週間情報通信ニュースインデックスno.822 2011/08/27

1.スキルはしょせん流行りモノ、土台を固める努力や指導が先(8.25  nikkeibp)
『20代・30代のための『自分成長戦略』設計書』(山下真司著、日経BP)  
 著者は20〜30代のビジネスパーソンが考えていることや彼らを取り巻く環境を分析し、それらを踏まえたうえでアドバイスしています。単 に自身の体験を語っているノウハウ本ではない点が、本書の特徴と言えます。40代以上のビジネスパーソンにとっても、部下や後輩である20〜30代の思想 や行動の背景を知ることができるので、この本は読む価値がありそうです。

 著者は、現在の20代が「ものすごく生き急いでいる」と言います。「3年ぐらいで人生が終わってしまうような焦りの色」が見られるというのです。著名な 企業の相次ぐ破たんに直面し、社会に出る直前で「就社」から「就職」への発想の転換を求められた結果、生き残るためのスキルをとにかく身につけようと、 「○○勉強法」や「△△が身につく法」などのスキル本に群がる傾向が強まったとしています。

 しかし著者は「スキルはしょせん流行りモノ」と断じます。スキルはパソコンで言えば「アプリケーション」であり、社会のニーズや技術の進化でどんどん変 わっていくため、20代で学んでもいずれ陳腐化するというのです。20代に必要なのは、アプリケーションではなくそれを動かすマシンの性能、つまりケイパ ビリティ(基本能力)であり、自分自身にその能力を定着させるために「極端に何かに集中すること」を勧めています。

30代は「自分の力を何かに全部注ぎ込む」時期
 一方、30代には、20代で高めた基本能力のうえに、独自性につながるスキル、具体的にはリーダーシップや論理構築力、発想力などを身につけることを提 唱しています。20代で築くべきなのがマシン性能なら、30代で築くのはOSであり、マーケティングやファイナンスなど一般的にスキルと言われる個別のア プリケーションには、まだ手を出す必要はないとしています。

2.米Gartner、Jobs氏のApple CEO退任の影響を分析(8.26 nikkeibp)
 米Gartnerは2011年8月25日(現地時間)、Steve Jobs氏がAppleのCEOを退任すると発表したことにともない、その影響を分析したレポートを発表した。

 アナリストはJobs氏退任の影響をどう見るのか。「短期的には急激な変化はない」(ガートナー ジャパン リサーチ部門コミュニケーションズ モバイル/ワイヤレス担当 アナリスト 佐藤篤郎氏)というのがGartnerの予測だ。と同時に「長期的にはJobs氏のビジョンや力を必要とする場面も出てくる可能もある」とも言う。

 影響はないとするその理由は何か。将来、Appleが直面する可能性のある危機とはどのようなものか。以下、レポートの抄訳を掲載する
Jobs氏とAppleを別のものとして考えることは難しい。Jobs氏は同社の共同設立者であり、最も成功した製品の多くを開発した人物である。製品の 詳細だけでなく全体的な戦略を創造し主導したリーダーだ。彼こそがAppleがこれほど成功した理由なのだ。

 しかし、Jobs氏の退任はいずれは避けられないことであり、Appleはその日のために周到な準備を行ってきた。Jobs氏の退任はAppleにとっ て計画内のことだ。
 Jobs氏の真の遺産は、製品開発、実行する機能、および拡張のために新しい市場を調査しながら、品質と収益性を維持することをコミットメント(確約) するための効果的なプロセスを持つ企業を構築したことだ。Jobs氏は、Tim Cook氏をCEO代理として治療のために休暇をとったことがある。その際、Cook氏のもとでAppleは69%の成長を遂げた。Cook氏のサプライ チェーンのスキルは、ハードウェアからその利益のほとんどを得る企業にとって特に重要な役割を演じてきた。

 Cook氏の経営をサポートする人材として、工業デザイン担当上級副社長のJonathan Ive氏、プロダクトマーケティング担当の上級副社長Phil Schiller氏らがいる。彼ら一人一人はJobs氏の強みのすべてを持っていないかもしれないが、我々は、彼らが優れたチームであることを証明すると 信じている。Cook氏がCEOとしての最初の数カ月の間に克服しなければならない課題があったとしても、Jobs氏は会長としてAppleがその正しい ロードマップを実行するよう指導者の役割を果たすだろう。

