週間情報通信ニュースインデックスno.862 2012/06/23

1.「アップル・デザイン」の秘密 効率無視で実現したジョブズのこだわり とは?(6.22 nikkeibp)
 電子書籍『アップルのデザイン ジョブズは“究極”をどう生み出したのか』 

 自分の周りには、濃厚なアップルファンが多い。日本時間深夜スタートの新製品発表会がある翌日は会社を半休し、新製品は悩まず即効予約。ケースを装着し た私のiPhoneを目にすると、なぜだか寂しそうな眼をする。せっかくの筐体の美しさをわざわざつまらないプラスチックケースで覆い隠してしまうのが惜 しいのだという。

 新しいiPhone/iPadが発売となるたび販売店前に長い行列ができるのも、もはや年中行事となった。もちろんゲーム機やゲームソフトの発売時にも 同様の現象は起こるが、パソコンやガジェットでここまでの熱狂が、しかも全世界規模で発生するケースは他に知らない。

「アップル製品のすごさとは?」
「国境を越えてここまでユーザーの熱い支持を集める理由は?」

そのヒントを見つけられるのがこの一冊かもしれない。  国内の多くのメーカーが手がけたのが、「良いデザインの商品を作ること」だ。それは、ビジネス全体のある1点だけにデザイン資源を投入したに過ぎないア プローチだ。

 これに対してアップルがデザインしたのは、商品の外観のみといった狭い範囲のものにとどまらなかった。アップルがデザインしたのは、「顧客とのあらゆる 接点」だ。 「顧客とのあらゆる接点」をデザインするアップル。「デザインとはそもそも何なのか」をこの書籍の前半では深く考えさせられる。

 「キーノート」と呼ばれる新製品発表会の会場演出、故スティーブ・ジョブズ氏の天才的なプレゼンテーション。購入した製品との対面を演出し、感動と喜び をさらに引き上げてくれる「製品パッケージ」。筐体は素材自体がもつ美しさも十二分に生かしたデザインで細部にまでこだわり、手に馴染み、心地よく使える よう設計されている。直感で操作できるインターフェースの徹底した作り込みも、触った瞬間から実感できる。

生産効率を無視してでも実現したこだわり
 アップル製品の使い心地のよさは格別だ。MacもiPodも、そしてiPhoneにiPadも今でこそかなり使い慣れ、見慣れてしまったが、初めて触っ た時の感動はやはり大きかった。「使っていて気持ちがいい。一体感を感じられる」

 アップルの製品が他社と最も違う点。それは、細部の作り込みに対する執念と言えるだろう。質感や操作感の違いをジョブズ氏は鋭く発見し、納得できない試 作品は壁に投げつけるほどに激怒する。

 第2章「分解して分かるアップルデザインの真髄」では、アップル製品の作り手の思想にまで迫るべく、非常に面白いアプローチがなされている。

 携帯電話市場にまさにイノベーションを引き起こしたiPhoneの最新モデル「iPhone 4S」を、プロダクトデザインとエンジニアリングに詳しい専門家&デザイナー達が分解をしながら、「他社がまねできないアップルのモノ作りの秘密」を分 析・推測している。

 分解途中の写真や内部のパーツの写真もふんだんに盛り込まれ、一愛用ユーザーとしても非常に好奇心をそそられる内容となっている。内部構造やパーツ一つ ひとつに、プロダクトデザインのプロ達は驚きを隠せない。

 例えば、ねじ止め一つとっても、「既存のプロダクトデザインのルールにはそぐわない」ものだそう。ボディ四隅の内側を止めているネジの角度は45度でし かも方向はばらばら。国内メーカーであれば、生産効率や工程数削減のため、ねじ止めの方向は統一するのが常識。しかしながら生産効率を犠牲にしてでも、妥 協のない仕上がりを目指すアップルの強い意志がここに感じられるのだという。

