週間情報通信ニュースインデックスno.811 2011/06/11

1.NEC、企業グループ全体のCO2や電力使用量を一元管理するクラウド サービス(6.10 nikkeibp)
 NECは2011年6月10日、企業グループ全体のCO2排出量や電力使用量を本社で一元管理するクラウドサービス「GreenGlobe Data Visualizer(グリーングローブ・データ・ビジュアライザー)」と「GreenGlobe Energy Viewer(グリーングローブ・エナジー・ビューア)」を発表した。

 GreenGlobe Data Visualizerは、環境負荷の原因となる燃料や化学物質、紙、水などの使用量、CO2や廃棄物の排出量に関するデータを、複数拠点から収集して一元 管理するサービス。日本語、英語、中国語に対応し、世界の拠点から収集したデータを本社で管理することが可能だ。収集したデータ形式は、CSRレポートや 行政機関への報告書など、用途に応じて自由に加工できる。利用料金は1ユーザーあたり月額3250円。同日から提供を開始した。

 もう一方のGreenGlobe Energy Viewerは、既存のビル・エネルギー・マネジメント・システム(BEMS)や他の消費電力収集システムと連携して、企業グループ全体の電力使用量を本 社で一元管理できるようにするサービス。過去の実績データを参照して、使用量の予測シミュレーションを行う機能や、電力使用量から部門単位の電力コストや CO2排出量を算出する機能も備える。クラウドサービスのほか、パッケージソフトでも提供する。サービスの利用料金は1部門あたり月額200円から、パッ ケージソフトは50万円から。7月末の提供開始を予定する。

2.日本通信から月額980円のデータ通信SIM、イオン専用商品として販売(6. 10 nikkeibp)
 日本通信とイオンリテールは2011年6月10日から、3Gデータ通信の専用SIMカードを月額料金980円で販売することを発表した。通信速度はベス トエフォートで100kbps。メールや検索、SNSといった用途に向くという。当初はイオン品川シーサイド店やイオンレイクタウン店、イオン高槻店など の14店舗で販売し、順次取り扱う店舗を増やす。

 このSIMカードは、日本通信が提供する通信機器や、技適マークの表示されたSIMフリーの3G通信が可能な機器で利用できる。

3.[Interop 2011]NECがOpenFlowに対応した「プログラマブルフロー」製品をデモ(6.9 nikkeibp)
 2011年6月8日から10日まで、ICT分野の総合展示会「Interop Tokyo 2011」が幕張メッセで開催されている。展示会場内のNECのブースでは、オープンネットワーク制御技術「OpenFlow」をベースにした同社の「プ ログラマブルフロー」製品(写真1)によるネットワーク仮想化およびクラウドコンピューティングのデモを実施している。

 デモ環境は、通信の経路制御を担当する「頭脳」に相当するプログラマブルフロー・コントローラ(PFC)「UNIVERGE PF6800」に、実際のパケット転送処理を受け持つ「手足」に相当するプログラマブルフロー・スイッチ(PFS)「UNIVERGE PF5240」4台を接続。スイッチの先には、Webサーバーやファイルサーバー、ファイアウォールなどの仮想マシンが稼働する2台の物理サーバーを配置 するという構成になっている。

 プログラマブルフローでは、上記のような物理的なネットワーク構成とは関係なく、論理的に機器同士を接続した仮想ネットワークを構築できる。例えば、パ ソコンの先に仮想L3スイッチを介してWebサーバー(実体は仮想マシン)を配置し、TCP80番ポートあての通信をそちらに流す。それとは別にファイル サーバー(同)にアクセスするための経路を設け、そちらの通信はファイアウォール(同)を経由させるといった芸当が可能だ。

 物理的なネットワーク構成とは関係なく論理的なネットワークを実現できる技術というと、例えばVLAN(Virtual LAN)などを思い浮かべる人がいるかもしれないが、プログラマブルフローによる通信の制御は根本的に概念が異なっている。

 一般的なIPベースの通信では、スイッチやルーター、ファイアウォールなどを使い、L2(イーサネット)、L3(IP)、L4(TCP/UDP)という 三つの階層(レイヤー)の通信をそれぞれ別々に制御している。一方、プログラマブルフローではこれら三つの情報を含む「フロー」を単位として通信を制御す る。

 ユーザーが「ルール」「アクション」「スタティスティックス」という三つのパラメータからなるフローを定義すると、フローコントローラ(PFC)は定義 したフローの情報に基づいてスイッチ(PFS)に指示を送り、PFSはパケットを適切に処理する。フローごとに利用可能な帯域を調整することなども自在 だ。障害が発生したときの経路切り替えなども自動的に行われる。

