25 nikkeibp)
  Skeedは2014年12月25日、遠距離でも大容量ファイルを高速に転送できることをうたうファイル転送ソフト「SilverBullet」の製品体系を見直し、これまで提供していなかった100Mビット/秒未満の狭帯域向けライセンス「SilverBullet for File Transfer」を用意した。最低契約帯域は15Mビット/秒で、価格(税別、以下同)は48万円(1クライアント)から。さらに、ユーザー数無制限で利用できるライセンス「SilverBullet Collaborate」も用意した。こちらはC/S(クライアントサーバー)型ではなく、Webブラウザー経由でファイルを共有する形になる。

 SilverBulletは、遅延時間が大きい遠距離においても高速にファイルを転送できることを特徴とした、C/S(クライアントサーバー)型のファイル転送ソフトである。送達確認(ACK)のないUDPベースの独自プロトコル「SSBP」(Skeed Silver Bullet Protocol)を利用する。独自に判断したペースでパケットを送信する仕組み。必要以上に転送性能を抑えず、輻そうを起こさない程度に転送レートを自動調整する、としている。

 SilverBulletには、利用可能な帯域に応じて、広帯域向けの製品「SilverBullet for Enterprise」と、狭帯域向けの製品「SilverBullet for File Transfer」がある。従来、狭帯域向け製品の帯域は、100Mビット/秒に限定されており、100Mビット/秒未満の帯域のライセンスは存在しなかった。今回、利用帯域の設定を改め、狭帯域向け製品の帯域を、15Mビット/秒、25Mビット/秒、50Mビット/秒、---の3段階とした。これに合わせ、100Mビット/秒の契約は広帯域向け製品がカバーすることになった。

4.CTCがクラウドソリューションを強化、SDN使い運用を自動化(12.24 nikkeibp)
      伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2014年12月24日、同社のプライベートクラウドソリューション「VM Pool」に、新たなラインアップとしてヴイエムウェアのネットワーク仮想化製品「VMware NSX」とマルチクラウド管理ツール「VMware vRealize Automation(旧VMware vCloud Automation Center)」を加え、「Next Generation VM Pool」として販売を始めると発表した。<br><br>  新たに加わったSDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーキング)や運用管理ツールを活用することで、ユーザーは仮想サーバーの移動や増減に伴うネットワークの設定変更などの運用作業を自動化できる。Next Generation VM Poolを使えば、ユーザーはシステム管理業務を効率化でき、「運用コストを最大で6割削減できる」(CTC)という。

 販売価格は、最小構成で約2000万円(税別)から。 社内システムの統合やITサービスの自動化などを検討している企業を中心に販売し、1年間で30億円の売り上げを目指すという。   

5.受難が続くNTT東西の「サービス卸」、水面下で激しい攻防(12.26 nikkeibp)
    NTT東西の「サービス卸」の受難が続いている。当初は2014年12月にサービスを始める予定だったが、年明け(2015年1月以降)に持ち越しとなった。乗り越えなければならない課題が多く、NTTドコモが2015年2月に予定する「ドコモ光」の提供も延期が懸念されるほどである。

 予定が遅れた最大の理由は、自民党の「情報通信戦略調査会」で待ったをかけられてしまったことである。2014年11月12日に自民党本部で開かれた会合で、NTT持ち株とNTTドコモがサービス卸やドコモ光などについて説明したところ、「(ルールをしっかり整理しない状態での)見切り発車にOKは出せない」と一蹴された。

 関係者の話を総合すると、情報通信戦略調査会は地域のCATV会社への影響を懸念したようである。KDDI(au)に続き、NTTドコモとソフトバンクが携帯と固定のセット割を投入して顧客の争奪戦を展開すれば、資本力で劣る地域のCATV会社は対抗できない。調査会長の川崎二郎・元厚生労働相は会合後、記者団に向けて「透明性を担保しながら、携帯3社が展開しているような(激しい)顧客争奪競争につながらないように、最終結論を出したい」と話している。その後、衆議院の解散、総選挙をはさみ、続きの議論は2015年1月となった。この段階で2014年内の提供は絶望的となり、総務省には“重い宿題”が課された。

 影響をもろに受けたのは、NTTドコモである。11月中にドコモ光の料金を発表し、12月初旬に受付開始の計画だった。総合受付窓口「ドコモ光センター」には400人規模の人員を確保して万全の体制を敷いていたが、延期を余儀なくされた。

 もっとも、サービス卸の提供自体は「法改正なしで実現できる」(NTTグループ幹部)。総務省の情報通信審議会も認める答申を出しており、受付開始であれば問題なさそうである。ただ、川崎調査会長は、前述した会合後の説明で、「来年に始めるというフレーズなら分かるが、(NTTドコモが)来年2月に始めるというのは、議論の結論が出る前に見切り発車するという話。それは良いのかという疑問符だけは言っておいた」と強く釘を刺している。これを無視して強引に始めるわけにはいかない。

