週間情報通信ニュースインデックスno.788 2011/01/01


1.5980円デジカメの勝算(12.28 nikkeibp)
 写真店チェーン大手が超低価格のデジタルカメラを投入。顧客を囲い込み、プリントなど「撮影後」の需要を喚起する。サービスの収益化を急ぐメーカー各社 の手ごわい敵となり得る。
 いわゆる写真店であるDPE(写真の現像・焼き付け・引き伸ばし)の大手チェーン、パレットプラザの市ヶ谷店(東京都千代田区)。子供の写真などでオリ ジナルの年賀状を作ろうとする客でにぎわう売り場の中央に、デジタルカメラが並んだ。店舗を運営するプラザクリエイトの自社ブランド商品だ。

 目を引くのが価格。3機種を発売し、最も安いのは5980円だ。それでも有効画素数は1000万画素で、3.0型の液晶モニターと光学3倍ズームを搭 載。性能面では家電量販店に並ぶカメラメーカーの製品と遜色ない。1400万画素の最上級機でも9980円に抑えた。

 プラザクリエイトは年内に3万台の販売を見込む。今後はビデオカメラなど品揃えを増やし、全国に約960ある傘下のDPE店で順次販売する。
 このデジカメを生産するのは台湾のEMS(電子機器の受託製造サービス)大手。デジカメは国内メーカーのシェアが世界的に高い業界だが、こうした低価格 のコンパクト型ではコスト抑制の観点から多くのメーカーがEMSを活用している。実際、プラザクリエイトの生産委託先は、ほかの国内メーカーにも製品供給 しているという。

 デジカメ業界では今、生産を外部委託するほど製品の均質化が進み、価格はさらに下落する悪循環に陥っている。プラザクリエイトは既存メーカーよりさらに 安くしたわけだから「利益は大して出ない」(大島康広社長)。

 過当競争の市場にあえて参入した理由は、本業であるプリント需要の掘り起こしにある。自社ブランドのデジカメは手ぶれ補正などの付加機能を最小限にとど め、購入者には1年間にわたってプリント代を2割引きにする特典を設けた。プリントするのは年賀状を作る時くらいという消費者の来店頻度が高まれば、十分 に元は取れる。

 2000年代初めにフィルムカメラに代わってデジカメが普及したことで、DPE店で写真をプリントする需要は急減した。プラザクリエイトの業績も、年度 前半の赤字を年賀状需要がある後半で補う構造が定着している。

 だが追い風が吹きつつあると大島社長は感じる。デジカメ本体の採算が悪化したメーカー各社が、個人が撮りためた膨大な写真データの整理、活用といった 「撮影後」のサービスで稼ぐ姿勢を強めているからだ。写真に関するサービスでプリントは欠かせない。

 現在のところメーカー各社は、ネット上で写真を保存・共有してデータ容量に応じて課金する会員制サービスが主流だ。プラザクリエイトはネット上から写真 のプリントを注文できるシステムを持ち、ニコンなどの会員サイトからのプリントを請け負う。 自社ブランドのデジカメで顧客を囲い込めば、プリント以外の 新たなサービスでもメーカーと互角に戦えるとの思惑が透ける。

 一方、サービス強化でデジカメの構造や機能も大きく変わる可能性がある。例えば写真をより効率的に整理するため、撮った写真データをその場でパソコンに 送信できる通信機能。デジカメ本体ではなく、SDカードなど外部記憶媒体に通信機能を持たせる技術も実用化されており、アイデア次第で新たなヒット商品が 生まれる。

 いずれにしても、モノとサービスをいかに融合させるかが収益モデルの確立には欠かせない。主導権争いに加わるには両方の機能を持つ必要があるが、モノは EMSで簡単に作れる時代。デジカメの次の勝者はメーカーではないかもしれない。

2.「ラジオ番組が電子書籍に」、山陽放送が電子書店出店サービス「wook」採用(12. 28 nikkeibp)
 ドリームネッツ(本社:広島県福山市)は山陽放送と共同で、山陽放送ラジオ「おかやま朝まるステーション1494」に出演したゲストとのトークを電子書 籍化を進める。その第一弾として、電子書籍版「ラジオ語録 岡山の百人(その1)」のインターネット上での公開と販売を2010年12月21日に開始し た。ドリームネッツが2010年6月から提供しているテナント型電子書店モール「wook(ウック)」を採用した。

 電子書籍では、おかやま朝まるステーション1494に出演した地元岡山の政治・経済・文化など各界のリーダーの趣味やプロフィール紹介、ラジオパーソナ リティとの3日間(または2日間)にわたるトークを抄録している。

 リスナーにラジオ放送を提供するだけでなく、番組放送後でも繰り返し読めるようにするため、このサービスを企画したという。通常の紙の本での出版ではな く、インターネットを介して多くの人に伝えられる電子書籍として出版をすることなったという。

 今後山陽放送は、「朝まる語録」を20名ずつシリーズ化して出版する。またその他の放送番組についても内容を電子化し「wook」内の山陽放送専用電子 書店サイトで販売を行っていく予定。ラジオ放送と電子書籍のクロスメディア化を目指すという。

