週間情報通信ニュースインデックスno.954 2014/06/14

1.CTC、ミドクラの分散型ネットワーク仮想化ソフトを販売(6.13 nikkeibp)

 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2014年6月11日、ノード側にネットワーク情報を持たせた分散型アーキテクチャーを特徴とするオーバーレ イ型のネットワーク仮想化ソフト「MidoNet」を発売した。これを使えば、ノードだけで仮想的なL2/L3ネットワーク(L4スイッチなどを含む)を 構成できる。

 MidoNetは、物理ネットワークの上に論理的な仮想ネットワークを構築できるようにしたオーバーレイ型のネットワーク仮想化ソフトである。オーバー レイ機能はサーバーエッジ側で提供する。各サーバーノードにMidoNetのソフトをインストールすることによって、ルーティングやパケットの選別などの 機能を、外部のルーター/スイッチを使うことなくサーバーノードだけで実現する。

 開発会社はミドクラジャパンで、CTCは国内で初めての販売代理店。MidoNetのライセンス価格は、MidoNetのソフトウエアを導入するサー バーノード1台当たり、1年間のサブスクリプション費用が約20万円。販売目標は今後3年間で10億円。CTCでは別途、MidoNetの構築サービスも 請け負う。

 MidoNetの特徴は、ネットワーク制御に必要な機能を、各サーバーノード側に分散共有させたこと。ノードにインストールしたエージェントが、ネット ワークの制御ルールを設定、制御、管理する。集中管理型のコントローラーから制御情報を配信するOpenFlowのようなアーキテクチャーではなく、個々 のサーバーノードが自律的に仮想ネットワークを構成する。ネットワーク制御に必要な情報は、分散データベースのCassandraとZookeeperに 格納する。

 動作環境はLinuxで、MidoNetのエージェントはサーバー仮想化ソフト(KVM、Xen、LVC:Linux Containers)の上で動作する。データ転送に必要な仮想スイッチにはLinuxのOpen vSwitchカーネルモジュールを使う。エージェントが必要に応じて分散データベースからネットワーク制御情報を取得し、制御ルールをOpen vSwitchに反映させるという動作になる。

2.KDDIがSDN活用の新WANサービス「WVS2」、セキュリティ機能を網側 から提供(6.12 nikkeibp)
 KDDIは2014年6月12日、法人向けの新たなWANサービス「KDDI Wide Area Virtual Switch 2(WVS2)」を9月末から提供開始すると発表した。7月末から受け付けを開始する(写真1)。

 WVS2は、2009年から同社が提供しているレイヤー2/レイヤー3混合WANサービス「KDDI Wide Area Virtual Switch(WVS)」の機能強化版にあたる(関連記事:新世代WANサービス“バースト通信”のすべて)。「WVSは2009年の導入以来、広くユー ザーに受け入れられてきたが、クラウドやスマートデバイスが急速に台頭してくる中、ネットワークだけが十分な進化を遂げていなかった」と同社の東海林崇執 行役員常務ソリューション事業本部長は説明する(写真2)。そこで今回のWVS2では、新たなユーザーニーズに応えるため、「広域ネットワーク側にセキュ リティ機能を持たせ、クラウドやスマートデバイスを安心して利用できる環境を作り上げた」(同)という。

 具体的にはハードウエアタイプのアプライアンスをオンプレミスに設置する場合が多い、ファイアウォールやIDS/IPS、URLフィルタリング機能など をWANサービスとセットで網側から提供する。このような形態を取ることで、様々な通信経路を通ることが多いスマートデバイスやクラウドサービスを利用す る場合も、横断的にセキュリティ機能を適用できる仕組みだ。

 これらの機能は、SDN機能を使って「カスタマーコントローラ」と呼ぶポータル画面から自在に構成できるという(写真3)。これまで90日ほどかかって いた製品導入が1日程度で完了する。なお利用するアプライアンス機能は選択可能で、いわゆる「サービスチェイニング」の形態も実現しているという。この経 路制御部分にもSDN機能を使っているが、利用している仕組みは非公表。ちなみにOpenFlowプロトコルではないとのことだ。

 提供料金は、利用するアプライアンスメニューや各アプライアンスの帯域の太さ、拠点数によって変動する。例えば、インターネット帯域を1Gビット/秒の ベストエフォート、インターネットファイアウォールやIDS/IPS、URLフィルタリング、Webアンチウイルス、メールアンチウイルスのセキュリティ 機能を利用する場合、月額料金は12万円(税別)となる。

 今後の売上げ目標として東海林本部長は、「国内のアプライアンス市場は現在8000億円規模ほどある。今後4〜5年でそのうちの500億円ほどを WVS2で狙っていきたい」とした。2015年春には、第2弾としてオーバーレイ型の仮想ネットワーク機能も追加するという。

