週間情報通信ニュースインデックスno.802 2011/04/09

1.炉心溶融してしまった福島原発の現状と今後(4.4  nikkeibp)
大前研一
1〜3号機すべてで炉心溶融している
 福島第一原発は今、どういう状況にあるのか。 6基ある原子炉のうち、5〜6号機は「冷温停止」に成功したということなので、私たちが心配しなければな らないのは1〜3号機の炉心と4号機の使用済み燃料プールになる。  さまざまな情報を総合してみると、1〜3号機はすべて炉心溶融(メルトダウン)して いる可能性が高いと考えられる。そうでなければ、高濃度な放射能、しかも炉心にあったと思われる放射性物質がタービン建屋の地下やトレンチ(坑道)に多量 に出てくることは考えられない。また、海水の汚染も通常の3000倍、4000倍を超えるきついものになっている。これらが使用済み燃料プールから出た放 射能によるものとはとても考えにくい。

燃料の融点は2700度、圧力容器の1550度より高い
 それから3号機の建屋から黒煙が2度にわたって立ち昇ったことに注目したい。圧力容器は鋼鉄製なので過熱されても黒煙など出ない。もちろん冷却プールに ついても、8メートル以上深いところに置いてある使用済み燃料集合体が仮に上半分の水がなくなって露出しても黒煙は出ない。

 おそらく燃料が溶融し、厚さ16センチもある鋼鉄製の圧力容器の底に穴を開け、格納容器の下にかなり落ちている、と考えられる。燃料である酸化ウランは 融点が2700度なので、鋼鉄の融点1550度よりもはるかに高い。仮に水の中に落下したとしても、3センチしか厚さがない、格納容器の底を痛めている可 能性が高い。場合によっては底に穴が開き、外部の物質と接触し燃やしてしまった可能性もある。

3月15、16日には炉心溶融していた可能性が高い
 ではいつ炉心溶融が起こったのか? 米ニューヨーク・タイムズ紙に出ていたグラフを見ると、なんと3月15日と16日に3回の大きな放射能の放出(サー ジ)が福島第一原発の正門付近の計測地で観測されている。

 地震と津波の翌日12日には1号機で水素爆発が観察されているが、その時には放射能はほとんど検出されていない。つまり、15、16日の放射能のサージ は水素爆発によるものではないことが分かる。 そうなると炉心で何か起きて、外部に放射能が飛び散ったことになる。炉心圧力容器は140気圧に耐えるの で、そこから放射能が直接漏れ出たとは考えにくい。やはり溶融燃料が炉心の底を溶かし、格納容器の底にたまった水の中に何らかの形で落下してきた、と考え るほうが自然だ。その一部、マグマのようになったウラン酸化物が底辺の鋼鉄を溶かし、外部に水漏れができるくらいの穴を開けていると考えられる。

 格納容器は周囲を2メートルものコンクリートで固められているが、下の部分は人工の岩盤(マンメイドロック)であるので、おそらくそれを溶かすことはな いと思われる。溶融したウラン酸化物が水に接すると水蒸気爆発が起こることも考えられるし、一時的に圧力が上昇して逃し弁から大気に放射能が放出された可 能性もある。

配管や配線パイプから水が漏れ出した可能性
 東電の言っていることが正しければ、3号機のタービン建屋は3月23日にはドライであった。その後、3人の工事関係者が24日に行ったときに水が深さ 15センチくらいたまっており、ベータ線火傷を負っている。 ということは、消火のために注入した水が格納容器内にもたまり、その水面以下のところにある 配管や電線ケーブルパイプなどを通じて漏れ出していることになる。

 経済産業省原子力安全・保安院は、上部のパイプなどから水が漏れた可能性がある、と説明しているが、その場合には圧力容器のかなり上部にまで水があるこ とになる。そうなると燃料が溶けることは考えにくいので前ページの図に示されているサージが何であったのか、かなり説明が難しくなる。

