週間情報通信ニュースインデックスno.799 2011/03/19


1.米メディアが見た東日本巨大地震(3.17 nikkeibp)
 東北・関東を襲った大地震発生と同時に、米メディアは大規模な取材力を投入、連日現地からのレポートを視聴者に送っている。その規模は、おそらくイラク 戦争開戦直後の取材体制に匹敵するだろう。 ここ10年、米メディアの日本への関心は急速に薄れていた。政治決定のできない、変わり映えのしない政治。 「失われた10年」の残渣をいまだに引きずる日本経済。日本は輝きを失ったままだ。米メディアにとって日本は、ニュースバリューの低い国になっていた。

 その日本に3月11日、まるで聖書の黙示録を再現するかのようなカタストロフィーが起こった。米メディアにとっては「空き家」同然になっていた日本を、 地震と津波が奇襲したのだ。
 大地震は他の国でも頻繁に起こっている。ハイチでも中国でも起こっている。津波も東南アジアを襲っている。核漏れも小規模なものなら欧州でも起こってい る。
 だが、その3つが束になって同時多発的に先進民主主義国・日本を奇襲した。これはアメリカ人にとっても対岸の火事ではなかった。いつアメリカで起こって も不思議ではない。とくに2005年8月、米東南部を襲った大型ハリケーン・カトリーナの惨事や1979年3月のペンシルベニア州スリーマイル島原子力発 電のメルトダウンはアメリカ人の記憶に新しい。

 しかも日本はアメリカの極東戦略にとって欠かすことのできない同盟国。そこには米軍4万人が駐留している。そういう認識は、地震発生直後の段階では、米 メディアの編集幹部の頭に浮かばなかったかもしれない。

 米メディアが日本への集中豪雨的取材に転じるきっかけとなったのは、おそらくオバマ大統領の記者会見だったと思う。地震発生から8時間ほどたって行われ た会見の冒頭で、オバマ大統領は異例の所見を述べた。

 日本国民、特に被災者に対して「テレビで現状を観ていて胸が張り裂ける思いだ。妻と私は深甚なるお見舞いを申し上げる」と述べて、オバマ大統領は日本と の絆を強調した。
 「日本が試練の真っ只中にいるとき、日本の友人に我々はありとあらゆる支援の手を差し伸べる用意がある。日米両国民の友情と同盟とは揺るぎない」
 しかもオバマ大統領はこの段階で既に米空母や他の艦隊の日本への出動にまで言及するという周到さだった。いわば、オバマ大統領自身がメディアの背中を押 したと言える。

 米メディアが今回の大震災を報道する中で、アメリカ人は、忘れかけていた日本と日本人を久しぶりに観た。震災の映像を見ながら、副産物的に日本人の姿を 再確認したのではないだろうか。

米メディアは日本人のGamanに驚いた

 大惨事のすさまじさがアメリカ人のお茶の間に流れれば流れるほど、今の日本が素っ裸にされた。地震で崩壊した建物は、中国や中南米の前近代的な建物では ない。立派なビル、民家、学校、漁船、飛行機…。辛うじて助かった人たちの表情、しぐさ。悲しみを必死に耐えながら、秩序正しく、冷静さを保っている日本 の被災者たち。

 「地震が起こった後の日本政府や行政の対応は、後手に回るだけで話しにならない。だが、事を処するに当たって日本の一般市民が示した弾力性とストイシズ ム、規律正しさには驚くべきものがある。日本語に『Gaman』(我慢)という言葉がある。英語では同じ意味の言葉はないのだが、あえて言えば 『Toughing it out』といった意味だろうか。日本の被災者は驚くべきGamanをもって、秩序を守っている。あの大地震の後、水や食糧を求める長い列に黙々と並ぶ。自 分のことは傍らに置いて、他人を助ける。商店から商品を盗み出すなどといったことは論外だ」

2.NTT東日本が岩手県内通信ビルの被災状況写真を公開、外壁が消失した局舎も(3. 19 nikkeibp)
 NTT東日本は2011年3月18日夜、震災による通信サービスへの影響についての第19報を発表、その中で被害が非常に大きい岩手県における通信ビル 局舎の被災状況を示す写真3点を公開した。地震および津波の破壊力の恐ろしさをあらためて知らしめる写真となっている。

