週間情報通信ニュースインデックスno.849 2012/03/10

1.ビッグ・データを使った斬新な経営モデルを探れ(3.8  nikkeibp)
 最近は、コンビニやガソリンスタンドなどで、ポイントカードを持っているかと聞かれることが多い。特にTポイントとPontaの二つのカードがよく普及 しているようだ。
 どちらも4000万 人ぐらいの会員がいるという。

重要なのはポイントカードが持つ情報価値の威力
 ポイントカードが重要なのは購買促進効果よりも、ポイントカードのシステムが持っている情報価値の威力である。カードを通じて蓄積される膨大な情報 (ビッグ・データ)を分析することで、お店やメーカーは貴重な情報を集めることができるのだ。

 ポイントカードに加入するため、消費者は住所・年齢・生年月日・メールアドレスなどを記入する。これらの情報がカード会員すべてについて蓄積され、そし て店でカードを使うごとにその情報がリアルタイムで蓄積される。どのような人が、どの店で、どの時間帯に、何を購入したのかが、膨大な情報として蓄積され ていくのだ。この情報の利用価値は大きい。

店もメーカーも消費行動パターンを分析できる
 たとえば、コンビニを例に考えてみよう。コンビニには次々と新製品が入ってくる。ソフトドリンクだけを見ても、次々に新製品が出てきては消えていく。そ うした商品の販売動向を分析することは、コンビニにとって重要な意味を持つ。

 これまでもレジでのPOSデータを利用すれば、どの商品がどのような時間帯で売れているのかはすぐに把握できた。ただ、誰がどのような購入の仕方をして いるのかということになると、POSデータだけでは限界がある。

 たとえば、ある商品を購入した人がどのような年齢層なのか、男性と女性のどちらが多いのか、そしてその商品を購入した人は最近何をその店で購入している のか。こうした情報も、ポイントカードで購入した客であれば簡単に集めることができる。

 コンビニに来る客の大半はリピーターである。リピーターの特性(年齢や住所など)、あるいは彼らの消費行動のパターンを知ることができれば、コンビニは 店での品揃えや販売促進に活用することができるはずだ。

 ポイントカードの情報を活用できるのは、店だけではない。メーカーにとっても、ポイントカードの情報を活用できることのメリットは大きいだろう。特定の 商品についてどのような層の消費者が購入しているのか、ポイントカードの情報が利用できれば短時間でその結果を得ることができる。

 情報技術の低コスト化が新たなビジネスモデルを生む
 以前にも増してデータベースを積極的に活用する事例が増えているが、その大きな理由は情報技術や情報機器の低廉化である。

 情報技術の世界では、三つの方向で、驚異的なスピードで機能の向上とコストの低廉化が進んでいる。半導体の演算能力の向上、情報通信スピードと容量の拡 大、そして情報を蓄積するストレージの能力向上と低廉化である。より低コストでより多くの情報を、より速く処理し、伝え、そして蓄積することができるよう になってきた。

 アマゾン・ドット・コムやグーグルの成功は、クラウド・コンピューティングの技術なしには語れないが、それよりも、より多くの情報がやり取りでき、そし て低コストで多くの情報を蓄積することができるようになったことが大きい。

 製造現場をはじめ流通・金融・医療・教育などのあらゆる分野で、情報システムを高度に活用するビジネスモデルが構築されている。こうした流れをきちっと 見極め、それに乗るビジネスモデルを構築していくことが求められる。情報技術の低廉化と能力拡大は、これまで難しいと考えられてきたビジネスモデルを可能 にしている。

 クラウドを活用した定額の音楽配信サービスや膨大な書籍のネット販売を実現するだけでなく、電子ブックで飛躍的な拡大を続けるアマゾンの展開、スマート フォンの普及で実現するインターネットと通信機器の融合など、私たちの周りの世界は急速に変化している。こうした変化は、旧来のあらゆる分野で変化を促し ているのだ。


情報システムを核としたビジネスモデルの構築を
 市場が成熟し、技術の普及が進めば、他社とは際立って違う製品やサービスを提供することは難しくなる。特殊な技術を持って特殊な製品を生産するメーカー なら別だが、多くの企業はライバル企業と似通った製品やサービスで競争を強いられる。コスト競争だけになれば、韓国勢や中国勢の方が有利にもなる。

 こうした環境では、他社に先駆けた優れたビジネスモデルを構築していくことが必須となる。アップルもユニクロもそうだが、優れた業績を上げるところには 必ず特徴あるビジネスモデルが存在する。

