週間情報通信ニュースインデックスno.846 2012/02/18

1.苦境の電機大手、日本はいま「人材の端境期」(2.15  nikkeibp)
大前研一
 大手電機メーカーを中心に日本の輸出型企業が苦戦している。先ごろの報道によれば、円高やタイ洪水、欧州危機が国内輸出産業の利益を圧迫 し、2012年3月期の上場企業の連結経常利益は前期比21%減少する見通しだという。

日本企業は「∞(無限大)苦」に直面している
 日本の産業界の苦境に関して、「六重苦」と表現されることが多い。
 「六重苦」の中身は、多少の違いはあるものの、おおむね次のように集約される。「円高」「高い法人税」「電気料金の値上げと不安定な供給」「環境対策へ の負担」「貿易自由化への対応の遅れ」「各種労働規制の強化(パートタイマーにも厚生年金の加入を義務づけるなど)」――といったものだ。

 もちろんこれで主だった内容は押さえられている。だが現実には、日本企業に重くのしかかっている「苦」は六つでは済まない。
 たとえば「空洞化」という問題がある。顧客が海外に逃げてしまうと、発注そのものは日本で受けることができても、細かい打ち合わせや納品・検品などは中 国やベトナムで行わざるを得ないといった事態が想定される。これは特に中小の部品メーカーなどにとっては大きな負担になる。

 それから「自然災害」。首都直下型地震の発生予想確率が発表され、大きな話題になった。また、富士山周辺では火山活動が活発になっているというニュース もある。
 思いつくところだけを列挙しても、これだけの「苦」がある。業種・業態によってはさらに別の「苦」があることだろう。それらを一つひとつカウントしてい けば、「六重苦」どころか「∞(無限大)苦」になる。

ソニーの新社長はソフト部門出身で大丈夫か
 「大手電機メーカーの業績が減速」という話に戻すと、戦後日本を牽引してきた大手製造業の苦境が明確になっている。ソニーは2月2日、2012年3月期 決算の純損益が2200億円の赤字に拡大する見通しを明らかにした。またパナソニックも3日、2012年3月期の最終連結損益が過去最大の7800億円に なるとの見通しを発表した。

 両社とも2008年あたりから業績が急激に低迷しているのがわかる。そもそも論で言えば、企業は純損益がマイナスになった時点でウミを一度に出し切って V字回復を果たさなくてはならない。それがダラダラと悪化している理由の一つは、トップのリーダーシップ不足だ。

 ソニーは1日、平井一夫副社長が社長兼最高経営責任者(CEO)に昇格し、ハワード・ストリンガー氏が会長兼社長CEOを退任する人事を発表した。スト リンガー氏は取締役会議長としてソニーに残る見通しだが、これはおかしい。本来なら彼は、業績を回復できなかった責任を取って辞めるべきだ。

 平井氏の手腕については未知数の部分も多いが、彼のキャリアを見る限り、この人事に不安がないわけではない。平井氏はCBS・ソニー(現ソニー・ミュー ジックエンタテインメント)に入社後、ソニー・コンピュータエンタテインメントを経てきている。つまり、「ソフト畑」の人なのだ。

 だが、いまソニーが直面しているのは同社のお家芸である「ハード」の売り上げ不振にほかならない。ハードに課題があるのに、ソフト部門出身のCEOがう まく切り盛りできるのかどうか。それでなくともソニーには、1991年代後半の出井伸之氏の時代からストリンガー氏の現在に至るまで、ずっとハード部門を いじめてきた歴史がある。
 私はソニーの保守本流たるハード部門の人材を引き立てていかないかぎり、劇的な回復は難しいと考える。

国内外で1万人規模削減の「NECショック」
 電機大手でソニーやパナソニック以上に深刻なのはNECだ。同社は1月26日、国内外合わせて従業員1万人の削減を含めた構造改革計画を発表した。同社 も円高やタイ洪水、欧州危機などの影響で業績の回復が見込めないことから、人件費を減らして収益回復を目指す考えだという。

 この「国内外で1万人規模の削減」について、日本はもとより、世界でも「NECショック」として注目されている。実際には数年前にも2万人削減を打ち出 しているが、その時はあまり注目されなかった。  米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズはNECの長期格付けを「BBB」から「BBB-」に一段階引き下げたと発表した。あと一段階下がれば 「ジャンク」になるレベルで、年金ファンドや生保などに組み込むことが難しくなる。つまりNECはそこまで追いつめられているわけで、ここで人員削減では ない新たな方向転換策が出てこないと苦しいだろう。