 公開したのは、岩手県内にある通信ビル「鵜住居(うのすまい)ビル」と「大町ビル」、「山田ビル」の3点。特に鵜住居ビルと大町ビルは、壊滅的な被害を 受けていることがはっきりと分かり、復旧までには相当な時間がかかることが予想される。

 宮城、岩手、福島エリアにおける加入電話とISDN、フレッツ光(ひかり電話を含む)のサービス利用不能状況についても発表している。18日午後3時時 点では、加入電話が約30万5400回線が不通になっており、17日午後2時時点と比較して約9万6000回線が回復したという。

 ISDNについては約3万500回線が不通で、同じく前日の14時時点と比較して約1万3200回線が回復。フレッツ光については約6万8800回線が 不通(うちひかり電話が約5万5500回線)で、同約2万7900回線(ひかり電話は約2万4100回線)が回復したとしている。

3.NECが損傷した生産拠点の復旧に着手、一部出荷も開始(3.18  nikkeibp)
 NECは2011年3月18日、東日本大震災で損傷した生産拠点の復旧に着手したと発表した。通信機器を製造するNEC東北(岩手県一関市)と無線通信 機器を製造するNECワイヤレスネットワークス(福島県福島市)は、震災前に製造した完成品の出荷を順次始めている。

 震災で損傷したNEC東北、NECワイヤレスネットワークス、NECトーキン仙台事業所/白石事業所(宮城県仙台市/白石市)、NECインフロンティア 東北(宮城県白石市)ともに全従業員の無事を確認している。遠藤信博社長を本部長とする対策本部が、被災状況の確認や今後の対応の検討などを進めている。

 NECは併せて、被災地域の復興支援に関する取り組みも発表した。電球型LEDランプ千個や電球型蛍光ランプ5千個、ラジオ機能付懐中電灯900個など の提供を決めた。既にNECは義援金やパソコン、通信機器などを合わせて総額1億円超の寄付を発表している。

4.みずほ銀行のシステムトラブルは原因・復旧時期とも不明、「正常化に時間かか る」(3.17 nikkeibp)
 みずほ銀行は2011年3月17日、15日から続いているシステムトラブルに関して記者会見を行い、西堀 利頭取は「正常化には時間がかかる」との見通しを示した。トラブルの原因は今もなお不明。18日以降はATMや窓口業務の開始時間を遅らせるほか、引き落 としや給与振り込みといった社会生活にとって重要な業務以外の取引を制限し、復旧に全力で取り組む。

 今回のシステムトラブルは、3月14日に東京都内特定支店への振り込みが、想定量を上回ったことをきっかけとして発生した。この結果、15日午前5時ま でに終了すべき夜間バッチ処理が終了せず、15日付の国内銀行向けの振り込みが約38万件(金額で4900億円)未処理となった。また、夜間バッチ処理が 終了しなかったことから、オンラインシステムの起動も遅れ、ATMでの振り込み処理などが10時30分までできなくなった。

5.Apple、「iPad 2」の日本での発売を延期、海外メディアが報道(3.16 nikkeibp)
 東日本大震災を受け、米Appleが新型タブレット端末「iPad 2」の日本での発売を延期すると複数の海外メディアが報じている。Appleは正式発表を行っていないが、米Bloombergは2011年3月15日付 の電子版で、Appleの広報担当者が電話取材に応じ「今は、日本の人々や当社の社員が復旧に力を注いでいる時期。日本での発売を遅らせる」と述べたと報 じている。新たな発売日については明らかにしていないという。

 iPad 2は米国で3月11日に販売を開始した。最初の週末で40〜50万台が売れたなどとも言われており、売れ行きは好調のもよう。現在Appleの米国オンラ インストアでは、出荷予定日を「4〜5週間」と表示している。同社は米国に続き、日本を含む26カ国で3月25日に発売するとしていた。日本以外の国では 予定通りの発売になるとBloombergは伝えている。

 米Wall Street Journalによると、Appleの日本のスタッフは現在被災者の救済を支援している。パソコンや携帯電話のバッテリー充電や無料のインターネットアク セスを提供し、被災者の家族、知人が連絡を取り合えるよう協力している。





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