週間情報通信ニュースインデックスno.943 2014/03/15

1.SDN技術開発の国家プロジェクトがアキバで成果を披露、NTTや電機大手など(3.14 nikkeibp)

 日本の通信産業が集結してネットワーク仮想化技術「SDN(Software Defined Networking)」の研究開発を進める国家プロジェクト「O3(Open Organic Optima)」が2014年3月14日、研究成果を披露するシンポジウムを東京都千代田区の秋葉原で開催した。

 O3は総務省が予算を拠出する委託研究「ネットワーク仮想化技術の研究開発」の受託先で、NTT持ち株会社とNTTコミュニケーションズ、通信機器を手 掛ける国内電機大手のNEC、富士通、日立製作所の5社が参加する。2013年度から3カ年のプロジェクトで、2014年度は約7億円が国から拠出される 予定だ。プロジェクト中核メンバーであるNEC情報・ナレッジ研究所の岩田淳所長代理は「今回の出展までで個々の要素技術はかなりそろった。今後は要素を 連携させる統合的な技術の開発に焦点が移るだろう」と進ちょくを説明した。

2.日本HPがノートPCにLTE内蔵モデル、安全なLAN接続を狙う(3.14  nikkeibp)
 日本ヒューレット・パッカードは2014年3月14日、既存のモバイルノートPC(2製品)について、新たにLTE通信モジュールを内蔵した「LTEモ デル」を追加したと発表した。いずれも5月下旬から販売開始する。同社がノートPCにLTE内蔵モデルを用意するのは、今回が初めて。通信事業者の閉域網 サービス(NTTドコモの「ビジネスmopera」やKDDIの「CPA」)を利用した社内LANへのリモートアクセスを提唱する。

 同社がモバイルPC(タブレット/ノート)にLTE通信モジュールを搭載する目的の一つは、社内LAN接続のセキュリティを高めること。LTE通信網か ら社内LANに直接リモートアクセスするサービスを利用すれば、モバイルPCをインターネットに接続せずに済む、というシナリオである。

3.NRIが外部人材と社員の混成でハッカソン開催、「働き方を面白く」を課題に (3.13 nikkeibp)
 野村総合研究所(NRI)は2014年3月8〜9日の週末2日にわたり、「働き方を面白くする」ことを議題にしたハッカソンのイベント「NRIハッカソ ン Hack for “Work Design”」を開催した。社員と外部から募った参加者の混成チームを作って新規サービスを開発した。社員と外部人材が交わるハッカソンはNRIで初め ての試みという。

 60人程度の参加者のうち、3分の1がNRIのIT技術者やコンサルタントら社員で、残りをIT技術者を含む外部の参加者で構成した。 8〜9日のハッ カソンに先だって、3月1日にチームでアイデアを出力してまとめるアイデアソンを実施している。9日の発表会までに九つのチームに分かれてサービスを試作 した。最優秀賞は「マグネット(Magnet)」が受賞した。これは、自分の専門分野を選ぶと、スキルアップにつながる書籍リストをメールで送信してくれ るというサービス。NRIの嶋本正社長が見守る中、賞金10万円を手にした。

4. IT部門の半数がデジタル化に即応できていない、ガートナーのCIO調査(3.12 nikkeibp)
 ガートナージャパンは2014年3月12日、世界のCIO(最高情報責任者)を対象にした調査の結果を発表した。ガートナージャパンの長谷島眞時エグゼ クティブプログラム グループバイスプレジデントは会見で「IT部門は『デジタル化』という大きな変化点を迎えている」と語った。

  約2300人のCIOを対象に、2013年10〜12月に調査を実施した。これらのCIOが管理するIT予算は3000億ドル(30兆円) を超える。日本企業のCIOは回答者の4%を占めた。
 調査では、デジタル化への対応に苦慮するIT部門の実態が浮き彫りになった。「デジタル化に即応できず、自社ビジネスの成功やIT組織の信頼が脅かされ ている」かどうかという問いに、51%が「該当する」と答えた。日本企業で該当すると回答した割合は43%だった。

  日本企業はデジタル化だけでなく、グローバル化の波にもさらされている。長谷島氏は「個々の企業で置かれた状況に違いはある」と前置きしたうえで、デ ジタル化を推進する組織をIT部門とは別に設けるなど「現実的な解を探さないといけない」という認識を示した。その一方で、「安易な分離論は大きなリスク をはらんでいる」とし、対応には慎重さも求めた。

5.「IT部門は“ブローカー”になれ」、ガートナーのファイファー氏がクラウドの 将来を解説(3.12 nikkeibp)
 ガートナー ジャパンが都内で開催したイベント「エンタプライズ・アプリケーション & アーキテクチャ サミット 2014」で2014年3月11日、米ガートナー リサーチ バイス プレジデント 兼 最上級アナリストのジーン・ファイファー氏は、「ビジネス、テクノロジ、人の基盤を揺るがすクラウド・コンピューティングの将来シナリオ」と題した基調講 演に登壇。今後5年間で、企業のクラウドプロジェクトがどのような姿になるかという将来像を示した。
 ファイファー氏はまず、クラウドのメリットとリスクをおさらいした。同氏によると、クラウドの一番のメリットは「俊敏性」にあるという。「コスト削減効 果もある。しかしもはやクラウドは、コスト削減のためだけに採用すべきではない。すぐにサービスを使えるようになる、すぐにアプリケーションを使えるよう になるという俊敏性を第一に考えるべきだ」(ファイファー氏)。

 一方、注意すべき“隠れたリスク”としては「統合」を指摘した。「パブリッククラウドに契約するとなると、必ず何らかの統合をしなければならない。例え ば、ID管理システムとの統合やCRM(顧客関係管理)などバックオフィスとの統合。バックオフィスまで統合するとなると、非常に複雑でコストもかかる」 (ファイファー氏)。その点はぜひ注意してほしいと、ファイファー氏は強調した。

 次にファイファー氏は、企業のIT部門は「ブローカー」になるべきと提言した。ここで言うブローカーとは、従来のIT環境の保守やプライベートクラウド の構築・管理を行うだけでなく、企業のビジネス部門との窓口やクラウドベンダーとの関係強化を担う役割を持つということだ。

 「企業のビジネス部門は、急速にクラウドコンピューティングに対する関心を高めている。それに対してIT部門の関心は低い。このままではIT部門は無視 され、迂回されかねない。最初から関与し、社内のブローカー的な役割を担っていかなければならない」(ファイファー氏)。

  ハイブリッドIT組織の課題としては、クラウド移行のプライオリティ付けを挙げた。例えば、俊敏性が問われる「革新システム」はすぐにでもクラウドに 移行すべきとした。革新システムとは、対消費者のシステムやソーシャルメディアを扱うシステム、Webサーバー、電子メールなどだ。

 一方で、1〜3年後の移行としたのは「差別化システム」。アカウント管理、CRM、SCM(サプライチェーンマネジメント)などを指す。そして5〜7年 後の移行としたのはERP(統合基幹業務システム)などのコアシステムだ。



 ホームページへ