2.NECが「異種混合学習技術」、雑多なビッグデータから法則発見(6.22  nikkeibp)
 NECの情報・ナレッジ研究所は2012年6月22日、ビッグデータの解析に役立つ「異種混合学習技術」を開発したと発表した。6月28日に英国で開催 される「機械学習」分野の国際学会「The 29th International Conference on Machine Learning(ICML2012)」で詳細を報告する。2013年度の実用化を目指す方針だ。

 機械学習(Machine Learning)とは、コンピュータプログラムを使って大量のデータから有用な規則性、ルール、判断記述などを抽出する技術。製造・流通業などの需要予 測や、スパムメールの判定、ネット広告の表示、デジタルカメラの顔認識、囲碁・将棋などのゲームといった分野に幅広く応用されている。

3.2013年にはスマホに11acが入る」、ブロードコムが展望(6.22  nikkeibp)
 「2013年の早い時期にハイエンドのスマートフォンの無線LANにはIEEE 802.11ac技術が採用される」。2012年6月20日から22日にかけて中国・上海で開催されているMobile Asia Expoで米ブロードコムのVice President、Strategic BD & OperatorsのKetan Kamdar氏は同社の無線LANチップの展開についてこのように説明した。

 Broadcomは150米ドル程度のスマートフォンをターゲットにしたSoCなどを提供しており、新興国市場向け低価格スマートフォンの中核部品を 担っている。
 現在のローエンドのスマートフォンは「2.4GHz帯のみのシングルバンド対応だが、2013年にはローエンドも2.4GHz帯と5GHz帯のデュアル バンド対応になり、IEEE 802.11nをサポートするようになる。そしてハイエンドには11acが入ってくる」と同氏は述べた。

4.日商エレクトロニクス、広帯域TCPを高速化するWAN高速化装置を出荷(6. 20 nikkeibp)
 日商エレクトロニクスは2012年6月19日、広帯域WAN(1G〜10Gビット/秒)向けにTCP通信を最適化するWAN高速化装置「Data Mobility Switch」(以下、Infineta DMS、写真1)を出荷した。ストレージのレプリケーションのように、コネクション数が少なくコネクションごとに広い帯域が必要な用途に適する。開発会社 は、米Infineta Systems。

 製品構成は、WAN高速化の対象となるネットワーク帯域に応じて、4種類のモデルを用意した(いずれも2Uラックマウント大で総スループットは20G ビット/秒)。

5.ドコモが株主総会を開催、iPhoneの扱いや競争苦戦に厳しい質問(6.19  nikkeibp)
  NTTドコモは2012年6月19日、第21回定時株主総会を開催した。株主からは、iPhoneの取り扱いの有無をはじめ、契約純増数競争における 苦戦、株価低迷などに対する厳しい質問が相次いだ。

 iPhoneの扱いについては、従来と同じく「現状では難しい」(関連記事)との回答にとどまった。「iPhoneは垂直統合モデルで、アップルがすべ てをコントロールしている。日本の携帯電話で顧客の要望が多いのはおサイフケータイやワンセグ、赤外線で、iPhoneではそれができない」(山田隆持社 長、総会後の取締役会で相談役に就任)。

 さらに、ドコモが力を入れるネットワーククラウドと、アップルのサービスが重複している点を理由に挙げた。「ドコモのしゃべってコンシェルと同等なサー ビスとしてアップルはSiriを提供しているが、端末はiPhoneに限られている。そこでは真ん中(ネットワーク部分)に付加価値がない」と主張した。

PlayStation Vitaにも回線提供しており戦略に矛盾との指摘も
 ドコモはネットワークの土管化を避けるため、端末の種類に関係なくネット経由で機能やサービスを提供するクラウド戦略に力を入れている(関連記事)。 「(クラウド戦略を推進するには)スマートフォンのサービスを自由に作り込んでいいAndroidになる。かたやアップルはこうした作り込みを許してくれ ない。さらに(スマートフォンの販売台数の)半分以上を(iPhoneで)売ってくださいとなる可能性が高く、現状は難しい。ぜひご理解いただきたい。な んとしてもiPhoneを凌駕する端末とサービスを作っていきたい」(山田社長)と意欲を見せた。




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