週間情報通信ニュースインデックスno.848 2012/03/03

1.エルピーダ破綻、「攻めの姿勢」が貫けない日本の経営者(3.1  nikkeibp)
 半導体のDRAMで世界第3位のエルピーダメモリが2月27日、会社更生法の適用を申請し、経営破綻した。負債総額は約4480億円と言 われ、製造業では過去最大となった。
チャレンジしなくなった日本の経営者たち
 日本の大手電機メーカーの業績は総崩れの状況にあるが、それとエルピーダの経営破綻の背景には同じ構図がある。
 アメリカもヨーロッパも先進国は高成長の時代が終わり、特に日本は「失われた20年」と言われ、長い停滞期が続いている。

 そんな状況では、日本の経営者は「博打(ばくち)」が打てなくなった。危険を覚悟して思い切ってやってみることができなくなったという意味だが、言葉を 変えれば、「チャレンジ」しなくなったのである。  エルピーダの経営破綻は、韓国のサムスン電子に完敗した格好だ。1980年代には半導体メモリーの生産で、日本は世界シェアの8割を握り、最も勢いが あった。それなのに、なぜこうなってしまったのか。

なぜサムスン電子に敗れたのか
 一つには、日本の電機大手が作っていた半導体メモリーは主に自社製品に使用するためだったことが挙げられる。
 それは液晶パネルの生産でも同じだ。シャープはかつて世界一の液晶パネルメーカーだったが、自社製のテレビに使用する目的で生産していた。一方、サムス ンは液晶テレビメーカーであると同時に液晶パネルメーカーでもあって、世界中で液晶パネルを売っていた。

 つまり、半導体メモリーも液晶パネルも、この手の部品は生産の規模を拡大してコストダウンを図らなければならない。エルピーダはそれができずに世界競争 に負けたのである。
 事業展開が遅すぎたことも一因だ。日本の半導体メモリーはもともと主に大型コンピューター向けに作られた。ところがその後、パソコンが普及したにもかか わらず、パソコン向け半導体メモリーへの切り替えが遅れた。
 さらに、韓国企業のスケールの大きさもある。サムスンの2011年売上高は約11兆円で韓国の国内総生産(GDP)の15%を占めると言われる。純利益 は9000億円にも達している。

投資の規模とスピードで韓国に遅れをとる
 そんなサムスンに対して、パナソニックの売上高は5.5兆円ほどだから、サムスンの2分の1の規模だ。純損益にいたっては、パナソニックの2012年3 月期は過去最大の7800億円の赤字になるという。ソニーも同様に2200億円の赤字になる見通しと発表している。

 サムスンがグローバル企業になるきっかけは、1997年のアジア通貨危機で韓国が経済危機に陥ったことだった。韓国政府は企業の統合整理を行い、効率的 な経営でグローバル企業の育成を行った。公的資金を投入されたサムスンもよみがえり、強力な世界的な企業に生まれ変わったのである。

 企業の経営者は「これは」と見込んだら、資本を集中的に投入し、短期間で勝負に出る、そして次の事業へと取り組まなければ、勝てないのだ。

京都の企業は「人財」を育てる
 京都にある企業はおおむね業績がよく、世界で大きなシェアを握っていると言われる。なぜだろうか。
 彼らはよく「共生」という言葉を使う。「共生」とは、他の企業の足を引っ張らない、他の企業のじゃまをしないということで、そのために他企業のマネをし ない。つまり、京都の企業にとって大切なのはオリジナリティーなのだ。

 彼らは社員の教育に熱心である。入社してきた「人材」を「人財」にするために力を注いでいる。材料の「材」ではなく、財産の「財」にするには5年かかる そうだ。
 大切なのは、基本を教えてからチャレンジさせること。チャレンジさせると最初のうちは99%失敗する。失敗して、初めて自分の頭で考えるようになる。そ して再びチャレンジさせると、「この前はここで失敗した。今度はどうすればよいか」と考えるようになる。

 京都の企業は、自分の頭でものを考える人間を育てているのである。ところが日本の多くの企業では、「失敗しないのが偉くなる道」になっているのではない か。それでは個性とチャレンジ精神のある「人財」は失われる。  チャレンジできる経営者、チャレンジできる社員を育てることこそがオリジナリティーの源になる。これが重要なのだ。

エルピーダと同じことがほかの企業でも起こる
 高度成長期の経営者にはチャレンジ精神があった。その後、景気の低迷が長引くうちに、「攻めの経営者」が「守りの経営者」に変わってしまった。
 グローバル化が急激に進展しているいまこそ、「攻めの経営」や「一発勝負」をしなければならない場面もあるはずだ。守りに入った経営者は、世界から取り 残されていく。

2.2013年には次世代通信のLTE-Advancedが商用化、エリクソンイン タビュー(3.2 nikkeibp)
 世界におけるLTEサービスの広がりをどう見ているか。
 LTEの利用者の中で、スマートフォンユーザーが増大しています。我々がカバーしている世界のLTEユーザーは2億5000万人です。そのうち北米が 75%です。続いて韓国が大きな比率を占めています。日本はまだ少なく何十万人という段階でしょう。ただ、今後日本のLTE市場は爆発的に広がっていくと 見ています。

