週間情報通信ニュースインデックスno.851 2012/03/24

1.戦わなかったのか? 戦い方を間違えたのか?(3.23  nikkeibp)
宮田 秀明
 三菱重工神戸造船所が消える。かつての横浜造船所は「みなとみらい」に変わって久しい。IHIの豊洲の造船所も相生の造船所も今は無い。日本の造船業の 凋落傾向は静かに進行して、今はとめようがないぐらいだ。

 退潮傾向が止まらない日本造船業界が2000年、技術開発面における大きな方向性を獲得するため、日本造船工業会の中に造船技術戦略会議を設けた。私が 議長を務めた。初めて韓国にシェア首位の座を明け渡した翌年のことだった。

 同戦略会議において、たくさんの技術戦略を提示した。しかし、造船工業会の技術委員会、つまり造船大手企業のCTO(チーフ・テクノロジー・オフィ サー)の集団は、議長である私にこう言った。

 「先生のおっしゃることはよく分かります。でも私たちには力がありません」

 戦線を離脱してしまったのだ。戦いに臨むことを拒否したのだ。その後どうなるかは自明だった。造船業は景気変動が激しい産業なので、その直後に一瞬良い 局面が見えたことがあった。しかし、転落への大きな流れは誰にもとめられなくなっていた。

 企業にとって、戦いのかなりの部分は、新しいビジネスモデルまたは新しい商品モデルの創造に挑戦することだ。生産性の向上も大切ではあるが、それだけで 競争に勝てた例はほとんどないと言っていい。

 赤字企業が増えたエレクトロニクス産業界は本当に戦ってきたのだろうか。日産自動車が一人勝ちしているものの、全体に精彩のない自動車産業界はどうなの か。日本企業は今、本当に戦っているのだろうか。優れた経営者がいて、優れた社員がいるはずなのに、韓国企業の後塵を拝するシーンが増えている。韓国企業 に負けているのは「戦う心」ではないのだろうか。

 創造に挑戦すると、責任とリスクが必ず発生する。それを、自分が背負わなければならなくなる。これは大変なことだ。しかし、責任とリスクを取って創造に 挑戦し、成果を上げた時の喜びは人生最高のものになるだろう。

東北の復興に必要なのも「戦う心」

 東北の復興に必要なのも「戦う心」だと思う。この1年間、復興は遅々として進んでいない。あるビジネス誌は復興プロジェクトの問題点を厳しく指摘する特 集号を出した。この特集に誇張はないと思う。むしろ、もっと好ましくない事がたくさんあると言った方がいいかもしれない。

 国と県と市町村の関係はほとんど絶望的なぐらいだ。グランドデザインがないまま、巨額の復興予算を流すので、たくさんの無駄が発生している。国や県が、 復興に関してだけは「地方分権」とか「被災市町村の主体的なプランに任せる」と言う。これは無責任だ。被災した市町村に、復興という難しいプロジェクトの 企画立案から実行までを遂行する能力はない。私たちの東日本未来都市研究会のような団体が気仙地域に対して色々なプランを作成しても、国→県→市町への予 算の流れ、評価・審査の流れの中で様々な障害が発生している。一種の伝言ゲームになって、国の意図が県に正しく伝わらない。市町に間違った方針が示された りする。堤防の高さについて、国や県が一方的に決めたように理解している市町もある。

「絆」だけで復興は成功しない
 「絆」という言葉がはやっているようだ。絆は一種の精神インフラとして大切だが、皆が仲良くしても、気持ちをつなげても、復興が成功するわけではない。
 復興は難しいプロジェクトである。戦争のようなものだ。絆で戦争に勝つことはできない。「戦う気持ち」をたくさんの人が持って、本当に戦わなければなら ない。東北の復興も、日本の産業の復興も、一種の戦争に挑むような気持ちと行動で挑まなければならないと思う。

