週間情報通信ニュースインデックスno.801 2011/04/02


1.チェルノブイリ、25年後の現実(3.31 nikkeibp)
James M. Gomenz
Daryna Krasnolutska
 チェルノブイリ原子力発電所の凍てつく敷地内では、カタカタと音を立てるガイガーカウンター(放射線測定器)が、史上最悪の原発事故の影響を今も伝えて いる。焼け落ちた原子炉を封じ込めるため、一時しのぎの策として造られた“石棺”は腐食が進む。

 「石棺はこれほど長期間使われるはずではなかった」。同原発の現場監督、アレクサンドル・スクリポフ氏は呼吸マスク越しに、くぐもった声で語る。その背 後に立つ1986年4月の爆発事故後に急ごしらえで造られた石棺は、壁の崩壊を防ぐために支柱で支えられている状態だ。

 国内観測史上最大の地震に見舞われた日本では、東京電力福島第1原子力発電所の炉心溶融(メルトダウン)を回避するための努力が続けられている。放射能 漏れの脅威が現実となったことで、チェルノブイリ原発からの放射性物質が欧州全域に降り注いでから四半世紀を経た今、原発の安全性を巡る論議が再び活発に なっている。

 欧州連合(EU)及び米国の当局は、チェルノブイリ原子炉の恒久的な格納施設を建設する費用の調達に今も苦労している。各国とも世界金融危機で膨大な債 務を抱えただけに、税金による支出には及び腰だ。昨年、国際通貨基金(IMF)から156億ドルの緊急支援を受けたウクライナは、単独ではとても費用を賄 い切れないとしている。

 「長年、経済的な理由から、原発の安全性に関する議論は全くされてこなかった」。原発の安全性が専門で、76年には拡大する原発産業を分析した著書も出 版した英王立国際問題研究所のウォルト・パターソン氏は語る。「国民は今後、原発問題に資金を投じることに一段と消極的になるだろう」。

 チェルノブイリ原発のイホール・フラモトキン所長は、原子炉の閉鎖には20億〜25億ドルという新規建設と同じくらいの費用がかかると話す。2000年 12月にやっと稼働を終了した同原発では、今も3473人が働く。
 「ここを訪れる人が目にするのは“人類の過ち”だ」。2月24日、フラモトキン所長はこう語った。「チェルノブイリで起きたのは、原発の歴史上最大かつ 最も困難で深刻な事故だった。だがチェルノブイリ、25年後の現実福島第1原発の事故を受け、世界的に原発の安全性を巡る議論が再び高まっている。チェル ノブイリ周辺の汚染は依然深刻で、恒久的格納施設の建設は資金難で難航する。


福島をはるかに凌ぐ放射線量

 IAEAが発表した、日本で観測された1時間当たりの放射線量と、チェルノブイリ事故当時の放射線量を比較すると、チェルノブイリの爆発した原子炉外部 の放射線濃度は、福島原発内で記録された最大値の約50倍だった。また同じデータによると、チェルノブイリの原子炉そのものの放射線量は、福島原発の爆発 *1の際の1000倍の高さだった。

 チェルノブイリ原発のチーフエンジニア、アンドリ・サビン氏によると、今日でも原子炉近くの放射線量は、150km離れたキエフ中心部の通常の量と比べ て約300倍の水準にある。
 チェルノブイリ事故に対処した専門家2人が、地震の被害に遭った原発の支援に当たるために日本に向かった。だが、キエフのラズムコフ政治経済研究セン ターのエネルギー専門家、ボロジミール・オメルチェンコ氏は、福島原発の事故は1979年に米ペンシルベニア州スリーマイル島原発で起きた事故に近いと語 る。

 「チェルノブイリの原子炉には鋼鉄製の防御壁もなく、日本の原子炉と比べて防御が厳重ではなかった。さらにチェルノブイリの爆発は福島よりはるかに激し かった一方、防御システムも冷却システムも貧弱だった」とオメルチェンコ氏は語る。

 スリーマイル島原発の事故では、冷却システムの不具合によって部分的に炉心溶融が起きた。だが死傷者は出なかった。チェルノブイリでは事故後86年7月 までに、原発作業員や消防隊員など少なくとも31人が死亡した。
  ウクライナ緊急事態省のホームページによると、現在もまだ215万人が放射能で汚染された土地に住んでおり、30km圏内の立ち入り禁止区域は今も有 効だ。検問所では放射能検出器を使い、過剰な放射線を浴びた可能性がある訪問者がいないか確認している。

 「我々は日々、これまで誰も下したことのない決断、解決したことのない問題に向き合っている」とフラモトキン氏は語る。「チェルノブイリ周辺のあらゆる ものが、ウクライナに限らず、欧州全域、そして世界全体の人々の健康にとって非常に危険だ。安全確保には莫大な費用がかかり、すべては資金調達の成否にか かっている」。

