週間情報通信ニュースインデックスno.970 2014/10/25


1.MVNO本格参入でパナソニックが狙う、IoT時代の新たなメーカーの姿(10. 24)
  2014年10月14日に企業向けMVNO(仮想移動体通信事業者)事業に本格参入すると発表したパナソニック。今後、同社の業務用モバイル機器や業務用冷蔵庫、映像機器などの製品群に、広域の無線ネットワーク機能を順次内蔵していく計画だ。

総合電気メーカー自らが本格的な設備を持ってMVNO事業を展開することについて、パナソニックAVCネットワークス社の宮和行 技術本部モバイルネットワーク事業推進室事業企画チーム チームリーダーは、「これから訪れるIoT(Internet of Things)の時代に向けて、パナソニックが回線サービスを含めて提供することが、様々なユーザーの利便性に貢献できる」と語る。

 宮チームリーダーは、パナソニックの業務用機器を利用するユーザーはIoT時代に二つの課題に直面する、と指摘する。一つは「多様な機器ごとに最適な回線サービスが選択できない」という点、もう一つは「機器と、回線・サービスをセットで調達できない」という点だ。

前者の課題は、「携帯電話事業者の回線サービスはスマートフォンやタブレット向けを対象としており、IoT向けには間尺が合わない。通信速度や利用時間、通信容量はもっと多様な選択肢を用意できてよいのではないか」(宮チームリーダー)という点である。

 後者の課題は、機器をパナソニックから買い、回線は別に契約となると、管理に手間がかかるほか、不具合の切り分けにも時間がかかることを指す。「まさかパナソニックの業務用冷蔵庫をキャリアショップで売るわけにもいかない」という冗談が、同社社内では交わされているという。

 このような課題を解消するため、パナソニック自らがMVNOとして、回線サービスを提供することを決めた。具体的にはインターネットイニシアティブ(IIJ)がMVNE(Mobile Virtual Network Enabler)としてパナソニックのMVNO事業のサービス基盤を構築。帯域を細かく制御できるPCRFやPCEFなどのシステムを導入し、回線の帯域などをカスタマイズできる体制を築いた。パナソニック自身がその設備を保有、運用し、自社グループが提供する業務用モバイル機器や業務用冷蔵庫、映像機器などに無線ネットワーク機能を追加して、製品と回線サービスをセットで提供していく。

 NTTドコモ回線を使ったMVNOになるが、ドコモと直接交渉して回線を仕入れるのではなく、今回はIIJが間に入り、IIJから経由して帯域を仕入れているという 。  具体的な回線の導入イメージの一つとして、同社が発売する業務用冷蔵庫やネットワーク対応業務用カメラに対する多様な回線サービスの提供などを挙げる。

 例えばネットワーク対応カメラの場合、通常、上り回線が空いていることから、上り回線のみ容量制限なしで提供するプランが考えられるという。業務用冷蔵庫の場合、定期的な監視用途に無線ネットワークを使う。この場合、容量は少ないため、月額数百円といったコストでサービスが提供できるのではとする。また場合によっては、アマゾンのKindleのように通信費を裏に隠して、保守費用に含めるなど、サービスごとに様々な提供形態も検討していく。

これまで機器に通信モジュールを搭載しM2MやIoTのソリューションを展開するには、通信モジュールの初期コストや回線の運用コストが一つのハードルになっていた。ただここに来て、「通信モジュールがようやくローコスト化してきたほか、MVNOという手段によって、通信費もかなり下がった。去年や一昨年ではコスト面でまったく検討に値しなかったが、来年・再来年を考えると十分スコープに入るようになってきた」(宮チームリーダー)という。同社は自らIoT市場を作っていくという意気込みで自社機器の無線ネットワーク対応を強く推進していきたいという。  

 2.BIGLOBE、3G/LTEデータ通信サービスの月間通信容量を拡大(10.24 nikkeibp)
 ビッグローブ(BIGLOBE)は2014年10月23日、同社会員向け3G/LTEデータ通信サービス「BIGLOBE LTE・3G」について、月間通信容量を拡大すると発表した。月額900円(税別、「ベーシックコース」月額200円を含む)の最安プラン「エントリープラン」で通信容量1GBから2GBと倍増する。11月1日から適用する。

 このほか、月額1505円の「ライトSプラン」が2GBから5GBに、月額2838円の「ライトMプラン」が3GBから8GBに、月額3790円の「スタンダードプラン」が7GBから10GBに容量拡大する。また、直近72時間(3日間)の通信制限も緩和し、ライトSプランが360MBから600MBに、ライトMプランが600MBから1GBに拡大した。エントリープランは360MB、スタンダードプランは1GBと従来通りとなる。

 BIGLOBE LTE・3Gは、NTTドコモの通信網を利用したMVNOサービス。月間通信容量を超過すると通信速度を最大200kbpsに制限される。オプションで音声通話SIMを選ぶことも可能(月額900円)。BIGLOBEのWebサイトのほか、イオンリテール店舗、ヨドバシカメラ、Amazon.co.jp、BIGLOBE楽天市場店で申し込みできる。

 3.AWS活用の先行事例に学ぼう、日経SYSTEMSの中山副編集長が講演(10.18 nikkeibp)
「大手のユーザー企業でもまだ大半は、IaaS(Infrastructure as a Service)の導入を検討している段階。いざ導入したときに成功できるよう、先行企業の事例に学びたい」──。