 極論すれば、復興プロジェクトの中で、戦う気持ちが最も希薄なのは国と県のリーダーだと思う。例えば、第3次補正予算の復興一括交付金の事業リストを見 ると、彼らは復興のために何をすればいいか分かっていないのではないかと思う。日本の産業が退潮している大きな原因は、戦う気持ちの弱い経営者にあると思 う。そうではないと思う方がいるかもしれないが、一歩引いて客観的に見てみれば、その傾向は誰も否定できないだろう。一般的に組織の力が落ちる時はまず トップの力の弱さから始まることが多い。

2.無線LAN混雑緩和も議題に、総務省の「無線LANビジネス研究会」第1回会合 (3.23 nikkeibp)
 総務省は2012年3月23日、無線LANビジネス研究会の第1回会合を開催した。この研究会は無線LANに関する現状の整理と、安心安全な利用や普及 に関する課題の抽出・整理、必要な方策の検討を目的としている。

 第1回会合では、総務省がまず概要を説明。次に、無線LANを使ったビジネスを展開するNTTブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)、 KDDI、ワイヤレスゲートの3社がプレゼンテーションを実施。その後、質疑応答となった。

 各社のプレゼン内容は以下のようなものだった。NTTBPは、同社が進めている共用型の無線LANアクセスポイント(AP)の卸ビジネスを紹介。同社の 設備ではマルチSSID、マルチVLAN、マルチ認証サーバーを用いて、同一のインフラを用いて複数の事業者がサービス可能だ。この設備を用いてNTT東 西、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズというNTTグループ4社に加え、他の通信事業者やサービスプロバイダーもサービスを展開している。 2011年9月現在の同社のAP数は1万局だが、スマートフォンの浸透によってトラフィックが急増し、オフロードのニーズが高まっていることから、 2012年9月には3万局、2013年3月までに10万局に増やす計画とした。

 KDDIは、トラフィック急増によってオフロードの推進が経営課題になっていることから、無線LANサービス「au Wi-Fi spot」を拡充している取り組みを紹介。総務省調べでモバイルトラフィックは1年で2.2倍に増えているが、同社ではそれを上回る3倍の伸びを示してい るという。同社は、通信の品質をエリアごとに解析できる「品質情報解析システム」を持っており、このシステムを利用して混雑個所に重点的にAPを設置して いる。例えば宅内にAPを設置した場合、3Gの通信量の約40%が無線LANにオフロードされる効果も明らかにした。

 さらにKDDIは無線LANを接続しやすくする別の取り組みとして、同社が採用するAPはビームフォーミングに対応しているのでエリアの隅々まで電波を 届けやすいこと、端末側で電波強度に応じて無線LANと3Gを切り替えられるアプリケーションを採用していることなどを紹介した。

 ワイヤレスゲートは、自社でスポットを展開せず、他社から調達したインフラをアグリゲーションして提供している同社のサービスを紹介。ほかの携帯電話事 業者が無料で公衆無線LANサービスを急速に拡充するなか、同社のサービスで有料会員は2011年に30万人に達したという。

「本当にこのままで無線LANは大丈夫なのか」
 3社のプレゼン内容からは急速に無線LANのニーズが増し、提供形態も多様化していることが分かった。その一方で「膨大な数のAP、端末が増えていくな か、このままで無線LANは本当に大丈夫なのか。無線LANが混雑することによってつながりにくいケースも出てきている。健全な発展のためには何が必要 か」(座長を務める森川博之東京大学先端科学技術センター教授)という指摘があった。

 この点についてNTTBPの小林忠男社長は、「確かに新宿・歌舞伎町などでは、2.4GHz帯の無線LANの電波が60〜70くらい見える状況になって いる。干渉を抑えるためには、きめ細やかなチャネル配置、5GHz帯への移行を進める必要がある」とした。なおNTTBPやKDDIのインフラ設備は既に 5GHz帯に対応済み。ただし5GHz帯に対応した端末は、GALAXY SやiPadなど一部にとどまっているという。

 無線LANはアンライセンスバンドであるため、混雑の根本的な解決は難しそうだが、このような現状について今後の会合でも議題となっていきそうだ。
 研究会は今後、5月頭まで関係者へのヒアリングを行い、5月後半に論点整理、7月半ばに報告書を出すスケジュールとなっている。