 2009年度にV字回復したように見える。しかし金額を確認すれば赤字から回復しただけで、NECは2006年度以降ほとんど利益を出していないことが わかる。売上高は2006年度に4.5兆円あったものが年々落ちてきて、2011年度(予想)は3兆円程度になっている。

一刻も早い方針転換で、NECの「N」を「G(グローバル)」に
 同社の業績悪化は当然、株価にも反映している。   2000年には3300円くらいあったものが、2012年2月3時点では152円と、約1/20になってしまった。時価総額は3959億円だ。売り上げ が約3兆円あることを考えれば、あまりにもアンバランスな株価と言わざるを得ない。

 このアンバランスな状態につけ込むと予想されるのが中国、インド、ロシアといった新興国の企業だ。もしもNECの自力再建が難しくなれば、同社の優良部 門が格好のM&Aの対象になるだろう。日本国内はいざ知らず、新興国の企業にとってはNECの持つブランド力や技術力は依然として魅力的なはずだ。

 私たちが長く慣れ親しんだ「NEC」のブランドロゴから「N(=Nippon)」の一文字がなくなり、その代わり「C(=China)」「I(= India)」「R(=Russia)」の文字が入る日が来ないともかぎらない。それは資本主義の掟なのだが、しかし日本を代表する名門企業の斜陽にはた だ「残念」としか言いようがない。

 一刻も早い方向転換でNをG(グローバル)に置き換える状況に達することを祈らずにはいられない。

日本はいま「人材の端境期」にある
 日本の輸出型企業が選択すべき道は一つだ。国外の伸び盛りの地域で、強い地歩を確立していくことである。もちろんこんなことは今さら私が指摘するまでも なく、すべての経営者が認識していることだと思う。  しかし、どの経営者もくたびれ切っていて、「国外で地歩を固める」という意欲はあまり期待できそうにない。

 では若いビジネスパーソンなら期待できるかというと、それもかなり微妙だ。長引く不況で企業が軒並み新卒採用を減らしている中、「次世代のリーダーたら ん」という覚悟を持って社会に出てきた若者はどれだけいるだろうか。おそらく大部分は「黙って会社の言うことを聞く」という学校秀才タイプで、そういう人 材が新天地を開拓してやろうという気概を持っているとは考えにくい。

 私は現在、「日本は“人材の端境期”に来ている」という認識でいる。時代を切り開かんとするエネルギーが存在しないわけではないのだが、トラクション (摩擦)が少なくなっているため、次の一歩がなかなか踏み出せない人が増えている――。そんな印象を持っている。

2.「iPad 3」は3月7日発表か?(2.17 nikkeibp)
 現行モデルの「iPad 2」。新モデルでも外観に大きな変更はないとみられているが、どうだろうか。 今週、米国では「次期iPadが3月7日(米国時間)に発表される」との噂 で盛り上がっている。3月9日説もある。

 現行モデルのiPad 2が発表されたのは昨年3月2日。米AppleはiPhoneやiPadの新モデルをおおむね1年間隔(長くても1年半)で発表してきたことから、この3 月に新型のiPadが出てもおかしくない。いよいよか。

 気になるスペックは、(1)クアッドコアプロセッサ搭載、(2)2048×1536ピクセルの高解像度ディスプレイ(ピクセル数はiPad 2の4倍)、(3)4G(LTE)に対応、(4)バッテリーが少し大きくなって本体の厚みが1〜2mm増える――などと言われているが、現時点で確実な情 報ではない。昨年夏ごろから、Appleに部品を供給するサプライヤーなどから漏れたとされる情報がいろいろ出回っており、上記のスペックはそれらに基づ く“予想”である点に注意してもらいたい。なお、製品名についても「iPad 3」以外に「2S」「4G」などの予想もある。皆さんはどう考えるだろうか。

 もう1つ、新型iPadの噂がある。片手で持ちやすい、小さめサイズ(8インチディスプレイ搭載)のiPadである。“iPad mini”などと呼ばれている。米Amazon.comが昨年の年末商戦で、7インチサイズのタブレット「Kindle Fire」を中心に400万台近くも販売しており、Appleもこのカテゴリーの新製品を検討しているという。

3.ロイヤルホストの店舗システムが刷新、店舗運営を標準化(2.17  nikkeibp)
 NECインフロンティアは2012年2月17日、ファミリーレストランチェーンであるロイヤルホストの店舗システムを刷新したと発表した。外食業界向け のパッケージソフトを標準仕様のまま採用することで、全270店への導入を約1カ月で終えた。2011年9月から順次稼働している。