 2014年10月15日から17日にかけて東京ビッグサイトで開催された「ITpro EXPO 2014」で、日経SYSTEMSの中山秀夫副編集長は「“ハイブリッドクラウド”構築 成功の秘訣」と題した講演を行い、このように訴えた。

 中山副編集長によると、IaaSの導入が難しい大きな原因の一つとして、オンプレミス環境とのハイブリッド構成にすることが挙げられるという。「保有するサーバーやストレージなどの減価償却が終わらないうちに、システムをIaaSに移せば、除却という会計処理が必要になり、一気に費用計上しなければならない。そのため当面は、オンプレミス環境を残しつつIaaSを使う“ハイブリッド構成”を取らざるを得ない」(中山副編集長)。それだけに、従来の常識が通用しないケースが少なからず発生する。このため、先行企業の事例を学ぶ価値が高いのだという。

 講演では、IaaSで世界トップシェアの「Amazon Web Services(AWS)」を、「必然的に検討候補に入るサービス」と位置付け、AWSの導入事例における想定外とその対処法を八つ紹介した。

 例えば、オンプレミス環境とAWS間のデータ連携の想定外として、東急ハンズの事例を取り上げた。東急ハンズは、POS(販売時点管理)サーバーをAWSに移行した際、AWS Direct Connectというネットワークサービスを用いて、オンプレミス環境とAWSを結んでいた。ネットワークは1本で、1Gbpsの容量だったという。

 ネットワーク容量には余裕があったが、AWS Direct Connectのメンテナンスで年に数回通信できなくなる時間が生じることが問題になった。AWS上のPOSサーバーとオンプレミス環境に残したポイント管理サーバーを常時連携させる必要があるからだ。そこで東急ハンズは、AWS Direct Connectのネットワークを1本追加したという。

 中山副編集長は、「AWSを本格利用するユーザー企業では、AWS Direct Connectを2本、3本と多重化するのがトレンドになっている」と指摘。「コスト削減を目的としてAWSを導入した場合でも、ネットワークコストは絞りすぎるのは要注意だ」と警鐘を鳴らした。

 4.「Azureで動くVMの20%はLinux」、米MSがクラウド分野の最新情報を発信(10.21 nikkeibp)
 米マイクロソフトは2014年10月20日(米国時間)、サンフランシスコで発表会を開催し、Microsoft Azureをはじめとするクラウド事業について最新情報を発信した。

 最初に登壇したCEO(最高経営責任者)のサティア・ナデラ氏は、マイクロソフトの「モバイル・ファースト」「クラウド・ファースト」戦略に改めて言及。コアバリューである「生産性とプラットフォーム」を追求することで、あらゆるビジネス、産業、地域に適合するクラウド環境をマイクロソフトだけが提供できることを強調した。

Azureの採用事例としては、サンフランシスコ市やサンノゼ市がOffice 365を採用、ディザスタリカバリに活用していると語った。米4大テレビネットワーク「NBC」は冬期オリンピックや日曜日のフットボール中継で、ドイツの工業グループ「ThyssenKrupp」は110万台のエレベーターの管理に、Azureを活用している。「データを活用することでビジネスモデルが進化する。パブリックセクターからスモールビジネスまで柔軟に対応できる」(ナデラ氏)と事例を挙げた。     

 5.中国Xiaomi、インドでスマホの生産開始か、工場設置を検討中(10.22 nikkeibp)
 中国のスマートフォンメーカー、Xiaomi(小米科技=シャオミ)がインドで端末を生産することを検討していると、米Wall Street Journalが現地時間2014年10月21日に伝えた。

 Xiaomiはすでに専門家を雇い入れており、インドの規制などに関して調査を行っている。今後半年以上検討を続け、同国に自前の工場を持つかどうか決定するという。  Xiaomiがインドでスマートフォンを発売したのは今年7月。Xiaomiのインド担当責任者のManu Jain氏によると、同社はこれまで中国国外に生産拠点を設置することを検討していた。ここ最近、同社にとってインド市場の重要性が高まってきたことから、インド工場について検討することにしたという。

 Xiaomiがこれまでインドで販売した端末の数は約50万台。同国では年間2億台以上の携帯電話が売れており、中国に次ぐ世界2位の携帯電話市場となっている。だが、携帯電話の全販売台数に占めるスマートフォンの比率はまだ2割程度。Jain氏は、今後3年でこれが5割を超えると期待している。

 Xiaomiは中国で急成長しているスマートフォンメーカー。英国の市場調査会社Canalysによると、中国における今年4〜6月期の出荷台数ランキングはXiaomiが首位で、このあと、韓国Samsung Electronics、中国Lenovo Group(聯想集団)、Coolpad(酷派)ブランドの中国Yulong Computer Telecommunication Scientific(宇竜計算机通信科技)、中国Huawei Technologies(華為技術)と続いた(関連記事:中国のスマホ市場、XiaomiがSamsung抜き首位に、2014年第2四半期)。

 Xiaomiは今年、シンガポールを手始めに本格的な国外展開を進めており、今後はマレーシア、インドネシア、タイなどへの進出も目指している。



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