週間情報通信ニュースインデックスno.793 2011/02/05

1.後継者を育てていますか?(2.4 nikkeibp)
 戸川 尚樹(日経ビジネス記者)
 ジョブズCEOの休養で、米アップルの株価が一時急落。後継者選びの重要性が改めて浮き彫りになった。日本企業の経営者にとっても対岸の火事ではない。
 次代を担う後継者の育成。米アップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)の期限なしの休養は、この課題を企業経営者に改めて考えさせたこと だろう。

 アップルは17日、ジョブズCEOが病気療養のため休養すると発表。カリスマ経営者が不在になることを受け、18日のニューヨーク株式市場でアップル株 は一時、前週末の終値に比べ6%超下げた。 当面ジョブズ氏の留守を預かるのがティム・クックCOO(最高執行責任者)。調達や生産などに目を光らせ、低 コストでスピード感のある経営を実現した、アップル躍進の陰の立役者だ。米AMRリサーチが昨年発表したサプライチェーン管理の実力を示す「サプライ チェーン トップ25」で、アップルは3年連続の1位を獲得した。

 こうした点を踏まえ、市場関係者からは「ジョブズ氏が不在でも、経営管理の面では問題ない」(証券アナリスト)との声も上がる。 ただ、それでもクック氏にはカリスマを支えてきた黒子というイメージがつきまとう。いくら経営管理手法が確立していても、同社が独創的な商品を出し続けら れるという保証にはならない。 2004年と2009年にも病気休養しているジョブズCEOが、今回のような事態が起きることは予測できたはず。だが、それに備えて後継者をきちんと育て ていたとは言い難い。

 もともと米国の大手企業は、日本企業に比べれば後継者の選抜や育成システムが充実しているとされる。米ゼネラル・エレクトリック(GE)や米IBMが代 表格で、GE元会長のジャック・ウェルチ氏が、5年以上かけて候補者23人の中からジェフリー・イメルト氏をCEOに選んだのはよく知られるところだ。

 IT(情報技術)企業では、米マイクロソフトが2年の準備期間を設け、スティーブ・バルマーCEOを中心とする新体制へと徐々に移行した。同社は 2006年6月15日に、「ビル・ゲイツ会長が2年後の2008年7月で経営の第一線を退く」と発表。翌日の株価への影響は、ほとんどなかった。

 国内ではソフトバンクの孫正義社長が後継者育成に特化したプログラムを昨年7月に開始した。まずは社内外の300人の候補者を対象に、十数年かけて経営 ノウハウを継承するという。
 ただ、これはレアケースで、日本の場合、後継者の選抜の過程が社内外に早くから示されることは少ない。また、有力経営者が社長の座を後継に譲っても、会 長として権限を保持することが多く、実質的な交代時期が不明瞭なケースが目につく。トップがカリスマ性を帯びるほど、突然の交代や休養はリスクを伴う。そ のことをアップルのケースは示した。

2.エジプト政府が通信事業者にメール送信を強要、Vodafoneが抗議(2.4  nikkeibp)
 英Vodafone Groupのエジプト法人Vodafone Egyptは現地時間2011年2月3日、エジプト政府から強要され、同社の携帯電話サービス契約者に対してメールを送信したと公表した。同国では非常事 態の際、政府当局がこうした権限を持つが、Vodafoneによると、反政府デモが始まったころから政府はこの権限を行使してきた。同社は「すべてのメー ルは透明性を持つべきで、作成者に帰属すべきだ。このような状況は受け入れがたい」と抗議している。

 Vodafoneはメールの内容を明らかにしていないが、米メディア(Bloomberg/Wall Street Journal)によると、「エジプト軍隊から忠実なエジプト国民にお願いです。国民や名誉、尊いエジプトを守るために反逆者と犯罪者に立ち向かおう」 「うわさには注意し、理性の声を聞こう」といった内容という。Vodafoneのほか、France Telecom傘下のMobinilとアラブ首長国連邦Etisalat傘下のEtisalat Egyptの2社からも同様のメールが送られたと記事は伝えている。

3.IPv4アドレス中央在庫がついに枯渇、ただし「これは通過点」---4組織が 式典とプレスカンファレンス(2.4 nikkeibp)
 世界中のIPv4グローバルアドレス管理の大元であるIANA(Internet Assigned Numbers Authority)は米国時間の2011年2月3日、最後に残ったIPv4グローバルアドレス5ブロックを、世界に五つある地域インターネットレジスト リー(RIR)にそれぞれ一つずつ割り振った。これをもって、ついにIPv4グローバルアドレスの中央在庫が枯渇した。

 今回の割り振りは、以前から決まっていた「IANA在庫が最後の5ブロックになった段階で、各RIRに1ブロックずつ割り振る」というポリシーに従って 実行されたもの。既に米国時間の1月31日には、IANAがアジア太平洋地域のRIRであるAPNICに2ブロックを割り振っており(関連記事1、関連記 事2)、未割り振りの領域は5ブロックとなっていた。なお、ここで言うアドレスブロックは「/8」というサイズで、実際には1677万7216のIPv4 アドレスの固まりを指す。

