週間情報通信ニュースインデックスno.808 2011/05/21

1.命を預かる技術で最も大事なことは何か?(5.20  nikkeibp)
福島第1原発のフェールセーフ機能は不十分だった
宮田 秀明
 原発事故は「科学」の問題ではなく「技術」の問題である。私はずっと技術者だ。科学と技術の違いは大きい。中でもいちばん大きいことは「技術は人間に対 して責任を持つ」ということだ。だから、人間に対して責任を持つ義務の少ない科学者と責任を持つことを義務づけられている技術者との差異は大きい。大学の 中でも、理学と工学の間の意識の差というか壁は、ほとんどの分野で高い。お互いに本音で語り合えることは意外と少ない。

 技術の世界に「フェールセーフ設計」という言葉がある。失敗したり故障したりしても安全が保たれるように設計するという意味だ。技術のアウトプットであ るすべての製品、特に人命にかかわる製品の設計ではこれが大切である。

 人が乗る輸送機器ではこのことが特に強調される。  新幹線は何度も大きな地震に遭遇したが、人を傷つけたことはない。緊急停止システムというフェールセーフ機能を装備しており、それが正しく機能している からだ。  飛行機は空中を飛行しているので緊急停止できない。停止したら墜落するので、制御系統を3重にして、必ず安全に飛行できるようにしている。さらに、3系 統のうち一つにでも異常があると、運航を中止してしまう。

命を預かる技術とそうでない技術の間には壁がある

 人命を預かるのは輸送機器の世界だけではない。製薬の世界も似ている。いずれも人命を預かる商品の開発だからだ。何百億円の資金をかけた新薬開発プロ ジェクトが、開発の終盤になって、ある確率以上で発生する副作用の可能性が発見されて、開発が失敗に終わる。こんなことも多いと聞く。

 すべての技術はフェールセーフでなければならない。人命にかかわる技術は特にそうあるべきだ。こんな世界にいる技術者と、そうでない世界にいる技術者と の間には、一種の隔絶がある。例えばパソコンの世界は、私たち輸送機器技術の世界とは全く違うと言ってもいいくらいだ。「フリーズ」という言葉があること 自体、変に感じる。勝手にソフトウェアを書き換えるのも変だと思う。

 東京電力の福島第1原子力発電所の事故は「フェールセーフ設計がかなりいい加減だった」という事実を露呈した。原子炉は輸送機器や薬以上にフェールセー フに設計しなければならない。輸送機器や薬と同程度以上に広範囲かつ重大に人命とかかわる。最も高度なフェールセーフのためのシステムを備えているべき だ。

 原子炉のフェールセーフ設計のコンセプトはあまりにも貧弱だった。フェールセーフ設計は、予想される被害の大きさを想定して行わなければならない。いち ばん責任があるのは、原子力発電所を設計したGEなどの技術者かもしれない。フェールセーフ設計が不十分だったからだ。

 「原子力発電所のフェールセーフ設計をどうすればいいのか?」。私は専門でないので分からない。しかし、想定される暴走や、自然災害の攻撃に対処するた めには、何重もの遮蔽と防護の構造を造り、どんな事故があっても閉じ込められるシステムにしなければならない。

 そのようなフェールセーフシステムと使用済核燃料の後処理の難しさを考えると、原子力発電のコストはかなり高いものになる。結局、経済性の面からも成立 しない発電システムになるのではないだろうか。

2.みずほ銀行が障害報告書を公開、多重ミスが障害長期化を招く(5.20  nikkeibp)
 みずほ銀行は2011年5月20日、同行が3月に起こしたシステム障害に関する調査報告書を公開した。報告書は、夜間バッチ処理においてオペレーション ミスが多重に発生したことや、システムの処理上限を1988年のシステム稼働以来見直さなかったこと、コンテンジェンシープラン(トラブル発生時の行動計 画)に不備があったことなどが、長期の障害を招いたと指摘している。
 同行のシステム障害は、3月14日に東日本大震災の義援金口座に大量振り込みがあったことをきっかけとして、24日まで続いた。大規模な為替処理の遅延 が起きたほか、ATMや営業店の業務もたびたび停止した。遅延した為替処理は、仕向為替(顧客からの送金/振り込み依頼を他の銀行に対して実施すること) が合計120万件、被仕向為替(他の銀行からの送金/振り込み依頼を受けること)が合計101万件である。