 いま2号機と3号機は圧力容器の内圧が大気圧と同じになっているので、何らかの理由で外気とつうつうになっている。逃し弁から放射能が出たとすると、核 暴走か水蒸気爆発が起っていたことになる。だから私が3月27日公開のYouTube版で言ったように、格納容器の底辺に穴が開いてしまっている、という 説明のほうが辻褄が合うことになる。

最悪の事態はすでに「過去形」か
 どちらにして、もし燃料が溶け出して底に落ちてきているのなら、最悪の事態はすでに「過去形」かもしれない。炉心部にまだ燃料が大量に残っているのな ら、溶け出してきたマグマの堆積の形状によっては依然として臨界になる可能性もある。

 一方、すでに燃料の大半が底に落ちてしまっていれば、格納容器の底辺が平らであること、大量に水があること、ホウ酸がその水に大量に含まれていること ――などを前提にすると、再臨界の可能性は低い。また、仮に再臨界となっても広い格納容器の底辺なら、核物質が瞬時に散って暴走は止まる。水蒸気爆発が起 きても厚さ2メートルのコンクリートで固められた格納容器が飛び散ることはないだろう。

 炉心の緊急停止から3週間以上も経っているので崩壊熱もかなり落ちてきている。メルトダウン(炉心溶融)を含めた最悪の事態はすでに15、16日の日に 起きていた、と考える理由である。

 原子力安全・保安院はこれを認め、事故を「レベル6」と認定し、今後は気の遠くなるような長期にわたる後処理に専念すべき時期に来ているのではないだろ うか。

汚染水をどう処理すべきか
 こうした私の見方が正しければ、放水で冷却を続ける限り今後は放射性物質の外部拡散が徐々に減っていくことになる。しかし、放水などで冷却していては逆 に汚染水があふれ出して周辺の生態系や海水を汚染し続けることになる。

 私はタービン建屋で高濃度の汚染水が見つかったことに基づいて、やがてこれは建屋の脇から海に流れ出す可能性が高い、と3月27日公開のYouTube 版で述べた。これについては実際、その後4月2日になってトレンチとピット(立て坑)から海に漏れている、と報道されている。臨界の危険性が少なくなるに つれ、今後の対策は冷却と汚染のバランスに移ってくることを示唆している。

 冷却に関しては、タービン建屋に何らかの形で立ち入り、底にたまった汚染水を復水器から炉心に戻し、循環させることを優先的に模索するべきだ。緊急冷却 系が使えるならそれでもいいだろう。今のように毎日800トンもの水をポンプで外部から注入すれば、その受け皿が必要になるが、敷地内のラド・ウエイスト (放射性廃棄物)貯蔵用プールはおそらく満杯だろう。仮に空っぽであったとしても1カ月程度で満杯となる。

 古いタンカーやメガ・フロートを持ってくる案も検討されているが、これもやはり数カ月で一杯になる。さらにそういう構造物をどこに廃棄するのか、廃棄す るまでどこに置いておくのか、など派生的な問題がかなり苦しい。

 福島第一原発が廃炉になることが決まれば、港湾の一部を封鎖して、そこに汚染水を流し込む作戦のほうが現実的かもしれない。もちろん恒常的な冷却ループ ができれば、それに越したことはない。

2.小惑星探査機「はやぶさ」と同型のイオンエンジン、NECが米国で動作試験に成 功(4.8 nikkeibp)
 NECは2011年4月8日、米エアロジェット ジェネラルと共同で、人工衛星向けのイオンエンジンの動作試験を米国において実施、動作に成功したことを発表した。同エンジンは、JAXA(宇宙航空研究 開発機構)が2003年5月に打ち上げた国産の小惑星探査機「はやぶさ」に搭載されていたものと同型。

 動作試験を実施したのは米国時間4月6日で、アメリカ政府関係者やアメリカ航空宇宙局(NASA)、JAXA、米国の人工衛星製造メーカーなどが立会っ たという。NECでは、今回の試験成功について「今後の米国における販売活動を強く後押しする」きっかけになると評価している。

