週間情報通信ニュースインデックスno.813 2011/06/18

1.分解してわかった、アップルの“常識”はずれなこだわり(6.23  nikkeibp)
 米アップルは、なぜ革新的な製品を生み出し続けることができるのか。自動改札機でのSuicaの読み取り率を飛躍的に高めるためにどのような検証を実施 したか。小説の読みやすさを高める秘密とは――。
 これらのテーマを考える上で共通する視点がデザインだ。未曾有の震災を経験し、人々の価値観が大きく変化している今、人とモノやサービスとのより良い関 係を作り出すためのデザインの視点や発想が強く求められている。
 腕時計や自動車、Suicaの読み取り装置などのデザインを手がけ、著書『デザインの骨格』を上梓した山中俊治氏と、プロダクトデザイナーを主人公に設 定した小説『かたちだけの愛』を上梓した小説家・平野啓一郎氏が、デザインの可能性について語り合う。

アップルのモノ作りに見せる日本技術者の拒否反応
山中俊治:日本の技術者の中には、アップルは技術的には大したことはないけど、ソフトウエアとプロダクトデザイン、巧みな宣伝によってヒット商品を生み出 しているという言い方をする人が少なくありません。

山中俊治氏はMacBook Airを分解し、製造プロセスを検証した
 アップルのモノ作りに対する日本のメーカーの技術者が見せる反応には、一定のパターンがあります。自分たちが技術的に優れていると考える一定の尺度が あって、その尺度でアップルの設計を解釈しようとする。だから、先に見たようなコメントが出てくるのではないかと思ったのですが、ほんとにそうかどうかは 中身を見てみないとわからない。それで、僕自身で実際に確かめてみようと思って、分解する目的でMacAirを1台購入し、スタッフと実際に分解してみま した。

 分解してみてわかったことは、アップルは、あのデザインを成り立たせるために、とても高度なテクノロジーを使っているということです。実際に見ても、信 じられないような手のこんだ加工技術を採用したりして、これほどの手間をこんな部分に掛けるかなと思うようなモノ作りを実践していました。それによって、 MacAirやiPhoneのデザインが成立している僕は理解しました。ところがそれを見た記事中の技術者達は、なぜかアップルが無駄なことをしていると いう一言で済ませてしまう。

変えなきゃならないのは技術ではなく頭の中身
山中:先の記事で意図的に強調して書かれている部分もあると思います。実際に日本の技術者と話してみたら、それほど極端ではないかもしれませんが、価値観 の違いが大きかったようです。  その後iPhone 3Gも分解してみました。ここでもアップルは高品質なデザインを実現するために、通常では考えられない製造プロセスを採用していました。

 iPhone 3Gのデザイン上の魅力の一つは本体の背面の非常に滑らかで豊かな曲面です。この曲面を実現するために、アップルは背面カバーを一度、一定の厚みで射出成 型してから、内側を削るという製造プロセスを採用しています。一定の厚みで成形するとひずみやヒケのない滑らかな曲面を作りやすいのですが、それでは中に 部品を組み込むスペースが確保できません。そこでNCという特殊な加工機で内面を削り直しているのです。

 もちろん日本には、日本なりの優れたプラスチックの成型技術があって、非常に安いコストでヒケなどの不具合が表面に現れないようにする方法を長年に渡っ て工夫して来ました。それで成功した製品もたくさんあると思います。そういう製造コストを下げること一筋で仕事をしてきた技術者にとっては、アップルが、 コストアップをものともせず力ずくで品質を確保するようなモノ作りをしていることの意味が理解できないようです。そこまでデザインに価値があると考えるこ と自体が理解できない。でもアップルのやり方でしか、誰もが絶賛するiPhoneの滑らかな表面は実現できないのも事実なんです。

 ブログで繰り返しアップルの製造プロセスを取り上げて、それを訴えてきました。まだまだ多くの技術者が、デザインのために、つまり心地好さとか、質感と か、きれいだなと思うこととかのために技術を使うこと自体を価値あることとして認めていないんだなと感じました。もちろん日本にも、デザインを大切に考え ている技術者もたくさんいて、そうした人たちはアップルの凄さを素直に認めるのですが、まだまだ魅力的なデザインを実現する技術が自分のテリトリーの範囲 外だと考えている技術者が多すぎるように思います。

経営者のこだわりが、デザイン性の高い製品を生む
平野:アップルが、価値あるデザインを実現するために、日本の常識では考えられないような製造プロセスを導入できるということは、アップルの社内で、デザ イナーの地位が高いから可能なのでしょうか。

山中:そういう面は確かにあると思います。ただ、より正確に言えば、デザイナーの地位というよりも経営者のこだわりが、大きい役割を果たしていると思いま す。アップルの場合は、スティーブ・ジョブズの美意識が圧倒的なので、メーカーの人に、アップルの真似をしましょうと言っても、「それは無理です」という 答えしか返ってきません。先ほどは認めない人たちの話をしましたが、逆にアップルのモノ作りの凄さを認めてしまった人は、「我が社ではできません」と、あ きらめて終わってしまうことも少なくないんです。

 デザインに経営上のプライオリティーをどこまで置けるかなんですよ。アップルの中でのデザイナーの地位が高いというのは、デザインに高いプライオリ ティーを置くという経営判断の結果だと思います。実際、デザイナーの話を聞くと、ジョブズ自身がデザインのどの部分にコストを掛けるかを常に決断している ようです。

