週間情報通信ニュースインデックスno.854 2012/04/21

1.KVH、東北3県の企業を対象にしたクラウドアプリ・コンテストの結果 を発表(4.20 nikkeibp)
 KVHは2012年4月20日、岩手県、宮城県、福島県に拠点を構えるソフトウエア開発会社を対象にした「東北応援アプリケーション開発コンテスト」の 結果を発表した。同コンテストは、被災地の企業の持続的成長をサポートする狙いで開催され、受賞者は賞金に加え、KVHの提供するIaaSプラットフォー ムと国内外向けのマーケティング、営業支援の提供を受けられる。

 アプリケーションの応募期間である2011年11月1日から今年の3月16日までに、東北3県に事務所を持つ10社から13件の応募があった。コンテス トの1位となるゴールドを受賞したのは、仙台市に本社を構えるサイエンティアが開発・提供する人事情報アプリケーション「SmartCompany」。 HRM(Human Resource Management)関連機能と市場性などが評価された。2位のシルバーを獲得したのは、岩手県花巻市に本社を持つアップランが開発するMDM (Mobile Device Management)アプリケーション「WinView」。パソコンとAndroid端末を一元管理できる先進性と、こちらも市場性が評価された。3位 となるブロンズは、本社が福島県会津若松市のデザイニウムが会津大学と共同で開発した「Aizu Online Judge」プロジェクト。CやC++、Javaで書いたコードの動作状況をクラウド上で評価するアプリケーションで、オンラインでプログラミングを学習 するために開発された。

2.アステラス製薬がAndroidタブレット版プレゼンシステム導入、2400人 のMRが利用(4.20 nikkeibp)
 SCSKは2012年4月20日、アステラス製薬にAndroidタブレット版プレゼンテーションシステムを納入したと発表した。医薬情報担当者 (MR)はこの4月から本格利用を始めている。

 アステラス製薬が採用したのはSCSKの「MR2GO-DMV」。約2400人のMRとその関連スタッフが使う。アステラス製薬はNTTドコモの 「GALAXY Tab 10.1」を導入しているという。
 MR2GO-DMVはMRの営業活動を支援するシステムで、頻繁に追加や改訂、廃止される説明資料をAndroidアプリケーションから素早くダウン ロードしたり、プレゼンテーションの実施状況を管理システムに記録したりする機能を備える。

3.世界中のネットワーク仮想化をたくらむ:ベンチャー企業「ニシラ」(4.20  nikkeibp)
 カリフォルニア州パロアルト──マーティン・カサドは、いまシリコンバレーで最も面白いベンチャー企業のCTO(最高技術責任者)。いっぽう、同僚のア ラン・コーエンは、シスコシステムズ(ネットワーク・ハードウェアの市場シェアで世界一)で、6年に渡ってマーケティング責任者を務めた人物だ。

そんな彼らが新たに立ち上げたニシラ(Nicira)では、ネットワーク・ハードウェアの中枢部を抜き出しソフトウェアに組み込むことで、シスコを初めと するネットワーク関連の大手ハードウェア・メーカーを「無用の長物」にしようと考えている。

「われわれは新たな分野を切り開いた。ニシラはネットワークを仮想化する会社だ」(コーエン氏)

カサド氏らは、ネットワーキングの世界の新たな未来を思い描いている。その未来とは、ソフトウェアとしてのみ存在する新種のコンピューター・ネットワーク で、こうしたものを開発しようとする試みは、ニシラのほかに一部のコンピュータ科学者の間などでも進んでいる。彼らは、スイッチやルーターなどのハード ウェアから独立したネットワークの実現を通じて、ウェブ上にある巨大なサービスを支えるネットワークをはるかに簡単に構築、修正する方法を提供したいと考 えている。

簡単にいうとカサド氏が思い描く世界では、ネットワークがコンピューターのようにプログラムできるものになっている。

「コンピューターをいくらか買い込んで、ソフトウェア・エンジニアをそろえ、何かしらすごいものを思いつくことだったら誰にでもできる。私は、それと同じ ことがネットワークについてもできるようにすべきだと思っている」とカサド氏。「われわれが考えついたネットワーク・アーキテクチャーには、コンピュータ の場合と同様の柔軟性があり、しかもそれはどんなネットワーク・ハードウェアでも動かせる」(カサド氏)