 調査報告書では障害が発生した原因を、(1)システム機能の問題、(2)システムリスク管理の問題、(3)緊急時の社内体制の問題、(4)経営管理と監 査の問題−−に分けて指摘している。
 (1)のシステム機能に関しては、義援金の大量振り込みによって夜間バッチが異常終了した問題と、夜間バッチが未完了のままオンラインを開始したことで 全面復旧に時間がかかった問題の二つを取り上げている。

 今回の障害では、義援金の大量振り込みによって1口座当たりの処理上限がオーバーし、それによって夜間バッチ処理が異常終了した。トラブルが発生した口 座は二つあり、それぞれ異なるシステム上の処理上限をオーバーした。

 また同行の勘定系システム「STEPS」は、日中のオンラインと夜間バッチを、それぞれ同じハードウエアで交互に行っている。今回の障害では、夜間バッ チが未完了の状態でシステムの日付を強制的に切り替え、翌朝のオンラインを開始した。しかし強制的に日付を処理したことで、未完了の夜間バッチを手動で処 理しなければならなくなり、全面復旧に時間がかかった。

3.ソーシャルメディアの「つぶやき」にコンタクトセンターで対応、日本アバイアが ソフト製品(5.20 nikkeibp)
 日本アバイアは2011年5月20日、コンタクトセンター向けのソフト製品群「Social Media Manager」を提供開始した。
 この製品は、ソーシャルメディア上での「つぶやき」に対して、コンタクトセンターから回答できるようにする。例えばTwitterで「あの製品を手に入 れたいが、手持ちのお金が少なくて」といった内容のつぶやきを見つけると、センターのオペレーターがユーザーに対して「その製品は来月から割引キャンペー ンを開始しますのでご期待ください」とTwitter上で返事をする、といったスタイルの顧客対応を可能にする。現時点で対応するソーシャルメディアは FacebookとTwitter。

4.2011年Q1のスマートフォン市場、大躍進のAndroidが首位(5.20  nikkeibp)
 米Gartnerが米国時間2011年5月19日に公表したスマートフォン市場に関する調査結果によると、2011年第1四半期の世界スマートフォン販 売台数は1億80万台で、前年同期の5450万台から2倍近く増加した。プラットフォーム別では米Googleの「Android」が首位に立ち、大幅な 躍進を遂げている。

 プラットフォーム別の販売台数は、Androidが3630万台と最も多く、全体の36.0%を占めた。Androidのシェアは前年同期の9.6%か ら4倍に拡大した。フィンランドNokiaの「Symbian」は2760万台で、シェアは44.2%から27.4%に大きくダウンした。米Appleの 「iOS」は販売台数が1690万台、シェアは16.8%に1.5ポイント伸びた。カナダResearch In Motion(RIM)の「BlackBerry OS」は1300万台でシェアは12.9%(6.8ポイント減)、米Microsoftの「Windows」は370万台でシェアは3.6%(3.2ポイ ント減)となった。

5.「Androidで海外売上を5倍以上の500万台に」、NECカシオモバイル が事業戦略(5.18 nikkeibp)
 「Androidスマートフォンでグローバル市場を攻略、(現在約90万台の)海外売上を2012年に500万台にする」--NECカシオモバイルコ ミュニケーションズは2011年5月18日、2011年夏モデルの製品発表会を開催、同社の代表取締役社長 田村義晴氏は同社のAndroidスマートフォン「MEDIAS」と「G'zOne」をグローバルモデルとして展開し、2年間で海外売上を5倍以上に拡大 する計画を明らかにした。

 この日同社が力を入れて紹介したのは、NTTドコモから発売される厚さ7.7mmで世界最薄のAndroidスマートフォンで、防水機能も備えた 「MEDIAS WP N-06C」。そしてKDDIから発売される防水・防塵・耐衝撃Androidスマートフォン「G'zOne IS11CA」。G'zOneはすでに米Verizon Wirelessにも提供している。同社はこれらAndroidスマートフォンをグローバルモデルとして、北米、欧州、アジア市場に展開していく戦略だ。

 2010年の同社の販売台数は約440万台で、うち約2割、すなわち90万台程度が海外。2011年は販売目標740万台のうち3割、220万台を海外 で、2012年は販売目標1200万台のうち500万台を海外で販売する計画である。



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