週間情報通信ニュースインデックスno.803 2011/04/16

1.メルトダウン寸前の日本経済――自分の将来をどう守るか(4.11  nikkeibp)
大前研一
 東京電力・福島第一原子力発電所の事故は依然として予断を許さない状況が続いているが、今回はテーマを変えてみることにしよう。実は日本にはもう一つの 「メルトダウン」寸前のものがある。それは日本経済そのものだ。
 東日本大震災により企業活動が寸断され、日本経済に大きな影響を与えているが、それについて語ろうとしているのではない。「失われた20年」などと言わ れ、日本経済が長らく低迷しているわけだが、それは「成熟国家ゆえの低成長では決してない」ということについて論じたいと思う。

家計所得が日本のように減少傾向の国はない
 最初に日本の家計所得のトレンドを把握しておこう。 米国、英国、フランスともに家計所得は、20年前に比べて2.0〜2.5倍に増えている。ところが 日本だけは、はっきりと減少傾向にある。もちろん新興国は米英仏より、もっと伸び率が高い。日本のように減少傾向にある国は他に見あたらないのである。

「一人負け」の原因は、少子高齢化と統治機構にある
 我々日本人は漠然と「成長著しい新興国に比べれば伸び率は低いだろう」「成熟国なら、どこでも同じようなもの」と考えているが、その認識は間違ってい る。日本は明らかに「一人負けの状態」なのだ。
 このように日本が元気を失っている原因は二つある。まずは、この国をデモグラフィー(人口統計学)的に見れば、極端な少子高齢化に見舞われていること。 そしてもう一つは統治機構のありようにある。私は20年以上前から「道州制」にしたうえで世界のマネーを呼び込むべきだ、と主張してきた。

 平成元年に発売した『平成維新』(講談社)の中でも、2005年までに統治機構を含めた平成の大改革をやらなければ、日本はスペインやポルトガルのよう に長期衰退の道をたどることになる、と警告し、「平成維新の会」を結成して「生活者主権の国造り」を進めてきた。現在の中央集権的な統治機構を改めない限 り、地方全体が活気を取り戻し、日本全体が「繁栄しよう」という意欲など持てないのである。

「一億総下流」の時代が到来した
 減少する家計所得について深刻なのは、これが若年層に限ったことではなく、すべての世代に共通して言える問題であることだ。このため消費も伸びず、資産 価値の目減りも進んでいる。つい先ごろまでは「高齢者はお金を持っている」というイメージがあったが、実態はそうではない。昭和を代表するジャーナリスト である大宅壮一の言葉をもじって言えば、「一億総下流」時代が到来したのだ。
 米国、英国、フランスの非金融資産は過去20年間で2.5〜3倍になっているのに対して、日本はここでもまた一貫してジリ貧状態にある。1990年比で 45%もダウンしている。金融資産は多少伸びてはいるものの、しかし、その額は他国よりはるかに低い水準にある。総資産は日本だけがマイナス12ポイント という状態だ。これが日本の置かれた厳しい現実なのである。

 生活が一番苦しいのは「夫婦、子持ち、住宅ローンあり」
 日本は、資産の目減りが世界でも群を抜いて激しい。たとえば、昨日5000万円で買ったマンションを今日売ろうとすると、一体いくらになるか? おそら く1000万円は価値が減少しているだろう。600万円で買った新車は所有した途端に400万円の値段でしか売れない。
 これは成長期の「提供者」の論理がまだ支配的で、銀行や自動車メーカーなどが自分たちに都合の良い評価システムを長年の間に築き上げてきたからだ。「生 活者が第一」という政権ができて間もなく2年が経とうとしているが、改善の兆しはない。
 もう一つ生活者側の問題としては日本には「初物」を尊ぶ風潮がいまだに残っている、という点が挙げられる。これは、日本人の生活パターンが経済成長期の ままだという証左でもある。これを改めない限り、我々の生活の先行きは暗いと言える。
 いま日本で生活が一番苦しいのは「夫婦、子持ち、住宅ローンあり」という世帯だ。世帯収入が減っているにもかかわらず、住宅ローンはそっくりそのまま 残っている。子どもの教育費は横ばいで、下がる見通しはない。現在、このパターンの家庭では世帯収入の50%以上を住宅ローンの支払いと教育費に充ててい る。20年前は30%ほどだったから、収入に対しては20%もの負担増になっている。
 一方、これから次第に定年を迎える人たちも安泰ではない。退職金は減っているし、年金の支給年齢も今後上がっていく。実際、「年金の支給を65歳よりも さらに引き上げないと年金制度が破綻する」と主張する識者もいるくらいだ。 会社を定年退職してから年金が支給されるまでの期間を「魔の5年」と呼ぶこと があるが、これが「魔の7年」になりつつあるのだ。「魔の10年」になったら明らかに高齢者の生活は破壊されることになる。

ライフプランを設計して自衛せよ
 このような状況の中、我々がとり得る自衛手段は何か。
 私が提案したいのはライフプランを設計することだ。たとえば家計で大きな負担になるのは住宅ローンと教育費、そしてマイカーの購入費(維持・管理費)で ある。この三つをうまくやりくりした人とそうでない人とでは、生涯に1億円くらいの差が生じることもある。逆に言えば、いま「生活が苦しくて貯蓄ができな い」と思っている人でも、やり方次第で数千万円の余裕を生み出すことも可能になるということだ。