4.IPv4アドレスはどう枯渇し何を変えるのか (12.10 nikkeibp)
Q5:プロバイダーやデータセンターはどんな影響を受けるの?
 IPv4グローバルアドレスが枯渇すると、プロバイダーやデータセンターは事業の拡大が難しくなる。例えば、家庭向けのインターネット接続サービスや、 ホスティングの新規ユーザーにIPv4グローバルアドレスを割り当てられなくなってしまう。そのため、様々な枯渇対策が必要となる。
 まず、根本的な対策としては次世代のIPv6への移行が挙げられる。バックボーンや自社サービスのサーバーをIPv6へ対応させていくのだ。

 プロバイダーの場合は、エンドユーザーにIPv6インターネット接続サービスの提供を開始する。現在でもソフトバンクBBが提供する6rdという技術を 使ったIPv6接続など、いくつかのサービスが存在する。2011年には、IPv6接続サービスがさらに増える見通しだ。この背景には、2011年4月以 降にも始まるNTT東日本/西日本(NTT東西)のNGN上でのIPv6インターネット接続サービスがある。NGN上での接続方式には2種類ある。一つは 3社のネイティブ接続事業者だけがNGNと接続し、その他のプロバイダーはネイティブ接続事業者からローミングサービスを受ける「ネイティブ方式」。もう 一つは、ユーザー宅内にアダプターと呼ばれる装置を導入して、これまで通りプロバイダーが自社のネットワークでIPv6インターネット接続を提供する「ト ンネル方式」だ。ネイティブ接続事業者の1社である日本ネットワークイネイブラー(JPNE)に出資しているKDDI、NECビッグローブ、朝日ネット、 ニフティなどはネイティブ方式を採用する可能性が高い。一方、NTTコミュニケーションズは、2011年の4月から6月くらいをめどに、トンネル方式での サービスを提供する予定と表明している。

 とはいえ、IPv4インターネットがすぐになくなるわけではない。インターネット上の多数のサーバーをIPv6対応に切り替えるには時間がかかる。ま た、エンドユーザーにとってはIPv4でもIPv6でも、提供されるサービスにはさほど違いがない。そのため、IPv4を使い続けるユーザーはしばらく残 ると考えられる。インターネットは当面、IPv6とIPv4をパッチワーク状につなぎあわせた構成になる。プロバイダーやデータセンターでは、IPv4グ ローバルアドレスの確保と、IPv4とIPv6を共存させる技術が必要だ。

Q6:エンドユーザーには関係ないんじゃないの?

 IPv4グローバルアドレスの枯渇に伴なって、エンドユーザーが受ける影響はゼロではない。まず、プロバイダーがQ5で挙げたような対策を打つことに よって、エンドユーザーが選択できるインターネット接続サービスのメニューに変化が出てくるだろう。2011年4月以降にはIPv6インターネット接続 サービスを提供するプロバイダーが増える見通しだ。また、2011年後半には、一部プロバイダーでLSNが導入され、IPv4プライベートアドレスの割り 当てが始まる。具体的なサービスメニューを公開しているプロバイダーはまだないが、当初は既存ユーザーにはそのままIPv4グローバルアドレスを割り当 て、新規ユーザーからIPv4プライベートアドレスの割り当てを開始するのが現実的だろう。LSNの導入と前後してIPv4グローバルアドレスのサービス の受け付けを停止するプロバイダーが出てくる可能性もある。

 なお、IPv4プライベートアドレスの導入によって、エンドユーザーのインターネット利用環境がどの程度影響を受けるかは、まだはっきりとわからない。 例えば、「LSNの導入によって1ユーザー当たりに割り当てるセッション数に制限が出てきた場合、多くのセッションを利用するWebアプリケーションが正 常に利用できなくなる」「IPv4グローバルアドレスの利用を前提にした一部アプリケーションが使えなくなる」といった課題が指摘されている。ただし、前 者はプロバイダーが1ユーザー当たりに十分なセッション数を割り当てれば回避できる。また、アプリケーションの利用の可否については、LSNのNATの実 装によって変わってくるだろう。この点は、プロバイダーによるLSNの検証と、サービス開始前の情報開示が待たれるところだ。

5.NECがOpenFlowの基盤ソフトを開発、大学や研究機関に提供開始(2. 2 nikkeibp)
   
   記事一覧へ >>  NECは2011年2月1日、ネットワークの経路制御・品質確保技術「OpenFlow」を用いた研究開発用基盤ソフトウエアを開発したと発表した。日 米の大学や研究機関への提供を開始しており、既に米スタンフォード大学と、日本の九州工業大学、北陸先端科学技術大学院大学に提供した。

 OpenFlowは、現在はスイッチが担っている経路制御などの処理を分離し、外部の“制御サーバー”で動くソフトウエアで実行できるようにする。これ で、ネットワーク機器を一元的に制御したりアプリケーションの種類によって構成を変えたりするなど、ネットワーク制御の柔軟性を高められる。ネットワーク 技術やインタフェース仕様は、スタンフォード大学を中心に設立された「OpenFlowコンソーシアム」が提唱している。NECは同コンソーシアムの初期 段階から参加している。

 NECが開発した基盤ソフトウエアは、OpenFlowの制御サーバーを構築するためのもの。経路計算、ネットワークトポロジーの管理といった機能をモ ジュール化して実装可能。モジュールを組み変えたり追加したりすることで、新しいネットワーク機能を容易に実現できる。またモジュールは複数のプロセス、 CPUに分散して実行可能で、大規模なネットワークの構築や実験にも対応する。分散システムでネットワークを集中制御する際に使えるフレームワークも提供 する。




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