3.2月の国内PC出荷は21.3%増で100万台突破、JEITA調査(3.23  nikkeibp)
 電子情報技術産業協会(JEITA)は2012年3月22日、2月の国内パソコン出荷台数が前年同期比21.3%増の101万7000台だったと発表し た。20%超の大幅増加は昨年7月(26.5%)以来となる。

 内訳は、デスクトップ型が同19.2%増の30万5000台、ノート型が同22.2%増の71万2000台。2月に100万台を突破したのは、現在の集 計方法になった2007年度以降で初めて。

 法人向けはリプレース需要が引き続き活発で、個人向けは各社が新製品を投入したことが影響した。ノート型の比率は、これまでと同水準の70.0%で推移 している。

 出荷金額は同10.3%増の762億円で、7カ月ぶりにプラス成長に転じた。うちデスクトップ型が同5.6%増の239億円、ノート型が同12.7%増 の523億円だった。

4.NECが米BSSベンダーを買収、OSS/BSS統合ソリューションで海外事業 拡大(3.22 nikkeibp)
 NECは2012年3月22日、通信事業者向けビジネス支援システム(BSS)ベンダーである米コンバージズを買収すると発表した。買収金額は約4億 5000万米ドル(約375億円)。2012年4〜6月期に買収を完了する。

 NECはBSSベンダーを傘下に収めることで、海外の通信事業者向け事業の拡大を狙う。同社は2008年6月に運用支援システム(OSS)ベンダーの米 ネットクラッカー・テクノロジーを買収している。遠藤信博社長(写真1)は「OSSとBSSを統合した『次世代OSS/BSS』に関するニーズが高い」と する。両者の既存ユーザーに対してクロスセルを仕掛けるとともに、OSS/BSSを統合した新しいソリューションを開発する計画だ。

 コンバージズはネットクラッカーの一部門となる。両者を統合した2012年度の売上高は5億米ドル(約416億円)を見込む。2016年度には売上高 10億米ドルを目標とする。また、現在のコンバージズのBSS市場でのシェアは5%、ネットクラッカーのOSS市場でのシェアは9%だが、2016年には OSS/BSSを合計した市場でシェア10%を目指す。

 OSS/BSS領域については、スウェーデンのエリクソンが2011年6月にOSS/BSSベンダーの米テルコーディア・テクノロジーズを買収するなど 海外でも動きが活発だ。同社はアウトソーシングサービスも請け負うなど、通信機器からOSS/BSS、運用サービスまで通信事業に必要な要素をまとめて提 供している。今回のNECによるコンバージズの買収も、そうした通信機器メーカーを取り巻く流れの一つと見られる。

5.Twitterが6周年、アクティブユーザーは1億4000万人超(3.22  nikkeibp)
 米Twitterは現地時間2012年3月21日、同社のミニブログサービス「Twitter」が6周年を迎えたことを発表するとともに、 Twitterの利用状況に関するデータを紹介した。現在、アクティブユーザーは1億4000万人を超え、1日平均3億4000万件のコメント(ツイー ト)が投稿されているという。

 6年前に同社共同設立者兼会長のJack Dorsey氏が最初のツイートを投稿し、Twitterが誕生した。当時はサービス名を「twttr」と綴り、「Just setting up my twttr(たった今自分のtwttrを設定)」とつぶやいている。5周年を目前にした2011年2月の時点で1日当たりのツイートは1億4000万件と なり、2011年9月にアクティブユーザーが1億人に達した。

 累計ツイートが最初に10億件に達するのに3年2カ月と1日かかったが、今ではわずか3日で10億ツイートが投稿される。Twitterは6周年を祝う 公式ブログの投稿記事で、「2006年3月にJackがはじめてアイデアをスケッチに描いたとき、誰もこの新たなコミュニケーションツールが飛躍的に普及 するとは予想していなかった」と記述している。

 米メディアの報道(USA TODAY)によると、Twitterはサービス開始から18カ月で50万人が登録し、現在のアカウント登録数は5億人にのぼる。米eMarketerの 調査分析では、Twitterの広告収入は現在の推定2億6000万ドルから2014年には5億4000万ドルに拡大すると見ている。



 ホームページへ