週間情報通信ニュースインデックスno.820 2011/08/13

1.存在感を強める米西海岸のサイバー企業、スマホ戦争でも優位に立つ (8.8 nikkeibp)
大前研一
 サイバーの世界で存在感を発揮しているプレイヤーというと、ユーザー数が7億人と言われる世界最大手SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) のフェイスブックを筆頭に、グーグル、アマゾン、アップルといった名前が挙げられる。

 ご承知のように、どれも米国西海岸に本社を置く企業だ。米国債の長期格付けが引き下げられ、景気後退が心配されている米国経済にあって、他の企業を尻目 にいずれも景気のいい話が聞こえてくる。今回はこの話題に触れてみたい。

「フェイスブックの成長はグーグル以来のもの」
 まずはフェイスブックだ。ソーシャルメディア専門の独立系マーケティング会社、TBGデジタルによると、フェイスブックが掲載している広告のコスト・ パー・クリック(CPC、インターネット広告で1クリックごとに支払う費用のこと)は、2011年第2四半期に米英仏独の4市場において前年同期比で 74%上昇したという。これについてTBGデジタルは、「フェイスブックの成長はグーグル以来のもの」と語っている。

 こうしたフェイスブックの急成長について、「そんなにCPCを高くして、この先の成長が維持できるのか」と私は少し醒めた目で見ている。

 とはいえ、全世界に7億人ものユーザーがいるという事実は大きく、同社の急成長はこのスケール感に期待が集まった結果というべきだろう。グーグルがその 革新的な検索スタイルによってユーザーを集めて大きく成長したのと基本的には同じだ。

Google+」はフェイスブックの対抗馬になり得るか
 もちろんそのグーグルはフェイスブックの成長を座視しているわけではなく、同様のSNS「Google +(グーグルプラス)」を今年6月末に始めた。「Google +」は、友人や知人との間で細かい複数のグループを作れる「Cicles(サークルズ)」と呼ぶ機能が好評だ。
 ユーザーには有名企業の経営者やシリコンバレーのトッププレイヤーが多くいるという。かつてのマイクロソフトと同じで何かといえば「物まね、後追い」と 批判されるグーグルだが、「Google +」については非常に評判がいい。

 「Google +」のユーザー数が1000万人に達するのに要した日数は16日間で恐らくギネス記録である。その後も順調で、サービス開始から1カ月で2500万人に達 している。
 数の上ではまだフェイスブックの足元にも及ばないが、その成長スピードを考えると今後はSNS分野でもフェイスブックの有力な対抗馬となり得るという分 析もある。ユーザー数の多さを背景に広告価値を高めるというのはグーグルのお家芸でもあり、両社の攻防については今後も注意を払っておくべきだろう。

50%の伸びを示すアマゾン、書籍等は頭打ち
 続いてアマゾン。米アマゾン・ドット・コムが発表した2011年4-6月期決算は、売上高が前年同期比51%増の99億1300万ドル(約7720億 円)だった。世界各地で家電などの販売が伸び、4-6月期では過去最高の売り上げとなった。年商2兆円を超す小売業が年50%もの伸び率を示しているの だ。

世界有数のスーパーマーケットに変貌したアマゾン
 その代わりに伸びているのが「家電・その他」だ。パソコンやそのパーツなどを含めた幅広い家電製品と思っておけばいいだろう。そのほかにもホーム、食 品・飲料、健康・美容、玩具、ファッション、スポーツ、ガーデンなど、まさに「何でもあり」のスーパーマーケット状態になっていて、確かにアマゾンの実態 は創業当時の思惑に近づいている。

 アマゾンも今後は総合小売店としてサイバーの世界で存在感をさらに増していくことになるだろう。これに伴い、競争力のないリアル店舗(書店、家電量販店 など)は淘汰されていくことになる。

アップルは「iCloud」でさらに伸びる可能性あり
 iTunesという名前が出てきたところで、次はアップルである。

 米アップルの発表によると、同社の2011年4-6月期決算は、売上高が前年度同期比82%増の285億7100万ドル(約2兆2600億円)になった という。これまた年商10兆円規模の会社の伸び率としてはギネス記録であるに違いない。アマゾンと違ってこちらは純利益も2.2倍の73億800万ドル (5780億円)を生み出している。iPhoneやiPadの好調を受け、売上高、純利益ともに過去最高を更新した。

1990年代半ばに業績が悪化し身売り説も囁かれた同社だが、その後復活し、今では「勘弁してくれよ」というくらい絶好調の状態が続いている。健康状態の 悪化がいわれるスティーブ・ジョブスも、重要な発表には必ず姿を現してプレゼンテーションを行っており、6月初めの「iCloud」の発表も自ら説明をし てみせた。

 「iCloud」とは様々なデータをネット上のサーバーに保管し、「iOS5」搭載機(iPhone、iPad、iPod touch)やMac、それにPCでも同期できるようにしたサービスであり、つまりはクラウド・コンピューティングそのものである。時代の趨勢はクラウド に動いていることはまぎれもない事実であり、だから「iCloud」が登場する今秋以降、アップルが提供するプラットフォームはますます注目を集めること になるだろう。つまりアップルの伸び代はまだまだあるというわけだ。

