週間情報通信ニュースインデックスno.791 2011/01/22


1.新興国の台頭で多極化する世界、日本は立ち位置を再確認せよ(1.17  nikkeibp)
大前研一
 1月6日付の英フィナンシャル・タイムズ紙に「経済が停滞しても幸せな国ニッポン」という興味深い記事が掲載された。その主旨は次の通りだ。
 現在の日本が「すっかり道に迷った」と称される状態に沈んでいる一方、それが部分的な側面に過ぎないとして、日本は「無限の発展」という幻想がもっと奥 深いものに取って代わられたとする論文を紹介しながら、「日本は経済成長の次の段階に入った」としている(ポスト成長時代)。

フィナンシャル・タイムズの記事はお情け半分、皮肉半分と見るべき
 なるほど、経済は低迷しているとはいえ、日本はまだまだ豊かである。欧米各国と比べると失業率は低く、貧富の格差も小さい。環境問題に対する意識も高い し、世界に誇るべき技術もある。若者たちは高望みをしないし、ダウンサイジングするのも悪くないと思っている。「安全、安心、エコ」な日本ほど安定してい て住みやすい国はない、というわけだ。

 皆さんはこの記事についてどう考えるだろうか。希望の持てる話題に出合えたと思うだろうか。私はいささか楽観的過ぎる見方ではないかと思う。
 日本の現状を鑑みれば、やはりフィナンシャル・タイムズ紙の論調を鵜呑(うの)みにするわけにはいかない。これはお情け半分、皮肉半分の記事と見るべき である。このところ日本の低迷ぶりを伝える記事ばかりだったので、そろそろバランスを取っておくかという思惑で掲載された記事と理解しておくべきだろう。

 世界から日本を俯瞰(ふかん)したとき、好意的な記事が一つあれば、その裏には数多くの悲観的な論考があるということに気づかなければいけない。

日本のようにだけはなりたくない」というのが各国の本音
 私は先進国やアジアの新興国の政治家、経済人と会って話す機会が多くあるが、その経験から言えば、世界が日本を見る目とフィナンシャル・タイムズ紙の記 事との間にかなりの温度差を感じる。なぜなら、「日本のようにだけはなりたくない」という表現があまりにも多くなっているからだ。

 1980年代は米国を脅かすほどの繁栄ぶりを見せた日本だが、バブル経済の崩壊以降、急速に衰えたのはご承知の通りだ。94年に1人当たり国内総生産 (GDP)で世界一を達成したが、一昨年は26位、そして昨年(2010年)の統計が出そろえばもっと下がっているかもしれない。

 世界は当初、「あれ? 何だか日本の調子がおかしいぞ」とは思いつつも、「まあ、すぐに回復するだろう」と日本経済を楽観的に見る向きが多かった。何し ろ経済の絶頂を極めた80年代は、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」だの、「21世紀は日本の時代」だのといった論調が世界中にあふれていたからである。

 ところが、それから5年たち10年がたち、ついに20年経過しても、いっこうに日本は元気を取り戻さない。結局、他に類を見ないほどの転落劇を演じてし まったのだ。
 なまじその繁栄ぶりがすさまじかっただけに、世界から日本を見ればジェットコースターが急降下するような眺めだったのではあるまいか(もっとも乗ってい る日本人当人たちがそのような認識を持っていないのが、これまた問題ではある)。言うまでもなく、国家や企業経済は遊園地ではないのだから、そんな「スリ ル」は回避しなければならなかったのである。
そう考えると、先の「日本のようにだけはなりたくない」という表現はさらに重みを増してくる。わざわざそう表現するほどに外から見た日本の落魄(らくは く)ぶりは際立っており、各国とも日本の轍(てつ)は何としても踏みたくはないと考えているのである。

2.NTT東西が光アクセス接続料を申請、毎年見直しで3年後に約3割値下げ(1. 21 nikkeibp)
 NTT東西地域会社は2011年1月21日、ユーザーとNTT局間を結ぶ光アクセス回線の接続料の認可を総務省に申請した。2011年度から2013年 度までの3年間に適用するもので、毎年度ごとの需要と原価の予測を基に段階的に低廉化する料金を設定した。

 1芯を1ユーザー専用で利用する「加入者光ファイバ接続料」は、NTT東日本の場合、2011年度に4194円(現行料金の−9%)、2012年度に 3568円(同−23%)、2013年度に3380円(同−27%)。NTT西日本は同様に、4784円(同−3%)、4578円(同−7%)、3426 円(同−31%)と最終的に現行料金の7割程度の水準に引き下げる。