2.NEC、関西に「主力データセンター」を新設(6.24 nikkeibp)
 NECは関西地区のクラウドサービスの中核拠点として、兵庫県に「NEC関西第二データセンター」を新設し、2011年8月22日からサービス提供を開 始する。大阪市内から1時間の立地にあり、マシンフロアは最大1000平方メートルまで拡張可能。最大収納ラック数は400〜600であるという。NEC が所有する11カ所目の「主力データセンター」になる。

 無給油で48時間以上給電可能な自家発電設備や、冗長化された電源設備を設置。生体認証などの入退出管理機能を付加し、金融情報システムセンター (FISC)の『金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準』の設備基準に準拠した。

 NECのクラウドサービスを提供するためだけでなく、顧客が所有するシステムの運用にも使う。関西地区の企業・自治体からの利用に加え、東日本にある データセンターのバックアップ需要に応える。

3.どんなサイトもタッチ対応に変える『Onswipe』 (WIRED.jp)(6.23 nikkeibp)
 雑誌を苦労してiPad用アプリにする必要はなくなったかもしれない。どんなウェブサイトも、タブレットやスマートフォンで、タッチやスワイプを使って 読めるようにするサービスが現れたのだ。
6月21日(米国時間)にローンチされた『Onswipe』は、ウェブページを訪問してきたiPadやiPhone、Android携帯の利用者を、雑誌 アプリのように操作できるHTML5の特別ページへと転送するサービスだ。

『Popular Science』や『Wired』、そして『The Daily』のような雑誌アプリのような形で、コンテンツを読むことができる。違いは、Onswipeがすべてのコード開発を無料でやってくれることだけ だ。パブリッシャーは、さまざまなテンプレートから選択して、データベースにあるコンテンツを入手する方法を米Onswipe社に提供し、サイトに短い コードを追加するだけでいい。

すると、サイトが即座に「アプリ化」される。記事の間には、雑誌風の広告が掲載される。広告の販売と掲載はOnswipe社が行い、売り上げの大部分はパ ブリッシャーに分配される。

OnSwipeは21日、『Forbes』『Slate』『Stocktwits』、米Thomson Reuters社の『peHub』、米Hears社の『Marie Claire』といった有名サイトとともにスタートした。広告主には、米Sprint Nextel社や米American Express社が名を連ねている。

ユーザーは、記事をめくりながら読んだり、共有したり、「My Onswipe」で後で読むために保存したりできる。また、Onswipeは記事を分析し、Onswipeを利用している別のサイトなどから、ほかのお奨 め記事を探し出してくれる。コメントシステムには対応していないが、Twitter等での反響は表示することができる。

4.アルバネットワークス、私物iPadを安全にビジネス利用する「MOVE」を発 表(6.22 nikkeibp)
 アルバネットワークスは2011年6月22日、個人所有のモバイル端末で社内システムへ安全にアクセスするためのネットワークアーキテクチャー 「MOVE(Mobile Virtual Enterprise)」を構成する8製品を発表した。

 MOVEとは、有線ネットワーク、Wi-Fi、VPNなど異なる種類の接続を同一のシステムで統合管理するネットワーク構想。個人が持ち込んだスマート フォンやiPadに対しても、社内のデスクトップと同様に、ID管理やセキュリティポリシーの割り当てが実施されるのが特徴だ。

 米Aruba Networks ソリューションマーケティング部長のマナヴ・クーラナ氏は「iPhoneやiPadなどモバイル端末のビジネス利用台数は、デスクトップパソコンを追い越 す勢いで増加している。今や、企業のネットワーク管理において、有線か無線かの区別は意味がない。アクセスの種類ごとに独立しているシステムをMOVE対 応製品群で統合することで、総所有コストを最大70%削減できる」と述べた。

 MOVEに基づくシステムは、有線、無線、VPNなど様々な種類の接続が可能な「アクセスポイント」、有線/無線を統合する「アクセススイッチ」、およ び個人所有のモバイル端末の登録や認証を行う「アクセス管理ソフト」で構成される。

5.ペーパーレス会議を行う専用サーバー、システム・テクノロジー・アイが発表 (6.21 nikkeibp)
 システム・テクノロジー・アイは2011年6月21日、ペーパーレス会議用のアプライアンスサーバー「iStudy E-Server Mini」(写真1)を発表した。パソコンまたはiPadで電子化された資料を共有しながら会議を行うことができる。価格は30万円(税別)。6月30日 に発売する。

 iStudy E-Server Miniは、厚さ20mmの超小型サーバーに、資料配布機能、会議室管理機能、バックアップ機能などを実装したアプライアンス製品。ネットワークに接続 し、会議資料のファイルを登録するだけで、最大20人が同時参加でできるペーパーレス会議が実現する。会議室での会議だけでなく、遠隔地で資料を共有しな がらの電話会議も可能。同時接続ユーザー数20人以内であれば、複数の会議を同時進行することもできる。

 iStudy E-Server Mini1台に、資料作成ツール「iStudy Viewer Studio Standard Edition」1ライセンスがバンドルされる。同ツールを使うと、PowerPoint、Word、Excelのファイルからペーパーレス会議用のファ イルを作成し、簡単な操作でiStudy E-Server Miniに登録できる。




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