週間情報通信ニュースインデックスno.857 2012/05/12

1.「この仕事は合ってません!」と1カ月で辞める新人の“事情”(5. 10 nikkeibp)
 また、新入社員が辞めてしまった。これで4人目である。といっても、私の部下の話ではない(っていうか、部下いないし…)。わずか1カ月ちょっとの間 に、「新人が辞めた」という話を4回も聞いてしまったのである。

 1人目は、インタビューをさせていただいた方の会社で起こった出来事で、入社1週間目に「体調が悪い」と言ってきた後、連絡が途絶えて辞めた。2人目は 旅行代理店に勤める友人の部署に配属になった新人が、「自分にこの仕事は合っていない」と言って、2週間目に辞表を出した。3人目は、以前仕事でお世話に なった方の会社の出来事で、母親から「息子が思っていたような仕事ではないので、辞めてさせてください」と連絡があって、去っていった。

今や2年で35%が離職
 これまでにも入社したての新人君が辞めてしまうことに、苦悩する方たちの話は幾度となく聞いてきたけれど、今年はどういうわけか例年になく多い。いや、 もちろんたまたま私が、そういう話を耳にする機会が偶然重なっただけ。そう、たまたま、の話だ。

 でも、つい先月に政府が開いた「雇用戦略対話」でも、2010年春に大学・専門学校を卒業し正規雇用で就職した56万9000人のうち、およそ35%に 当たる19万9000人が、既に2年で辞めていることを明らかにした。

 若者が3年以内に仕事を辞める傾向が高まっていることは、ここ数年問題視されてきたが、「2年で35%」となったのだ。「このままいったら、3年以内で 辞める大卒者の離職率は5割を超える」との憶測もある。
 
 それでもやっぱり、さっさと辞めちゃうのはもったいない、と思うのだ。身体や心を疲弊させてまで頑張り続ける必要はないけれど、「仕事に合っていない」 とか、「個性が潰される」っていう理由で辞めちゃうなんて。わずか1カ月月や2カ月で、合うも合わないもないでしょ。

 そもそも「自分に合う仕事」って、何なんだ? 個性が潰されるって、何なんだろう?
 「自己分析で自分に合った仕事を見つけよう」とか、「自分に合う仕事診断」とか、「自分に合う仕事探しのヒント」とか、やたらと目にするけれど、一体 何?

 そこで今回は、「自分に合う仕事」について、考えてみようと思う。

「辞めたい」と突然言い出した中途社員
 
 「でも、やっぱり大手と中小じゃ勝手が違うんでしょう。彼は最初からいろいろと苦労しているようでした。割と年齢の近い先輩社員をサポートに付けて、私 自身も積極的に声を掛けるようにしていたんですけど、昨日突然、『辞めたい』と言い出した。うちの会社のやり方に合わせると自分がなくなってしまう、この 職場では個性が潰されてしまう、と言ってね」

 彼の会社ではこれまでにも、「自分の思っていた仕事と違う」と言って辞めていく新卒がいたそうだ。

 「IT業界=クリエイティブな仕事」と憧れだけを抱いて、業界の実情を知らずに入社してくる新卒も多かったため、今年から中途採用に切り替えた。「経験 者であれば、厳しさも分かっているだろう」という思いからだったという。

 とはいえ、同じ業界でも、仕事のやり方は千差万別。中途だろうと何だろうと、最初はその会社の仕事を覚えてもらわないことには、戦力にはなり得ない。そ の「会社のやり方」を覚えてもらう間もなく、わずか1カ月で辞めると言い出した。

これまでは上司との関係が主因だったが…

 「個性が潰される」か――。

 まぁ、そんなことを言われて、「はいそうですか」と納得するトップなどいないだろうし、「たった1カ月で何が分かるんだ」という気持ちは、誰だって抱く だろう。彼が憤る気持ちは痛いほどよく分かる。

 とはいえ、どんな仕事であれ、外から抱くイメージと実際の仕事にはギャップがあり、それが新人クンたちのストレスの雨となることも事実だ。
 だが最近は、件の男性の会社でもそうだったように、職場の人間関係よりも仕事の内容、すなわち「自分に合った仕事」、を求めて辞める傾向が高まっている ようなのだ。