ニシラのプラットフォームでは、ネットワークに使うハードウェアがどこの製品であろうと関係ない──大手のシスコやHP、ジュニパーネットワークスのもの であろうと、無名の台湾メーカー製のものであろうと同じように利用できる。ハードウェアはネットワークパケットを動かすだけで、全体を制御するのはソフト ウェアだからだ。

世界中のネットワークを作り変えようとするカサド氏の取り組みは順調に実を結んでいる。ニシラによると、すでにAT&Tやイーベイ、日本の NTT、フィデリティ、ラックスペースなどの企業が同社のプラットフォームを利用しているという。

4.「SDNはC&Cそのもの、この分野で強いブランドを確立する」、NEC矢野会 長(4.19 nikkeibp)
 OpenFlow対応スイッチ、コントローラーを世界で初めて商用化し、SDN(Software Defined Network)の市場でリーディングポジションを握るNEC。「Open Networking Summit 2012」(ONS2012)のキーノートスピーカーとして招待された同社の矢野薫取締役会長は、長い通信ビジネスの経験から、SDNが次の主役になると 早い段階から確信していたという。NECにとってのSDNへの期待、SDNが与える通信市場へのインパクトなどをONS2012の会場で聞いた。
(聞き手は堀越 功=日経コミュニケーション)

NECにとってのSDNの位置付け、期待は。

 NECはC&C(コンピュータ&コミュニケーション)カンパニーだ。コンピュータ技術とコミュニケーション技術の融合を追求し、価値を創りだすことが事 業となっている。その点でいくとSDNはまさに我々にとってC&Cそのもの。NECが目指してきた中心にSDNが位置している。当然NECがチャレンジし ないといけない分野だ。

 この会場では、「NECはなぜOpenFlow対応機器をいち早く市場に出せたのか」と質問される。他社から奇抜なアイデアに、わけも分からず投資した と思われている。しかし我々は、長い通信の歴史観からOpenFlow、SDNに飛び込んだ。

 NECは通信からスタートした会社であり、通信の長い歴史を背負っている。手動交換器からステップバイステップ交換器、クロスバ交換器、電子交換機、デ ジタル交換機、IPスイッチ/イーサネットスイッチと、これらはほぼ20年ごとに世代交代している。この20年間はIPが中心にあったが、そろそろ次の技 術に移る時期と考えていた。その点でOpenFlow、SDNは新たなイノベーションが始まったと確信した。我々としては、当然投資をしてマーケットを作 り、リーディングポジションを取るべく行動してきた。

 SDNは、IPそのものを置き換える技術ではなく、IPのハンドリングの仕方を変える仕組みだ。自立分散型のルーターから、外部から集中制御する形にな る。クラウドサービスなど新しい動きの中で、ネットワークを運用管理する負担が日に日に高まっていた。このような状況を開放できる。間違いなく大きな変革 だ。

 このSDNの市場には、これまでの通信市場の枠を超えた様々なプレーヤーが集まってきている。異質なプレーヤーが集まってくるとイノベーションが起こり やすい。SDNは従来のネットワーク以上の存在になってくるだろう。

 もっとも我々がこの市場にいち早く飛び込めたのは、世界的にみれば、既存のルーター、スイッチ製品の市場においてメジャーベンダーではなく、失うものが 少なかったという側面もある。
SDNは、これまで統合化されていたスイッチのハードとコントロール機能を分離する。メインフレームからPCへの変化で起きたように、それぞれのレイヤー で競争が加速し、機器のコモディティー化も進むのではないか。

 SDNは、通信機器のPC化ではなくオープン化と考えるべき。スイッチとコントロールのアンバンドル化が基本だ。それぞれの分野に得意なプレーヤーが切 磋琢磨して業界を進化させていくだろう。 まずNECとしては、この分野で強いブランドを確立することが第一だと考えている。仮にコモディティー化が進んだとしても、我々は負けるとは思っていな い。この分野でNECブランドを確立した上で、台湾ベンダーにアウトソースして、ブランドの力を生かしてコスト競争力のある製品を売っていく道もある。