 会場では実際に、PFS間の接続ケーブルを抜き差しすることで経路の切り替えが短時間で処理されつつ、経由する物理スイッチが切り替わっているのにファ イル転送のコネクションが切れないというデモなどを実施していた。  なお、同社のプログラマブルフローは「Best of Show Award」の「ソリューション&サービス部門-ネットワークソリューション」でグランプリを受賞している。

4.World IPv6 Dayが閉幕、一部ソフトなどで問題が見つかるものの大きなトラブルはなし(6.9 nikkeibp)
 世界規模のIPv6実証実験「World IPv6 Day」は2011年6月9日午前9時(日本時間)、24時間のスケジュールが終了した。
 詳細についてはこれから参加企業がリポートするものと思われるが、少なくとも現時点においては、事前に懸念されていた「一般ユーザーがGoogleや Yahoo!などの参加サイトを見られなくなる」といった大きなトラブルは特に報告されておらず、つつがなく終了した印象だ。同試験の成功は、今後の IPv6インターネットへの移行に向けた大きな前進といえるだろう。

 ただし、まったくトラブルがなかったわけではない。例えば、参加企業や組織がDNSサーバーにIPv6アクセス用の正しい設定をしていなかったケース (「AAAAレコード」を登録し忘れたなど)が見つかっている(IPv6でアクセスできない)。

 ITpro編集部でも、一部のネットワーク環境およびソフトウエアの組み合わせで、IPv4/IPv6デュアルスタック端末からの通信で問題が起こる ケースなどを実際に確認した。
 例えばNTT東西のフレッツ光ネクストでWebブラウザーのOperaを使うケースで(IPv6は閉域網のプレフィックスのみ受信している状態)、参加 サイトへアクセスしようとすると、IPv6からIPv4へのフォールバックに失敗し、最初の1回だけつながらないことがあった(読み込み直せばアクセスで きる)。同様に、メーラーのOutlook 2003でもメールの送信はできるものの、受信ができないという現象を確認した。

5.ポストPC時代の「Apple対Google」(WIRED VISION)(6.9 nikkeibp)
 6日(現地時間)から米Apple社が開催しているWWDC(開発者会議)は、ソフトウェアに重点を置いている。壇上に復帰したスティーブ・ジョブズ最 高経営責任者(CEO)は、ハードウェアはApple社に脳と筋肉を提供するが、ソフトウェアは同社の魂だと述べた。

ジョブズCEOが今回のWWDCで提供したストーリーは3つの章に分かれていたが、そのテーマは一貫していた。Apple社は、2010年代のオペレー ティング・システム(OS)をめぐる大きな戦いにおいて、自社の地位を確保しようとしているのだ。

WWDCにおける第一章は、Mac OS Xの最新バージョン『Lion』だ。この章の主なポイントは、マルチタッチ機能が増え、App Storeも内蔵されるなど、Mac OSがiOSの多くを採用したというものだ。

第二章はiOS 5だ。今回新しく発表された各機能は、これまではパソコンだけでしか可能でなかった機能を、『iPad』『iPhone』『iPod touch』でも可能にするものだ。たとえばiOS 5を使えば、写真の編集、複雑なメール文書の作成などが可能になる。

つまり、MacはiPadに進化し、iPadのほうは、かつてはMacやPC専用だった機能を実行できるように進化したのだ。

この変化において最も顕著な点は、Apple社がiOS搭載機器をパソコンから「解放」したことだ。設定やアップデートが、パソコンにつながなくても可能 になったのだ。このことは、聴衆の開発者たちから盛大な拍手喝采で迎えられた。

さて、第三章は『iCloud』だ。ジョブズCEOによると、iCloudは、コンピューターをローカルファイル等から解放するための長い探求が終わった ことを示すものだという。

Apple社の戦略は、競合相手と比べてどうなのだろうか。米Google社のクラウドは、Apple社のクラウドよりも徹底している。Apple社はク ラウドを自社サービスのハブと見なしているが、Google社の『Chrome OS』では、クラウドをコンピューター自体として扱っている。

これと比較すると、Apple社のクラウドは控えめだ。ストレージと同期を対象にしており、ストリーミングやリアルタイム、実際のマシンの拡張は対象外 だ。Apple社の場合、動作はウェブ上ではなく、アプリケーション内で行われる。

しかし、Microsoft社が認めようと認めまいと、われわれは数年前からポストPC時代に入っている。われわれの問題は、これらの新しいポストPCの 機器が、置き換えられるべきPCと、あらゆる点で同じ能力を持つほど進化できていないことにある。Apple社はWWDCで、そのギャップを埋める方向に 近づいた。Apple社が持つ信じがたいほどの推進力を考えれば、Appleユーザーたちが後に続くと考えるべきだろう。





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