 なお、「はやぶさ」が搭載していた同イオンエンジンは、JAXAの委託を受けてNECが製造したもので、推進力を生み出すイオンの生成にマイクロ波を用 いる独自技術を採用している。同社では、マイクロ波を使うことにより従来のイオンエンジンと比べて2倍以上の長寿命と高信頼性を実現しており、これが 2010年6月13日の同機の地球への帰還に貢献したという。

3.日本IBMが企業向け統合ソーシャルソフトを発売、社員の知識を「集合知」とし て活用(4.6 nikkeibp)
 日本IBMは2011年4月6日、企業向け統合ソーシャルソフトウエアの新版「IBM Connections 3.0.1」を発売、同日から出荷を開始した。同社およびビジネスパートナー経由で販売する。

 IBM Connections 3.0.1は、個々の社員が持つ様々な知識を集約し、企業の「集合知」として活用するためのソーシャルソフトウエアプラットフォーム(旧名は「IBM Lotus Connections」)。IBM AIXやLinux、サーバー向けWindowsなどのOSで動作する。新版では、「アイデア・ブログ」と「モデレーション機能」という二つの新機能を売 りとしている。

 アイデア・ブログは、ユーザーが情報を交換および共有するための機能である「コミュニティー」にメンバーが新しいアイデアを投稿した際に、他のメンバー がコメントを書き込んだり賛同の意を投票できる機能。Facebookなど最近のSNS(ソーシャルネットワークサービス)でおなじみの機能である。

4.Consumer Reports誌のタブレット端末評価、「iPad 2」がトップに(4.6 nikkeibp)
 米国の消費者団体が発行するConsumer Reports誌は米国時間2011年4月5日、同誌のタブレット型コンピュータの評価ランキングで、米Appleの「iPad 2」が首位になったと発表した。
 米Motorola Mobility、フランスARCHOS、米Dell、韓国Samsung Electronics、米ViewSonicの製品と、AppleのほかのiPadなど合計10製品について同誌のラボで実験を行った。評価対象は、 タッチスクリーンの応答性や、バッテリー駆動時間、持ちやすさ、画面のぎらつきなど合計17項目。同誌によると、iPad 2 Wi-Fi+3Gの32Gバイトモデル(729ドル)がほぼすべての項目で「優良」となり、最高評価を得た。またiPadの初代モデルもMotorola の「XOOM」(800ドル)と同率となり、ほかの多くのモデルを上回ったとしている。

 同誌のPaul Reynolds氏は、「初代機が市場投入されてからこれまでの1年間、iPadはタブレットコンピュータ市場で事実上唯一の製品だった。ここにきてよう やく本格的に競合製品が登場してきたが、iPad 2はAppleの製品としては珍しく価格競争力を持ち、今のところ価格、品質ともに市場をリードしている」と述べている。

 また同氏は、「現在iPad 2の最大のライバルと呼べるのはMotorolaのXOOM」、としたうえで「今後競合製品が次々と登場するなか、価格競争はさらに激化するだろう」とも 述べている。

5.最大450Mbpsで通信できる無線LANルーター、ロジテックが発表 約2万円で4月中旬に発売、「マルチSSID」にも対応(4.4 nikkeibp)
 ロジテックは2011年3月31日、伝送速度が最大450Mbpsの無線LANルーター「LAN-WH450N/GR」を発表した。4月中旬に発売す る。同社のWebストアでの直販価格は1万7800円。

 LAN-WH450N/GRは、IEEE 802.11a/b/g/n規格に対応している。5GHz帯の電波を使い、3本の通信経路で親機および子機間のデータを送受信すると、最大450Mbps (理論値)で伝送が可能。実効速度は、最大200Mbpsを超えるという。複数のSSIDを同時に利用できる「マルチSSID」機能に対応。本体背面に、 1000BASE-T対応のLAN端子を4つ備える。

 注意したいのは、無線LANクライアント(子機)側も450Mbpsに対応していないと450Mbpsで通信できないこと。現在発売されているノートパ ソコンの多くは150M〜300Mbpsに対応した子機機能しか搭載していおらず、450Mbpsで通信するには450Mbpsに対応する子機アダプター を別途用意する必要がある。



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