 とはいえSDNはまだ市場が立ち上がったばかりであり、これからますます発展する。コモディティー化以外にも様々なビジネスの可能性があり、NECの強 みを生かせる分野にまずは集中する。例えば、OpenFlowと従来のスイッチの機能を兼ね備えた機器が当面は市場で求められる。それをつかむのが第一 だ。

 さらに通信事業者がSDNを採用していく中で、キャリアグレードの信頼性を持った機器が要求される。このような分野はキャリアグレードの製品を作ってき たNECのようなベンダーに強みがある。

SDN市場は、今後どのくらい伸びると予測しているのか。

 今のネットワーク市場は、いつの日かすべてSDNになるだろう。しかしそれがいつになるのかは、誰にも分からない。部分的には切り替わっていくが、長け れば10年近く、今あるネットワークが償却されずに使われるだろう。

 ただ私の希望的観測では、急激にSDNの市場が立ち上がると考えている。前回のONSが2011年10月で、今回のONSが2012年4月。(ネット ワーク技術の総合展示会である)Interopなどは1年に1度だが、SDNは半年に1回のペースでやらないと追いつかないほど、従来とはスピード観が違 う。これまで5年かかっていたことが2年半で進むと考えるべきだ。それを考えるとSDNは相当早く普及するだろう。私は5年以内に少なくとも数兆円の規模 のマーケットが登場すると考える。

 これまではSDNのマーケットをどうやって作っていくのかという点も考えていた。しかし今回のONS2012の盛り上がりを見ると、既にマーケットが生 まれ、どんどん自走を始めた印象だ。あとはこの市場でどうやって勝つのかだ。今は重要な局面にある。

一方で今回のONS2012では、米グーグルが自分でOpenFlow対応機器を作り、SDNをほぼ自力で構築したという驚くべき発表があった。最も機器 を購入する可能性があったプレーヤーが、ベンダーやインテグレータを飛ばして機器を自作するということは、マーケットにとって痛手ではないか。

 グーグルはサーバーも自分で作っている。当然、SDNのようなパラダイムシフトにおいては自分でも機器を作るだろう。我々としてはなんの驚きもなかっ た。

 ただグーグルほど、実際のキャッシュを持って人を集められる企業は少ない。レアケースだ。グローバルで見た場合、グーグルを抜きにしても膨大なマーケッ トがあり、チャンスはいくらでもある。

今後のSDN市場への攻め方は。

 OpenFlow対応ハード、ソフトの販売以外にも、構築やサービスとしての事業、一連のビジネスモデルを全部やる。そこにNECの事業を集約してき た。NECの事業は今後、SDNを中心に回ると言っていい。  幸いなことに、我々はSDN市場で先を進んでいる。いろんな情報が集まってくる立場にあり、製品計画、ストラテジーを考える上で有利なポジションにあ る。このポジションを生かしていきたい。

5.モビネクトが公衆無線LAN使うプッシュサービスを説明、総務省無線LAN研究 会第2回会合(4.16 nikkeibp)
 総務省の無線LANビジネス研究会は2012年4月16日、第2回会合を開催した(関連記事1)。今回はNTTドコモとケイ・オプティコム、JR東日本 メカトロニクス(関連記事2)、モビネクトの4社が、公衆無線LAN事業への取り組みについてプレゼンテーションを行った。

 2011年創立で、公衆無線LANサービス用アクセスポイント(AP)の設置運営を手がけるモビネクトは、無線LAN対応端末向けに情報をプッシュ配信 できるサービスを、2012年の夏から提供すると説明した。同社が提供するSDKを使って作成したプッシュ配信対応アプリを、スマートフォンなどの無線 LAN対応機器で動作させると、同社のAPのエリア内に入った端末にプッシュで様々な情報を配信できる。

 APの位置にひも付けて情報を配信できるので、サイネージや位置連動型のゲーム用途で活用できると同社では考えている。またプッシュ配信の特徴を生かし て、災害時に避難情報などを地域別に出し分けるなどの用途にも利用できるという。



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