 優れたビジネスモデルは、ただ頭をひねって、議論を重ねれば出てくるものではない。それも重要だが、優れたビジネスモデルを作り出す王道があるはずだ。 それは世の中の変化の流れを利用するということだ。他社に先駆けて優れたビジネスモデルを構築するためには、世の中の流れをうまく活用することが重要とな る。

 アジアの成長と発展、電力不足と省エネのニーズの高まり、高齢化など、社会を大きく変える要因は多くある。こうした変化に対応できるビジネスモデルを構 築することが市場を拡大することになる。

2.ガートナーがCIO向けコンサルタント増員、元ソニーCIO長谷島氏など(3. 9 nikkeibp)
 ガートナージャパンは2012年3月9日、日本を含む北アジアのCIO(最高情報責任者)向けサービスを強化すると発表した。CIOを対象にコンサル ティングサービスを提供するエグゼクティブプログラム(EXP)部門の人員を増やす。元ソニーCIOの長谷島眞時氏とアステラス製薬でコーポレートIT部 長を務めていた重富俊二氏を新たに迎えた(写真1、写真2)。

 EXPは全世界で約4000人の会員を抱えるCIO向けサービス組織。長谷島氏らは日本を含む北アジアの会員に対するコンサルティングを担当していく。 例えば、会員と一緒になって目標を設定し、定期的に意見交換する。また、他社CIOと情報交換できる場も設ける。これまで国内に常駐する専任のコンサルタ ントは1人だったが、長谷島氏と重富氏が加わり3人となった。

 ガートナージャパンの日高信彦代表取締役社長は「大変革の時期に、CIOに向けてより強い支援体制を整えることが重要と判断した」と述べた(写真3)。 2012年3月1日付でEXP部門のグループバイスプレジデント兼エグゼクティブパートナーに就いた長谷島氏は「(ソニーでの)経験を通じて、CIOが答 えを出すプロセスを手伝いたい」と語った。

3.新型iPad、実機を試して分かった使い勝手とその実力 高精細ディスプレイを備え音声認識にも対応(3.9 nikkeibp)
 米アップルは2012年3月7日(現地時間)、タブレット型端末「iPad」の新製品を発表した。最大の特徴は、画面の解像度を従来機種よりも高めて 2048×1536ドットとしたこと。従来機種iPad 2の1024×768ドットと比べて高精細な表示ができるようになった。画面サイズは9.7型で従来と同じ。プロセッサーは新開発の「A5X」を搭載。 デュアルコアCPUに加えて4つのグラフィックスコアを内蔵し、描画処理の性能を高めた。背面のカメラは500万画素のセンサーを備える。

 iOSは5.1にバージョンアップし、音声認識によるテキスト入力機能を搭載する。本体サイズは幅185.7×高さ241.2×厚さ9.4mm。重量は Wi-Fiモデルが652gで、携帯電話の通信機能を搭載したモデルで662g。バッテリー駆動時間はiPad 2と同じ10時間で、携帯電話の通信機能を使う場合は9時間となる。

 日本での価格は、Wi-Fiモデルの16GBモデルが4万2800円、32GBモデルが5万800円、64GBモデルが5万8800円。携帯電話の通信 機能を搭載したモデルは16GBモデルが5万3800円、32GBモデルが6万1800円、64GBモデルが6万9800円となる。

 アップルは日本国内で新型iPadをお披露目する説明会を開催した。ここで展示された実機に触って分かった新型iPadの実力に迫ってみよう。
 外観は従来機種のiPad 2とほぼ同じ。いきなり手渡されたとしたら、一体どちらなのかまず分からないだろう。本体前面の下部にはボタンが付いており、上部にはテレビ電話の FaceTimeで使うカメラを搭載している。つまり、基本的な使い勝手も従来を踏襲しているわけだ。

 幅と高さはiPad 2と全く同じだが、厚さだけはiPad 2の8.8mmよりも若干厚くなり9.4mmとなった。重量は約50g重くなった。このあたりは、高解像度のディスプレイや高機能なCPUを搭載している ことで性能の向上を図っているだけに仕方のないところか。ただ、実際に手に持ってみると厚さや重さが増したという感覚はなく、気軽に持ち歩いて使えそう だ。

 同様の高精細ディスプレイは既にiPhone 4/4Sにも採用されている。これら高解像度の製品をしばらく使ったあとで古いiPhoneを見ると「やはり解像度が高いほうが見やすい」と感じる人は多 かった。長く使っていくと、新型iPadでも同様の感覚が得られるはずだ。

