週間情報通信ニュースインデックスno.847 2012/02/25

1.田舎で起業ラッシュのなぜ(2.24 nikkeibp)
 徳島県神山町にオフィスを設ける企業が相次いでいる。新しい働き方を模索する企業と地元の思惑が合致した。「場」を作る“神山モデル”は地域作りの新し い形を示す。
 四国の片田舎が企業誘致に沸いている。徳島県神山町。徳島市から西に車で50分ほどのところにある山間の小さな町だ。

 地元のNPO法人(特定非営利活動法人)グリーンバレーが空き家再生を始めたのは2008年6月のこと。その後、Iターン者の受け入れを進める中で、サ テライトオフィスを構える企業が増え始めた。人口6500人の町に、東京の企業が相次いでオフィスを構えるのはそうそうない。

 クラウド名刺管理サービスの三三が2010年10月に古民家を借りたのを皮切りに、IT(情報技術)サービスのダンクソフトやコールセンター運営のテレ コメディアなど6社に増えつつある。
 三三やダンクソフトは既にオフィスとして活用している。3月から神山町で一人暮らし老人の見守りサービスを始めるテレコメディアは活動拠点として、ソノ リテはコールセンターとして、ベルシオンやローカルアクションは本社としての活用を視野に入れる。


空き家となった古民家はオフィスやスタジオに生まれ変わる
 神山町へのベンチャー企業の進出が相次いでいるのは、都会とは異なる環境に価値を見いだしているためだ。
 「新しい開発スタイルを模索していた」と三三の寺田親弘社長が語るように、米シリコンバレーのエンジニアは場所に縛られないフレキシブルな働き方をして いる。それが自由な発想やイノベーションにつながっていると言っても過言ではない。

 三三の企業理念の1つは「顧客の働き方に革新を起こすこと」。その理念を体現し、新しい働き方を模索するために、自然豊かな神山町での「神山ラボ」の開 設を決めたわけだ。その決断には、ひと月3万円前後の家賃と、神山町の全戸に光回線が整備されていたことも大きい。

 もう1つは、グリーンバレーの存在だ。都会の人間が移り住む際に、地元住民との軋轢が生じることは少なくない。だが、グリーンバレーが地域社会との橋渡 しをするうえに、空き家の斡旋や不在時の鍵の管理なども手厚い。

 グリーンバレーが作り出す「場」に共感し、盛り上げたいと考える企業も少なくない。
 神山町では様々な背景を持つ人々が集まりつつある。2008年以降、神山町にはパン屋やウェブ技術者、映像作家など約70人が移り住んだ。

 実は、グリーンバレーは移住希望者を先着順で受け入れるのではなく、神山町が必要とする人材を逆指名するという手法を取っている。それも、重視するのは 手に職があるかどうか。少子化と高齢化に直面する神山町に必要なのは若者と子供だが、町内に雇用の場は限られているためだ。

 「人が来れば、アイデアや考えが必ず残る」と大南信也理事長が語るように、グリーンバレーは技能を持つ移住者と地域住民、都会で働く技術者が交流するこ とで、新しい事業やサービスを生み出そうとしている。「その流れの中に飛び込みたいと思った」とローカルアクションの平松玲社長は言う。

 イベントのように、モノを中心としたシステムは飽きがくるかもしれないが、人を適度に循環させておけば、継続的に新しい何かが生み出せる。神山町で相次 ぐ起業ラッシュは、過疎化に苦しむ地域社会に1つのヒントを与えている。

2.アマゾンが仙台市にコールセンター開設、「将来は1000人を雇用」(2.24  nikkeibp)
  アマゾン ジャパンは2012年2月24日、仙台市にカスタマーサービスセンターを開設した。Amazon.co.jpの顧客に対する電話やメールによる問い合わせ に対応する。同社では「将来的に最大1000人の雇用機会を創出する」としている。

 センターの開設にあたっては仙台市も協力し、人材募集告知や人材育成講座を実施した。また入社前トレーニングの一貫として、地元の学校との連携による教 育プログラムを提供する。第1弾として学校法人 日本コンピュータ学園「東北電子専門学校」と提携し、教育プログラムを実施する予定。