 なお、wookについてドリームネッツは、「電子書籍の作成から販売、自社専用の書籍紹介サイトの開設など電子出版に必要な機能をオールインワンで搭載 し、手軽かつスピーディに電子出版ビジネスを始めることができる」と評価されたと説明している。

3.激化するiPad追撃戦(12.30 WSJ)
 米アップルの多機能端末「iPad(アイパッド)」の追撃戦は、来週、多数の企業がさまざまなタブレット型端末をひっさげて参加する、世界最大の家電見 本市、CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で新たな局面を迎えることになる。

 ラスベガスで開催されるCESでは、モトローラ、デル、宏碁(エイサー)といった大手企業が、小型機器のほか、タッチスクリーンのタブレット型端末を投 入する見込み。各社は端末のディスプレイの大きさや基本ソフト(OS)などで差別化を図る。内蔵カメラ2台を備えた機種もあれば、全く搭載していない端末 もある。

 多くの企業、特にソフトウエア最大手の米マイクロソフトと半導体最大手の米インテルにとっては大きな賭けだ。PCテクノロジーの中核を担ってきた両社 は、現在、米グーグルのOS「アンドロイド」を搭載したタブレット型端末と、英半導体開発大手ARMホールディングスのチップデザインに苦戦を強いられて いる。

 どのような特徴が大勢の顧客の心をつかむのか、アップル以外のタブレット端末がヒットすることはあるのか――いまだに答えは出ていない。

 サムスン電子の米国部門で新製品を統括するニコラス・ディカルロ氏は、「(タブレット端末は)誕生したばかりの新しい市場。なにかを判断するには時期尚 早だ」と語った。

 サムスンはアップルと対等に勝負する数少ない企業のひとつ。同社は11月に米国で「GALAXY Tab(ギャラクシータブ)」を発売し100万台以上出荷した。同機種は米国で2年間のワイヤレスデータプラン付きで400ドル、プランなしでも約600 ドルという低価格が売り。一方、携帯電話回線に接続するアイパッドは最低価格629ドルだ。

4.光回線料、大幅下げへ=ブロードバンドの普及促進―NTT(12.29 時事)
 NTTが、来年春にも光回線サービスの利用料を大幅に引き下げる方向で検討していることが29日、分かった。2015年までに全世帯にブロードバンド (高速大容量)回線を普及させることを目指している総務省の引き下げ要請に応える。
 NTTは現在、光回線サービスを機器利用料を含めて月額5460円(戸建てタイプ)の定額制で提供している。今回新たに、基本料で一定量まで利用でき、 その後、使用量に応じて料金が加算される従量制を導入。基本料を安く設定することで、より加入しやすくしたい考えだ。
 詳細な料金設定は検討中だが、NTTはこれまでも、光回線を現在のADSL(非対称デジタル加入者線)並みに値下げする方針を示しており、光回線の基本 料はADSLの最高速サービスと同水準の3000円台になる公算が大きい。
 光回線サービスは全世帯の9割が使える状態にあるが、実際に契約しているのは約35%程度にとどまっているため、料金引き下げにより一層の普及につなげ たい考えだ。

5.ドコモの新サービス「Xi」レビュー(12.24 ケータイWatch)
 2010年12月24日、NTTドコモは、LTEを使った新しい通信サービス「Xi(クロッシィ)」をスタートした。あわせて「Xi」対応端末として、 LGエレクトロニクス製の「L-02C」が発売された。
 LTE(Long Term Evolution)は、新しい通信規格だ。NTTドコモのサービスでは、当初、下り最大37.5Mbps、上り最大12.5Mbpsの理論通信速度と なっている。一部の屋内エリアでは、利用できる周波数が倍(10MHz幅)となり、速度も倍の最大75Mbpsとなる。

 LTE自身には後方互換性はないが、「L-02C」は、W-CDMA方式(FOMA)とLTE方式のデュアルネットワークに対応している。FOMAハイ スピード(受信7.2Mbps/送信5.7Mbps)もサポートし、800MHz帯のFOMAプラスエリアでも利用可能だ。「Xi」という1つのサービス を契約するだけで、LTEとFOMAの両方のネットワークを利用できる。

SIMカードスロットにアクセス可能
 「L-02C」は、いわゆるUSBドングル型となっている。サイズは90×35×12.9mm、重さは44g。端子カバーになっている部分は折れるよう になっている。そこを折ると、USB端子が露出する。端子カバー部分には、SIMカードスロットやステータスランプが付いている。

 対応するパソコンは、Windows XP/Vista/7およびMac OS X 10.5.8(Leopard)〜10.6.4(Snow Leopard)。MacはIntel Macのみの対応だが、新サービス開始直後からMacに対応しているのは、Macユーザーにとっては嬉しいポイントである。ユーティリティソフトの見た目 も機能も、WindowsとMacで全く同じだ。

 USB端子はフルサイズのオス形状なので、そのままパソコンに挿せる。しかし端子カバー部分はそれなりにあるので、ノートパソコンのUSB端子の位置に よっては、装着できなかったり、隣接する端子に干渉したりするかもしれない。筆者が試したところ、旧モデルのMacBook Airでは、直接接続できなかった。