 なお、フレッツ光などに使っているシェアドアクセス型の「光信号主端末回線」も同じように段階的に値下げし、2013年度にNTT東日本が2982円 (同−29%)、NTT西日本が3010円(同−31%)となる。

3.スマートフォン利用者の6割強が「ガラケーと2台持ち」、ユーザー実態調査で判 明(1.20 nikkeibp)
 マーケティング調査会社のメディアインタラクティブは2011年1月20日、インターネットユーザーを対象に実施した「スマートフォンの利用に関する実 態調査」の結果を発表した。調査結果からは、スマートフォン利用者の6割強が、スマートフォン購入後もいわゆる「ガラケー」と呼ばれる従来型の携帯電話端 末をなかなか手放せずにいる実態が浮かび上がった。

 今回の調査は、2011年1月12日から14日までの3日間、全国のインターネットユーザーを対象にWebアンケート方式で実施した。有効回答人数は 500名。設問数は合計8問で、スマートフォン所有の有無や今後の購入予定などについて尋ねた。

 まず、現在スマートフォンを所持しているかどうかを尋ねたところ、「所有している」と回答したユーザーは全体の16.8パーセントにとどまった。そこ で、「所有していない」と回答した83.2パーセント(416人)のユーザーに対して購入予定を尋ねた。すると、「すぐに購入したい」と答えたユーザーは 2.2パーセントと少なかったものの、「検討中」あるいは「検討する」と回答した購入意欲を持つユーザーの割合は合計で46.4パーセントに達し、半数近 くのユーザーがスマートフォンの購入に前向きであるという結果となった。

4.コーヒーチェーンのStarbucksがモバイル決済を全米展開、iPhone やBlackBerryで利用可能(1.20 nikkeibp)
 コーヒーチェーンの米Starbucksは現地時間2011年1月20日、スマートフォンを使った独自のモバイル決済システムを全米約7800店舗に導 入したと発表した。これまでシアトルやニューヨークなどの一部の店舗で試験導入していたが、これを約6800の直営店と、ディスカウントストア大手である 米Target内の約1000店舗に拡大した。

 顧客は、スマートフォン用のアプリケーション「Starbucks Card Mobile App」をダウンロードし、決済口座を登録して使う。店内では、画面の「支払い」ボタンを押して、顧客専用のカード番号とバーコードを表示し、これをス キャンして決済するという仕組み。プリペイド方式の「Starbucks Card」のモバイル版という位置付けだ。アプリケーション内ではクレジットカードからのチャージのほか、残高チェックやポイントプログラム、店舗検索と いった機能が利用できる。

5.NTTコム、4月提供開始の新WANサービス「Universal One」の概要を明らかに(1.19  nikkeibp)
 NTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)は2011年1月19日、同社の複数の主要なWANサービスを統合・再編した新サービス 「Universal One(ユニバーサルワン)」を発表した。このサービスはIP-VPNサービス「Arcstar IP-VPN」「Group-VPN」、広域イーサネットサービス「e-VLAN」「Group-Ether」の後継という位置づけ。さらに、専用線サー ビス「ギガストリーム」シリーズのなかで、イーサネットを利用するタイプを統合する。4月からサービスの受け付けを開始する予定だ。

 同社取締役 ビジネスネットワークサービス事業部長の原隆一氏は、「ネットワークの伝送技術が進化するごとにサービスを追加してきたため、現在、当社のVPNのメ ニューだけでも200項目以上になっている。ユーザーにとってサービスが選びにくい状態にある」と現状を説明。「レイヤー2(L2)のネットワーク技術は イーサネット、レイヤー3(L3)はIPに集約されてきたこのタイミングでサービスを整理する。ユーザーはシンプルなメニューで、サービスとしてネット ワークが利用できるようになる」(同氏)と、導入の狙いを語る。

通信品質が異なる4種類のプランから一つを選択
 Universal Oneでは、従来のWANサービスからメニュー構成を大きく変更している。これまでユーザーは最初にIP-VPN、広域イーサネットなどレイヤー別にサー ビスを選ぶ必要があったが、Universal Oneではまず通信品質が異なる4種類のプランから一つを選択し、さらにL2/L3どちらで接続するかを選ぶ形だ。

 新しいプランは通信品質の高い順に「プレミアムプラン」「ギャランティプラン」「バーストプラン」「ベストエフォートプラン」となっている。これによ り、企業は特別な設備を用意したり、別途料金を支払ったりすることなく、拠点ごとにL2/L3のサービスを使い分けることができる。既存のサービスでは、 L2/L3それぞれのWANサービスを個別に契約した上で、相互接続のインテグレーション料金や、接続用ゲートウエイを置くデータセンターの利用料などが 必要だった。



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