 アマゾン ジャパンは、東日本大震災の約1カ月後から「ほしい物リスト」を使った物資の援助サービスを提供したり、被災地に所在する事業者の新規出品の際の月間登録 料を2年間無料にするなどの震災復興支援を行なっている。また2012年6月より、Amazon.co.jpの「Nipponストア」で宮城県フェアの開 催を予定している。

3.「アプリ価格はAndroidがiPhoneの2.5倍」、英調査会社(2. 24 nikkeibp)
 英Canalysは現地時間2012年2月23日、モバイルアプリケーションに関する調査結果を発表した。それによると、米GoogleのモバイルOS 「Android」に対応した有償の人気アプリケーションの価格は、米Appleのスマートフォン「iPhone」の場合に比べ2.5倍高いという。

 米国でそれぞれのアプリケーション配信ストア「Android Market」と「App Store」で上位100の有償アプリケーションを購入する場合、Android向けは374.37ドル、iPhone向けは147.00ドルかかり、ア プリケーション1本当たりの平均価格はそれぞれ3.74ドルと1.47ドルとなる。

 上位10および20に絞った場合でも、平均価格はAndroidアプリケーションがそれぞれ3.47ドル、4.09ドルとなり、iPhoneアプリケー ションの0.99ドル、1.04ドルの3倍を上回る。米国のほか、ドイツ、インド、シンガポール、英国でも同様の傾向が見られた。

 また、App Storeでは上位100の有償アプリケーションのうち82本の価格が0.99ドルだったのに対し、Android Marketの上位100では、0.99ドルはわずか22本だった。

 このほか、両ストアでは、有償人気アプリケーションの顔ぶれにあまり共通点がないことが分かった。米国では、両ストアでトップ100ランキングに入って いるアプリケーションはわずか19種類だった。「iPhoneで人気があるからといって、同じアプリケーションやゲームがAndroid端末で成功すると は限らない」とCanalys上級アナリストのTim Shepherd氏は指摘する。

 同氏によると、開発者やパブリッシャーは、完成されているが閉じられた環境のApp Storeと、よりオープンだがセキュリティが弱いAndroid Marketとを使い分けている。例えば米Electronic Artsは、価格競争の激しいApp Storeでは定期的に値引きを実施して人気リストに名前があがるように努めているが、Android Marketでは値引きしない。

4.ニシラ、OpenFlowを採用したネットワーク仮想化ソフトの国内提供を本格 化(2.23 nikkeibp)
 米ニシラネットワークス(Nicira Networks、以下ニシラ)は2012年2月22日、同社が提供するネットワーク仮想化ソフトウエア「ネットワーク仮想化プラットフォーム (Network Virtualization Platform、以下NVP)」についての詳細を発表した。

 NVPは物理的なネットワーク構成にとらわれず、柔軟にネットワークの論理構成を変更するためのソフトウエア。主にクラウド事業者、通信事業者、大規模 なエンタープライズなどに向けた製品である。国内では2011年に東京エレクトロン デバイス、日商エレクトロニクスなどがニシラ製品の取り扱いを開始している。しばらくは顧客以外に製品の詳細を公開しない“ステルスモード”で活動してい たが、2012年2月6日にステルスモードが終了したことを受けて、22日に日本の報道関係者向けに記者発表会を開催した。上記2社のパートナーに加え、 日立電線とも協力して日本市場での販売・サポート体制を強化するという。

 ニシラの共同設立者で最高技術責任者(CTO)のマーティン・カサド氏(写真1)は、サーバー仮想化技術を引き合いに出しつつ、同社製品の特徴を語っ た。同氏によれば、ここ10年ほどの間、コンピュータの世界では仮想化によって著しい変化があったが、ネットワークはその進化についていけていないとい う。

 例えばサーバー仮想化の発達によって、アプリケーションは物理サーバーの構成から自由になった。その結果、データセンターネットワークなどでは、動的に 素早くサーバーリソースを変化させたり、サーバー間でアプリケーションを自由に移動させたりできるようになってきたという。ところが、「物理ネットワーク の制限により、データセンター間ではアプリケーションを自由に移動させるのが難しい。また、物理ネットワークがデータセンター全体の利用効率を下げ、結果 としてコストを押し上げている」(カサド氏)。