 ロイヤルホストは今回のシステム刷新で、これまで地域ごとに3つに分かれていた店舗システムを統一した。これにより、地域ごとに違っていた店舗運営を標 準化できる。NECインフロンティアによれば、新システムの導入で、料理の注文を受けてから提供するまでの時間を一般的に6〜10秒短縮できるとしてい る。

 新店舗システムは、NECインフロンティアのPOS(販売時点情報管理)端末「TWINPOS5500Ci」と外食業界向けのパッケージソフト 「Prospaid for TWINPOS5500Ci」を中心に構成。NECエンジニアリングが本部と各店舗を結ぶネットワークの構築を担った。NECインフロンティアは受注額を 明かしていない。

4.NTTドコモとmmbiが「NOTTV」対応スマホ2機種を発表(2.16  nikkeibp)
 NTTドコモとmmbiは2012年2月16日、4月1日のスマートフォン向け放送局「NOTTV(ノッティーヴィー)」開局に向けた記者会見を開催。 同サービス対応端末の第1弾として「AQUOS PHONE SH-06D」(3月発売)と「MEDIAS TAB N-06D」(4月発売)の2機種を発表した(写真1)。

 AQUOS PHONE SH-06Dは、4.5インチ(720×1280ドット)の3D表示対応ディスプレイを備えたAndroidスマートフォン。NOTTVの3D番組を専用 メガネなしで視聴できる。バッテリー容量は1520mAhで、NOTTVの連続視聴時間は約190分。アンテナ内蔵型で充電機能付きの卓上ホルダーも同梱 する(写真2)。

 スマートフォンの基本機能はNTTドコモの他の最新機種と同水準である。OSにAndroid 2.3を採用し、1.2GHz駆動のデュアルコアCPUや約800万画素の背面カメラ、約32万画素の前面カメラを搭載している。通信機能としては下り最 大14Mビット/秒のFOMAハイスピード、無線LAN、Bluetooth 3.0+EDRに対応。このほかワンセグ、赤外線通信、おサイフケータイ、防水/防塵といった日本の携帯電話ユーザーにお馴染みの機能を備える。サイズは 128×66×11.8mm、重さは約145g。カラーはMagenta Red、Blue Black、Whiteの3種類を用意する。

 MEDIAS TAB N-06Dは約7インチ(800×1280ドット)のディスプレイや、ステレオスピーカーを備えたAndroidタブレット(写真3)。3610mAhの バッテリーを搭載し、NOTTVの連続視聴時間は約320分だ。

5.NECがSQL対応の分散KVS、ビッグデータ事業強化し200人体制へ(2. 13 nikkeibp)
 NECは2012年2月13日、ビッグデータ/クラウドコンピューティングの基盤技術である分散キー・バリュー型データストア(KVS)を取り入れた データベース製品「InfoFrame Relational Store」を発表した。4月上旬から出荷する。価格は最小構成で510万円(税別)から。

 InfoFrame Relational Storeの特徴は、データ保存にシステム拡張が容易なKVSを利用しながら、一般的なRDBMSと同じインタフェースを実装することで既存のアプリケー ションを流用できるようにした点である。具体的には、オープンソース・ソフトウエアの「Voldemort」をベースとするKVSと、顧客のアプリケー ションとKVSを連携させるためのミドルウエアで構成する。KVSは“スケールアウト”の手法を活用しやすく、データの急増に柔軟に対応できるデータスト ア技術で、大規模なWebサービスのバックエンドなどに使われている。

 ミドルウエアはRDBMSにおいてデータ操作/定義/制御などに使われるデータベース言語SQLに対応しており、RDBMSを用いる既存アプリケーショ ンと接続できる。加えて、データの一貫性を保ち、信頼性を向上させるための独自技術「MicroSharding」を実装しているのもポイントだ。SQL によるトランザクション処理をメモリー上で管理・制御しながらKVSに反映するといった仕組みを備える。

 NECはInfoFrame Relational Storeを、爆発的に増加する情報、いわゆる“ビッグデータ”のビジネスを拡大するための戦略製品と位置付ける。今後はInfoFrame Relational Storeを、M2M(machine to machine)サービス基盤「CONNEXIVE(コネクシブ)」などと組み合わせ、様々な業種に向けたビッグデータ向けソリューションを提供していく



 ホームページへ