 NTTドコモとインターネット接続事業者(ISP)の連携も決して順調ではない。NTTドコモは当初、「ドコモ光のISP料金を月500円でそろえたい」と打診し、ISPの猛反発を受けた。その後、2014年12月15日に新たな条件を提示したが、ISPでは依然として不満がくすぶっている。  12月15日の説明会では、NTTドコモが一体型料金を設定する「バンドルタイプ」だけでなく、ISPが個別に料金を設定できる「アンバンドルタイプ」も用意するとした。どちらの場合もNTTドコモの携帯電話回線とのセット割を適用するが、割引率は異なるという。説明会で特に言及はなかったものの、後述する理由から、割引率はバンドルタイプのほうを高くするとみられる。

 NTTドコモはバンドルタイプの条件として、ISPに債権譲渡を求めているという。NTTドコモがISPのブランドを残したまま料金を一括請求するためではあるが、「料金も自由に決められるので、やはりISP部分の料金を統一したいのではないか」(あるISP)との指摘が出ている。理由は単純で、料金を一本化したほうがユーザーに分かりやすく、店舗での説明負担が減るからだ。逆に、料金を一本化しなければ複雑で分かりにくく、そもそもアンバンドルタイプを用意する必然性も薄れる。

 肝心の料金については、「月500円ではない」ことだけが示された。ISPの不満を回避した格好だが、NTTドコモは現状、Bフレッツ/フレッツ 光ネクスト向けのISP機能(mopera U)を月500円で提供している。競合他社への対抗を考えても大幅な引き上げは考えづらく、「メールアドレスを付加して月600円前後が落とし所」(業界関係者)という見方が中心である。NTTドコモがバンドルタイプの基本機能を「インターネット接続機能+メールアドレス(1アドレス)機能」と定めている点を踏まえても、妥当な線だろう。

 こうした経緯を経て、ISPは苦渋の決断を迫られている。バンドルタイプでISP機能を安価に提供すれば、採算割れは必至。「バンドルタイプを選べばNTTドコモの思うつぼ。自滅に陥るだけ」(あるISP)といった声も聞こえる。ただ、ISPがアンバンドルタイプで現行料金を維持できたとしても、NTTドコモが安価なバンドルタイプを中心に拡販するのは確実で、やはり顧客が流出して事業の縮退につながる可能性が高い。

 バンドルタイプについては、NTTドコモがISPへの影響に配慮し、現行料金と同じ水準で債権譲渡を受けつつ安価に提供(NTTドコモが差額を負担)することも考えられる。しかし、バンドルタイプでは「最大伝送速度は1Gビット/秒」「IPv4/v6への対応」「料金請求などのシステム連携」「24時間365日の障害対応体制」などの条件が求められる。中小のISPにはかなり高いハードルとなっている。

 サービス卸を巡っては、適正性や公平性、透明性の問題だけでなく、販売ルールの協議も総務省で始まっている。携帯と固定のセット割は囲い込み要素が強くなるため、契約が一巡すれば今後は流動性が低くなる。このため、様々なプレーヤーが“最後の争奪戦”とばかりに虎視眈々(たんたん)と準備を進めている。NTTドコモやソフトバンクに限らず、ISPを中心としたMVNOがセット割を相次ぎ投入するほか、KDDIやCATV、電力系通信事業者もそれに合わせて対抗策を打ち出してくる。

 事業者間の料金競争は総務省も歓迎するところだが、過度のキャッシュバック競争の再燃は避けたい。折しも2014年は通信サービスにクーリングオフ(初期契約解除ルール)の導入を決めたばかり。その直後に相談・苦情件数が再び激増したとなればメンツの丸潰れである。実は、総務省に販売ルールの協議を持ちかけたのはソフトバンク。消費者の混乱を招かないように販売ルールを決めることは確かに重要だが、NTTドコモによる2014年12月の受付開始を遅らせるのが本当の狙いとされる。

 一方、上記と関連して、電話番号の取り扱いで混乱を招く恐れがあるとの指摘もKDDIから出ている。例えば、フレッツ光からA社のサービス卸に乗り換え、さらにB社のサービス卸に乗り換えた場合は、使用中の電話番号を引き継げない。光回線の提供主体がNTT東西から別会社に移ることに起因した問題で、上記の販売ルールとは別に、改善に向けた協議を進めている最中である。

 ここまで説明してきた通り、現在は課題山積の状態。果たして総務省はどう着地させるのだろうか。ドコモ光を2015年2月に始めるには相当な力技が必要と考えられ、年明け早々から目が離せない状況となってきた。

 

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