2.「ポストPC時代の勝者」がわかるグラフ(WIRED.jp)(8.11  nikkeibp)
 『iPad』が含まれた計算では、ノートパソコンの市場状況は劇的に変わる。「ポストPC時代」でのシェア拡大を狙う各社の動きも激しい。
携帯型コンピューターの市場シェア統計は、通常『iPad』を含めていない。しかし、タブレットがコンピューターの売り上げを奪っている現状では、 iPadを計算に含めると状況がわかりやすい。
Deutsche Bank(ドイツ銀行)のアナリスト、クリス・ホイットモアは、顧客に宛てた手紙の中で、2011年第2四半期までの世界のノートパソコンの売り上げを計 算している。それによると、iPadを入れない場合には、米Apple社はノートパソコン・メーカーとして最下位に位置するのだが、iPadを入れると トップになる。

ホイットモア氏の手紙は、ノートパソコンのベンダー上位6社である台湾Acer社、Apple社、台湾ASUSTeK Computer社、米Dell社、米Hewlett-Packard(HP)社、韓国Samsung社に関する統計について語っている。HP社と Acer社は、対象期間のほとんどで上位2位の座を占めてきたが、2010年第2四半期以来、市場シェアが減少傾向にある。2010年第2四半期というの は、ちょうど初代『iPad』が発売された時期に当たる。[iPadを入れる計算方式では、Apple社は2010年10月にすでにパソコン市場で1位に なっていたと報道されている(日本語版記事)]

3.朝日新聞社、100万点の紙・電子書籍を横断検索できるサイト(8.11  nikkeibp)
 朝日新聞社は2011年8月10日、100万点の書籍の検索ができる書籍情報サイト「ブック・アサヒ・コム」を開設した。紙の書籍と電子書籍の両方の横 断検索に対応し、簡単に購入サイトに進める。

 紙の書籍のほか、複数の電子書店からの横断検索に対応。朝日新聞の書評や書籍コラム2万点も収録した。サイトの開発には、専門検索の開発を手がけるソ ケッツが協力した。

 好きな本を登録する「マイ本棚」機能を搭載し、各書籍の5段階評価やレビューを書き込める。他のユーザーとの共有できるソーシャル機能を備える。ソー シャル機能の利用にはFacebookやTwitter、同社の認証サービス「Jpass」のいずれかのアカウントが必要。

 連携する書店は、電子書籍が「電子書店パピレス」「eBookJapan」「電子文庫パブリ」。紙の書籍が「Amazon.co.jp」「セブンネット ショッピング」「楽天ブックス」「紀伊國屋書店 BookWeb」。対応書店は今後拡大していく予定。

4.コクヨS&T、iPhoneのカメラでノートを読み取るアプリを配布 紙の専用ノートは2011年9月に発売(8.9 nikkeibp)
 コクヨS&Tは2011年8月8日、紙のノートに書いた内容をiPhoneの内蔵カメラで撮影し、データ化して記録できるアプリケーション 「CamiApp」の配信を開始した。アプリの料金は無料。CamiAppでの読み取りに最適化した紙の専用ノート「CamiApp」シリーズの価格は 210〜441円で、9月7日から発売する。

 専用ノートには、各ページの四辺に黒い縁がある。専用アプリを使いノートを撮影すると、この四辺の縁を読み取り、台形補正をした上で画像をデータ化する 仕組みとなっている。

 ノートの端にはアクションマーカーと呼ばれる3つの長方形が並んだ枠を設けた。このパターンの塗り潰し方によって、あらかじめ設定した7種類のタグを付 けられる。例えば、右端の枠を塗り潰した際には「会議」というタグを付けるといった指定ができる。取り込んだデータをEvernoteやDropboxに 送る機能もある。

 取り込んだデータの不要な部分を塗り潰す、赤ペンで強調するといった編集機能も備えている。
 紙の専用ノートはA7〜B5サイズで、計8種類を用意する。アプリケーションはiPhone 3GS、同4に対応する。9月にはAndroid版を配信する予定。

5.Google+、1年後に米国第2位のソーシャルメディアに(8.8  nikkeibp)
 米GoogleのSNS「Google+」のユーザー数は今後急速に増え、1年後には米国で第2位のソーシャルメディアになる――。こうした予測を米 Bloombergが米国時間2011年8月6日に報じた。

 アンケート調査の結果をBloombergと市場調査会社の英YouGovが分析した。それによるとGoogle+はすでに米国成人の13%が会員登録 をしている。この割合は今後1年間で9ポイント増えて22%になる見通し。また同じ期間、SNS最大手のFacebookは2ポイント増えて69%とな り、ミニブログの米Twitterは3ポイント増の20%に、ビジネス向けSNSの米LinkedInは2ポイント増の20%になると、 Bloomberg/YouGovは予測している。



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