 チェルノブイリの解体、被害者への手当て、今後100年にわたる環境保護といった問題は、いずれも未解決のままだ。当局は仏バンシ、ブイグなどによるコ ンソーシアム、ノバルカが設計する新しい鋼鉄製のアーチ型をした格納施設は2014年には完成する、としている。だが2月時点では、アーチを移動し、固定 するための分厚いコンクリート製の軌道しか建設されていない。となった制御室はいまだにがれきに覆われている。錆びついた制御パネルに電力は通じておら ず、光源は一切ない。

2.「スマホ」向けのセキュリティ基盤サービス、ベリサインとアイキューブドが提供 開始(3.31 nikkeibp)
 1つ目のベリサイン MDMは、スマートフォンやタブレット端末の統合管理機能を提供するサービス。ユーザー企業の管理者は、管理画面を使って、端末機器の電話番号や固有ID の取得といった情報収集、電子証明書のインストールやリモートワイプ(遠隔による強制消去)などの操作が可能である。ベリサインが持つ電子証明書認証局の 仕組みを組み合わせることで、不正アクセス対策を強化した。

 2つ目のベリサイン GATEは、「Google Apps」などのクラウドサービスや社内システムに対するシングルサインオンの仕組みと、ベリサインの高度認証を組み合わせたサービス。Google Appsやマイクロソフトの「Office 365」、Salesforce、あるいは社内の既存サービスなど、複数のサービスに対するシングルサインオンの環境を提供する。

3.Skype、教師向けオンラインコミュニティーサービスを無料で正式公開(3. 31 nikkeibp)
 ルクセンブルクSkype Technologiesは現地時間2011年3月30日、教育分野向けの新サービス「Skype in the classroom」を正式公開した。教師同士でアイデアや意見、スキルを共有し、交流するためのコミュニケーションツールを無料で提供する。

 Skype in the classroomは2010年12月末からベータ提供してきたメンバー制のオンラインコミュニティー。ベータ期間中に99カ国から3900人以上の教師 が参加したという。

 Skype in the classroomに登録するにはSkypeアカウントが必要。登録者は、担当している学年、課目、地域、自身のスキルや関心事などを入力したプロフィー ルページを作成する。検索機能を使って、ニーズや目的に合った人材や情報、自身のスキルが生かせるプロジェクトなどを見つけることが可能だ。

4.2011年の世界IT支出予測を5.6%増へ上方修正、タブレット端末は3倍増(3. 31 nikkeibp)
 米Gartnerは現地時間2011年3月30日、2011年の世界IT支出の前年比を、従来の予測値5.1%増から5.6%増に上方修正した。支出額 総額は2010年の3兆4000億ドルから、3兆6000億ドルへと増える見込み。

 上方修正要因は、コンピューティングハードウエア分野に、2011年第1四半期から米Appleの「iPad」などタブレット端末の支出額を追加したた め。これに伴って同分野の支出伸び率を従来の予想値7.5%から9.5%に引き上げている。

 また、世界におけるタブレット端末の2011年の支出額は、2010年の96億ドルから294億ドルへ、およそ3倍になるという。タブレットは2015 年まで年平均52%の成長率で伸びていくとしている。

5.「世界で最も優秀なCEO 30人」、AppleのJobs氏やARMのEast氏など、米誌Barron's(3.28 nikkeibp)
 米Dow Jonesが発行する金融情報誌Barron'sは、「世界で最も優秀な最高経営責任者(CEO)30人」の2011年版を発表した。2011年3月26 日付電子版によるとランク入りしたのは米AppleのSteve Jobs氏、米IBMのSam Palmisano氏、米Amazon.comのJeff Bezos氏、米OracleのLarry Ellison氏など。日本人ではキヤノン会長の御手洗冨士夫氏が選ばれている。また今年新たにランク入りしたのは、英ARM HoldingsのWarren East氏や米EMCのJoe Tucci氏、ドイツDaimlerのDieter Zetsche氏など8人だった。

 Barron'sは、「AppleのSteve Jobs氏が最も優秀なCEOであると結論付けてもほぼ間違いない」としている。Appleはごくわずかなシェアしか持たないパソコンメーカーだったが、 Jobs氏は数々のヒット商品を生み出し、同社を米国で時価総額2位の企業に成長させた。「Jobs氏は消費者が求めるものを消費者が気付く前に予測でき る才覚がある」と評価している。

 またARM Holdingsは、消費者によく知られている企業ではないが、今や同社の設計に基づいたプロセッサは世界の大半の携帯電話に採用され、Appleの新型 タブレット端末「iPad 2」など話題の製品にも搭載されている。欧州でARMを超える革新的なハイテク企業はほかにないとしている。

 一方で、今年ランクから外れた人物には、セクシュアルハラスメント疑惑に絡む問題で米Hewlett-Packard(HP)を去ったMark Hurd氏や、業績不振で投資家を失望させた米Cisco SystemsのJohn Chambers氏がいるとしている




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