 ちなみにNTTコミュニケーションズも7月から、アプライアンス機能を網側から提供するサービスを海外で開始予定だ。同社のWANサービス 「Arcstar Universal One」のオプション「Value Added Services」となる。こちらは同社が買収した米バーテラ・テクノロジー・サービスの仕組みを使い、網側のアプライアンス機能を、いわゆる「NFV (Network Functions Virtualization)」の形態で仮想基盤上に構築している。

 これに対しKDDIのWVS2は、NFVの形態を取っておらず、網側ではハードウエアタイプのアプライアンスを用意しているという。
 NTTコムとKDDIのサービスの登場時期が重なっているが、両社とも「お互いを意識したわけではない。たまたま時期が重なっただけ」としている。

3.HTTPの標準規格が15年ぶりに改訂、文書を6分割し改善仕様を盛り込む (6.11 nikkeibp)
 Webブラウザーによるアクセスをはじめ、スマートフォンアプリや家電機器、IoT(Internet of Things)デバイスの通信など、世の中のいたるところで使われている最も重要な基本プロトコルの一つ「HTTP」(HyperText Transfer Protocol)が6月上旬、実に15年ぶりに改訂された(プロトコルのバージョン自体は1.1のまま)。
 インターネット技術の標準化団体であるIETF(Internet Engineering Task Force)が2007年に立ち上げた「HTTPbisワーキンググループ(WG)」が規格改訂に携わった。

 1999年の公開以来、長らくインターネットアプリケーション開発者のバイブルとして使われてきた「RFC2616」(RFCはrequest for commentsの略。インターネットの技術仕様や取り決めについて記した文書)は破棄(Obsolete)され、代わりに以下に示す六つの新しいRFC が公開された。

・RFC7230「HTTP/1.1: Message Syntax and Routing」
・RFC7231「HTTP/1.1: Semantics and Content」
・RFC7232「HTTP/1.1: Conditional Requests」
・RFC7233「HTTP/1.1: Range Requests」
・RFC7234「HTTP/1.1: Caching」
・RFC7235「HTTP/1.1: Authentication」

 新しいRFC群によって変更されたり改善されたりした内容については、それぞれのRFCの最後のあたりにある「Changes from RFC 2616」セクションに記載されている。

 HTTPbis WGで議長を務めるMark Nottingham氏は、ブログの中で「RFC2616 is Dead」(RFC2616は死んだ)と表現し、「あなたのハードディスクやブックマークから削除し、プリント物があれば燃やすかリサイクルしなさい」と 述べている。

 捨てるかどうかはさておき、改訂されて破棄された以上、今後RFC2616を使うのは禁じ手である。HTTPを通信プロトコルとして採用するインター ネットアプリケーション開発者はこの先、改訂されたRFC7230〜7235を参照して開発する必要がある。

4.米Salesforce.comが「Wear」発表、企業ITでウエアラブル端 末を使いやすく(6.11 nikkeibp)
 米Salesforce.comは2014年6月10日(現地時間)、企業情報システムでウエアラブルデバイスを活用するためのアプリケーション構築フ レームワークである「Salesforce Wear」を発表した。

 GoogleやFitbit、韓国サムスン電子など主要なウエアラブルデバイスメーカーと協業。これらのデバイスとSalesforce製の企業情報シ ステムを連携させるためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を提供する。

 眼鏡型デバイスの「Google Glass」や腕時計型デバイスの「Samsung Gear 2」といったウエアラブルデバイスは、それぞれ内蔵するOSやデータ形式などの仕様が異なる。新機種を発売するたびに仕様変更を行うことも多く、企業情報 システムに組み込んで中長期的に利用するには難しいところがある。

 Salesforce Wearではこうした仕様の差異を吸収し、開発者がウエアラブルデバイスから企業情報システムに保存している顧客データベースなどと連動しやすい環境を整 備する。連携機能を実現する「Salesforce Wear Developer Pack」は、「Salesforce CRM」「Salesforce Platform」の全てのユーザーライセンスに含まれており、既に利用可能である。アプリケーション構築のための開発者向け情報をWebサイトで提供す る。

5.京王電鉄が車内Wi-Fi導入、全843両で順次利用可能に(6.11  nikkeibp)
 京王電鉄は2014年6月11日、京王線と井の頭線の全車両で車内公衆無線LAN(Wi-Fi)サービスを始めると発表した。一部車両で6月16日から サービスを開始し、順次対応車両を増やす。通信環境の整備で乗客の利便性向上を図る。

 車内Wi-Fiが使えるようになるのは、京王電鉄が保有する全車両(京王線698両、井の頭線145両=写真1)。井の頭線では2015年3月までに車 内アクセスポイント設置を完了させる。京王線も時期は未定だが全車両にアクセスポイントを設置する。京王線に乗り入れる東京都営地下鉄の車両は対象外とな る。

 利用できるWi-FiサービスはKDDIの「au Wi-Fi SPOT」とワイヤ・アンド・ワイヤレスの「Wi2 300」(写真2)。他のサービス提供事業者とも接続交渉を進めるとしている。車内アクセスポイントとインターネットを接続する回線(バックホール回線) はWiMAXである。列車が地下トンネルを通過するときも利用できる。


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