 ドライバーソフトや接続ユーティリティは、「L-02C」に内蔵されていて、L-02CをパソコンのUSBポートに差し込むと、各種セットアップが開始 される。とくに難しいポイントはない。
。それほど頻発するトラブルでもなく、発生してもすぐに再接続できる。しかし、ストレスに感じる点ではある。できれば改善を期待したいポイントだ。


 LTEエリア内での速度は良好
 今回は東京の渋谷駅近辺を移動しながら、通信速度測定サイトを使い、L-02Cの速度を測定してみた。使用機材は旧型のMacBook Air(Mac OS X 10.6.5 / Core 2 Duo 1.6GHz)で、12月25日(土曜日)の昼過ぎから夕方にかけて測定している。ここで測定した数字はあくまで筆者が試した時点で、通信速度は様々な条 件で変動するため、必ずしも再現性のある数値ではない。ご了承いただきたい。

 渋谷駅前は、ドコモの公表するエリアマップではLTEのサービスエリア内だ。測定中はユーティリティソフトの「Xi」のアンテナ表示は最大のままだっ た。
 まず渋谷駅前の待ち合わせスペースでは、だいたい下り速度が11.2Mbps、上り速度が331kbpsという結果となった。上り速度が低いのが気にな るが、Windowsマシンなどほかの環境で試してみても同様の傾向が見られた。ネットワークかL-02Cのチューニングが万全ではないのかもしれない。

 アンテナ表示が最大ならば、速度も最速、というわけではないらしい。青山通り沿いの国連大学前(青山学院大学の向かい)の広場に移動して測定したとこ ろ、下り20.5Mbps、上り634kbpsと、、さらに高速な結果が得られた。やはり上り速度が低めだが、速度的には渋谷駅前のほぼ倍にまで伸びてい る。

 LTE圏外でもFOMAプラスエリアが頼もしい
 一方、地下など電波が届きにくい場所はどうだろうか。先述の国連大学近くの地下商業施設にある飲食店内(地下1階)では、「Xi」の電波を捕まえること はできなかった。この地下商業施設、ドコモ(FOMA)とauはかろうじて使えるものの、ソフトバンクモバイルは圏外と、ケータイにとっては過酷な環境と なっている。

 「Xi」の電波は届いていないが、「L-02C」は、FOMAネットワークも使える。「Xi」圏外では、ユーティリティソフトのアンテナ表示は 「LTE」ではなく「HSDPA」や「W-CDMA」となり、そちらで通信を行うことを示す。この地下商業施設では、ときおりHSDPAからW-CDMA に切り替わったが、それでも下り速度は4.0Mbps、上り速度は367kbpsとなっていた。

 「Xi」の特徴として、ドコモでは「高速」「大容量」「低遅延」の3つをアピールしている。実際に試したところ、遅延はなかなか優秀だ。国内のサーバー に対してPingコマンドを実行したところ、だいたい60〜90msと、100ms以下を維持していた。

スタートキャンペーン期間中は割安
 
 実際に契約する上で、気になるのは料金体系だ。現在のケータイの料金体系は、データ通信でも段階制の定額式が主流だが、「Xi」の価格設定は少し変わっ ている。2年の期間拘束付きの「Xiデータプランにねん」の場合、最低月額料金は1000円で、1KBあたり0.315円、最初の上限が6510円とな る。最初の上限は、通信量が5GBまでで、5GBを超過すると2GBごとに2625円が追加課金される

 期間拘束のない「Xiデータプラン」も用意され、こちらは2470円〜7985円だが、1KBあたり単価、5GB以降の課金は「Xiデータプランにね ん」と同じだ。このほか、プロバイダ料金が必要で、たとえばmopera Uスタンダードプランであれば、月額525円かかる。

 なお、サービス開始にあたり、現在は「Xiスタートキャンペーン」が実施中されている。2012年4月30日まではデータ料金の上限が割引され、「Xi データプランにねん」で上限4935円、「Xiデータプラン」は上限6450円となり、「5GB以降の超過料金」もかからない。プロバイダ料を加えても 「Xiデータプランにねん」は1000円〜5510円で使い放題になる。従来のドコモのデータ通信プランと比べ、安い水準と言える

 端末価格については、「Xiデータプランにねん」で新規契約するならば0円に割引したり、パソコンとのセット割引を実施したりしている販売店もあるよう だ。


 10Mbps超のデータ通信サービスとしては、「Xi」以外にも、UQやMVNOによるWiMAXサービス、イー・モバイルの「EMOBILE G4」が提供中で、2011年2月にはソフトバンクの「ULTRA SPEED」が開始される。それぞれエリアや速度、料金、対応端末、期間拘束などで違いがあるが、その中にあって「Xi」は、FOMAのエリア全域で使え る、という点が大きなポイントとなっている。高速データ通信サービスを契約する際には、そうした違いを踏まえ、自ら必須とする条件にあったものを選択する べきだろう。

 


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