1日2時間、5年間勉強すれば世界に通用する人材になれる
 「自分への投資」はどんなに高いものでも1000万円はしない。私立に通わせた場合、子供には2300万円の投資になる。すべて公立なら1000万円で 済むので、その差額の一部でも自分と配偶者に向けるべきではないか、というのが私の提案する「自衛策」である。

 もう一つ投資を時間で測ることもできる。だいたいどんな人でも年間700時間(つまり1日に2時間)の勉強を5年間続ければ、世界に通用する人材に必ず なれる。しかし残念ながら、こういう発想をする人はあまりにも少ない。

 ライフプランというと、我々は「いかに節約や貯蓄をして老後に備えるか」というところから思考を進めてしまう。しかし、それはライフプランの立て方とし てはまずい。節約や貯蓄すること自体が目的化してしまい、精神的にすぐに疲弊してしまうからだ。

 大切なことは、最初に「自分はどのような人生を送りたいのか」を決定し、そこから「何を所有すべきで、何を所有すべきでないのか」「自分への投資はどの 分野にどれだけ必要なのか」「そのお金はどのようにして確保するのか」と逆算して、メリハリのあるプランを作っていくことである。

2.世界のモバイルデータ調査:「2015年には26倍に」(WIRED VISION)(4.16 nikkeibp)
 米Cisco Systems社のレポート『Global Mobile Data Traffic Forecast』(PDF)によると、2009年から2010年で、全世界のモバイルデータは2.6倍に増えた。3年間連続で、ほぼ3倍という増加が続 いている。 Cisco社は、2015年までには、全世界のモバイルデータ・トラフィックは26倍に増え、「モバイルのみ」のインターネット・ユーザーも 7億8800万人になると予測している。

3.11年Q1世界パソコン市場の出荷台数は1.1%減、消費者向けが不調(4. 14 nikkeibp)
 米Gartnerは米国時間2011年4月13日、世界パソコン市場に関する調査結果(速報値)を発表した。それによると、2011年第1四半期のパソ コン出荷台数は8430万台で、前年同期と比べ1.1%減少した。第1四半期は通常パソコン販売が減速するが、今回は単なる季節的パターンとはいえない と、Gartnerは指摘している。同社は当期の市場を同3%増と予測していた。

 成長を妨げた最大要因は、消費者向けパソコンの需要が弱かったことだ。低価格の消費者向けパソコンは長い間市場成長の刺激剤になっていたが、もはや購入 者の関心はタブレット端末(メディアタブレット)などの電子機器に向いている。

4.iPadで24時間365日いつでも利用できる図書館、佐賀県武雄市が実証実験(4. 13 nikkeibp)
 佐賀県武雄市は2011年4月13日、米AppleのiPadを利用した電子図書館サービス「武雄市MY図書館」を同日に開始したと発表した。「武雄市 MY図書館」は、iPad用図書館アプリを用いて、図書館に行かなくても自分のiPadから図書を借りられるサービス。図書館が遠くて行けない人や、子育 てのため行けない人、障害のある人など、すべての市民に等しく図書館の図書に親しむ機会を提供することを目的に、実証実験として実施する。

 利用者はiPad用の図書館アプリ「武雄市MY図書館」(アプリ開発:コアラ)を使って、24時間いつでも図書を借りられる。1度に借りられるのは5冊 までで、15日間利用できる。iPadを持っていない人のために図書館で10台のiPadを準備し、iPadごと貸し出すサービスも提供する。実証実験は 佐賀県内在住者または武雄市に通勤・通学し、武雄市図書館・歴史資料館の図書利用カードを持っている人が対象で、1000名を上限に実施する。

 サービス開始時は、市が著作権を有する図書や著作権保護期間が終了した著作物から貸し出しを行い、順次著作者の許諾を得た図書を追加する。また、障害者 などに対するデジタル図書館サービスの整備を目的に、既存図書のデジタルデータ化も実施する計画である。

5.メガネの「ミキ」、国内1000店舗にiPad導入(4.13  nikkeibp)
 メガネ専門チェーン「メガネの三城」「パリミキ」などを展開する三城ホールディングスは、国内の約1000店舗にiPadを導入する。iPadで、メガ ネの試着アプリを使いながら選んでもらう。既に順次導入中で、2011年5月末ごろまでに全店舗に広げる。

 店舗サービスの一環として、顔写真やイラストとフレームの画像をあわせて仮想的にめがねを試着できるアプリケーションを開発。このアプリの展開用の端末 としてiPadを採用した。

 各店舗にWi-FiモデルのiPadと、インターネットイニシアティブ(IIJ)のモバイルデータ通信サービス「IIJモバイル」、モバイルアクセス ルーター「クティオ」を導入。無線LANを経由してインターネットに接続できるようにする。モバイル通信にすることで、店舗の移転や統廃合にも簡単に対応 できる。

 また、セキュリティ面では、IIJのクラウド型管理サービス「IIJ Smart Mobile Manager」を採用し、紛失や盗難の際には遠隔からロックやデータ消去を行う。IIJはiPadの販売代理店を務めており、iPad本体のほか、モバ イル通信環境、遠隔管理サービスまでをトータルに提供している。



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