 34歳までの若者を対象にした調査結果ではあるが、「適職探しへの再挑戦を希望している」若年者の総数は、1987年には425万人だったのが、 2004年では31.4%増え、558万人となったという報告もある。これは在学者を除く若年者全体の22.9%に相当する(出所:2006年版「国民生 活白書」)。

 かつてはタブー視されていた「転職」が、キャリアアップのための手段として認知されるようになったことや、中途採用が増加傾向にあることも、「自分に 合った仕事探し」をする若者を増やしているのだろう。

 でも、それ以上に「自分に合った仕事」を求める若者を量産させているのが、世間にいつの間にかまん延していている「自分に合った仕事を見つけましょ う!」シンドロームだ 。自分に合っている仕事探し症候群みたいなものが、「個性が潰される」とか、「自分に合わない」などと言って辞めていく若者を増や している。そう思えてならないのだ。


 それに……。「自分にぴったり合う仕事」なんてもんは、世の中に存在するのだろうか? 恐らくそれは「自分にぴったり合う異性」なんてもんが、滅多に存在しないのと同じように、幻想なんじゃあるまいか。

 そんな「自分とはぴったり合わない異性」であっても、付き合っているうちに惚れてしまうことだってある。私なんて、この繰り返しだ(笑)。自分のちっと も好みじゃない相手なのに、一緒にいる時間が無性に楽しかったり、相手が喜ぶようなことをしてしまったり、自分の変わりように驚くことだってある。「何で この人なんだろ〜」と思いながらも、一緒にいたくて仕方がないのだ。

 仕事も同じなんじゃないだろうか。無心で目の前のことをやっていると、意外な面白さを発見したり、思わぬ自分の能力を発揮できたり、「何だか大変だけ ど、心地よい」という感覚を持てるのではないか。

 そして、そうしているうちに、本当に自分がやってみたいこと、本当に自分が伸ばしてみたい力、そんなものが具現化されていく。

 そんな自分と出会うには、ある程度の時間が必要なのだ。たった1カ月、たった1年、たった2年で、「合わない」と結論を出すのは早急すぎる。「石の上に も3年」なんて説教くさいことは言いたくないけれど、3年だけ仕事にひたすら向き合ってみてから、自分に合った仕事探しをしても遅くはない。

2.NTT決算は増収増益、中期経営戦略は着実に進捗(5.11  nikkeibp)
 NTT(持ち株会社)は2012年5月11日、2012年3月期の連結決算を発表した。売上高は対前年度比2.0%増の10兆5073億円、営業利益は 同0.7%増の1兆2229億円だった。業績予想は若干下回ったが、増収増益は2期連続。海外売上高が116億米ドルと大幅に拡大したほか、スマートフォ ンの拡販で移動通信事業の収入が伸びていることが増収に貢献した。

3.HP、同社初のパブリッククラウドをベータ公開(5.11 nikkeibp)
 米Hewlett-Packard(HP)は現地時間2012年5月10日、同社のハードウエアとソフトウエアをベースにしたパブリッククラウドサービ ス「HP Cloud Services」をベータ公開した。仮想サーバーサービス「HP Cloud Compute」、オンラインストレージ「HP Cloud Object Storage」、コンテンツ配信ネットワーク「HP Cloud Content Delivery Network(CDN)」を従量課金制で一般向けにベータ提供する。

 HP Cloud Servicesは同社初となるパブリック型のクラウドサービスで、オープンソースのクラウド基盤プロジェクト「OpenStack」の技術を採用してい る。2011年9月より招待制の限定ベータプログラムを実施していた。

4.2012年Q1の世界タブレット出荷台数、iPadのシェア拡大、Kindle Fireは大幅減(5.7 nikkeibp)
 米IDCが現地時間2012年5月3日までにまとめた世界のタブレット端末(メディアタブレット)の出荷台数調査によると、同年第1四半期(1〜3月) の出荷台数は1740万台で、IDCの事前予測値より120万台少なかった。

 第1四半期は、年末商戦のある第4四半期(10〜12月)に比べ出荷台数が減少する傾向にある。IDCは過去最高を記録した2011年第4四半期から 34%減少すると予想していたが、実際の減少幅はそれよりも大きい38.4%だった。ただし、タブレット市場は成長しており、前年同期の790万台からは 120%増と堅調に伸びている。