 2点だけ懸念がある。

 長期的には、Appleが既定のロードマップを越えて新しい地平を切り開く必要に迫られる場面で、Cook氏と彼のチームは、潜在的なチャンスを発見 し、そこに完全に集中するJobs氏の戦略的なビジョンを、同じように実行することはできないかもしれない。しかし、このリスクを定量化することは不可能 だ。

 DisneyとPixar、Appleの関係では、Jobs氏の強烈な個性と役割がなければ、Appleはこのような良い条件を交渉することができない 可能性がある。だが、Cook氏はこのような交渉に関して豊富な経験を持っている。彼はSamsungなど、Appleの主要なハードウェアのサプライ ヤーとの条件を交渉するためのCOOとして、最終的な責任を負ってきた。

3.レンサバをクラウドストレージとして活用できるiPhoneアプリ、 paperboy&co.が配布(8.25 nikkeibp)
 paperboy&co.は2011年8月25日、同社が提供しているレンタルサーバーサービス「ロリポップ!レンタルサーバー」をクラウドストレージ として利用できるようにするiPhoneアプリ「ロリポップ! for iPhone」(写真)を開発、同日付けで配布開始したことを発表した。対応OSはiOS4以上で、App Storeから無償でダウンロードできる。

 同アプリを使うことで、ユーザーが契約しているレンタルサーバーのディスクスペースをファイルのアップロードやダウンロード、音声や動画のストリーミン グ再生などに対応したクラウドストレージとして利用できるようになる。Webページの公開やメールサービスなどレンタルサーバーとしての機能は引き続き利 用できる。

 専用アプリは、FTPやWebDAVを使って任意ファイルをアップロードしたりダウンロードしたりする機能に加え、Microsoft Officeの文書ファイル(Word、Excel、PowerPoint)やPDFファイルの閲覧機能、音声や動画ファイルのストリーミング再生機能な どを備えている。対応する音声ファイル形式は「.mp3、.m4a、.wav、.aiff、.aac」、動画ファイル形式は「.m4v、.mp4、. mov、.avi」となっている。

 iPhoneのカメラロールに保存された写真やその場で撮影した写真をiPhoneから直接サーバー上のディスクスペースにアップロードする機能も搭 載。サーバーを使って公開しているWebページを構成するHTMLファイルやCSSファイルなどをiPhoneから直接編集および更新する機能なども備え ている。

4.米スマートフォン市場、Motorolaはシェア減らすもGoogleの協力で 巻き返しの可能性(8.23 nikkeibp)
 米NPD Groupが米国時間2011年8月22日にまとめた同年第2四半期(4〜6月期)の米国スマートフォン市場調査によると、米GoogleのモバイルOS 「Android」搭載端末の販売台数シェアが前期から微増して52%となり、首位を維持した。米Appleの「iOS」も同様に若干増えて29%となっ た。一方で、カナダResearch In Motion(RIM)の「BlackBerry」はシェアを減らし11%。また米Microsoftの「Windows Phone 7」「Windows Mobile」、米Hewlett-Packard(HP)の「webOS」 はいずれも5%以下で変化はなかった。

5.NICTが40Gbpsの超高速無線伝送実験に成功、32GBを約6秒で転送 (8.22 nikkeibp)
 情報通信研究機構(NICT)は2011年8月20日、電波を使った40Gビット/秒の無線伝送実験に大阪大学と共同で成功したことを発表した。 NICTによれば、従来の伝送実験の最高記録(27Gビット/秒)を大きく超える世界最高速の記録であるとしている。

 同伝送実験では、伝送に利用する電波の周波数帯域として、携帯電話や無線LANなどが一般的に利用している「マイクロ波帯」(数G〜30GHz)ではな く、「高速伝送に適しているものの発生させることが難しい」(NICT)という「ミリ波帯」(30G〜300GHz)の電波を利用。

 NICTがこれまでに開発した「光によるミリ波発生装置」および「高速高精度16値光変調器」と、今回新たに開発した「光・ミリ波変換器」および阪大が 開発した「デジタル信号処理技術」を組み合わせることで、「信号の変化を速くする」「より複雑な信号(変調)方式を使う」という伝送速度の高速化に必要な 二つの要素を両立。40Gビット/秒という超高速伝送を実現できた(図)。



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