 そこで、「サーバーが仮想化されたように、ネットワークを仮想化することをゴール」(カサド氏)として開発されたのがNVPだ。

 NVPでは物理サーバー側の仮想スイッチ「Open vSwitch」同士がトンネルを張ることによって、仮想ネットワークを構成する(図1)。Open vSwitchはオープンソースの仮想スイッチで、サーバー仮想化ソフトのハイパーバイザーと連携して動作する。トンネルの構成や変更などは、「コント ローラクラスタ」と呼ばれるニシラ独自の制御用のソフトウエアが一括して指示・管理している。ニシラはコントローラクラスタを制御するためのAPIを提供 するため、ユーザーが利用するデータセンターの管理システムと連携させることも可能だ。

既存ネットワークの機器や構成をそのまま利用できる
 コントローラクラスタとOpen vSwitchとのやりとりにはOpenFlowプロトコルを利用する。この時、物理ネットワークはIPの通信が可能でありさえすればいいので、採用する ルーティングプロトコルの種類などは問わない。また、どのベンダーの機器でネットワークを構成してもかまわない。トンネリングプロトコルとしては、ニシラ の独自プロトコルのほか、GRE、NVGRE、VXLANなどもサポートする方針だ。

 ニシラは基本的にソフトウエアの提供会社で、Open vSwitch、コントローラクラスタともに一般的なx86サーバー上で動くソフトウエアだ。サポートするサーバー仮想化ソフトはKVM、Hyper- V、VMware ESX、Xen、XenServerなど(ただし、現状ではVMware ESXの利用には一部制限がある模様)。一部ハードウエアを利用するシーンもあり、例えばレガシーの物理ネットワークとの中継などに使う「ゲートウエイ」 機能は、ソフトウエアだけでなくハードウエアアプライアンスとしても提供する見通しだ。記者発表ではムレイニー氏とカサド氏から「ゲートウエイの提供につ いては、すでにいくつかのハードウエアベンダーと話を進めている」とコメントがあった。

 NVPの料金は、サブスクリプション型のライセンス課金となる。ニシラのネットワーク上に存在する仮想マシンの数(仮想スイッチにつながる論理ポートの 数)に応じて課金される方式だ。1論理ポート当たりの金額は明らかにされなかったが、ユーザーごとに利用する仮想マシンの総数によって、1ポート当たりの 値段は変化するという。

 ニシラの最高経営責任者(CEO)のスティーブ・ムレイニー氏(写真2)によると、NVPのメリットの一つは新しいサービスやアプリケーションを始める 際に、短時間でネットワークを構成できる点だという。

 例えば米イーベイでは、「ニシラ製品を導入することで、これまで7日間かかっていた新しいアプリケーションの導入を30秒で済ませることができた」(ム レイニー氏)。もう一つのメリットは、トンネルの下の物理ネットワークはどんなベンダーの機器で構成してもかまわないため、「ユーザーの既存ネットワーク の機器や構成をそのまま利用できる」(カサド氏)ことだ。また、安価な製品を選んで利用できるため、ハードウエアコストの削減にもなるとしている。

 記者発表会では米イーベイのほか、通信事業者の米AT&T、金融機関の米フィデリティ・インベストメンツ、クラウド事業者の米ラックスペース ホスティングなどがニシラの取引先として紹介された。日本ではNTTグループが、ニシラの技術を使って実証実験などを進めているという。

5.イー・アクセスがLTEを3月開始、料金は「月3880円軸に調整」 下り最大75Mbpsだが、当面の対応エリアは限定的(2.23 nikkeibp)
 イー・アクセス(イー・モバイル)は2012年2月22日、LTE(Long Term Evolution)方式の移動体通信サービス「EMOBILE LTE」を同年3月に開始すると発表した。
 通信速度は下り最大75Mbps、上り最大25Mbps。当初は東名阪の主要都市でサービスを展開する予定で、2012年3月末の人口カバー率は 40%。その後順次エリアを拡張し、2013年3月末までに人口カバー率70%を目指す。LTEの対応端末として、モバイルルーター2機種とUSB接続の スティック型データ通信端末1機種を発売予定。料金体系の詳細は明らかにしていないが、「既存サービスと同じ月額3880円という水準を目指して調整して いる」(イー・アクセス 代表取締役社長のエリック・ガン氏)という。



 ホームページへ