 IDCのリサーチディレクターのTom Mainelli氏は、「一部のAndroid端末メーカーを除けば、すべてのメーカーが第4四半期から大幅に減少した。そうした中、iPadが大きく伸 びており、Appleはその強い市場支配力を再び示した」と述べている。「デジタルコンテンツの消費という用途だけでなく多目的端末というiPadの位置 付けが、消費者や教育機関、法人分野の購買担当者の心に深く響いている」(同氏)という。新モデルの投入と同時に前モデル「iPad 2」の価格を下げたことも奏功したと同氏は分析している。

 2012年第1四半期におけるiPadの出荷台数は1180万台で、年末商戦のあった2011年第4四半期の1540万台から減少したものの、出荷台数 ベースの世界シェアは第4四半期の54.7%から68%に上昇した。一方、米Amazon.comの「Kindle Fire」は第4四半期に480万台を出荷して16.8%のシェアを獲得していたが、第1四半期には4%を若干上回る程度まで落ち込み、シェアの順位も3 位に転落。Amazonに代わって韓国Samsung Electronicsが2位となった。この後、4位に中国Lenovo Group(聯想集団)、5位に米Barnes & Nobleが入っている。

 IDCは今後、Amazonが大画面で低価格の新端末を市場投入すること、米Googleも台湾ASUSTeK Computerとの共同ブランドでKindle Fireに対抗できる価格帯の端末を投入することを予測している。今年第4四半期の市場投入が見込まれる米Microsoftの「Windows 8」、あるいはそのARM版「Windows RT」の端末が世界のタブレット市場に及ぼす影響については、「現時点では分からないが、価格帯が消費者市場においては重要な鍵になる」と指摘している (関連記事:「Windows 8」搭載タブレ

5.iOSアプリがAndroidよりクールな理由(5.7 nikkeibp)
 洗練された魅力的なデザインのアプリを開発するには、『Android』より『iOS』向けのほうが簡単なことは、両方を開発したことがある者にとって は常識になっている。
「デザイン」はApple社のDNAに組み込まれている。一方、Google社はもともと検索から始まった。従って、アプリのユーザー・インターフェース や美的観点に優先順位を置いているのがどちらかは明白かもしれないが、その内実をもう少し具体的に見て行こう。

まずは細分化の問題がある。iOS向けの開発であれば、画面の解像度やハードウェア・プロファイルの数は非常に限定される。しかし、Androidの開発 の場合、対応する必要があるパラメーターは事実上、無数にある。

「Android機器は、形や大きさ、画面の解像度、機器のスピードがまちまちで、これが大きなハードルになっている」と説明するのは、Karma社の リー・リンデンだ。「解像度やプロセッサーがそれぞれ異なるおよそ20種類をテストする必要があり、開発速度が間違いなく落ちてしまう」

高解像度の機種ではクールに見えたデザインが、古い機種ではきれいに見えないことが起こりうるわけだ。Hipmunk社のダニーロ・カンポスによれば、同 社ではAndroidのために、古い機器には1倍、高解像度の機器には2倍、それ以外の機器は中途半端な1.5倍と、3種類の解像度のものを用意してい る。「不自然な画像」を避けるには必要なことだ。しかし、こうした高水準の対応を省略する開発者もいるだろう。その場合、不運な少数派には、ぼやけたギザ ギザで表示されてしまう。

アプリ開発ではスピードが重要であり、開発チームは小規模で予算も少ない。単純なデザイン要素を完璧にするために時間をとる余裕がないのだ。

さらにAndroidでは、開発者向けツールとドキュメントがそれほどしっかりしていない。Apple社は、SDKを洗練させ、明確に規定されたヒューマ ン・インターフェースのガイドラインを構築するなど、20年をかけてその開発者サポートを完成させてきた。一方Google社は、実質的にAndroid でゼロから開始した。

「Androidの問題点のひとつは、ドキュメントできちんと説明されていない要素がたくさんあることだ」とコンポス氏は言う。「わが社でAndroid 開発を担当するライアンは、あるXMLフォーマッティング処理を探すために、ソースコード全体を探索しなければならず、大変だと言っていた」


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