LTE関連の製品を開発する上でどんな新技術に取り組んでいるか。

 LTEの無線通信を使い、多数のユーザーに動画などを同時配信するeMBMS(evolved multimedia broadcast multicast service)と呼ばれる技術があります。WMCの会場では、米クアルコムと共同で開発したeMBMSのデモを展示しています。

 eMBMSを使うことで、複数のユーザーが同じコンテンツを同時に見るときに通信の混雑を抑止できます。主に3つの用途が考えられます。1つはニュース 番組などのライブ放送です。2つ目は映画などのビデオ配信。システム上で受信状況をモニターし、人気のあるコンテンツは複数回配信するといった運用ができ ます。3つ目はコンサート会場の中など限られた場所で配信する使い方です。

 LTEのネットワーク上で音声データを送信するVoLTE(voice over LTE)にも取り組んでいます。IP化されたLTEのネットワーク上で音声を送信することで、従来の回線交換方式と比べて、音質が高まる、接続までの時間 が短縮できる、運用しやすいといったメリットがあります。ただ、現在はLTEのサービスが始まったばかりで、カバーエリアは狭い状況です。そこで、現在は 音声通話をする際には3G(第3世代携帯電話)の網に接続するCSフォールバック(circuit switched fallback)という方式が使われています。

 そこから一歩進んだ技術として、LTEのエリア内ではLTEで音声通話を実現し、通話しながら3Gだけで接続できるエリアに移動した場合は、自動的に 3Gネットワーク上への音声通話に切り替えるSRVCC(single radio voice call continuity)いう技術の製品開発に取り組んでいます。こちらは、2014年頃から本格的に普及するでしょう。

LTEにはTD-LTEとFDD-LTEの2種類があり、2つの方式が混在している。

 両者は送信に使う電波を時間で分割するか、周波数で分割するかという違いはありますが、基本となる技術は同じです。ほとんどはソフトウエアの変更でカ バーでき、95%は同じシステムで構築できます。ただ、個人的にはFDD-LTEのほうが世界の中で大きな比率になるのではと考えています。

LTEよりも高速なLTE-Advancedについてはどのように開発を進めているか。

 1.6Gbpsの速度を実現することを目指して開発を進めています。2011年夏にはストックホルムで1Gbpsの通信テストを実施しました。周波数は 20MHz幅を3本使いました。LTE-Advancedは広い帯域が必要なので、各国で通信事業者が周波数帯を確保する必要があります。その準備を進め ることができるか、端末の開発がどれだけ進むのかという問題はありますが、2013年の前半にはテストが開始され、同年の後半に商用化されるのではないか と見ています。

3.LibreOfficeに移行した会津若松市、導入の際の問題と対策を公開 (3.2 nikkeibp)
 会津若松市は2012年3月2日、LibreOffice導入に当たって発生した問題とその対策、および導入までの経過を公開した。同市はオープンソー スのオフィスソフトであるOpenOffice.orgを利用していたが、2012年2月にその派生ソフトであるLibreOfficeに移行した。

 LibreOfficeは、OpenOffice.orgを開発していた米Sun Microsystemsが米Oracleに買収されたことをきっかけに、OpenOffice.org開発メンバーが設立した「Document Foundation」が開発しているオープンソースのオフィスソフト。会津若松市ではLibreOfficeのほうが、ソフトの改良のスピードが高く、 Microsoft Officeとの互換性も高いと判断した。

4.KDDIとローソンが提携、無線LANスポット構築やNFCの共同実験など (2.29 nikkeibp)
 ローソンとKDDIは2012年2月29日、ローソングループの店舗における無線LANスポットの構築など、共同ビジネスの展開に関して提携すると発表 した。スマートフォン時代におけるユーザーの利便性向上を目的としている。

 協業内容として「ローソン店舗への無線LANスポット設置」「au スマートパスを利用したローソングループからの特典提供」「各種サービスへのauかんたん決済の導入」「ローソンHMVエンタテイメントによるauスマー トフォン向けCDストアの開設」「NFCの共同実験やプロモーション、キャンペーンなどマーケティングビジネスなど新規事業の検討」といった項目を挙げて いる。

5.「事例から見えたクラウド必勝法の5大パターン」、日本ユニシスが講演(2. 29 nikkeibp)
 「クラウドの活用方法には、5個の勝ちパターンがある」。日本ユニシスでクラウドサービス部門のマーケティングを担当する森駿氏(写真)は2012年2 月29日、クラウドコンピューティング専門展「Cloud Days Tokyo/スマートフォン&タブレット/ビッグデータEXPO」で講演。同社が手がけたユーザー事例から見えてきたクラウド活用ノウハウを解説した。

 森氏が講演全体を通じて示したクラウド活用法「5個の勝ちパターン」とは、(1)「IT基盤を短期間だけ利用する」という経営課題には「従量課金」が有 効、(2)「情報システム部門の要員不足」という課題には「アウトソーシング」が有効、(3)「早期に稼働させなければならない」という課題には 「SaaS型開発パッケージ」が有効、(4)「海外拠点に資源が分散」という課題には「クラウド上でのシステム統合」が有効、(5)「災害対策」という課 題には「クラウドへのデータ保存」が有効−−というもの。

 クラウドの価値(ユーザーがクラウドに期待すること)も、時代とともに変遷してきた。森氏によれば、2008年頃にユーザーが期待していたことはコスト 削減だった。それが、ここ1〜2年でスピード経営を支える俊敏性に注目が集まり、さらに事業継続の観点から堅牢性への期待も高まった。今後は、ビッグデー タの情報活用に使われるという。




 ホームページへ