500万画素カメラで写真やビデオが高精細に

 新型iPadの本体背面に付いているメインカメラは500万画素のセンサーを採用し、1080p(1920×1080ドット)の動画撮影に対応した。従 来のiPad 2はカメラの画素数は未公開で、動画は720p(1280×720ドット)だった。新型iPadの場合、アップルがWebページで公開している画像サンプ ルを見ると2592×1936ドットだった。iPad 2は静止画の解像度が960×720ドットと低いことが弱点だったので、この点の改善は歓迎できる。

音声認識機能にも対応

 新型iPadは音声入力の機能も搭載し、メールや検索キーワードの入力などで利用できるようになった。キーボードを開くと、左下にマイクの形をしたアイ コンがある。ここをクリックすると、アイコンが上に飛び出て紫色に光る。この状態で本体上部にあるマイクに向かって話す。話し終わって数秒待つと、その文 字が自動的に入力される。展示会場の内部は少し周囲の雑音が大きかったため、複雑な文字の認識は難しかったが、「こんにちは」程度の短い単語であれば、問 題なく認識できた。

4.NEC、ユーザー切り替え対応の業務用Androidタブレット(3.6  nikkeibp)
 NECは2012年3月5日、幅広いカスタマイズに対応した業務用の「タブレット型パネルコンピュータ」を発売した。Android 2.3を搭載した10.1型画面のタブレット型で、持ち運び業務端末のニーズに応える。販売価格は9万3450円から。

 複数のユーザーで利用することを想定しており、ユーザーごとに使えるアプリケーションや端末内データの権限を設定できる。NFC対応のカードをかざすこ となどで簡単に利用環境の切り替えができる。

 クレードルや周辺機器と合わせて簡易POSレジやIP電話・Web会議などのコミュニケーション端末などにも利用可能。受発注・接客などの店舗業務、工 場・倉庫の在庫管理、介護・医療などに対応する。

 IEEE802.11a/b/g/n無線LANに対応し、複数の無線LANアクセスポイント間をスムーズに移行する「無線LANハンドオーバー機能」を 搭載。使用状況を簡単に確認できるメンテナンス向け機能を備える。

5. 『Windows 8』がiOSとAndroidより優れる5つのポイント(3.5 nikkeibp)
 米Microsoft社はバルセロナで2月29日(現地時間)、『Windows 8』の「コンシューマー・プレビュー版」を発表した。これによって同社は新しいOSを垣間見せただけでなく、タッチ操作ユーザー・インターフェイス (UI)のデザインで他社をリードする可能性を示した。

この新しいタブレット用UIは便利なだけではなく、革新的かつクールであり、『iOS』や『Android』が現在提供する体験を上回る点が多い。以下、 すぐれたポイントを5つ紹介しよう。

画像とジェスチャーによるパスワード
ロック画面では、写真を選択してからその写真上で3種類のジェスチャー操作を行うと、デバイスのロックが解除される。

スワイプでアプリを移動
Android 4.0では『Recent Apps』(最近使用したアプリ)を表示する機能が追加されており、システムバーのアイコンをクリックすると、最もよく使用しているアプリのリストが現れ るようになっている。だが、開いているアプリを切り替える動作は、Windows 8の方がはるかに直感的で簡単だ。デバイスの左端から指を滑らせると、最後に使用したアプリがすぐに表示されるのだ(そのアプリがマルチタスキング状態で まだ開かれている場合)。

他要素のない、フルスクリーンでの表示
Windows 8では、メニューバー、タスクバー、それに操作ボタンがディスプレイ上に常に表示されることはない。
アプリは、画面全体に表示しておくことができる。写真やビデオを表示する場合には特にうれしい特徴だ。

ホームスクリーンの「ライブタイル」
Windows 8では、アプリのアイコンが正方形または長方形の「ライブタイル(Live Tile)」になっている。これらのライブタイルは、Androidのウィジェットと同じように、新しい情報でリアルタイム更新されていく(例えば、メー ルアプリのタイルは、新着メッセージのヘッダー情報で常に更新される。)。Androidの場合は各ウィジェットの見た目と操作が統一されていないという 問題があるが、Windows 8の場合は、すべてのタイルが基本的に統一されていることが評価できる。


3サイズから選べるキーボード
キーボードは分割して表示され、3つのキーサイズから選択できる。
 


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